「涼宮ハルヒと私は普通の人間ではない。  
文字通り純粋な意味で私達は一般的な大多数の人間と同じとは言えない。  
この銀河を統括する情報統合思念体によって選ばれた人間。つまり…  
 
“彼らの代弁者”  
 
それが私の属性」  
「………」  
「情報統合思念体とは…宇宙開闢とほぼ同時に存在し、膨張し、巨大化し、我々人類を“観測”してきた。  
銀河系、それどころか全宇宙にまで広がる情報系の海から発生した肉体を持たぬ情報生命体  
実体を持たずただ意識としてだけ存在する“それ”を…いつしか我々は“神”と呼称するようになった。  
私の任務は彼らの意識を知覚できる者として彼らの意志の代弁、SOS教団を世に普及すること。  
私を信じて。そしてできれば今すぐにSOS教団に入団して」  
 
なんてこったい…普段無口な少女が唐突に語りだしたと思ったらよもやの胡散臭い宗教勧誘。いつだったか佐々木にネズミ購を勧められた時以上の衝撃だぜ。  
「ところでだ。さっきの話だと涼宮ハルヒが普通じゃない理由がわからんのだが」  
「彼女は旧約聖書でいわれるところの聖母の属性を付加された人物。そして私は彼女とあなたを導き“救世主”を誕生させるのが当面の目的」  
………これ以上は付き合いきれ―  
「ついでに私という個体もあなたの子を授かりたいと思っている」  
―んこともない。電波系とは言え美少女は美少女だ。据え膳食わぬはなんとやらと言うだろ?って、いったい俺は誰に弁明してるんだろうね。  
「とりあえずだ、長門」  
「なに?」  
「その、なんだ…いきなりそういう関係になるのもアレなんでとりあえず友達以上恋人未満から初めてみないか?」  
「そう…イクジナシ」  
 
「というわけでハルヒ、俺たち付き合うことになったから」  
「…そ、そう……(くっ、全てにおいて先を越されたわ!有希…恐ろしい娘っ!!)」  
 

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