『笹の木低胸曲』  
 
佐々木のトンデモ願望に頭を抱えつつ、一応確認してみることにした。その怪しげな不思議体験とやらは初回だけだったんだよな?  
「ああ、心の底から残念なことにね。もちろん周防さんには何度も頼んでみたんだが、彼女との意思疎通はなかなか難しいのさ。  
なぜか藤原君はそれなりにコンタクトが取れているようだが、僕の対人スキルではいかんともしがたくてね。まあ彼女の場合は対人じゃないのかもしれないけど」  
周防との対話にならない会話を思い出したらしい佐々木は、さも楽しそうにくっくっと喉を鳴らす。  
「それで僕は気付いたんだ。不確実な手段を期待するより、橘さんのいう願望実現能力とやらが僕にあれば、あの天国を再現できるんじゃないかってね」  
おい、橘。おめーは佐々木が神様になれば、世の中は安定して平和になるとか言ってたけど、明らかにダメな世界にする気満々じゃねーか。  
「現状を維持するままではジリ貧になること解ってるんだけど、どうすればいい方向に向かうことが出来るのか解らず悶々としていた僕だったんだが、  
たまたまニ○ニコで見たあのMAD動画に天啓を受けて、涼宮さんに宣戦布告をしたってわけさ。  
まぁ結果的には願望能力云々じゃなくて、にっくき親友という得がたい存在を手に入れ、さらに、複数のキョンに無慈悲に輪姦されるのも悪くないけど、  
一人の君に優しく乱暴されるほうがずっと気持ちいいってことを、ついさっき肛門に刻み込まれたから、もうどうでもいいんだけどね」  
えーと、俺の暴走は世界を救った……のか?   
なんにせよ、すまんな橘。お前の計画は完全に頓挫したみたいだぞ。  
 
「でも、なんでそんなことを聞くだい?」  
いや、こっちの仲間が周防と会うたびに風邪を引いちまうんでな、どんな些細な情報でも手がかりになるかもしれないと思ってさ。  
「長門さんといったかな、あの小柄な制服を着た子のことだろ?ふーむ……しかし、それは本当に病気なのかな?」  
正確に言うと病気じゃないんだろうが、高熱を出してぶっ倒れちまうんだ。  
コンピューターにウィルスが侵入してアラートが鳴り響いてるみたいなもんだと思うんだが、こっちのもう一人の専門家でもいまいち原因をつかめないらしくてな。  
「ふーむ。それはウィルスの侵入というより、彼女が周防さんとのコンタクトを再び体験してるだけって事は考えられないかな?」  
長門が周防と会うたびにあの不思議体験をしてるってのか?それはあるかもしれんが……でもそれじゃ高熱を出す理由にはならんだろ。  
「いや、橘さんの話だと、長門さんはたしか情報処理能力の固まりなんだろ。  
僕ですら十人以上に分裂したキョンに輪姦してもらったんだ。  
彼女が僕の何億倍の情報処理能力を持つかは知らないけれど、少なく見積もっても全人類がキョンで、それに輪姦されている計算になる。  
凄いな。きっと空港みたいのがあって、キョンが僕の体を使うためだけに、ずらっと列を作って待っているのさ。  
100人位ずつの団体になって、待合室とかがあってさ、電光掲示板が待ち時間を刻一刻と記しているに違いない。  
いや、それどころじゃないな、全人類がキョンなら、さすがの僕の体でも捌ききれないだろうからね。  
輪姦される僕がドロドロに堕ちていく様子が、全世界に向けてライブ中継されて、それを見た全世界のキョンが蔑みの視線で僕を見下しながら、手淫するんだ。  
しかもキョンの回復力なら一回で済むはずがないからね。一人が何度も何度も僕の体を弄び、  
それに飽きたキョン達が、まるで仕事だといわんばかりのあきれた表情で、僕の痴態で白いものを飛ばすんだ。凄いよ。想像を絶するような天国だ。  
そんな幸せに浸ったら、いくら宇宙規模のCPUとはいえ、知恵熱を起こしてオーバーヒートを起こしても、なんら不思議はなかろう」  
あらぬ方向に目線を漂わせながら、ぽわんとした夢見心地で語り続ける佐々木。  
長門が周防とのコンタクトで知恵熱起こしてるかもしれないって言う切り口はたしかおもしろいが……  
って、おーい!さ さ き さーん!聞こえてますかー!?  
 
「それに放出される精液は凄い量のはずだよ。僕のときですらキョンのスペルマに半身浴だったからね。  
それから逆算すると……彼女は、こってりしてまろやかなキョン汁の海でシュノーケリングどころか、  
深い海溝の底でキョン圧で押しつぶされそうになっているに違いない!そりゃ全身の細胞が火照って高熱を出すってもんだよ!!  
なんて羨ましいんだ……白く濁ったキョンの、キョンの海で溺れ死ぬなんて、これ以上はない理想的な死に様じゃないか!  
むう。長門さんめ。そんな壮烈な戦死を遂げて、天国を漂っているとは!!さすがだ。さすがだよ!  
くううぅぅ。なぜ僕じゃないんだ!これって激しく不公平じゃないか!?」  
お前の変態願望進化版を長門に押し付けんな!てか、長門を勝手に殺すな!それに俺に文句を言ってもしょうがないだろうが。周防に言え、周防に。  
 
「おやおや、やっぱり君ってやつは罪作りな男だよキョン。それとも君一流の韜晦かな?  
まぁ本当に君が気付いていないなら、敢えてライバルを増やす気はないけどね。  
僕はひそかに、彼女はこの戦いに参戦してくるんじゃないかと踏んでいるくらいなんだよ」  
いや、それはないな。あいつはありのままのハルヒを観察することが仕事なんだ。だからわざわざ刺激するような真似は金輪際しないさ。もう二度とな。  
「くっくっ、それはどうかな?涼宮さんの願望実現能力は近頃落ち着いてきているんだろ?  
それに焦って、橘さんは僕にコンタクトを取ることにしたって言っていたよ。  
宇宙的なものの考え方なんてさっぱり見当もつかないけどね、涼宮さんを刺激するのに最も効果的な方法は、君に手を出すことだろ。  
てことは、君を犯して涼宮ハルヒの出方を見る!なんて言い出しかねないんじゃないかな」  
さもおかしそうに喉を鳴らして笑う佐々木。こいつにとってはちょっとしだジョークなんだろうが、思い当たる節がありすぎて、わき腹の辺りがズキズキ疼きまくりだ。  
長門は絶対に大丈夫だろうが……長門のピンチなら大喜びで出張ってくるヤツがいるからな。こいつはしゃれにならん事態なのかもしれん。  
 
 
本気で悩む俺の青白い顔を心配して、佐々木が話題を変えてきた。  
「おいおい、ちょっとしたジョークなんだからそんなに気にしないでくれよ。  
君が他の女の中で果てるなんて、想像するだけでも下腹部が火照る事態だがね。まぁ長門さんならよかろう。堂々と受けてたつ自信があるよ。  
…………だが、もう一人のかわいらしい人はだめだ。あの人には絶対手を出しちゃいけないよ。分かってるだろうね、キョン!?」  
もう一人って朝比奈さんのことだよな?あの御方は北高の女神様だからな。  
俺ごときが手を出すなんて、想像することすらおこがましいが……でも、なんでまた長門はよくて、朝比奈さんはダメなんだ?  
 
「あの人は……あの人は『あれ』を持ってるだろ!」  
あれ?ってえーと、どれのことだ?  
「あれだよ、あれ!あの物体さ!具体的には口に出すのも憚られるが、円周率記号のことだよ!」  
円周率?ってことはπか?  
「そうさ!あの羨ま……汚らわしい物体さ!まったく、あんな代物はしょせん9割が脂肪細胞じゃないか!  
それが何だってあんなにもてはやされるんだ!?ぜったい間違ってると思うだろ?いや、思わなければいけないはずだ!  
だいたい、あれは妊娠前後に乳腺細胞が機能する以外は、本質的には胴回りに付く肉と同じなんだぞ!  
それがなんだいあの待遇の差は!!君にはウエストや二の腕に配置されてしまった脂肪細胞たちの悲痛な叫びが聞こえないのかい!?」  
待て、落ち着け佐々木。とりあえず首を絞めるな、やべ、意識が……あれ、なんか川が見えるぞ?  
「キョン!聞いてるのかい!?まったく君というやつは。今日という今日はトコトン説教してやるからな!そこに座りたまえ!」  
リラックスしたアヒル座りから正座に直し、ピシッと背筋を伸ばす佐々木。やべえ、久々に見る本気モードだ。  
「だいたいだね、カップ差なんてものは、しょせん胸囲のトップとアンダーの差を2.5cmごとに分けた指標に過ぎないんだ。  
2.5cmだよ、2.5cm!しかも、これは半径ではなく円周だぞ!さあ計算してみたまえ、円周2.5cmの差が半径で言えばいかに些細なものであるかを!」  
えーと、円周って2πrだったよな。ってことは6で割るから、えーと……5mm弱くらいか?  
「違う!円周率を3で計算するなんて、君というやつはなんて不用意な男なんだ!!  
いいかい!?円周率の歴史というのはだね、古代バビロニアの時代から始まり、コイレンの計算を経て、現代のスパコンでは1兆2411億桁も計算されていてだな、  
幾何学の根本にして最大のなぞとでも言うべき、コラ!きちんと聞きたまえキョン!!  
要約すれば、円周率を3で計算すれば、カップ差は半径で言うところの4.1666mmだがね、3.141592653589793で計算すれば、3.9788735…mmだ!4mmを切るのだよキョン!!分かるかいこの差が!!!」  
分かった。分かったから、首を絞めるな、頭を揺するな……あれ、曾ばあちゃん?  
「むむむむ!君は今、たかが4mmじゃないかとか思ったな!?そのあと4mmがあれば大台に届くのにと涙を呑む女がこの世にいかに多こといか!君は知ってるのかい!?  
だいたいだね、ウエストは60以下を求めたりするくせに、アンダーの65を評価しないのはなぜだ!?D75よりB65のほうがよっぽど希少価値が高いじゃないか!!!」  
いかん。完全にぶっ飛びモードだ。このままだと一晩中説教されかねん。えーと、なんか突破口はないか、突破口は?  
 
「これは階級闘争だ!Bに光を!!ハイパーインフレを起こしているグラビア界における詐称撤廃を!  
E以上を名乗るからには、中立の立場にある医師による診断書の提出を義務付けるべきだ!!君もそう思うだろキョ、ひゃうん!こら、さわるな〜!」  
制服の上からでも、十分柔らかくて気持ちいいぞ。ほれ、ふにふにふにふに  
「こら、き、きみは、僕をイかせて、この話題をうやむやに、す、する気だな。そ……そうはいかな……ぃ、ぁん!」  
激怒モードの興奮から、そのままの勢いでエロモードにシフトチェンジする佐々木。そんなに気にするほど小さくないじゃないか。ほれっ、ふにふにふにふに  
「ぁんっんぁ、はぁはぁんっ!こら、キョン、やめ、だめぁ、直接触ったりしちゃだめだからな、ぜったいだぞ、ぜったいに……ひぁっ」  
とりあえず、腰砕けになった佐々木をベッドの上に引っ張りあげて、壁に背を預け、後ろから抱え込むようにして胡坐の上に乗せる。  
そして、両脇の下から手を入れ、お望みどおりに制服のブラウスのボタンをひとつひとつ外していくと、触るなといいつつ、佐々木はボタンが外しやすいように胸を張った。  
「べ、別に僕は、はぁん、キョンの、キョンの手が僕の胸を……す、すごい、心臓を直接触られている気分だよ、ひゃうっ」  
滑々のおなかを堪能するように撫でまわした後、スカイブルーのスポーツブラの下から手を入れると、佐々木の暖かい鼓動とともに、ふにふにと柔らかく滑々な感触が指先に伝わってきた。  
ハルヒのようにフワッと包み込むような大きさはないが、滑らかで指を弾き返す弾力……これはこれで十分すぎるほどに雄の理性を突き崩す魔性を秘めている。  
「ひぁっ、だめだよキョン。恥ずかしいからこんな小さな胸見ないでくれ。ぁっあっんっ」  
興奮で桃色に染まる佐々木の柔肌に煽られて、強引にスポブラを押し上げると、つんと張ったバストが現れた。  
それは小ぶりながらも綺麗なおわん型で、その頂には薄桜色の控えめで小さな乳首が遠慮がちに震えている。  
真っ赤になりながら俯く佐々木。その緊張の震えに合わせて魔性の小山がプルプルと揺れる。  
「かはぁっ!ん、あ、ぁ、あ、ぁ、あ、ぁんっ」  
強弱をつけて揉むリズムに合わせて変化する佐々木の嬌声。こんなに素直にな反応してもらえると、まるで楽器を奏でている気分になってくるな。  
すばらしい感度じゃないか。じゃあ、これをもっと強くしたらどうなるんだろ?  
「ひぃっ、ぎぅっ、あん、あんぁんあーーー!」  
素朴な疑問を解決すべく、ギュッと強く揉んでみると、佐々木の柔肌から鳥肌と共に脂汗が滲み出し、それが白磁の肌の滑らかさを一層際立たせた。  
その感触を楽しむように揉み続けると、若雌特有の甘いミルク臭が仄かに立ち昇り、脳がぐらぐらと突沸を始めた。  
 
「あぐっひぁんっ、ん、んぁ、きゃん!……ん……ぁ…………んんっ」  
そのあまりの柔らかい感触に夢中になって揉み潰しまくっていると、最初はあえぎ声を上げていた佐々木が、だんだんと押し黙り、下唇をかんで何かに耐えるようにしている。  
しまった、女性のバストは粘膜並みの感度があるんだよな。こんなに強く揉んだりしたら……  
「キョ、キョン、ひどいよ、ここまで奴隷の性感を高めておいて止めるのかい?君はどこまで巧妙で冷酷なサディストなんだ!  
ひぁっんぅ、やめないでください!どうか……もっと罰を!こんなバストのくせにキョンの奴隷に志願した僕に罰を!  
こんなの揉み潰してくれ!僕は、こんなバストでぼくは……滅茶苦茶にしてください!  
こんな浅ましいお願いをするマゾ雌をもっと徹底的に蹂躙してください!」  
べそをかきながら半狂乱で懇願する佐々木。  
すまん。そんなに気にしてるなんて知らなかったんだ。俺は手にしっくり来るこのサイズが大好きだぞ。  
だが、お前が気にしてるんなら、これから毎日お前が嫌がるまでずっと揉んで大きくしてやるからな、安心してくれ。  
それにこんなにすばらしい感触じゃないか。手始めにこれがどれだけ男を煽るかって事を体に刻み込んでやるからな。覚悟しろ佐々木!  
 
「ひぃうっキョンの、キョンの大きな手が僕の矮小な胸を!潰して!握り潰してぇ〜!あ、ぁぐ、ぁん!」  
一切遠慮せずに力の限りグニグニと揉み続けると、ピンと勃った乳首が誘惑するようにコリコリと手のひらに突き刺さってきた。  
それをクリクリとこね回すと、佐々木の嬌声がさらに一段シフトアップする。  
「ひああああ!潰してくれ!こんな小さなバストいらないんだ!ひゃんぅっ、いやなんだっ!キョンの、キョンのものにしてっ!僕を壊してぇー!!」  
ああ、お望みどおりにそんなコンプレックスごと揉み潰してやる!お前のおっぱいは最高だぞ佐々木!  
桜色にピンと火照った可憐な両乳首を親指と人差し指でつまみ、潰れろといわんばかりに力を込めてグリグリと左右にひねる。  
「ひああぁっ!焼けるよキョンっ抱きしめてくれ!僕は、ぼくはぁー」  
ガクガクと跳ねながら断末魔の甘い叫びを上げ、崩れ落ちる佐々木。  
後ろからギュッと抱きしめると、驚くほど華奢で頼りない感触が愛しさを倍増させる。  
うつろな瞳と艶やか香りを十分に堪能しながら、俺はいつまでも佐々木の甘い唇を貪っていた。  
 

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