唐突な話ではあるが、わたしは今、この世界に生み出されてからおそらく最大の危機であろう事態に襲われている。  
 
 わたしの目の前には、『彼』の顔がある。  
 『彼』、別名『キョン』、最重要観測対象であり涼宮ハルヒの『鍵』となるSOS団団員その1、そしてわたしにとっては………、  
 ………何だというのだろうか? まあ、これは特に解明する必要性のない疑問だ。  
 
 それよりも現在問題なのは今の現状である。  
 ………日本語がおかしい。どうやらわたしという個体も混乱状態にあるようだ。  
 とにかく、先程述べたように彼の顔が、まるでわたしに触れ合おうかというような距離にある。  
 いや、一部分は実際に接触している。  
 直接的な表現で言うと、わたしは、今、何故か、彼と、この惑星で言う接吻という口付けをちゅーしているのだ。  
 ………また日本語がおかしい。しかし、ここまで動揺するような事ではないはずなのだが………。  
 
 いや、まてよ、もしかして、  
 
   ………あ、ファーストキスだ。  
 
 
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  
長門さんchu!   
 〜立志編、あるいは部室内ドキドキファーストキス『ついカッとなってやりました。反省はしていません』編〜  
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  
 
 
1.  
 
 一応ではあるが、ここまでの経緯を説明しておこう。………ただし現状では、わたしも起こった事象を正確に処理できているわけではないので、情報の伝達に多少の齟齬が発生するのは看過していただきたい。  
 
 
 定型文的な始め方をすると、寒い冬が終わり、暖かい春の日差しが降り注ぐようになった放課後の一時の話になる、といった感じであろう。  
 わたしは部室でいつもの席に座り、陽だまりの心地よさを感じていた。  
 そういえば、いつからわたしはこのような暖かい日差しを心地よいと思えるようになったのだろうか? 春の終わり頃、あの夕焼けに染まる教室で彼の体温に触れた時だ、というのは少々詩的に過ぎるかもしれない。  
 ………話が逸れた、申し訳ない。  
 
 とにかく、そんな何の変哲もないいつもの放課後、わたしは部室で一人本を読みながら他の団員が来るのを待っていたのだ。  
 しかし、わたしの任務は涼宮ハルヒの観測であるはずなのに、団員と聞いて真っ先に思い浮かぶのが彼の顔だというのはどうしてだろうか? 彼は涼宮ハルヒに多大な影響を与えるからであろうか?  
 ………ああ、また話が逸れてしまった。重ね重ね申し訳ない。  
 いや、違う。別に話を引き伸ばす事で彼と少しでも長く触れ合っていたいなんて思っているわけではない。  
 
 ………信じて。  
 
 
 わたしが本を半分ほど読み終えたところで、彼の足音が聞こえてきた。目線は本に、意識は彼に集中。  
 じらすようなノックの後、少ししてドアが開いた。  
「おう、やっぱり長門だけか」  
 と、言いながら彼が入ってきた。目線を彼に向けて、コクリ、と挨拶。  
 しかし、いつも通りの事ではあるが、彼とはもう少し会話したいと思う。  
 ………あくまで情報収集のためで、他意はないが。  
 
 そんな実現しにくい希望はいいとして、話を先に進めよう。  
 ここからがいつもと違う点であるが、定型的な挨拶の後、何故か彼の目がわたしから離れなくなった。  
「何?」  
 彼に見つめられると、何故かいつも有機体部位、特に循環器系統に動作異常が出る。  
 ………特に問題はない、けれど。  
 そして彼が、今回もいつも通り動作異常を起こしていたわたしの疑問に答えず、無言で近づいて、  
「ん!」  
 わたしを壁に押し付けて無理矢理唇を奪ってきたところで冒頭に戻るわけである。  
 
 
 さて、当然の事ではあるが、経緯を説明するだけで事態が改善するはずもなく、わたし達はまだ唇同士で繋がりあっている。  
 
(ふああ)  
 しかし、何故だろう? 循環器系統は音が聞こえるほどの速度で動いているのに対し、思考回路が麻痺してしまっているかのように働かない。これは何らかの情報攻撃を受けている可能性がある。一応調べる必要性があるだろう。………、  
(………あれ?)  
 いつの間にかインターフェイスとしての能力が使用不可になっている。………どうやら本当に大ピンチらしい。  
 力が使えないと言う事は、今のわたしはそこら辺の女生徒となんらかわりないか弱い存在であるという事であり、何やら発情している男子生徒と二人きり、しかもキスまでされているというこの状況は、もしかしたらいろいろと奪われてしまうのではないだろうか。  
 
 まあ、相手が彼なのは不幸中の幸いというやつなのかもしれない。  
 こんな状態の彼であるというのは幸い中の不幸であるが。  
 
 
 彼の熱いモノがわたしをこじ開けようと割り込んでくる。グッと締めて抵抗。中に入れられたら、自分を抑える自身が無い。  
 彼は締めた部位の周囲を先端で責め立ててくる。  
 彼が上にいるせいで重力により、わたしの中に彼の体液が流れ込んでくる。  
「ふああ」  
 その感触に思わず声が出て、力が抜けた。その瞬間に彼のモノがねじ込まれる。  
「はむっ、ふっ、んっ」  
 迷わずお互いに絡みあう。粘膜をこすり合わせ、体液で音を立てる。  
「んっ、んんっ、………ふああ」  
 思考回路は完全に停止。今ならどんな命令にも従ってしまうだろう。  
 ………ところで以前、女の子がそんなに直接的な言葉を使うんじゃありません、と彼に言われたのを思い出したので婉曲的な表現を使ってみたのであるが、キスしているという状況は上手く伝わったであろうか?  
 
 
 ひとしきりわたしの口内を蹂躙した後、彼はわたしを机の上に横たえた。  
「あー、その、………いいか?」  
 彼の質問の意味なら理解している。あえて直接的に言うと、彼はわたしとの性行為を望んでいるのだろう。  
 はい、と答えるわけにはいかない。  
 彼には涼宮ハルヒがいる。別に観測対象だとか世界の危機だとかは関係ない。問題なのは、わたしにとっては二人とも大切な人だ、という事だ。  
 ………でも、理由は不明であるが、いいえ、とは答えたくない。  
 相反する理性と感情の結果として何も答えられなくなったわたしは、ただ彼の目を見つめ、決断を彼に丸投げする。  
 ………これは、すごく、卑怯な気がする。  
 彼は、そうか、と頷いた後、  
「じゃ、もらうぞ」  
 と、言ってくれた。  
 有機体部位の頭部が自動的に上下に動く。  
 ………本当は駄目な事。でも、これはエラーだから、仕方がない。  
 
 
 そして彼の手がわたしの服にかかった瞬間、  
「おんどれはわしの『シマ』で何さらしとんじゃーい!」  
 と、涼宮ハルヒが良く分からない方言もどきを喋りながら彼の頭を蹴り飛ばした。  
 どうやら危機は去ったらしい。  
 ………何故だろう? ………少し、残念。  
 
 
2.  
 
 涼宮ハルヒにより彼の生命活動が停止させられそうになっていたので、彼女に『先ほどの行為は彼が倒れそうになったわたしを支えただけ』と説明する事で何とかその場を収める。  
 『紛らわしい事をした罰として今日一日あたしに付き合いなさい』と言い、彼のネクタイを掴んで引きずっていく涼宮ハルヒ。  
 そうしてわたしはまた、一人で部室に取り残される。  
 ………少し寂しい、と思いながらも本の続きを読む事にした。  
 
 
「やあ、どうも。今日は長門さん一人で………」  
 二冊目に入ろうという頃に古泉一樹がやってきて、わたしの顔を見つめて動きを止めた。  
 ………彼と同じ反応!  
 戦慄が走るとはこういう事か!  
 いや、別に古泉一樹が悪い人間というわけではない。むしろ、一般的な価値観でいうと、古泉一樹に好意を抱かれるという事は一応女性型であるこの身としては喜ぶべき事なのかもしれない。  
 
 だけど、わたしは、イヤだ。  
 ………どうしてか、と問われると、答えはないのだけれども。  
 
「うおおおお、落ち着け、落ち着くんだ、僕!」  
 わたしの念が伝わったのか、そう言って、ガスッ、ガスッ、とロッカーに頭を打ち付ける古泉一樹。やがて頭から大量の血を流して動かなくなった。  
 良かった、………良くないけど。  
「すみませーん、遅くなりましたー。………って、古泉くん、大丈夫ですかー!」  
 朝比奈みくるがそんな古泉一樹に驚きながら入ってくる。  
「長門しゃん、一体……何………が…」  
 そしてわたしを見て停止する。  
 朝比奈みくる、お前もか!  
 とりあえず頚動脈でも絞めてみる事にした。  
 
 
 一段落したところで落ち着いて辺りを見回してみる。  
 血まみれの床とそこに倒れ付す一組の男女。  
 ………何だかとっても阿鼻叫喚である。  
 彼らを助けたいとは思うが、力を使えない上、おそらく今回の現象の中心となっていると推察される今のわたしでは、いたずらに場を混乱させるだけだろう。  
 そう考えたわたしは、力を持っているであろう存在に助けを求めに行く事にした。  
 
 ………彼女こそが黒幕だ、という可能性もあるのだけれど。  
 
 
3.  
 
 虎穴どころか虎口に入っていくような、どうにもならない嫌な予感を抱えながら、生徒会室のドアを開ける。そこで、  
「いらっしゃい、長門さん。ファーストキスはどんな味でしたか?」  
 やはりこいつが黒幕か、と疑わしくなるようなセリフで喜緑江美里が挨拶をしてきた。  
 
 今のところ、生徒会室には彼女一人だけしかいないようだ。なら別にこの場で詰問しても問題はないだろう。  
「………説明を求める」  
 この現象の犯人とその犯行理由を、できるだけ簡潔に。  
「ついカッとなってやりました。反省はしていません」  
 ………何だろう、これが殺意というものなのだろうか?  
「冗談ですよ」  
「………説明を求める」  
 前と同じ声を、出すよう努める。やや低めになったのは仕様である。  
「いえ、少々長門さんに素直になって頂こうかと思いまして」  
 全く動じずに自白を開始する喜緑江美里。  
 最後まで聞いてもその理由は理解不能なものであったが、要するに彼女はわたしと相手が双方共にある程度の好意を抱いている場合にのみ、相手側の性的欲求に対する制御が外れるようにしたらしい。ただ、涼宮ハルヒにだけは手が出せなかったようだ。  
 
「で、長門さん。『彼』の事、どう思っているんですか?」  
 自白の後、笑顔で言う喜緑江美里。………忌々しい。  
「彼は涼宮ハルヒの鍵。………彼女のもの」  
 その………はずだ。そう考えると思考速度がやや鈍くなったのも、誤差の範囲内だろう。  
「うーん、じゃあ、彼に襲われた時と他の人に襲われた時と何か感じた事に違いはありませんでしたか?」  
 違いなんかない。………ない、はずだ。  
「むー、全然素直に慣れていないじゃないですかー」  
 彼女は一体何が不満なのだろう。  
「あ!」  
 いきなり不自然な声を出す喜緑江美里。嫌な予感がする。  
「あらあら、わたしとした事が」  
「………何?」  
「先程の情報操作で自分を対象外にするのを忘れていました」  
 ………殺意という言葉の意味を『魂』で理解した。  
「殺したいほど愛してくれているんですねー、長門さんっ!」  
 どうやらこの暖かさのせいか、彼女の情報処理系統に異常が出ているようだ。  
 力が使えないわたしに彼女を正常化するすべはない。無念ではあるが、ここは潔く撤退すべきであろう。  
 
 ガチャガチャ。  
 
 ………ドアが開かなくなっていた。  
 
 
4.  
 
「ふふふふふ、情報操作は完璧ですよー。能力規制前の長門さんにばれないようかなり限定的な造りにしたせいで、わたしの好感度がMAXまでいって、もう『愛してます』と言えるレベルの人にしか作用しないんですけどねー」  
 非常に説明的な嫌がらせの告白である。要するに彼女が本気で好きな人しか入れない空間、しかも出る事は不可能、という事か。………どうやら絶体絶命のようだ。  
「無理矢理奪われるって怖いですか? わたしには有機生命体の貞操という概念が良く理解出来ないのですけれど」  
 冗談はやめて欲しい。それが本気でなくてもかなり危ない人に見える。  
「冗談だと思いますか?」  
 カケラほども思えないから困る、本当に。  
「誰に奪われても一緒なら、わたしのモチベーションのために大人しく奪われてもらえませんか?」  
 ものすごく身勝手な理由をさらりと言いながら、こちらに襲い掛かってくる喜緑江美里。  
 現在ただの無力な文学少女でしかないわたしは簡単に押し倒された。  
 
 
 喜緑江美里の腕の中でジタバタともがく。思考回路では無駄な足掻きだとは分かっているけれど、有機体部位では理解していないようだ。  
「暴れても無駄ですよー。長門さんが可愛いのが悪いんですからねー」  
 彼女の唇がわたしに近づいてくる。これは、すごく………、  
「………やだ」  
 何故か、自分でも驚くくらいの弱弱しい声が飛び出していた。  
「じゃあ、誰ならいいんですかねー?」  
 現実から逃げるように、ギュッと目をつむる。ほぼ機能停止に陥っている思考回路に、何故か彼の顔が浮かんできた。  
 
 コツン、とおでこ同士がぶつかる音。目を開けると至近距離からすごく優しい瞳でこちらを見つめてくる喜緑江美里がいた。  
「それが、あなたの気持ちでしょう?」  
 否定、できなかった。………ズルイ。  
「涼宮さんの観測は確かに大事なお仕事です。ですがそれでも、………いえ、お仕事だけではありませんね。長門さん、たとえどんな事情があろうとも、それはあなたが自分の気持ちを抑える理由にはならないんですよ」  
 かなりまわりくどいし、自分が楽しむのを第一にしているような気はするが、どうやら喜緑江美里は、わたしを応援してくれているようだ。  
 
 ポスン、と彼女の胸に額をぶつける。彼の顔はまだ思考回路をグルグル回っている。  
 恋愛感情なんて理解できないというふりをして、無理矢理目を逸らしていたのだけれども、喜緑江美里の力技で気付かされた事がある。  
 
 どうやら、自分は、彼に恋をしているらしい。  
 
 まあ、理解したところで、どうしたらいいかなんて分からない。  
 けれど、この気持ちをごまかすのは、もう止めよう。  
 そう、思った。  
 
 ………そう、思えた。  
 
 
5.  
 
 ところで、穏やかな時間というものはそうそう長くは続かない、というのが彼の持論である。  
 わたしが何となく、そのまま喜緑江美里と抱き合っていると、その言葉を証明するかのように、  
「ふう、やれやれ、喜緑くん、キミの指示通り古泉と朝比奈くんを保健室まで運んできたよ」  
 と言いながら、生徒会長が入ってきた。  
 慌ててわたしから離れる喜緑江美里。  
 
 ………ふむ。  
 
 確かこの空間は喜緑江美里が本気で好きな人しか入れないようになっているはずであり、  
「おや、取り込み中かね。では私はもう少し外に出ている事にするよ。………うん? ドアが開かないね」  
 ドアが開かないという事は、情報制御空間はまだ展開中であるという事である。  
 喜緑江美里は彼女にしては珍しく、顔を真っ赤にしてうつむき、体を小刻みに震わせている。  
 ………あ、会長に何故か出所不明のロープが絡まりだした。  
 
「むー、むー」  
 抵抗むなしくミノムシ状(+サルぐつわ)で床に転がる生徒会長。  
「長門さん、何か言いたい事は」  
「特に無い」  
 というか、巻き込まれたくない。  
「むーーー! むーー!!」  
 助けを求めているのだろうか。残念ではあるが今のわたしは無力である。  
「そうですか。彼等は今靴箱の所にいますよ。急げば追いつけるかもしれません」  
 頷き、追いかけるために振り返る。  
 情報制御空間はもう解除されているようで、ドアは普通に開いた。  
「ごゆっくり」  
 と、室内の二人に言って走り出す。  
 後ろから会長の悲鳴が聞こえた気がした。  
 
 ………お幸せに。  
 
 
6.  
 
 校門の所で『彼』に追いつく。どうやら涼宮ハルヒと二人きりのようだ。  
「あ、有希も今帰りなの。んじゃあ一緒に帰りましょう」  
 頷き、三人で歩き出す。朝比奈みくるや古泉一樹の事は喜緑江美里に任せておけば問題はないだろう。………ないはずだ、多分。  
 
 微妙な不安感に後ろ髪を引かれながら歩いていると、彼がわたしに小声で耳打ちしてきた。  
「長門、今日はその、………すまん」  
「いい、こちらの不手際」  
 いわゆる身内の恥、というやつだ。  
「そうなのか?」  
「そう」  
 それにわたしも、望んでいた事だから。  
 口に出しては、まだ言えないけれど、心の中でそう言った。  
「うーん、しかしやっちまったのは俺だし、お詫びと言っちゃ何だが、なんかして欲しい事とかないか?」  
 律儀な人だ、嬉しいけれど。  
 
「そーよ、偶然とはいえ押し倒されちゃったんだし、訴えたら勝てるわよ」  
 涼宮ハルヒが会話に加わってくる。放置されていたのが嫌だったのか唇を尖らしているが、当然のように彼は気付かない。  
「お前は加わるな。話がややこしくなる」  
「何よ!」  
「何だよ!」  
「ハルヒ様よ!」  
「やかましい!」  
 やいのやいのと二人が仲良く喧嘩するのを横目で見ながら、彼にしてもらう事を考える。  
 あ、そうだ、こういうのはどうだろう。  
 
「おふろ」  
 
「「うあ?」」  
 ハモリで疑問を浮かべる二人。  
「おふろ、一緒に入って」  
「「誰が?」」  
「あなたが」  
 ビシッと彼を指差す。  
「「誰と?」」  
「わたしと」  
 手首を反転、自分を指差す。  
「「どこで?」」  
「おふろで」  
 彼の隣で異常な量のエネルギーの噴出を確認。些細な事だ、報告には値しない。  
「「何するって?」」  
「一緒に、入る」  
 最後まで、彼から視線をはずす事なく言い切った。  
 
 わたしから視線を逸らし、隣を見た瞬間、蛇ににらまれたかえるのように青ざめる彼、それを一飲みにしようと彼に飛び掛る涼宮ハルヒ。  
 彼の悲鳴が夕焼けに染まる通学路いっぱいに響き渡り、夕焼け以外の『赤』が当たり一面に広がっていく。  
 ああ、今日も実に平和な一日である。  
 
 
 最後にどんな物語でもすぐに終わらせる事のできる魔法のセリフでもって、この寓話を終了させたいと思う。  
 
    ―――わたし達の戦いは、まだ始まったばっかりだ。  
 
 

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