「お前だったのか」
「そうよ。意外だった?」
夕日を背に立つ朝倉は手短にどこぞの熱血刑事のような事を述べたあと、
急に制服の右袖を捲った。何だ?4匹の竜の名前でもあんのか?
「面白いもの見せてあげる。」
何か嫌な予感がした。まぁ結果的にその予感は当たったわけなのだが、
俺の予想妄想空想を斜め上どころか、四次元方向にいってしまっていた。
何と急に朝倉の右腕が何か…剣みたいになっていた。
「これがハンプティダンプティ。神の卵の力よ。」
いや、何を言ってるのかさっぱりわからんし、お前の右腕凄い事になってるし、
気が付いたらドアとか無くなってるし。
とりあえずちょっと待て。
その右腕は、って振るな!うわ動けねぇ!ありかよそれ!
俺が完全にパニクってると同時に誰かが目の前に急に現れ、朝倉を吹っ飛ばした。
よく見ると、長門だった。
「あなたは…そうか。さあ!長門さん!私を連結解除しなさい!」
何言ってんだ?コイツ。人の事殺しかけたと思ったら次は何とか…解除しなさい?
「情報連結解除開始」
長門が静かにそう言ったはいいが、俺にはまださっぱり状況が掴めてない。
「そう!早くその能力で私の中にいる人ごと消し去って!」
どういうことだ?コイツは一体何をしに来たんだ?
「しまった…」
どうした長門?
「うかつ」
何がだ?と、尋ねる前に朝倉の肩より少し下まであった髪がうなじぐらいまでに急に切れて落ちた。
そして髪型は普通のボブカットに、眉毛も顔のパーツもどんどん変化していっている。
そしてどうも変化が止まったらしいソイツはこっちをハッキリ見てこう言った。
「待っていたのは私も同じなのね。M-83」
お前が朝倉を4人作ったのかよ。
終わり