俺は今、いつもとは違う駅前である人を待っている。  
同じ場所だと見つかる可能性が高いからな。で、誰を待っているかというと……  
 
 
「今日はこれにて解散!また明後日の放課後、部室に集合ね!」  
ハルヒが100万ワットの笑顔を振り撒きながら不思議探索ツアー(もう市内遊びツアーといっても問題ないだろう。)の終了を宣言し、駅へと姿を消した。  
古泉も続いていつものさわやかスマイルで駅前を後にし、長門も俺を一瞥し消え行くように歩いていった。  
そして俺の精神安定剤並びにSOS団お茶汲み係の朝比奈さんが笑顔で手を振りながら帰っていった。うーん和むね。  
さぁ、俺も帰ろう。いつも通り自転車を走らせ家に到着。玄関で靴を脱いでいると妹が軽い足取りでやってきて「キョンくんなんか面白いもの見つかった〜?」  
とニヤニヤ顔で聞いてきた。腹立たしい。見つけてもお前には教えてやらん。うーケチーと口先を尖らせている妹を無視して部屋に入った。  
ベットで寝転んでいると携帯が着信メロディーを奏でた。ディスプレイには「朝比奈みくる」の文字。待たせてはいかんな。  
「もしもし?」  
『あ、キョンくんですか?』  
「はい。たしかにキョンですが…どうしたんですか?」  
『えっと…あ、あの…お願いがあるんですが…』朝比奈さんの上目使いが目に浮かぶようだ。  
あなたからのお願いならできうる範囲なら確実に実行しますよ。  
『ふふ。……じ、じゃあ明日…そ、その…暇ですか?』朝比奈が俺の予定を聞くのは何故だろう。デート?それとも…後者の可能性の方が高いな。と思いつつ「無論暇ですよ。また未来からの指令ですか?」  
『いえ。今回はお仕事じゃあないんです。…その一緒に行ってほしいところがあるの。…付き合ってくれますか?』  
まさか前者だと考えていなかった俺は動揺した。「も、もちろんです!」つい声が裏返ってしまった。  
『よかったぁ…じゃあいつもの所「ちょっと待ってください。あそこだとハルヒ達に見つかるかもしれない。だから一つ駅をずらしましょう。てか、朝比奈さんは俺とどこに行きたいんですか?」  
『えっと…その…遊園地に行ってみたくて…』  
「遊園地ですか。俺もしばらく行ってないなぁ…。じゃあいつもの時間でいいですか?」  
『はい!それじゃあまた明日。』「はい。よろしくお願いします。」あさひなさんと遊園地デート  
…ヤバイなんかドキドキしてきた。……その後、飯と風呂を済ませて布団に入ったのだが…明日の事を思うと緊張してなかなか眠れなかった。まぁどうにか眠りについた。  
そして朝がやってきた。いつもより数倍目覚めがよく、体も軽い。チャリを漕ぐ足も永久機関を得たように回り続ける。  
俺は待ち合わせの時間より30分程早く着いてしまった。ーーーーーーーーここまでが今の状況説明だ。  
 
 
時計は今20分前を指している。『キョンく〜ん。』朝比奈さんの声が聞こえた。  
俺がそっちを向くと朝比奈さんは手を振りながら小走りでこっちへ向かってくる。本日の朝比奈さんはピーコも文句を言えないようなかわいらしい出で立ちで、駅前にいる他の男共の注目を集めていた。  
『遅れちゃってごめんなさい。』  
「いえいえ。まだ20分も前ですよ。」  
『今日楽しみでなかなか眠れなくて…』次の日が遠足で興奮して眠れなかった小学生のようなことをおっしゃっている。もう可愛すぎてたまらん。  
俺が感慨に耽っていると『どうしたんですか?』上目使いで心配そうに聞いてくる朝比奈さん。んーたまらん。  
「いやいや、なんでもないです。それじゃあ行きましょうか。」『うん!』こうして駅まで向かうのだった。  
 
 
〜続くかわからない〜  
 

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