キョンが某漫画の死神のように砂になった。あたしは悲しくなった。  
この世界にキョンを連れ戻そうととっさに思ってみる。それがどうなるかは分からないけど、そう考えてみた。  
「キョーーーーンッ!」  
力が暴走する感覚がする。そして上空に雲が雷鳴を轟かせながらあたしたちの上空を中心に竜巻のように巻いて、まばゆい光が照射されるのを不思議だと思って見受けた次の瞬間、意識が途絶えた。  
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・・・俺はどこにいる?どうせ昇天中なんだろうがよく判らん状況にあることは確かだ。  
まあ、天国も地獄もあるか判らないからどうでもいい話であるが、俺の意識はどこかへ向かっている。・・・はずだった。  
ある瞬間、光の渦のような物がSOS団自主映画の展開のごとく唐突に現れ、俺を飲み込んでしまった。  
そして・・・どこかに転げ落ちた。  
「いててて!」  
え。感覚があるぞ。何故だ。どこかに着いたってのか。  
「そうだ。お前は涼宮ハルヒが悲しみのあまり暴走させた力によって、一時的に特殊空間に隔離された。私がこの空間の管理役を務めることになったらしい」  
え。あいつ、桜の開花時期を早めろといったはずなのにそんなことをしでかしたのか。ふと声のする方を見ると、いつだったか聞いた後光のような光が球体となって大人びた声で話している。あんた、情報統合思念体か。  
「そうだ。主流派のな」  
「主流派というと、長門の親玉か、あんた」  
「そうだ」  
確かに光という無形で存在している意識だけの宇宙人のようだ。  
「どうやら涼宮ハルヒは暴走してパワーアップした力を振るってお前を地球上の俗に言う「この世」に戻すための何かに自分自身らを放り込んだようだ。  
それよりもお前のいるこの空間は涼宮ハルヒ、朝比奈みくる、長門有希、古泉一樹らの視点及び周りの様子が見られるようだな。そこのスイッチがそうかもしれない。適当に押すがいい」  
確かに床にスイッチと思しきものがある。ポチッと押したその瞬間、俺はハルヒたちを見た。  
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車の音が聞こえる。って、車?あたしたちはどうなってるのか状況がつかめないまま外を見てみた。・・・田舎道だった。  
チラリと見えた車の外装は黒かった。あたしはその車にいるらしい。前の席にはよく見えないけど、横にはみくるちゃん、有希、古泉くんがキョロキョロしているのが見えた。  
「どうやらあなたの力で別の空間へ飛ばされたようですね。彼のことと少なからず関連があると思います。どう思ったか言ってみてください」  
「うーん・・・。キョンをあたしの力で戻そうかと思ったわね」  
「ふえっ?キョンくんがどうかしたんですか?」  
そういえばみくるちゃんにはまだ連絡してなかった。みくるちゃんに一切の事柄を話すと驚いて黙り込んでしまった。  
「気がつきました?」  
いつぞやの怪しい執事さんがいた。古泉くんと話している。  
「ええ、大丈夫です。どうやら涼宮さんが力を暴走させてこのような自体を発生させたようです。あなたたちはどうなるか判りませんがとりあえずいつの間にかあったこの地図の通りにお願いします」  
「・・・。変ですな。入り組んだ地図で、町がいくつもあります。ええと、文によれば「どの町ともつながっていない町」ですから・・・ふむ、これですな」  
どうやら行き先は判ったみたい。車はその町へと向かっていった。  
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どうやら俺は漫画やアニメで言うところの「神の視点」でハルヒたちを見ているらしい。立体映像っぽい光の壁が各視点での映像を写している。上空からの視点によると、  
ハルヒたちは黒塗りのタクシーからタクシー的要素を抜いたような車にいるようだ。新川さんも運転手として乗っていた。森さんはいなかった。  
「あー、もう。キョンは本当に世話の掛かる団員ね」  
余計なお世話だ。  
そして、ある町に着いたらしいハルヒたちは車から降りた。・・・と思ったら新川さんは挨拶をしてこれまた唐突に現れた光の渦へと車に乗って消えていった。この時この世のものであるらしい駐車場に、その車が現れる映像が出てきてすぐに消えた。  
ハルヒたちはすぐ向こうの壁に上がっている橋を管理しているらしいおっさんに、何かの紹介状のようなものを不思議に見た後、それを見せてこう言った。  
「レインフォード氏の遺族から、『鍵の遺体』のことで紹介状貰ってるの。通してもらえないかしら?」  
「うーん、よそ者が入るのはちょっとよろしくない気分だがまあいい。よし、次の謎が解けたら通してやろう」  
こんな問題だった。  
 
10個のカプセル薬があり、今日から1日1個ずつ毎日飲まなければならないとする。それぞれ成分量が違うのだが、飲む日が決まっているという。  
色や形が一切同じなので見分けが付かないので、間違えないよう1から通し番号を書くことにした。いくつの数字をかく必要があるのだろうか。  
 
「うーん・・・。10個の数字をつけるんだから10までつければいいのよね・・・。」  
「2日目から9日目までの8個のカプセルにつければ問題ない」  
長門が言った。しかも数字の数だけでいいのにこいつらしく正確に言った。俺の近くにいる光とは接続を切ってるようだが、なんですぐ判ったんだ。  
「彼女自体の機能として高度な知能を持たせたからだ。非常時に備えて、私たち情報統合思念体からの切断が途切れても、ある程度の能力と高度な知能は仕様としてTFEI端末には持たせてあるのだ」  
ふーん。  
「正解だ。橋を降ろしてやろう。」  
橋がおっさんのハンドルを回すのに連動して降りていく。それを見ながらハルヒは長門にこう言った。  
「どうしてそうなるのよ?」  
「まず、今日飲み始めるカプセルはすぐに飲むのだから数字をつけなくていい。また、最後のカプセルも、最後に1つだけ残るためつけなくていい」  
「そういえばそうね」  
そんな解決編っぽい会話を交わした後、降りた端をハルヒたち4人は渡っていった。  
 

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