「だからあたしとしては何とかして彼の協力を得たいのよ、佐々木さん」  
「キョンはああ見えて義理堅いからね、正攻法じゃ多分無理だよ。だが橘さんは実についている。  
周防さんだと逆効果だろうけどあなたなら、いやあなただけが使えるからめ手が一つだけあるわ」  
 
 
 
 ……誰の仕業かなど考えるまでも無い。佐々木、お前の観察眼の鋭さは昔から知っていたが、  
よりにもよってこいつに対してそのカードを使用するか。  
「話を聞いてくれるだけでいいの」  
 そう言って軽く首を下げる橘の後頭部で、首の動きにあわせて一房の髪が揺れ動く。  
 前の時はツインテールだった髪を今日は一つにし、頭の後ろで纏めあげていた。  
 美人ともベビーフェイスとも取れる橘の容姿と相成って、その姿は正直たまらないものだった。  
「いやはや、実に判りやすい反応だ。君の反応を見ていると僕まで髪を伸ばしたくなる。僕がある日突然  
君の前へ馬の尾結びの髪結いをして現れたら君は一体どんな反応を見せるのだろうね。こればかりはぜひとも  
想像するより実体験したいと思うよ」  
 
 
 
 そして二人で閉鎖空間へと(r  
 

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