2007年3月末、進級する前の余興、春休み。平凡に団活がある・・・はずだったのだが?
何かがおかしい。いや、団活についてはこれといって休みだとか言う連絡はなかったので俺は当然SOS団アジト、文芸部室にいた。
部屋には長門だけがいた。ハルヒ、朝比奈さん、古泉もじき来るだろう。もちろん、ここまでは俺としては別におかしいことはない。
ここからがおかしいのである。
いつまで経っても誰1人来ない。俺と長門以外誰も来ないまま夕方になる。
長門はページをめくる。何かが落ちた気がするが気のせいだろう。今は何の改変もない。3人とも急用でいないのだろう。・・・いや待て、他の2人はともかく、ハルヒに限ってこんなことはありえまい。まさか・・・?
こういったモノローグが流れる間にも長門はパタリと本を閉じ、帰っていく。やはり、何かが落ちていた。
それは栞だった。これが落ちたときは、決まって何かがある。花柄の栞の裏を俺は見る。
『家へ来て。すべてを語る』
そんな単刀直入な。それにここに書いてある『すべて』って何だ?しかし、この違和感に何らかのヒントがあると思った俺は帰宅後、再び外出し、長門の家へ直行した。
玄関入り口で708と押して、ベルのマークのボタンを押した。すぐに出た。
「長門、俺だ」
玄関のロックが解除される。
『入って』
扉をノックする。そして、長門が気配もなく出てきて、鉄の扉が開いた。
そして、俺は信じがたいことを耳にすることになる。
確か、こんな事だった。
俺が家に上がった後、長門は鍵を閉めた後いつぞやの電波話の時のように正座して、こう言った。
「時空間が複雑に改変された。また、一部人物の属性情報が改変され、能力が追加されている」
………は?三点リーダーが3連続で出た。意味が分からん。追加された能力だと?
「詳細を言えば、あなたやわたしなどに古泉一樹たち『機関』の者とは別種の超能力が発現している。また、世界的に時間が混乱している。おそらくは1989年に相当する」
1989年だと?しかし、お前は待機モードでない状態でそこにいるし、俺も健在だ。それに、どんな超能力なんだ。
「これは涼宮ハルヒがこういった展開を希望して情報を大幅に自らの能力で改変し、2007年の昨日現在のあらゆる存在・情報を残した状態でこの状態にしたというのが最も納得が行く。
また、涼宮ハルヒはその超能力の片鱗で危険人物らを必要以上に撃退、××刑務所に収監された。情報の照合から正当防衛と認められたが、悪霊だと言い出して不正に留まっている」
それじゃあ、まるで某漫画に多少似た…いや、俺達にも能力が発現していると来た以上、大いに似ている。そこへ明日行くと聞くと、
「分かった。だが、朝比奈さんと古泉はどこへ行った?」
「分からない。何らかの刺客として現れ、仲間となるといった展開かと思われる」
決まりだ。これは某漫画の展開をハルヒが望んで世界を改変した。これで合ってるはずだ。
「わたしの能力はこれ」
鳥っぽいのが出てきて火を出している。元ネタが確か、魔術師の名を冠していたので特に違和感はない。
「あなたのは?」
…元ネタにあった出し方を思い出して実行してみる。・・・元ネタが隠者の名を冠していた茨が出た。違和感ありすぎだろ。長門の超能力が出た時点で予想はしていたが。
「2人で明日、涼宮ハルヒを引きずり出す」
「ああ」
これで話は終わりだった。そして翌日。俺達はハルヒを牢獄から引きずり出すべく××刑務所まで向かっていた。
「ご友人さん、常人以上に無口ですなぁ」
「どうも」
「いやいや、褒めてるわけでもないよ」
で?ハルヒは何人くらい殺ったんだい?・・・とまあ、大げさに言っておくのがコツだ。
「いやいや、誰が殺したと言ったんだ」
「ケンカだよ」
「もっとも相手のレイパーどもはムチや危険なものを所持した4人ですが4人全部で15の骨折・・・タマタマも潰されて・・・おっと失礼。病院送りにしたけどね」
え。あいつどこ行ったんだか。
「しかし問題はその後。変わってるなぁ、おたくの友人さん」
来た。超能力というと混同する人があるかもしれないので、元ネタと同じ「スタンド」としておく。
スタンドの話が出たぞ。
「その声は・・・キョンと有希?」
聞きなれた声が聞こえた。