春休みのとある1日SOS団の活動も今日は休みだという事で
俺は昼過ぎまでダラダラ寝ていたのだが
お袋にスーパーまで買い出しに行ってくるように言われたので
駅前まで出かけていた。
駅前をブラブラ歩いていると、花屋の前でハルヒが何やら買い物をしているのが見えた。
折角のオフの日にまで関わりあいになりたくないと思いながらも
あのハルヒが花屋なんぞでが何を買うかという興味の方が強かったので観察してみることにした。
するとハルヒは不思議なことに仏花などという普段の行動からは考えられないような花を買い
踏み切りを渡りずんずん駅の東側に向かって歩き出した。
俺はついていってみることにした。まあ魔が差したという事なのかもしれないが
文化祭の映画で朝比奈さんが放り込まれた池のほとりを通りながら約10分ほど行った所で
古泉に呼び止められた。
「あなたが散歩なんて珍しいですね。」
きっと俺の顔には何故お前がここに居る?とでも書いてあったのだろう
「たまたま今日は用もないから家の近所を散歩していた。ということにしておきましょう。
僕の家はすぐそこなんですよ。」いつもの調子のスマイルマスクの答えが返ってきた。
「で、あなたの追いかけていた涼宮さんがどこに行こうとしていたかと言うと
もう少し行った所の墓地ですね。まあ、あの花を持ってそれ以外の場所に行く人なんか僕は知りませんがね。」
全く嫌になるくらい爽やかな笑顔である。
「何故か、と言うことも僕が説明しましょう。」
いつものスマイルマスクから笑みが消えて妙に真剣な顔になった
「とても仲の良かった妹さんの墓参りですよ4年前に亡くなった。」
「あなたは○○事件というのを覚えてますか?」
その事件については俺だって妹のいる身だ忘れる訳もない。
4年前○○市で発生した当時小学4年生だった女子児童が何者かに誘拐され殺害された事件である。
それとハルヒが何か関係あるというのだろうか?
「大いに関係します、当事者と言っても差し支えないでしょう。
彼女は被害者の姉にあたります。
そして最後に妹さんを目撃したのが彼女なんです。
だから事件に関してすごく責任を感じた…そう、世界を作り替えてしまいたいと思うほどに。」
「でももしそうであるなら、どうして妹の居る世界に作り直さなかったんだ?」
俺は当然とも言える疑問を古泉にぶつけた。
「そこが彼女が常識的な所なんです。
彼女は望むなら死者が生き返ってくる世界というものを作れるわけですが
やはり死者は二度と生き返って来ない、そう思ってる訳です。
でも、出来るなら妹さんを助けてあげたかった。
そこで宇宙人や未来人や超能力者が出てくる訳です。
きっと彼らが居たなら事件が未遂の時点でなんとかしてくれただろうとね。」
「あ、そうそうこの話はいつか彼女があなたに話すまでは内緒ですよ。
世界に関わる重要な話なんですから。」