今日は不思議探索の無い休日。
にもかかわらず妹ときたら、毎週毎週朝っぱらからロケットダイヴをかましてくれる。
そこでふと早くに目が覚めた俺は思ったね。今日は妹に復讐してやろう、と。
作戦はこうだ。妹ダイヴ、俺キャッチ、くすぐり倒す、二度寝。
よし、完璧だ。問題は妹が来る前に二度寝しないかどうかだが、信じてるぜ俺。
カチャといつもより控えめに扉の開く音がする。俺はギリギリ起きてる。よし、みっしょんすたーと、だぁ。
足音を殺してベッドの横にまで来る妹。今日はやけに慎重だ。これでは寝てたら絶対に気付かないだろう。
だが俺は寝呆け眼で起きてる。そこが勝負の別れ目だ。……真ん中分けがどうした?
妄言だ。さて、妹だがなぜかためらっているようだ。まったく、ためらうぐらいならやらなければいいものを。
まつこと数分。深呼吸をするのが感じられ、よしっという声が聞こえた。
タイミングが計りやすくていいね。
「あ、ああああ、あさです、じゃない。だよー、おきてー」
やけに引っ掛かりまくりだがいつもの定型文を吐くと俺の胸に飛び込んできた。ボフッ。ガシッ。ボフッ。
「ひぅぇ?」
ちょうど胸に飛び込んできたのが災いしてか抱き締めるように布団に包むとベッドに転がし、マウントをとる。
「え?ぇ?え?」
そして布団の隙間から手を突っ込み、こしょぐるこそばるなでまわす。
「ひゃぅ……やっ…ぁう」
なんだ?笑い声が聞こえてこない。いつもなら脇の下どころか首に触れられるだけで鶴屋さん並みに爆笑するのだが。さて。
「あ…ぁっ…っ」
さて、先程から何かやわらかいも…の……が…………整理しよう。人で柔らかい部分とはどこぞや。肉。イエスエンター。まあ、総じて肉ではある。それは腹であったり尻であったり……胸であったりする。
そして今俺が触れている場所に一番近いのは、胸、である。
さて、それでは問題だが自慢ではないがウチの妹はまないたである。じゃあ、これは誰だ?
「あっ……ぁっ…やっ…」
布団が邪魔で視覚情報はあてにならない。嗅覚は鋭くない。ならばとりあえず手探りで行くしかないだろう。
あとで思いだすにこの時の俺は寝呆けてた。あぁ寝呆けてたのさ。…マジで勘弁してくれ。
むー。そんな意味不明言語をつぶやきながら探索を開始した俺はとりあえず体に沿って手を北上させることにした