「彼女がときめく時」  
 
「それでは明日、よろしくお願いします」  
頭を何度も下げながら、緊張しっぱなしだった電話を終えた。胸の高鳴りを落ち着かせるために深呼吸をした。  
電話の相手は私の親友の女の子のお兄さん。家に遊びに行くと時々会うことがある。どことなくぶっきらぼうな喋り方だけど小さい子の扱いに慣れているようで私にも親切にしてくれる。  
向こうは私をお客さんとしてとしか扱っていないと思うけど、私は3つ以上年上の男の人なのに親近感を持っていた。  
だから私はお兄さんに一日付き合ってくださいと頼んだ。けどその目的が年齢制限のある映画を見に行くこととはそのとき伝えなかった。私の外観が12歳未満に見られることはないから  
当日そのことを言っても許してくれると思ったから。  
「あれも・・・時間をずらせば大丈夫よね。」  
無意識に私の手が下半身に伸びた。まだあの時の感触が体に残っている。知らない男の人たちの感触・・・  
 
それは昨日のこと。  
映画を見に行きたい願望は日に日に大きくなり、お兄さんに付き合ってもらおうというアイデアも浮かんでいた。けど電話をする決心がなかなかつかず悶々としていた。そんな時  
「そうだ、お兄さんに頼む前に下見をしよう!」  
突然思い立った。私が無理にお願いするんだから失礼があっちゃいけないなどと自分に言い聞かせていたけど、なんのことはない、決心がつかない自分への苛立ちをごまかそうとしていた  
だけ。  
下見だけだというのに、私はお兄さんと出かけるならこれ、と決めていた真っ白なワンピースを着て外に出た。トートバッグの中には家にあったタウンガイド誌。  
電車に乗って目的の駅へ向かう。そこから真っ直ぐ映画館に向かった。  
「映画だけじゃ、時間が余っちゃうかな。」  
トートバッグからタウンガイド誌を取り出した。その地図を見ながら歩いていくと喫茶店が見えてきた。前から行ってみたかった所だけどこの位で着くなら大丈夫ね。私は赤ペンでその喫茶店  
のページを丸く囲った。ここの特製ケーキがおいしいらしい。映画の後はここでお兄さんと食事をしよう。お兄さんとならきっとおいしいに違いない。私は店を見ながらその風景を想像した。  
あっさりと下見終了。  
下見といっても、映画館と喫茶店の場所を確認してくるぐらいで終わってしまった。  
「何やってるんだろう、私・・・」  
目的を果たした途端素に戻ってしまった私は駅に戻る途中の公園でベンチに腰掛けた。私がこんなに意識したって、お兄さんは自分の妹の友達のお守り程度にしか思ってくれないだろう。それ  
以前に、私の頼みを聞いてくれないかもしれない。そう、まだ電話だってしていないのだから。  
「ふう・・・」  
 
状況が何も進展していないことを自覚してしまい思わず溜息が出た。でも、気持ちが先走りしすぎていたのかもしれないけど下見までしたんだからもう後には引けない。  
「後は当たって砕けろよ!」  
私は勝手に納得して、公園の水を飲んで再び駅に向かって歩を進めた。この気持ちがしぼんでしまわないうちに、家に帰ったらすぐ電話しようと思いながら。  
 
帰りの電車の中は、そんなに混んでいなかった。私はボックス席の窓側に座って外の景色を眺めていた。けれど景色に関心はなくお兄さんへの電話で最初にどう切り出そうかなとか、映画の内容  
は言ったほうがいいかなとか、そんなことを考えていた。  
今日は天気もよく太陽の日差しが電車内に降り注ぎ、とても暖かい。そのうち私はうとうとしてきてしまった。気持ちが高ぶっていた分疲れたのかもしれない。けどそのせいで私の座ったボックス  
席の異変に気づかなかった。  
「ん・・・?何だろう?この感じ・・・」  
突然私の太ももに違和感を覚えた。最初は膝の辺りにあったその違和感はだんだん上に上がってきてスカートの中に入って奥に奥に進んでくる。とっさに手をやるとごつごつした暖かい感触が伝わ  
ってきた。はっとすると私の目の前の席に男の人が2人、そして私の隣に男の人が1人座ってわたしをじろじろ見つめていた。  
私の太ももの違和感は男の人の手だったのだ。  
「えっ、何・・・?」  
自分に起こったことが理解できず、私の太ももを触っている男の人の顔を見た。  
その男の人はお兄さんよりずっと年上っぽくて、黒のスーツを着ていた。前の席の2人はGパンにシャツといったラフな格好。やっぱりお兄さんより少し年上っぽい印象だった。どっちにしろ私に  
とって全く面識のない人たち。私をじろじろ品定めするような目つきは、薄気味悪さを感じた。  
「ち・・・痴漢・・・さん・・・?」  
「おっと、大きな声を出しちゃだめだよ。でないと・・・」  
「え・・・えっ?」  
スーツの男の人が私の片足を持ち上げて自分の膝の上に乗せた。私は大きく股を開いた格好になって、スカートからパンティーが見えそうになってしまった。  
「この恥ずかしい格好をみんなに見られちゃうよ?」  
「い・・・いやっ!」  
「おっと」  
私の前に座っていた2人組がスカートを押さえようとする私の腕をつかんで上に持ち上げた。身動きが取れない。  
「おとなしくしてれば怖くないからね」  
 
優しそうな口調だけど、薄気味悪さは抜けていなかった。私の腕をつかむ力も一向に収まらない。頭の中が混乱した。  
「うひょお、すべすべな肌だなあ」  
「おまけにスゲー柔らかい。どこを触っても気持ちいいぜ」  
ボックス席の窓側だから囲まれる形になってしまって逃げ場もなく、私は股を開かされた格好のまま声を押し殺していた。  
「ん・・・んふっ・・・」  
私がおとなしくしていることに気を良くしたのか、3人の男の人が遠慮なく私の体を触ってくる。私のワンピースはボタンが胸元からおへその辺りまで続いている。一人で着れる様このデザインの  
服を選んだのだ。男の人たちはそのボタンを次々に乱暴にはずしていった。青色のブラジャーが露わになるとそのブラジャーをたくしあげて胸を直に触ってきた。最初ひんやりとしていた男の人達の  
手の感触も私の体に触れているうちになじんできていた。私のおっぱいを少し乱暴にむにゅむにゅと揉んできたかと思うと犬を撫でるように優しく触ってきたり。そして乳首をコリコリとつまんだか  
と思うとピンッとはじいたり・・・。私のおっぱいをおもちゃのようにして遊んでいる。その間も股は開かされたままで太ももやふくらはぎをいじられた。  
「いやあ・・・やめて・・・やめてよお・・・」  
「やめてって言いながらすごい感じてるじゃないか」  
「そんな・・・そんなこと・・・あっ」  
耳元で囁かれる言葉を否定しながら、私の口からは吐息が漏れ出していた。他人に自分の体を好き勝手にいじられるなんて初めてのことだった。私の体は自分の意思とは関係なくピクン、ピクンと  
反応してしまう。  
そしてついに、パンテイーの中に手が伸びてきた。  
「だ、だめですっ、そんなとこっ」  
とっさに足を閉じようとしたその時、私の腕をつかんでいた男の人が私の乳首に吸い付いてきた。  
「んひゃあっ」  
ちゅーっ、ちゅちゅっ、ちゅぱっ、ちゅちゅ・・・  
そんな音が聞こえてきた。私の乳首は飴のように舌先で転がされ、ストローでジュースを飲むように吸われ続けた。くすぐったい。背筋がゾクゾクする。乳首を甘噛みされると力が抜けてしまい足を  
閉じることができなくなってしまった。  
「へへ、もう濡れてるぜ」  
難なくパンテイーの中に入った男の人の手が私のアソコを触っている。濡れてるってどういうことなんだろう。アソコの入り口に触れているだけだった指が突然L字に曲がりだした。  
「ひゃっ」  
それは何の抵抗もなく私のアソコのくぼみに潜り込んでいく。そして激しく動き出した。  
 
くちゅくちゅくちゅくちゅくちゅ・・・  
私の下半身から水音が立ち、パンティーが湿っていくのが分かった。  
「あはあっ、はっ、んひっ」  
乳首を吸われる音。アソコをいじられる音。その二つの初めて聞く音が頭の中で交響しいつしか私は抵抗する言葉を発しなくなっていた。  
「ココは弱いかな?」  
「えっ?」  
アソコの中から出された指が少し前に移動した。濡れた指でこすると小さな粒のような塊が飛び出した。男の人はそれをきゅっと強くつまんできた。  
「あああああっ!」  
強い衝撃が頭の中を走り抜けていく。私の体が大きく仰け反ったのを見て男の人が口を押さえてきた。  
「このくらいでイッちゃだめだよ?」  
イ・・・ッちゃう?イッちゃうって何?  
「さて次はこれだな」  
ピンク色をした丸いものを見せられた。コードみたいなのが付いている。何だろう?男の人はそれをパンティーの中に突っ込み、さっきの小さな粒にあてがった。そしてー、  
カチッ  
スイッチのような音がしたかと思うと  
ヴヴヴーッ  
小刻みな振動が伝わってきた。振動自体は弱かったけどピンク色をした物を押し付けられている小さな粒が増幅器のようになって激しい刺激を体中に広げていく。  
「んん・・・んんうう!」  
私はいつの間にか男の人の腕をつかんでいた。いつ腕を解放されたんだろう。でも今は何かにしがみついていないと声を上げてしまいそう。その振動がだんだん気持ちよくなっていた。男の人はピン  
ク色をした物を押し付けたまま再びアソコの中に指を入れてきていたのだ。私のおっぱいは二つとも前の席の2人組に吸われていた。  
「おおっ、マンコの締りが良くなったぜ」  
へへへ、という低い笑い声が聞こえてきた。4ヵ所を同時に攻められ、私は意識が朦朧としていた。そのうち体が勝手に激しく痙攣しだした。  
「おっこいつイキそうになってるぞ」  
「あっ、あっあっ。ひぎっ、何?何これえっ」  
「おい、声立てるな」  
また口を塞がれた。イキそうって、イクってどういうことなの?  
「ほらほら、イケよ!」  
乳首の吸い付きや、アソコの指使い、そして振動がどんどん激しくなっていく。  
「イケっ!イケっ!」  
呪文のように両耳で囁かれる。イク・・・私、イッちゃう・・・  
 
「あっ、あっ、あひぃっ、んあああっー!」  
男の人の声が導火線になって、私の中で何かが炸裂した。それは私の体を快感で痺れさせた。  
「はあ・・・はあ・・・」  
「ハデにイッたねえ。俺の指噛んじゃって。」  
イッた・・・?私、イッちゃったの・・・?これが、イクってことなの?私は息を切らしながら自分に起こったことを把握しようとした。けど思考が持続しない。体が小刻みに痙攣している。  
「さあ、次は俺たちをイカせてもらおうか」  
ボーッとする私の前で3人の男の人たちがズボンの中から大きく反り返ったものを出してきた。それは男の人の・・・ペニス。  
「はら、こうやって上下にしごくんだ」  
「は・・・はい」  
ぐったりしている私の手をつかんで火傷しそうなほど熱いペニスを握らせる。思考が途切れ途切れになっている私は言われるがままだった。  
「俺はここをいただくぜ」  
私の両手が2本のペニスで埋まっているので三人目の男の人は私のおっぱいにペニスを擦り付けてきた。ペニスの先から透明な液体が出てきておっぱいを濡らしていく。  
「はら、口も使って」  
「は・・・はい」  
私にできたことは唇をペニスに触れさせることだけだった。すると男の人は唇の上でペニスを上下左右に振って擦り付けてきた。よだれが溢れてくるとぴちゃぴちゃとまたいやらしい音が聞こえてきた。  
「うぶ・・・ぶぶぶ・・・ぶぽっ、ぶぷ・・・」  
「気持ちいいぜ、これ。おい、目を閉じてないで俺たちの顔を見るんだ」  
「は・・・はい」  
目を開けるともうひとつのペニスが私の唇に乗せられようとしていた。  
「おい、俺にもやらせてくれよ」  
さっきまで私のおっぱいを弄んでいた男の人まで私の唇に照準を合わせてきた。でも三本ものペニスなんか私の唇に乗らない。ほっぺたにまではみ出し、それでもこすり付けてくるのをやめないのでほっ  
ぺたまで濡れてきた。それはとても苦く、臭かった。でも、それすらだんだん苦にならなくなっていった。  
「うっ、そろそろ射精そうだ」  
「俺もっ」  
 
男の人の体とペニスがビクビク震えだした。私の頭をつかみながら  
「もっとしごいて!しごけっ」  
「ふっ、うっ」  
私のよだれと男の人の透明な液体でベトベトになった手で、にちゃにちゃとペニスをしごいていく。おっぱいにペニスを擦り付けている男の人も、その速度を上げていった。  
「うおう、ぶっかけてやるっ」  
「んあっ」  
どぷっ、びゅるるっ、びゅっ・・・!  
私の顔に、髪の毛に、おっぱいに、ペニスの先から飛び出した白い液体が降り注ぐ。私はこの液体の名前は知っていた。  
「精液・・・いっぱい・・・」  
右のまぶたの上に精液がかかってしまい私は左目だけで自分のおっぱいを白く汚している暖かい液体を視界に入れた。ゆっくりゆっくり、おへその方に流れ落ちていた。  
「ふう〜っ、気持ちよかったぜっ」  
「うう・・・うあ」  
「お嬢ちゃんも気持ちよかっただろ?」  
「え・・・あ・・・」  
頭の中が焼けるようで、言葉にならない。  
「気持ちよかっただろ?気持ちよかったって言ってみな」  
「き、気持ち・・・よかった・・・です・・・」  
口が勝手に動いていた。よだれを垂らしながら。  
男の人たちは満足そうな顔を浮かべて着せ替え人形のように私の服を元に戻した。けれど精液を拭き取らないままだったのでワンピースに精液が染み込んでしまった。ああ、もう、これ着れないなあ・・・。  
そんなことを思った。  
「気持ちよくしてくれたお礼に、これをあげるよ」  
「何・・・これ・・・」  
「ピンクローターだよ」  
男の人たちがボックス席から居なくなった。解放されたものの私は放心状態で顔にべっとりついた精液を拭き取ることもできず、ただその匂いを受け止めていた。  
「これ・・・いい匂いかも・・・」  
思考が持続する様になった時、最初に浮かんだ言葉だった。  
 
そしてお兄さんと映画を見に行く当日。  
「構わないよ」  
私の期待通りお兄さんは映画を許してくれた。そればかりか私のチケット代を出してもいいとまで言ってくれた。もちろん断ったけど。  
やっぱり映画は1人で行くより誰かと一緒のほうが楽しい。上映中は映画の演出にびっくりしてお兄さんの腕にしがみついてしまったり、映画のあとは内容について話し合ったりできた。  
喫茶店では入り口でお兄さんが一瞬たじろいだ様だったけどちゃんと中に入ってくれて一緒に食事ができた。男の人の食べる速さに少し驚いた。お兄さんも私が小食であることに驚いていた。私ってやっぱ  
身長が高いから大食いに見えるんだろうか。うつむいてしまった私に  
「いやいや、そのままで全然かわいいよ」  
と今の話と少しズレたことを言ってきた。私に気を遣ってくれたんだと思って嬉しくなって笑い返すことができた。  
ああ、あのワンピース着てこれたらよかったのに・・・  
痴漢に遭ったあの日、私は結局お兄さんに電話できなかった。自分で動けるようになった時は降りる駅を通り過ぎてしまい、帰りが遅くなってしまったのだ。もちろん家に帰る前に顔と髪の毛についたぱりぱり  
に乾いた精液を拭き取った。でもワンピースの精液のシミは落ちなかった。だから今日はブラウスを着てその上にカーディガンを羽織り、スリムジーンズをはいている。お兄さんに似合ってるよと言われたのが  
何よりの救い。  
「す・・・すみません」  
「いや、別にキミのせいじゃないから」  
帰りの電車は満員電車に当たってしまった。痴漢のこともあって時間をずらすことを意識していたためだ。  
「ご・・・ごめんな、もう少しの辛抱だから」  
「は・・・はい・・・あひっ」  
その電車の中で、私はお兄さんと向かい合ってぴったり密着している。人ごみの波に乗って奥に流され、私は扉とお兄さんに挟まれた。身動きが取れないのはどことなく一昨日と似ていた。  
「あっ・・・あんっ・・・」  
「つ、次の駅でその扉が開いたら一旦降りような」  
私の股の間にお兄さんの右足が入り込み、その太ももが私の股間に密着していた。電車が揺れるたびお兄さんの体勢が小刻みに揺らいで執拗に私の股間をこすってくる。私のアソコはすぐ濡れだした。  
「だっ、大丈夫?」  
「はっ、はいっ。へ、平気でっ、す」  
私の声は上ずっていた。お兄さんの顔がゆらゆらぼやけている。下半身が熱くなっているのが解る。  
お兄さんはどうしていいか解らないという、本当に困った顔をしていた。私を心配してくれてるみたいだけど、私今お兄さんの太ももで感じてるんです。私がこんな子だって知られたらどうしよう。でもお兄  
さんの困った顔、とてもかわいい。こんな顔見せてくれるのなら、お兄さんになら、このままイカされちゃってもいいかな。  
お兄さんは次の駅で降りようと言ったけど、私は知っている。次の駅では反対側の扉が開くことを。降りることはできない。  
これも一昨日の下見のおかげ。お兄さん、ちゃんと私をイカせてくださいね。  
 
私の心は今日一番ときめいていた。  
 
 
 
終わり  
 

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