閃光、爆発。  
 わたしの体は衝撃に耐えられず、床に転がる。  
 
 ―――勝てない  
 
 思考が頭をよぎる、わたしの体は意思に従わず、血塗れのまま動かない。  
 わたしはここで消えるのだろうか。  
 
 記憶のログが突如蘇る。エラー。こんな時に。  
 ―――平和で、何もなかったけど、とても充実していたあの部室の出来事。  
 ―――涼宮ハルヒ  
 ―――朝比奈みくる  
 ―――古泉一樹  
 
 
 ――――――彼。  
 
 それを見ても、わたしの喉はヒューヒューと狂った音を上げるだけで。  
 何も出来ない事に気付いて、少しだけ、悲しくなった。  
 
 
 
 
 
『なにやってるの』  
 
 
 
 
 
 声。  
 
 
 聞こえるはずのない声。今ここにいるはずのない声。わたしが自ら消したあの声。  
 
 
『ダメねえ』  
 
 
 ――――――朝倉、涼子。  
 
 
 ――――――なぜ。  
 
 
『ねえ、なにやってるの』  
   
 問いかける彼女。出そうとした声の代わりに出て来たのは血。  
 
『悔しくないの?』  
 
 返事など意味が無いかのように、一方的に語りかける。  
 
『ねえ、悲しくないの?』  
 
 
 ――――悔しい、のかもしれない。何も出来ず一方的に倒されるだけの自分にが。  
 悲しいのかもしれない。もうあの部屋に戻る事が出来そうにないから。  
 
 
『なんで諦めてるの?』  
 
 
 ――――――――――な、ぜ?  
 
 
『戻りたいんじゃないの?』  
 
 ……………………  
 
『守りたいんじゃないの?』  
 
 ……………………  
 
 
 
 
 
 
『――――――好きなんでしょう?「彼ら」の事』  
 
 ……………  
 ……………  
 ……………  
 ……………そうだ。わたしは―――――  
 
 
 
 …………あそこに、戻りたい。  
 ………………彼らが、好きだから。  
 
 
 ……けれど。  
 決意した所で私の体はもう殆ど機能停止状態だ。  
 だけど、戦う。  
 もう一度、あそこに行く為に。  
 もう一度、彼らと話す為に。  
 
 
 
 ―――諦めない。  
 
 
 
 ―――突如、わたしの怪我が治っていく。  
 
 
 視界が開く、はっきりと。  
 手が動く。足で立てる、しっかりと。  
 
 
 
『だから、少しだけ、手伝ってあげる』  
 
 声。  
 
 わたしは、全てを了解して、語りかける。  
 
 
「朝倉涼子」  
 
 
 伝えたい、伝えたかった、わたしの言葉を。  
 
 
「ありがとう」  
 
 
『…………どういたしまして』  
 
 ――――――きっと、微笑んでいたのだろう。  
 
 
 走り出す。倒すべき敵に向かって。  
 不安はない。きっと勝てる。  
 
 
 
 
 
 
 
 
 彼女が一緒にいるから。  
 

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