それはそれとして、何故ずっと俺を見つめているんだ。
「……色は三色」
あぁ、そうだな。
「観賞するにも、飾っておくにも手頃なサイズ」
1/6だもんな。
「…………」
…………。
「……注文ボタンは下の方」
いや、別に買わないぞ。
「そう」
ああ。なんせ俺には本物のお前がいるしな。そうだろ?
「……いる」
『部長! 幾つ注文するんですか!』
『もちろん『買えるだけ』に決まっておろうっ!!』
『了解しましたっ!!』
…………。
「…………」
…………。
「……注文ボタンは下の方」
あ、いや、その。
『しかし部長、この造形若干本物と相違する箇所がありますが?』
『その点は問題ない。ちゃんと我が魔改造技術を以て削り取るからな』
『ああなるほど!』
『それなら安心です!』
「…………」
……ど、どうしたー長門ー? そんな壁をじーっと穴を開けるかのように見つめてー?
「……許可を」
……あー、この世の人間のできる範囲内で、な。
「そう」
十七時十一分。
決着がついてから約十分後、部室に帰ってきた者がいた。
ところでその手にしていた赤く分厚い本、行く時は白くなかったか