「朝礼を始める、まず涼宮は今日も休みだ、それと」
・・・ん? 岡部がこっちの方を見ている。俺に何か用なのか?
「そうだお前だ、ちょっと後で職員室来てくれ」
「先生、俺を職員室に呼んだ理由は」
「いや、それなんだがな・・・ 涼宮が昨日から休んでるだろう」
「は、はあ」
何かやばい予感がするぞ。
『あのぅ、これってもしかして』
『静かにしてなさいみくるちゃん』
『ご、ごめんなさい』
「更にだな、今日は他クラスの長門と古泉と、あと2年の朝比奈も休んでるんだ
これら4人は皆お前が入ってるわけわかんない部活の部員だろ」
「は、はいそうです」
「・・・・・・涼宮は日曜の朝から、長門と古泉と朝比奈は今朝から行方不明になってるそうだ」
「・・・え!? そうなんですか!? ・・・それは大変ですねえ・・・ ははは」
そりゃそうだ。4人とも俺の着ているシャツにいるんだからな。だが決して俺は悪くないぞ。
「そこでお前なら何か知ってるかと思ってだな、
あと、家族側が警察に捜索願を出す事を検討しているそうだ」
・・・・・・何だと!?そこまで話は進んでいるのか?!
『捜索願ですって!?それってちょっと話進みすぎよ!』
『どうしましょう涼宮さんー、ぅあーんどうしましょう〜』
『・・・とりあえずここは素直に打ち明けるほうが良い』
『そうですね、その方が良いでしょう』
『じゃあみんな、キョンにくすぐり攻撃』
『『わかりました』』『了解』
「そ、捜索願ですか、1日2日姿を消したからって、それx・・・ は、はは!!何だこら!おい!!やめいfjくぉいw!」
おいコラお前ら何をやってるんだ!おい!
「どうした、大丈夫か何かの発作か」
「いえ違いまs89えうyr89! あはは!っうあ!やめコラちょギャハハハ!!!」
「もしかして何か服についてるのか」
やばい!感づかれる!
「とりあえず服脱げ」
「い、いえ結構、はは!ぎゃはははうぁっ!ぅぁーははぎゃははぅぇ」
「良いから脱げ、男同士だろうが」
「嫌ですっははh」
「じゃあ無理やり脱がす!」
「うぎゃあ何やってるんですか先生!!」
岡部の奴が俺のYシャツのボタンを引きちぎった。これは傍から見れば立派な強姦だ。
「・・・なかなかかわいいシャツを着てるなお前」
「・・・いえこれは」
「もうしゃべっちゃって良いからキョン!!」
「お、おいこらハルヒ!」
「私達はここにいます!!」
「岡部先生、ちょっとこれには訳があって」
「・・・・・・」
「服が・・・ 服が喋った・・・・・・!!」
◇
「なるほど、涼宮は日曜の朝に、他の3人は今朝からこいつの下着に入ってしまったと」
「まあそういう事でして、・・・おいお前ら、もう少しマシな方法があったろうが、何もくすぐり攻撃なんかしなくてもだな」
「そうでもしないと気付いて貰えないでしょ」
「ごめんなさいキョンくん」
「これしか方法が無かったものでw」
「しかし未だ信じられん、人間が服に入ってしまうことがあるのか
お前ら『ど根性ガエル』って知ってるか、自分はまさにリアル世代なんだが、アレもまさにこういう話でだな」
ですが元ネタの方には18禁は無かったはずです岡部先生。
「しかしどうするんだ、これじゃあ授業が受けられないだろ」
「まあそうですね、講義の声だけは聞こえるんですが」
「でも何故か服の中に道具が一式揃っててノートや教科書は一式揃ってます」
「そ、そうか・・・ ならどうしようか」
「どうしましょ」
「いちいち脱いでもらうのも大変ですしね」
「ハンガー用意してもらってシャツを教室の脇にかけておくという方法も・・・ キョン君の席も端っこだったはずですし」
「・・・前をはだけさせればいい」
「「「「「・・・・・・!!!」」」」」
「・・・・・・(ぽっ)」
突然何を言い出す。そして何を赤くなっている長門。
「んー・・・ しかしそれが一番得策かもしれない・・・」
「そうよ、そうすりゃ何もハンガーにかけなくても良いし私達も授業受けれるじゃない、キョンとずっと一緒にいられるし」
「僕もそれが良いと思います」
「そういや・・・ 涼宮らは良いとして、朝比奈、お前は2年だ、2年が1年の授業を受けるというのも」
「そんなの別に構いません、2年のほうの授業なら何とかなります」
「そ、そうか・・・ なら良いんだが、でも早くその状況は何とかしないといけないな」
「まあそうなんですが」
尤も、一番手っ取り早いのはハルヒに元に戻りたいという願望を持ってもらうことなんだが。
「まあ良い、お前ら教室戻れ、お前ら、保護者には俺がうまく言っておく」
「物分りが良いわね先生!」
「ありがとうございます先生!」
「助かります」
「・・・ありがとう」
◇
「おいキョン、何かSOS団でやらかしたのか?!」
「いや・・・ まああながち間違ってもいない」
「キョン、ボタンはだけさせたりなんかしてだらしないよ」
「お前も不良に目覚めたのか、・・・って、ん、何だこの下着」
「涼宮さんと、長門さんと、朝比奈さんと古泉くんの絵だね」
「どうしたんだこのシャツ、SOS団のユニフォームみたいなものか?」
「違うわよ谷口、あたしは本物の涼宮ハルヒ!」
「こんにちは、朝比奈みくるです」
「どうも、古泉です、まさかこんな形でお目にかかるとは思ってもいませんでしたよ」
「・・・・・・おはよう」
「・・・ああ・・・ ああぁ・・・ あぁぁあぁ・・・」
「谷口、谷口、大丈夫?」
「国木田、俺はもう駄目だー(がくっ」
「・・・ユニーク」
そこでユニークは無いだろう長門よ、谷口はお前とは違って一応本物の人間なんだぞ、谷口だって生きてるんだ。
そしてすまん谷口よ、保健室でも病院でも良いからゆっくり休め。ムシャクシャしてやった訳じゃない。今は反省している。
その後俺と国木田で谷口を保健室まで引きずっていってベッドに放置してきた。
━━━━━
◆ 音楽
「しまった・・・ 今日は歌のテストだったんだ、俺歌なんて下手だぞ」
「そのテストって複数で一緒に歌っても良いんでしょ」
「そうだったな・・・ ―――良ければお前ら手伝ってくれ」
「まっかせておきなさい♪」「了解した」「わかりましたw」「キョン君のためなら」
「はい次どうぞ」
ハ・キ「「♪光るかーぜーをー追い越しーたらー」」
み・古「「♪きみーにーきっとあーえるねー」」
有「♪新しい輝きー」
5人「「「「「♪HAPPY REDY GO!」」」」」
♪キンコンカンコンキンコンカンコンキンコンカーン
自分で歌っておきながら何と懐かしい歌か。
「やったわ、やったわよキョン!!」
「やったのは良いがなぜこの曲を選んだハルヒ」
「良くも悪くも私達のライバルだからよ」
まあ拍手喝采で先生にも褒めて貰えたので良しとしよう。一部ドン引きしていた奴もいたが。そりゃそうだよな。
◆ 美術
「今日は机の上のリンゴとバナナの絵を描いてもらいます」
「んむむ・・・ なかなか上手く描けん」
「あたし描けたわ!」
「完成した」
「私も描けました」
「僕も出来ました」
「何、お前ら速い・・・ って、どこに描いてるんだお前らー!!」
「「「「キョンのシャツ」」」」
やってくれた・・・ このアホ軍団・・・
「シャツの中の4人は中々上手く描けてますね、あなたももう少し上手にね」
「は、はい・・・(泣」
家に帰って洗濯する俺の身にもなってくれ・・・
だがその後でハルヒが俺に代わってこっそり俺の分の絵を描いてくれたので良いか。
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「さあ昼飯だ、でも弁当は俺とハルヒの分しかない」
「どうしましょ、5人で2人の弁当を分ける?」
「って事は、一人0.4人前・・・ そんな〜」
「絶対すぐにお腹すきますね」
「逆に食べないほうが良い」
「・・・仕方ない、パン買ってやる」
「本当ですか?ありがとうございますキョンくん!」
「流石ですね、僕のキョンくん」
「感謝する」
仕方ないだろう、ろくに飯も食わさずに午後の授業中にぐーぐー音鳴らされてもこっちが迷惑なだけだからな。
5.1chサラウンドでお腹の音など聞きたくない。どうせ聞くならハレ晴レユカイの大合唱でも聞きたい。後で歌ってくれ。
あ、別に踊らなくて良いぞ。
◇
「キョンくんもお茶どうぞ」
「あ、有難うございます朝比奈さん」
「みくるちゃん、アタシ達にもお茶!」
「は、はい!」
俺のシャツの中ではメイド姿の朝比奈さんが俺達にお茶を淹れてくれている。ちなみに俺も飲む事ができる。
あと、ハルヒは俺が持ってきた弁当を、古泉と長門は先ほど俺が買ってきたパンを食べている。
シャツの中という2次元の世界で展開されている4人の光景は見ていてなかなか微笑ましいものだ。
「そういやキョン、次何の授業だったかしら」
「次は・・・ 現代文だったと思う」
「僕のクラスは体育です、あー、最近体動かしてなかったから楽しみだったのにな、今日はサッカーです」
「古泉、俺のシャツの中でサッカーして遊ぶなよ」
「分かってますよ、ランニングで我慢しておきます」
「んん・・・ それも何だかな・・・ 6時間目に俺のクラスでも体育がある、その時にしてくれ」
「わかりましたw」
「私は古典」
「私は次は化学です」
「そうか」
「それにしても、これだけずっと5人一緒だったって事無いよな」
「確かにそうですね、片時も離れることなく一緒だったって事は」
「・・・楽しい」
「有希?」
「このような非日常の生活も楽しい」
「そうですね、キョン君のシャツの中に入っちゃうなんて、最初はビックリしましたけど、でも楽しいです」
「たまにはこういうのも良いですよね、5人一緒ですし」
「そうね、ずっとあたし達5人一緒にいられたら良いのに」
「そうですね・・・」
「そうだな」
「キョン!そろそろ授業始まるわよ」
「お、そうだな遅刻する」
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◆ 体育
「よーし、まずはグランド5周だー」
「がんばれがんばれキョーン!がんばれがんばれキョーン!」
「キョンくん頑張ってください、後2周です」
「頑張れ、頑張れ」
「僕も応援してますよ、頑張ってください」
シャツの中で4人がチアリーダーの衣装でポンポンまでもって応援してくれている。
だが古泉、お前はキモイ。・・・後長門、応援するならもう少し声出してくれ。
「わかった」
「有希?」
「ふれー!ふれー!キョーン!!頑張れ頑張れキョーン!!いぇ〜い!」
「有希!?」「長門さんが・・・」「・・・何だか恐ろしいですね」
長門のマイクロチップがやられた!!そして中の人のプログラムが起動した!
「!! ――///・・・ ・・・今のは忘れて欲しい」
「「「「・・・・・・」」」」
「キョン、もっとスピード上げなさい!」
「キョンくん頑張って!」
「頑張って」
「もし頑張ったら後で僕からとっておきのご褒美あげますよ♪」
古泉からご褒美だと?! ・・・・・・何か寒気がする。
―――スピード落とそう。
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「あー疲れた、お前ら、今日はもう帰るぞ」
「何でよ!部活ほっぽり出す気!?」
「お前な・・・ 4人とも俺のシャツに入ってるんだからいつでも活動できるだろうが
夕食食いながらでも風呂入りながらでもベッドの中でも
折角なんだからたまには明るいうちに帰らせてくれ」
「まあそれもそうね、別に帰り道の途中でも出来るんだし、って事でみんなそれで良い?」
「僕はそれでも構いません」
「良いですよ」
「私もそれで良い」
◇
「ただいまー」
「キョンくん、みんな、おかえりー、今日は早かったんだね」
「たまには早く帰ってきたって良いだろ、今日の部活は俺の部屋でだ」
「そうなんだー、じゃあお茶持ってくるねー」
「妹ちゃん!お茶はみくるちゃんが淹れてくれるから妹ちゃんはケーキか何か持ってきて」
おいハルヒ、ここは俺の家だぞ。しかもそう都合よく
「わかったー、じゃあ持って来る、ちょうど5人分あるよー」
・・・あるらしい。
「本当はあたしとキョンくんが食べるために6つ買って来てくれたんだ、でもさっき1個食べちゃったから残り5個」
じゃあそのうちの3つは俺のなのか。おいお前ら遠慮しろー。
「あらそうなの、じゃあありがたく頂くわ」
「ありがとうございます、キョンくん」
「御馳走になります」
「ありがとう」
うう・・・ このやろう。 ・・・・・・ハルヒ、後で美味しく食ってやるからな。覚えときやがれ。
その後持って来てくれたケーキだが、ハルヒのやつは俺の分までペロリと平らげてしまった。
俺は後でゆっくり食べようと思って置いといたんだぞ。
「何よ、さっさと食べないキョンが悪いのよ」
確かにそうだな。ハルヒの前でケーキを食べずに置いておいた俺が悪い。
それから妹も一緒に6人でトランプをやったり王様ゲームをやったりした。
まあ王様ゲームといっても俺と妹以外全員シャツの中なので命令は限られてくるが。
いつものように部活らしい部活をするわけでもなく時間は過ぎた。
そして母の夕食の掛け声で部活終了。
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「じゃあ、もう遅い時間なんで僕は寝ますね」
「私も寝ます」
「・・・おやすみ」
「「おやすみー」」
「ねえキョン、そろそろあたしキョンと一緒にあんな事やこんな事したいわ」
「俺もだ、数日ヤラないだけでこれだけストレス溜まるもんだとはな」
「あらキョン、あんたそんなにストレス溜まってたの」
「ああ溜まってるぞ、今すぐにでもお前を襲いたいくらいだ」
「それは残念ね、ってか私も残念よ、キョンに襲ってもらえなくて」
「・・・・・・なあハルヒ、俺ストレスだけでなくて下のほうも溜まってるんだ、口でシテくれないか」
「良いの?」
「ああ、やってくれ」
「一体何をやるんですか?キョンくん涼宮さん」
「楽しそうなので僕も混ぜてくださいよ」
「私もやってみたい」
「な、何!?あんた達起きてたの!?」
「・・・・・・聞かれてたか」
「・・・キョン!今夜はもう寝るわよ」
「あ、ああそうだな、俺も寝る!お前らもさっさと寝ろ!」
「え〜!?一体何をやろうとしてたんですかー」
「まあ良いじゃないですか朝比奈さん、もう寝ましょう
・・・・・・涼宮さん、そう上手くはいきませんよ」
「・・・つまんない」
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「ふぁー・・・ もう朝か・・・ って・・・ ここはどこだ?」
翌朝、俺は真っ白な世界で目を覚ました。気がつくと横にはハルヒら4人が寝ている。
「あらキョン、もう起きたの・・・ って、何でキョンがここにいるのよ!?」
「ふゎぁ〜・・・ おはようございます」
「おはようございます、今日も良い朝ですね」
「・・・なぜあなたがここに」
何・・・? まさか・・・? ここってもしかして・・・
「「「「シャツの中」」」」
・・・・・・なんだとー?
「そう!キョンもこっち来たのね!これでいつでもあんな事やこんな事ができるわ!」
「でも俺がこっち来たらこのシャツは誰が着るんだ」
「「「「・・・・・・さあ?」」」」 ■おしまい