埋めネタ その4 森さんの微笑み
「昨日はすいませんでした。連中をマークしていたにも関わらず、朝比奈さんの拉致を許すなんて、謝罪のしようもありません。
まったくもって、始末書ものの不手際です」
「謝罪なら明日の朝比奈さんにしてくれ。俺はただオタオタしてただけだ」
「明日の・・・ですか、ふむ、また何か複雑な事情があるようですが、深く詮索するのはやめておきましょう。
では、彼女には明日、十分に謝罪しておきます。ときに、あなたは昨日、十分な睡眠をとれましたか?」
ああ、いつものごとく仮眠快食快便の健康優良児だ。この団のおかげで、たいていのことに驚かない体質を獲得しちまったからな。
「それを聞いて安心しました。さすがは涼宮さんに選ばれた人だ」
「でも、なんでそんなことを聞くんだ?」
「いえ、大したことではないんですが。昨晩、当直室で多丸裕さんがだいぶ寝苦しそうにしていまして。
公安総務の鉄仮面がうなされるなんて、思い当たる節はひとつしかありませんからね」