最近イシュワルドで暴行魔が現れるらしい。ヤヨイは暗くなり始めた空を見上げたとき、回覧板に書かれていた注意を思い出した。  
 内容を掻い摘んで理解したところ――女性だけを集中的に狙って暴行を働く輩がいる、とのこと。ヤヨイはそういった知識があまりないので、暴行魔とは通りすがりにこん棒か何かでぶん殴って逃げる、ぐらいのことしか想像できなかった。  
(うう、都会は怖いところッス……)  
 急いで家に帰ろう。けれど農具をほったらかしにしておくわけにはいかない。人としてどうかとも思うし、地中で眠る野菜たちにも悪い。  
 畑と倉庫兼休憩場所の小屋を何度か往復し、片付けが終わるころにはとっぷりと夜が訪れていた。それでも月明かりがあるので、若干は恐さも和らいでいる……気がした。  
(ふぅ、終わったッスね)  
 やれやれと言わんばかりに腰を伸ばし、小屋から出る。するとそこに、ヤヨイよりも少し背の高い黒ずくめの男がいた。  
「だ、誰ッスかっ!?」  
「驚かせてすまない。私はこういう者だ」  
 どこか威厳が漂う口調。男がローブの中からちらりと見せたのは、イシュワルドの警備兵が持っているような紋章。持っていたような紋章。イマイチ覚えがない。  
 なるほど、警備兵なのか。ヤヨイは不安は一気に安心へ変えた。そういえば、教会に通う生真面目な人もこんな格好をしている。不気味に見えるのは暗さのせいだろう。  
 戦う術のないヤヨイにとって、男の出現によって強力な護衛ができたように感じた。  
 
「ご苦労様ッス。こんな遅くにどうしたッスか?」  
「それはこちらが言いたいよ。今は特別警備体制中でね。うろうろしている女性の保護をして回っているんだよ」  
 回覧板で書かれるぐらいだ、国も手を打つだろう。そんな感想と、自分が保護される対象だということに気づき、ヤヨイは改めてノロノロとしていた自分を恥じた。  
「……申し訳ないッス……」  
「いや、これも仕事のうちさ。さ、家まで送ろう」  
「どうもッス!」  
 これで一安心。足取りも軽く意気揚揚と歩き出す。男はそんなヤヨイに少し遅れる形で着いて行く。  
「しかし精が出るね。野菜作り好きなのかい?」  
「好きッス!」  
 だが――ヤヨイは気づかない。  
 ヤヨイが元気よく腕を右左右左と突き出すすぐ後ろで、男がローブの中から薄汚れた布っきれを出す。  
 ヤヨイが今日の夕食をどうしようかと考えるすぐ後ろで、男が腕を広げてヤヨイとの距離を詰めていく。  
 ヤヨイがクリックのことを思い出していたとき――男は跳躍した。  
「んん! っぅ……!」  
 背中に強い衝撃が走ると共に、ぐいっと引き寄せられた。胸部が痛いぐらいに抑えられ、骨が音を立てているような錯覚を感じた。  
 
 だがそれ以上に、顔半分を埋め尽くす布の刺激臭に鼻がどうにかなりそうだった。鼻が曲がる、を通り越して機能障害を起こしてしまいそうだ。  
(この臭い……とても嫌な感じッス……)  
 ヤヨイは薄くなる意識の中で、処理し切れないほど思考を馳せた。警備兵が何でこんなことをするのだろう。いつになったら離してくれるのだろうか。なぜこんな警備兵がいるのだろう。  
 いくつも項目が出るものの、意識が混濁してまともな考えを確立することができなくなっている。それでも、ヤヨイは『この警備兵こそが暴行魔』という結論を出すことなく意識を失っていった。  
 男はぐったりと崩れかかるヤヨイをずるずると引きずり、近くの小屋へまで運んだ。造りはボロくてベッドの一つもない。そこらのござを足で蹴飛ばし、転がったところにヤヨイを寝かせた。  
 横になったまま、まったく動かない。か細いが呼吸はしっかりとしている。状態で言えば『昏睡』に近いように見られた。男はそんなヤヨイに馬乗りとなり、ナイフを取り出した。  
 男にとってこの瞬間がたまらなく興奮し、昂ぶり、美味だった。警備兵を装い接近して安心しきったところを背後から襲い、こうして無抵抗な女の体の上に乗る。完全な支配、独占、勝利。そして、犯罪。  
「大丈夫だよぉ……肌に傷つけるなんてこと、しないからさぁ」  
 今のヤヨイが返事をするはずがない。もちろん男も知っている。これは自分を興奮させるための呪文のようなもので、そこから男の異常性が垣間見られた。  
 鋭い刃で、首元からじりじりとヤヨイの服を切りだした。口約通りに傷つけることはなく、衣服だけが縦に裂ける。  
 
 控えめな胸、肌白いが健康的な肌。色気はないが、まだ少女独特の儚さと純粋さが備わった体がそこにあった。  
 裂け目に手をかけ、左右に引っ張り一気に剥ぎ取った。細いが農作業でそこそこに鍛えられた腕に、ほっそりとして引き締まった脚。ヤヨイは下着を残して、そのスレンダーな裸体を晒した。  
 男はナイフを置き、ヤヨイに抱きついた。  
「あぁぁ、柔らかい……それに、いい香りだ」  
 耳をべろりと舐め、胸をもそもそと撫でる。無抵抗なヤヨイは、たしかに体温はあるが人形のような冷たさも感じられた。だが男はそんな人形に対して押さえ切れない欲望を高めていた。  
 再びナイフを手にして、男は最後の抵抗だった下着をぷつりと切る。これでナイフの出番は終わり。懐に戻して、次の女性を待つことになる。  
まだ誰にも見られていなかったヤヨイの秘所が男の目に映る。破瓜の血を知らないそこに、頭がクラクラとなっていた。  
「綺麗だねぇ……さっそく突っ込んであげるよぉ」  
 秘所に指を置く。まだ性感が未開拓で、しかも寝ているヤヨイの秘所は少しの湿り気もない。弄ったとしても、相当時間がかかるだろう。  
 男はポケットからビンを出し、その中身の液体を手に受けて秘所に塗りたくった。アヌスから薄い陰毛まで、液体の厚みが感じられるぐらいまで丹念に塗り伸ばす。  
 次に水あめのように指に絡めて膣内に伸ばす。まだ入り口が窮屈で一本が限界だったが処女ということがわかった。無理をせず、一歩の指をぐりぐりと回すように膜をほぐす。  
 処女は丁重に扱わないといけない。膜を破る楽しみは、屹立した欲望で味わなければならいからだ。  
 
 指を出し入れできるぐらいなり、男は己の性器に液体を塗った。何度も何度もいきり立つ欲望に撫で、べとべとにする。。  
 男はヤヨイの脚を開き、正常位の体位を取った。ヤヨイは誰にもしたことのない、はしたない格好で男を迎える。それも自分の意思でなく、眠らされて。  
「さぁ……『初めて』を頂くよ」  
 男が欲望の刃を突き刺した。そこはいくらほぐれているとは言え狭く、男を拒絶する。  
 しかし、ぐいぐいと刃を押して先端を埋めた。ぎりりと締め付けられ痛覚が走る。ヤヨイは、何も示さない。  
「あぁぁぁぁぁぁぁ。痛いけど……気持ちいいよぉ」  
 ずるずると刃を埋め込んでいく。その結合部からはちろりと赤い筋が零れていた。膜が破れた。それでも、ヤヨイは静かに男を受け入れる。何も、知らないまま。  
 男の欲望は根元まで刺さった。寝ている女性特有の、膣内の妙にひんやりとした感覚と入り口の溶かされそうな温度が絡み付く。  
男は体を倒してヤヨイと密着した。  
「これでキミとの距離はゼロになったね……今から、ボクを刻み込んであげるよ」  
 大きく腰を引き、刺す。その衝撃でヤヨイの体が大きく揺れる。本来なら皮膚が張り裂けそうなほどの痛みを感じているところだが、今のヤヨイは春の野原で昼寝をしているような、安らかな顔をしていた。  
「ふぅ、ふっ……はぁ、はぁっ、はぁっ」  
 男の息が荒くなっていく。腰の動きもどんどんと大きくなり、じゅるじゅると水の音が響き渡る。ヤヨイの体が本能的に体を守ろうと粘液を分泌し始めていた。  
粘液とビンの中の液体が快楽を駆り立てる温度に達し、男の性感を痛く刺激する。  
「ああああ、イく、イくからねぇぇぇぇぇぇぇっ」  
 
 男の体はがくがくと震え、最奥まで突き刺し――熱い欲望を吐き散らした。数分前まで男を知らない無垢な体が、今では知らぬ男の精液を膣内に受け止めていた。  
 数度動いてすべて絞り出し、男はゆっくりと抜いた。じゅるじゅるといくつもの液体が混ざり合ったものが漏れ出す。  
 さて、と。静かに眠るヤヨイを前に、男は考える。このまま終えてとんずらするのがいつもの手口、だが。今回は少し違う。  
この女は、今までと違って気丈な気がする。口調で判断するに。「〜ッス」なんて使う女はそうそういない。  
 そうなると、アシがつく可能性も出てくる。それは困る。目を覚ましたときにより強い絶望を植え付けなければならない。そう思い立ち、ビンに残っている液体を指で中指にすくう。  
 ねとりと半ゼリー状の液体をまとう中指をヤヨイの秘所――の下、アヌスに突きつける。そこはぴっちりと閉じ、何びとたりとも侵入を許さない。  
 男は小さな思いやりでそこを傷つけないように、中指をぐいぐいと押し込んでいく。硬く閉じたそこは、最初こそ拒んでいたものの、徐々に開かれていく。  
 ずぽり。中指が第一間接まで押し込まれた。ここまでするとあとは楽だった。中指はずるずると第二間接、そして根元まで咥え込んだ。  
 数度スライドさせ、直腸に液体を塗る。男の欲望はこれからの行為を考えただけで波打つほどに硬さを戻していた。液体とヤヨイの粘液、精液でどろどろにコーディングされている欲望を、ヤヨイのアヌスに押し当てる。  
 押す。が、入らない。しかし、男はそんな抵抗を許さない。狙いがずれないように固定する。  
 
「ふっ……ん……!」  
 一気に、突いた。ぐぼりと先端が突き刺さり、アヌスは大きく開かれた。メリメリと何かが破れるような感触。括約筋が断絶されたのかもしれない。  
 秘所以上の締め付け。だがその痛みも男には気持ちがよいだけだった。直腸が欲望に絡みつき、射精感を引き上げる。  
 二度目の射精もあって、男は先ほどよりも激しい腰つきで打ち立てる。そしてほどなくして、欲望が込み上げてきた。  
 このまま直腸に叩き出してやってもいい。が、それでは芸がない気もする。男はぎりぎりのところでじゅるりと引き抜き、秘所へ戻した。  
「くふ、うっ……っ!」  
 先端を入れた瞬間、精液が飛び出した。射精したまま奥へ刺し、子宮に浴びせるように出した。  
「はぁっ……はぁっ……」  
 まだ欲望が突き刺さしたまま、額に滲む汗を拭いながら近くのある物に手を伸ばす。  
 人参。ちょうど男の欲望ほどの大きさの物を選び、手に取る。この女が作った人参だろうか。  
 栓を抜くからには、新しい栓が必要になる。すっかり力のない欲望を引き抜くと共にその人参を入れた。  
 土がついたままだったので、膣内に傷がついてしまったかもしれない。そんなことを気にせず、ぐいぐいと突っ込む。まるでヤヨイから人参が生えているようで滑稽に見えた。  
「ふ……ふふふ、くくくっ」  
 これまで数人の女性を犯してきたが、ここまで屈服させた女はいなかった。こんな幼い顔の女を、前も後ろも、ずたずたに犯してやった!  
 処女だった女を、知らぬ間にその儚い華を散らせてやった。  
 通常なら一生扱うことのない穴を、開拓することなく貫き壊してやった。  
 希望に溢れていただろう女は今や、大好きな野菜に貫かれている。  
 男は欲望の汚れをヤヨイの服の切れ端でふき取り、その場から逃げ出した。それでも、ぼろぼろにされた少女は安らかな表情で眠っていた。  
 

Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!