しまっ、た……。シオは冷たい床の感触を服越しに感じたとき、その言葉が心に響いた。  
 水色の塔に異変が起きて数日。ダンジョンで探索をすること同様に数日。ようやく一つの節目を見つけたとき、そこに不適な笑みを浮かべるモンスターが数匹いた。  
 体調、戦力、そして自信。どれもほぼベストの状態だったシオは少し意気込み、そのモンスターたちに戦いを挑んだ。  
 ――だが、モンスターたちは今までと違う点があった。各能力に変わりはなかったが、粗雑ながらも連携があったのだ。  
一番後ろのゴブリン(おそらくこの中で一番偉い、ゴブリンキングだろうか)が指示を出し、ジェリーが動きを封じ、ゴブリンが攻撃を与える。危険と感じればすぐに引く、オーソドックスな戦法。  
 シオは深入りせず、様子を見るように戦った。だが、ゴブリンが一歩引いたとき、ぴんと「いけるっ!」と判断したことがミスだった。  
 ゴブリンはシオの踏み込みを誘ったのだ。シオが空振りした瞬間ジェリーが粘液を飛ばし、動きが止まってしまったところで、ゴブリンのスマッシュが放たれた。  
 そして今に至る。歓喜の悲鳴だろうか、意味不明なゴブリンの叫びがやけにうるさい。ああ、脱出しないと。せめて装備品だけは持ったままで、脱出口への最短ルートを描く。  
「――――っ、――っ!」  
「――――!」  
 ゴブリンキングが何か叫んだと共に、ゴブリンが返事をするように鳴いた。  
 がり、がりっとゴブリンの爪と足音が近づいて来る。危険。そう感じたが、まだ一撃のショックが残っていて逃げるに逃げられない。  
 ちょうど顔の上に、ゴブリンの顔が出てきた。覗き込んでいるのだろうか、まったく不快な表情が見える。だがゴブリンキングの姿は視界にはなかった。ゴブリンキングはどこに……?  
 
「……ちょっ、なにするのっ!?」  
 ゴブリンキングはシオの足元にいた。ただ突っ立っていただけでなく、脚を掴み、無理やり開いた。シオのスカートの中は今、ゴブリンキングに丸見えになっているだろう。  
「こっ、のぉ……!」  
 かろうじて握っていた右手の剣と、握りこぶしを作った左手を振り回そうとしたが、覗き込んでいたゴブリンががっしりと掴み、拘束した。ゴブリンとはいえ、さすがに全体重を乗せられては動かせない。  
「――――っ!」  
 ゴブリンキングは、本来なら魅入ってしまうだろうシオの下着に目もくれず、鋭い爪で切り裂いた。はらりとちぎれた下着はずるりと床に落ち、シオの秘所は不細工な獣に晒された。  
「いやぁ! いやぁぁぁぁぁっ!」  
「――っ! ――っ!」  
 必死で暴れ拘束を解こうとすると、ゴブリンが怒鳴るように鳴き、力を込める。腕で押さえつけるのはきついと感じたのか、正座をするように座り込む姿勢に変えた。  
 二匹のゴブリンの息遣いが聞こえそうな程の距離。小ぶりなゴブリンでもそれなりに威圧感を感じる体勢。完全に拘束された瞬間だった。  
「ひゃっ――」  
 シオはゴブリンキングの異変に息を飲んだ。  
ゴブリンキングの股間には、凶悪な肉棒がぎんぎんにそそり立っていた。種族の違うシオに対して興奮状態まで昇り詰めることはないだろう。おそらく本能的に、オスとメスとの関係を感じ取ったのかもしれない。  
 シオだって子供ではない。親が生命を宿す方法ぐらいの知識はあった。そしてその知識が、シオを絶望に叩き落す要因にもなっていた。  
 口の奥でがちがちと歯がぶつかりあって鳴っている。手や足はあいかわらず動かない。言葉を発しても理解できるような種族でもない。逃げられない……!  
 
 ゴブリンキングはシオの服についたジェリーの粘液を手で拭い、股間の凶器にべとべとと塗りつけ、そして脚を掴み、シオの秘所にあてがった。  
人間の体温以上ある、まるで熱の固まりのようなゴブリンキングの一物が、シオの入り口をぐいぐいと押し進める。  
「いたっ、いっ……! うぅっ!」  
先端が入り口で引っかかっているのか、ぐいぐいと肌が引っ張られ鋭い痛みだけが伝った。それでもゴブリンキングは力だけで進入を試みている。  
 動かない手足を必死に揺らし、震えた声で必死に抵抗しようとも、ゴブリンキングの動きは止まらない。  
「――ひっ!」  
今、先端がシオの入り口にはまった。おうとつの金具がかちりと繋がったように、股に異物感が広がっていく。  
頭さえ入れば後は容易い。ゴブリンキングは一気に差し込んだ。  
 ずずっ。  
「あああああああああ!」  
 一片の躊躇もなく、凶器はシオの最奥まで貫いた。何ら愛撫されていない秘所に湿り気はまったくなかったが、ジェリーの粘液が充分に潤滑油として役割をまっとうしていた。  
「――、――!」  
 声だか呼吸だかわからない音がゴブリンキングの口から漏れる。少なくとも興奮していることはわかった。ずんずんと腰の動きが速くなっていく。  
 ぐっちゃぐっちゃと液体同士がぶつかり合う音と、がすがすと突かれる度に訪れる衝撃。そして自分を挟む二匹のゴブリン。それらは獣に犯されているという事実をシオに叩きつけていた。  
「――――――っ!」  
 ひときわ高い声で鳴いたかと思うと、ゴブリンキングはシオの最奥で動きを止め、先ほど以上に脚を掴む手に力を込めた。  
 
 どぶっ、どぐ、どぐ、どくっ。  
 シオはゴブリンキングが止まった理由がわからなかった。だが、体の奥で波打つ生温かい液体を感じると、その理由と何が起きているのか。それらが急速に答えとなって脳内に現れた。  
「うぅっ……! ゴブリンの、ゴブリンのっ……!」  
 液体の名称が、あまりの恐怖で出てこなかった。  
 長い、長い波打ち。シオは知らないことだが、ゴブリンの射精は人間のそれと比べずいぶんと長かった。その分多く排出された液体は、シオの体内を埋め尽くしていった。  
 まるで、湯船でゆらゆらと揺れるような感覚があった。そして体内の波打ちが小さくなり、それと反比例して意識のほうが回復に向かった。  
 ひとまず、脱出しないと。ちりちりと片隅で絶望と悲しみが心を焦がしているが、それはぎりぎりまで押さえつけないと。  
「――、――」  
 ゴブリンキングの手に力が入る。爪が脚に食い込み、今にも裂けてしまいそうだった。  
「え、え……?」  
 何か、体内……秘所と、ゴブリンのそれの間あたりで、異変が生じた。  
 ず、ずず、ずっ。  
 ゴブリンキングが腰の動きを再開すると共に、少しずつ硬さが戻りつつあった。  
「ぐっ、あぁ……!」  
 先ほどのジェリーの粘液とは違い、今度は自らの体液が潤滑油となり生殖行為を成り立たせている。  
 そして、おぞましいことに……腕を拘束しているゴブリンが、シオとゴブリンキングの行為で興奮したのか、自らの手で慰めていた。  
 ゴブリンの手の動きが速くなり、ぜいぜいと呼吸が乱れ、口の端からは唾液が一筋漏れる。  
 その瞬間は訪れた。  
 
「――っ! ――っ!」  
 びくりとゴブリンが震え、一物から液体が発射された。  
「ぐ、う、うっ……」  
 糊のように粘度のある液体は、シオの顔や服をべとりと汚した。  
 まるで湯せんしたチョコレートが顔に降りかかったように、顔面が感じる温度は高かった。  
 幸い……かどうかはわからないが、粘液は目や口付近には付着せず、額から鼻の頭、そして口を飛び越えて服へ及んでいた。  
 悔しくて、悲しくて。次第にシオの目に涙が湧き出した。  
「――っ!」  
「はっ、はぁあっ……!」  
 また、体内に波が生じた。先ほどよりは小さいが、それでも確実に波があった。  
「やだっ、やだっ……ゴブリン孕んじゃうぅ……」  
 二度の射精を終えたゴブリンキングだが、まだ己の一物をシオの体内から引き抜こうという気配はなかった。拘束するゴブリンもまた、ぎんぎんとした凶器を握り締めている。  
 まだ終わりは近くない。シオは数度の射精を覚悟した。そして疲労すれば逃げ出すチャンスもあるだろう。それまで、耐えよう……!  
 しかしシオは気づいていない。周囲には少しずつゴブリンたちが寄ってきていることを。  
 

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