「……う……む……」  
 脱衣所の床に寝かせられていたヘルシンキが目を覚ました。  
「あ!ヘルシンキさんが気がついたみたい」  
「む……フィル殿、拙者は一体……?」  
 当惑するヘルシンキに、シバが  
「おめー露天風呂でブッ倒れたろ?皆で運んだんだよ」  
「む……そうであった……皆、かたじけない」  
「いいってことよ。湯冷めしちまうから早く服着とけ」  
 と、ヘルシンキに浴衣一式を手渡す。  
「シバ殿、重ね重ねかたじけない」  
「だからいいってばよ!」  
 ヘルシンキの律儀な姿勢が、シバにはどうにもうっとうしいらしい。  
「へぇ〜、温泉って入った後は浴衣ってのを着るんですか?こ、こうかな?」  
 クリックは浴衣を着るのは初めてらしく、着付けに戸惑う。  
「いや、帯はこうじゃな」  
 シルフ荘では、色とりどりの浴衣も自分で選ぶ事ができる。  
 それも隠れた人気の一つとなっている。  
 そんなこんなで男性陣の浴衣の着付けが終わった。  
 
 フィル:薄めの緑色の竹が全面に描かれている。  
 ルヴェル:赤を基とした濃淡が印象的である。  
 クリック:紫色の蓮華の花がちりばまれている。  
 ヘルシンキ:藍色で滝を思わせるような縦主体の模様。  
 シバ:黒を強調したチェック模様。  
 
「へーお前ら皆浴衣がサマになってるじゃねーか」  
 選んだ浴衣にはそれぞれの個性がよく表れている。  
「もう少しで夕食の時間じゃな。それまで部屋で待つとするか」  
「そうですね」  
「おーそうだ!忘れるとこだった。お前らちょっと手伝え」  
 突然シバが皆を呼び止める。  
「な、何?」  
「ちょっと運んでもらいたいものがあったんだ。三人で充分だからついてこい」  
「ならば、拙者が参りましょう」  
「あ、俺もいくよ」  
 ヘルシンキとフィルを連れて、シバは外に出る。  
「これこれ。これを宴会場まで運ぶぞ」  
 シバが指差した先には、一抱えもある箱が三つ。  
「……何コレ?」  
「何ですかな、シバ殿?」  
「宴会の時までの『お楽しみ』だ」  
 ニヤけながら箱を運んでいくシバに疑問を抱きながらも、  
 とりあえず二人はついて行った。  
 
 箱を運びこんだあと、三人は部屋へと向かう。その途中、  
「あれ、フィル君たちじゃない?温泉上がったんだ?」  
「シ、シオ!?」  
 女性陣と遭遇する。皆フィル達同様、一人一人の個性の表れた浴衣を着用している。  
 
 シオ:水色と青の花火が彩られている。  
 ティコ:あでやかな紫色の菖蒲の花が両側面に描かれている。  
 イヴ:ピンク色の朝顔が一面に敷き詰められている。  
 サラサ:秋空とアカネトンボを思わせる橙色。  
 ヤヨイ:素朴な濃いめの緑の柳模様。  
 ソフィア:藍色を使った魚のウロコ模様。  
 
「緑色似合ってると思うよ、フィル君♪」  
「あ、ありがとう、シオ。シオも……似合ってるよ」  
「ありがとっ♪」  
 どうやら露天風呂でのことは気づかれてないらしい。ホッとするフィル。  
 知らぬが仏とはこの事だ。  
「ところで、宴会場から出てきたようだけど……何してたの?」  
「シバに頼まれてちょっと運び物を……」  
「運び物って……なぁに?」  
「それが……俺もわかんないんだ。中身見てないし」  
「まぁまぁいいじゃねーか!宴会の『お楽しみ』だからな!」  
 余計な詮索はするなと言わんばかりにフィルを止めるシバ。  
「あら、ヘル君とおそろいの色ですわね」  
「う、うむ。そ、そうでござるな」  
 にこやかなソフィアとソフィアの前では緊張気味のヘルシンキ。  
「うれしいですわ」  
「あ、ああ」  
 いかに屈強な彼と言えど、ソフィアの前では形無しである。  
「じゃ、私たち部屋に戻ってるね」  
「う、うん」  
 一同は一旦部屋に戻ることにした。  
 
 
 ――30分後  
 『シバ御一行様』とある大広間に一同は集まった。  
「わあぁ〜♪おいしそうっ」  
 豪勢な料理にシオが歓声を上げる。  
 それはシオでなくても驚く程の質の料理だった。  
「ほう、美味そうじゃのう」  
「ホント、ルヴェル君が作る料理とは大違いだわ」  
「師匠、それはないですじゃ……」  
「海猫亭とは段違いね、すっご〜い!」  
「こんな料理見た事ないッス!」  
 第一印象の感想が飛び交う。と、ここで――  
「はい皆注目ーっ!」  
 とシバが手を叩く。そばにフィル達と運んだ箱もある。  
「宴会といえばコレが欠かせねーだろ」  
 と箱を開ける。気になる中身は……  
「ほれ、コイツだ!」  
 出てきたのはイシュワルド酒、メロウ酒、メロウワインなどのお酒や  
 缶の飲み物の類である。  
「いよっ、待ってましたのじゃ!」  
「なかなか気が利くじゃない」  
 ルヴェルやサラサの大人組を中心に一同は盛り上がる。  
「でも一体これだけのお酒をどこから?」  
「なに、俺にはツテがあるのさ」  
「その『ツテ』というものは何でござるか、シバ殿?」  
 ずいとヘルシンキがシバに詰め寄る。  
「そ、その……知り合いから……もらったんだよ」  
「それはまことでござるか?」  
「ほ、ホントだ!!」  
「ならばよろしい」  
 ヘルシンキの疑惑から逃れたシバはホッとする。  
「き、気を取り直してだな……皆、飲み物は持ったか?」  
「うぃ〜っす」  
 返事がそろったところで、シバが乾杯の音頭をとる。  
「よーぅし!そんじゃ、皆道中ご苦労!今日は飲んで騒げ!  
 いくぞ!1,2,3……」  
「かんぱーーい!!!」  
 勢い良くグラスがぶつかり、キィンと澄んだ音が響く。  
「……プハッ!!酒が美味いぜ!!」  
「あぐあぐ……この料理……おいひーっ!!」  
 皆たくさんの酒と豪勢な料理に虜にされている。  
 こうして、最高のボルテージで宴会が始まった。  
 
 
 ――1時間後  
 最初の楽しい雰囲気はどこへやら、宴会場は地獄と化していた。  
「ゴルァ!!酒持って来ーい!!」  
 既に三本のビンを空け、ビンを振り回して怒鳴っているのはサラサ。  
 普段は冷静で口数の少ない彼女だが、酒が入ると二重人格のように  
 正反対の振る舞いと化す。彼女の普段しか知らない人が見ると、  
 おそらく別人としか思えないだろう。  
 そして酒癖の悪い彼女に運悪く捕まって奴隷とさせられているのは  
 やはりルヴェルである。  
「は、はい、ただ今持って来ますじゃ!」  
 ドタドタと足音を鳴らし、忙しく走り回る。  
 
 一方、他の席では、  
「全く、普段から貴殿の振る舞いについては一言申したいと常日頃……」  
 くどくどと説教を続けるヘルシンキ。そして犠牲になっているのは、  
(あーあ、やってらんねぇ……どうしてこうまで酒癖が悪いのかねぇ……)  
「聞いていますかな、シバ殿!!」  
「き、聞いてるに決まってるだろ、はは……」  
「ならばよろしい。だいたい貴殿の態度は……」  
(フザケんな!さっきから話がループしてんじゃねーか!!)  
 そんなシバの胸中など知るはずもなく、ヘルシンキの説教は延々と続く。  
 実はさっき逃げようとしたのだが、その際ヘルシンキが短剣で襲いかかってきたので、  
 止めるのに一苦労かかったのだ。今度逃げたら間違いなく刺されるだろう。  
 
 また、他の席では、  
「うう、フィル君〜、最近研究がうまくいかんのですわ、どうしたらいいか、グスッ……」  
「キャハハ、何か知らないけど二人とも面白いッス〜!アハハハ……」  
 泣き上戸のクリックと笑い上戸のヤヨイに絡まれるフィル。  
「う、うん、クリック君、大丈夫だと思うから、ね?」  
「うう、フィル君、ありがとうございます〜……」  
「キャハハハハハ……」  
 この二人はもはや収拾がつかなくなっている。それをおさえるフィルも一苦労だ。  
(はあ、どうしてこうなるんだろう……)  
 考えてみると、フィル達未成年組はイシュワルド酒などのお酒は飲まず、  
 缶の飲み物の類を飲んでいた。見た目や味はジュースのそれっぽかったので  
 最初は気にならなかったが、それがカクテルだということはさっき分かった。  
 皆も気にせず飲んでいたので大丈夫かと思っていたのだが、  
 低アルコールでも影響が強かったようだ。  
「ね、ねぇシオ、どうしよう……?……シオ?」  
「ボーー……ん、どうひたの、フィル君?」  
 反応が鈍く、ろれつが回っていない。どうやら彼女もアルコールにあてられたらしい。  
「あー楽ひそーだね、料理もおいひいし……このジュースもおいしひよ〜」  
(……ダメだこりゃ)  
 他に誰か大丈夫な人はいないか見渡す。  
「あ、イヴちゃん……って、寝てるし!」  
「……ぐか〜……」  
 床に突っ伏して寝ている彼女のそばにはカクテルの空き缶が四つ。  
 太腿をさらけだしてあられもない姿で爆睡している。  
「むにゃ……フィル君……ダメぇ〜……」  
 かすかに寝言が聞こえるが、フィルは聞かなかったことにした。  
「ソ、ソフィアさんは……?」  
「あらぁ〜、どうしたんですかぁ、フィルさん?」  
 いつも以上に拍子抜けした声。見た目では判別しづらいが、間違いなくソフィアも酔っている。  
 つまり、この宴会場ではまともに意識のある(酔いの少ない?)人間は  
 シバ、ルヴェル、フィルの三人だけだ。  
 まさに混沌状態の宴会場。  
 
 
 ――と、その時、  
「う〜〜ん……」  
 ガシャンと大きな音がしてヤヨイが倒れこむ。  
「ヤ、ヤヨイちゃん!!大丈夫!?」  
 あわててフィルとクリックが駆け寄る。  
「ヤ、ヤヨイチャン……」  
 恋人であるクリックは泣きながらヤヨイを起こす。  
「あ、アハハ……だ、大丈夫ッス。アハハハ……ちょっとね、眠いッス」  
 酔いがまだ回っているのか、笑いながらヤヨイは答える。  
「アハハ……部屋に戻るッス」  
「うう……じゃあボクが連れて行きますわ」  
 泣きながらクリックは立候補した。  
「だ、大丈夫?クリック君一人で……」  
「大丈夫ですわ……グスッ……ああ、ヤヨイちゃん、おいたわしや〜……うう……」  
 フィルの心配をよそに、クリックはヤヨイを肩で持ち上げて宴会場を後にする。  
「うわぁ……誰かは酔いつぶれると思ったんだけど……」  
「すまんが、ワシも一人送らねばならん」  
 突然ルヴェルも立ち上がる。  
「どうしたんですか?」  
「見ろ」  
「サ、サラサさん!?」  
 ルヴェルが指さした先に、ビンを持ったまま突っ伏して眠っているサラサの姿が映る。  
「イシュワルド酒を5本ほど飲み干してな……まあ無理もあるまい。  
 ワシはサラサさんを部屋に寝かせてくる。すぐ戻るわい」  
「は、はい」  
 ルヴェルはサラサをかついで外へと消えた。  
 その様子を見ていたシバの目が光る。  
(そうだ。邪魔者は酔った事にすれば片はつくんだな)  
 事実、シバは未だにヘルシンキの説教地獄から抜け出せずにいた。  
(テメェの話を延々と聞いてちゃ、こっちも商売上がったりだからな)  
「だいたい貴殿は普段から――」  
「まあまあヘルシンキ、とりあえず飲めよ。注いでやるぜ」  
「む……かたじけない」  
 と、酒をグラスに注いでいくシバ。  
 そして、ヘルシンキがグラスに口をつける一瞬の隙をついて――  
(くらえっ!!)  
 ドッと軽い音を立てて、ヘルシンキの延髄にチョップを叩き込む。  
「ぐっ!?……」  
 気を失ったヘルシンキはその場に倒れこむ。そしてシバはヘルシンキを受け止め、  
 白々しい態度で  
「おお、大丈夫かヘルシンキ!今部屋に送ってやるからな。てなわけでフィル、  
 俺サマはヘルシンキを部屋に連れて行く。すぐ戻るから待ってろ」  
「え?う、うん……早く……戻ってきてね」  
 こうしてシバはシオ、ソフィア、イヴ、フィルを残して宴会場を出る。  
 取り残されたフィルはなんだか不安で一杯だった。  
「早く……戻ってきてね〜……」  
 
(ククク……手間取らせやがって……だがあれだけの酒だ。すぐには目は覚まさないだろう。  
 夜は長いぜ。面白いものを見れそうだからな……)  
 ヘルシンキを部屋に置いた後、部屋から出たシバの口には笑みが、右手にはカメラの  
 レンズが浮かんでいた。  
 
「はぁ……キ、キツ……」  
 部屋の戸を開けてクリックが出る。虚弱体質の彼にとっては  
 人一人運んだり布団を敷いたりするだけでも重労働なようだ。  
 おかげで酔いもすっかり醒めて正気に戻ることができたのだが。  
(さて、どうしよかな……)  
 このまま地獄の宴会場に戻るべきか、明日に備えて寝るべきか……  
 少し考えたが、クリックは結論を出した。  
(早く寝た方が無難だな。その前にもう一回風呂入っとこか……汗かいたし)  
 自分の部屋に戻り、バスタオルを抱えて浴場に向かう。その途中――  
(?……電気がついてる……?)  
 ちょうどティコ達の部屋を通りかかったとき、クリックは異変に気づいた。  
 自分とヤヨイ以外のメンバーは今宴会場にいるはずだった。  
(従業員さんかな?……それとも電気消し忘れたんかな?)  
 恐る恐る部屋を覗いてみると――  
(――あ、ティコさん)  
 部屋の中ではティコが一人で何やら呟きながら飲んでいる。  
 そういえば、宴会の途中からティコの姿がなかったような気もした。  
「あら、クリックくんね。ちょうど良かったわ。いらっしゃい」  
「!?……バレてましたか、はは……」  
 ティコには部屋に入ったときから分かったらしい。  
「感心しないわね。部屋を覗くなんて」  
「す、すいません、でもなんで皆のトコにいないんですか?」  
「騒がしいのはキライなのよ……私は一人酒の方が好きなの」  
「はあ……ってこんなに飲んだんですか!?」  
 クリックが驚くのも無理はない。彼女が部屋に持ち込んだのはイシュワルド酒が  
 四本。そのうち二本が空瓶になっている。  
「まだまだイケるわ……ふふっ」  
 グラス片手に余裕を見せる。どうやら彼女も相当の酒豪のようだ。  
「でもね、そろそろ一人じゃ寂しくて……相手が欲しかったのよ」  
「は、話し相手なら宴会場行けばいるじゃないですか?」  
「だから騒がしいのはダメなのよ……それに、『話し』相手じゃないわ」  
「は?……うぷっ!」  
 意味を掴みかねるクリックの顔をティコは抱きしめた。顔を浴衣越しに柔らかい感触が包む。  
 浴衣を通して女性特有の柔らかい匂いがする。  
「ティ、ティコさん……?」  
 
「体が火照っちゃってね。イヴちゃんもまだ来ないから……相手が欲しかったのよ」  
 意味を把握したのか、クリックの顔が紅潮する。そして、何か言いたげに  
「ティコさん……ボク……」  
「あら、ヤヨイちゃんの事?大丈夫よ、バラさないし。約束するわ」  
「そうじゃないんです」  
「?」  
「本当に……いいんですか?」  
 オドオドするクリックに、ティコは優しく微笑む。  
「ふふっ、じゃ、OKね。とりあえず脱ぎなさい」  
「え?……あっ」  
 そうこう言ううちにティコの手によってクリックの浴衣が脱がされていく。  
「綺麗な肌ね。シオちゃんに負けないくらい、羨ましいわ」  
 ツツーッと指で肌をなぞる。  
「ボ、ボクは男ですっ」  
「顔や体つきは女の子みたいじゃない」  
「そっ、そんな事……」  
 少し図星だった。そう自分でも思えるくらいだった。  
「さ、そろそろ下ろすわよ」  
 クリックのパンツを下ろすと、小さいながらも懸命に膨らんでいるモノが  
 ピョコッと飛び出した。  
「まあ、可愛らしい。ちゃんと剥いてあげないとね」  
「え……あっ、剥いちゃ……」  
 ティコはいたずらっぽく触れると、クリックのモノを包んでいる皮を剥く。  
 徐々に濃いピンクの亀頭が頭を出していく。それが外気に触れるだけでも  
 クリックに快感が走る。  
「たったこれでも感じるのね。可愛いわぁ」  
 クリックの反応を見てティコの顔も悦に入る。  
「じゃ、始めるわよ」  
「ああっ、ティコさん……ふあっ!?」  
 パクッという音を立ててティコがいきなりモノをくわえる。  
 そのままチュパチュパと音を立ててしゃぶり始める。  
「あ、ティコさん、な、何を、あっああっ」  
「む……んふっ、気持ちいいでしょ?」  
「ひゃ、あっあっ……は、いあっ!」  
「ホントに女の子みたいね。喘ぎ声も高いし」  
 今感じている感覚はクリックにとって未知なものだ。  
 ティコの口内の温かさと舌との刺激でクリックのモノはさらに膨張していく。  
「ん……どう?魔女のフェラの感想は……って言葉も出ないようね」  
「はあ、ああ……っ」  
「じゃ、もう少し速めにいくわよ」  
 そう言って再びむしゃぶり始める。今度はさっきよりも速く、  
 ジュポジュポと音も大きく立てて吸い付く。  
「うああっ、スゴ……すぎるうぅぅ!!」  
 亀頭を様々な方向から舐めまわしてはまた吸い付くといったことを  
 繰り返しながら、ティコはクリックの表情を見て楽しんだ。  
「あ、らめっ……ティコ、さあっん、も、もう……」  
「ん、ん、は……もうイキそうでしょ?じゃあ、ひとおもいにイカせてあげる」  
 ティコの口と舌の動きが一気に加速する。同時にクリックの喘ぎ声も一段と大きくなる。  
「あ、ひゃあああっ!!そ、そんなにっ、され……あっ、たら……」  
「いいわよ、イキなさい!」  
「ふあ、い、い、イクううっっ!!ああああぁぁっっ!!」  
 
 喘ぎが切れるのと同時に、クリックのモノからは精液が噴き出した。  
 そして、ソレはティコの顔にかかってしまう。  
「はあ、はあ、ああ……ティコさ、ん、ごめ、んなさい」  
「ふふ、いいのよ。フェラすれば必ずこうなるだろうし」  
 顔にかかった精液を拭き取ってティコは微笑む。  
「さて……と。今度はもっとスゴイと思うわ」  
 と、ティコは自分の浴衣を脱いでいく。魔力を思わせるような紫色の下着と  
 それらでしか包まれていないティコの裸体が露わとなる。  
 ついには下着も脱ぎ、一糸纏わぬ姿となる。  
「あ、ああ……」  
 クリックは言葉が出なかった。それほど綺麗であった。  
 普段は『魔女』としての服装に身をまとっている彼女。  
 それに、ティコはクリックの憧れの女性でもある。  
 その女性が今、こうして裸で自分の前にいる。それだけでも声を失うには十分だった。  
「さ、続けましょ」  
 もう一度クリックを抱きしめる。今度は浴衣越しでなく、素肌どうしでの感触。  
 匂いもさっきとは違ってはっきりとしている。  
「ティ、ティコさん……」  
 後に続く言葉を押し殺して、ティコを見つめる。  
「いいわよ。好きにしなさい」  
「……じゃ、し、失礼します」  
 両手でティコの胸を揉んでいく。弾力のある胸の脂肪が、クリックの小さな手を  
 逆に包み込むようだった。  
「ん……結構上手ね」  
「あの……す、吸っても……いい……ですか?」  
「あら、妙に積極的ね。いいわよ」  
「では……」  
 ティコの乳首を軽くつまみ、クリックは吸い付いた。  
 口に含んだまま舌で転がすたびに、チュプチュプと音を立てる。  
「んっ、赤ちゃんみたいねぇ。可愛いわ」  
 さすがのティコでも乳首は感じるようで、小さく声を漏らす。  
「んっ、ちゅぷ、ちゅっ……」  
「ん……いいわ。今度はこっちで……ね?」  
 ティコは足を広げ、クリックを誘う。  
「ホントに……いいんですか?」  
「愚問ね。さっさとやってしまいなさい」  
「で、では……」  
 クリックは嬉しかった。憧れの人を抱く事ができた。その喜びが、クリックの  
 理性をおさえていく。  
 チュプッと音を立てて、クリックのモノはティコの蜜壷に簡単に飲み込まれた。  
「うあっ、気持ち、いいですぅっ」  
「前後に腰を動かしなさい」  
 言われるがままに腰を振るクリック。  
 モノが出入りするたびに、ヌルリとした中の感触と締め付け感がたまらなく快感を覚える。  
「う、うあっ、あっ、あっ……」  
「あらら……普通女の方が喘ぐものなのに……だらしないわよ」  
「で、でも、あっ、しま、るぅ」  
「しょうがないわねぇ。私も手伝ってあげる。ほら、ほら!」  
 そう言ってティコも腰を動かす。  
「んっ、これだと、わたしも、気持ち、いいわっ」  
「ああっ!なんか……ボク、おかしく、なっちゃいます、わぁっ!」  
 双方の腰の動きが激しくなり、ジュポッジュポッという音がいやらしく響く。  
 次第に動きは速くなり、パンパンと何かを打ちつけるような音に変わる。  
「ボ、ボクもう……イっちゃ……うっ!ティ、ティコさ、ああんっ!!」  
「イって……んっ、いいわ、イっちゃいなさい!!」  
「んん……ああっああ、うあああっっ!!」  
 
 ひと際大きな波を迎え、クリックは絶頂に達し、ティコの中で果てる。  
「うはあっ、は、はあっ、はあ……」  
「……中に出してしまったようね。ま、いいわ」  
 激しく息切れするクリックを抱きしめて、耳元で囁く。  
「……いいわね?ほんとは中には出すのは危険なの。でも、許してあげる」  
「ごめんなさい、ティコさん。あまりにも気持ちよすぎて……」  
「大人になったらそれは言い訳にもならないわ。でも魔女の味、良かったでしょ?」  
 ティコは優しく微笑みかける。  
「はい……」  
 クリックも抱き返す。胸と胸とがぴったりと触れ合い温かく感じた。  
「じゃあ、おやすみなさい」  
「ええ、おやすみなさい」  
 着替えて挨拶を交わし、クリックは部屋を出る。  
(あ、そうだ。風呂入るんだっけ……」  
 抱えているバスタオルなどに気付くと、クリックは一直線に浴場へと向かっていった。  
 
(ククク……)  
 廊下に隠れていたのだろうか。シバが誰もいない廊下に出る。  
 その手にはしっかりとカメラが握られている。  
(まさかティコとクリックのヤってるとこに出くわすなんてな……  
 カメラ持ってきて正解だったぜ。これなら……高く売れる!!  
 題名はそうだな……『魔女による童貞ショタ男の筆下ろし』でいくか……ククク……)  
 カメラ片手に、シバは走り去っていく。  
 
「う゛〜……」  
 戸を開けて、泥酔状態のサラサがルヴェルに肩を貸したまま入る。  
 いくら女性と言えども、イシュワルド酒8本分の匂いは、  
 ルヴェルでさえも顔をしかめる程である。  
「全く、酒臭いったらありゃしないわい」  
 サラサを部屋の端にとりあえず寝かせ、一息つく。  
 そして手際よく布団を2人分敷いていき、サラサを寝かせる。  
「ふう……よし、戻るとするかの」  
 そそくさと部屋を出ようとする。その時――  
 
  ガシッ!!  
 
「うおっ!?ぐはぁっ!!」  
 いきなり足をつかまれ、したたかに頭をぶつけてしまう。  
「痛ぅ……?」  
 見ると、サラサが起きていて、しっかりと足をつかんでいる。  
「お……起こしてしもうたか。じゃ、ワシはこれで……」  
「ふふ……」  
 なぜかサラサはうす笑いを浮かべている。  
「あの…………サラサさん?」  
「ふふ……何をしているの、ルヴェル君?」  
「何って……お主をここまで運んで――」  
「女性の部屋に侵入するなんて、不埒極まりないことよ?」  
「あの……じゃから、ワシは――」  
「言い訳結構よ」  
 なんとか誤解を解こうとするものの、聞いちゃもらえない。  
「悪いコには、『お仕置き』が必要みたいねぇ」  
「お仕置……き……ですじゃ?」  
 ルヴェルの顔が引きつる。彼にとって『お仕置き』とは聞きなれた単語であり、  
 また『聞きたくない単語』の最上級にも位置している。  
「そ、それじゃ!!……ぐっ!?」  
「逃がさないわ」  
 サラサの手は振りほどこうと逃げ出したルヴェルの足をがっちり掴んで離さない。  
 逆にルヴェルがサラサの方に引きずり込まれる。  
(ぐうっ、なんて力じゃ!引っ張ら……れるううううぅぅ)  
 あっという間に引き寄せられ、腕を押さえられてしまう。  
「さあ、お仕置き開始よ。うふふ……」  
 微笑を浮かべて浴衣の帯を解いていくサラサ。  
「ッ……何を……」  
 
 するりと浴衣が脱げ、薄肌色の肌と官能的な黒い下着があらわになる。  
「何って?ちょっと『恥ずかしい』お仕置きをね」  
 そう言って帯でルヴェルの腕を柱に縛り付けた。  
「見えないほうが恥ずかしいものね」  
「?……なっ……!?」  
 手早くルヴェルの浴衣を剥いで、帯で目隠しをさせる。  
「あら、ガタイはいいのね。良い筋肉じゃない」  
 指先でルヴェルの体を撫でていく。  
「お、お許しを……」  
「ダメよ。……と言う割には感じてるんでしょ?」  
 パンツの上からでもはっきり分かるほど膨らんでいる股間。  
 サラサはわざと焦らすように指でつつく。  
「あ、あう……」  
 ズルリとパンツを下ろされ、そそり立つ肉棒が現れる。  
「まあ……立派なのを持ってるじゃない」  
 うっとりした表情でルヴェルのモノを見つめる。  
 外気に触れたソレは、重力に逆らうように上を向き、震えている。  
「ずいぶん……いえ私が見た中で一番よ。さあて、イタズラし甲斐がありそうね」  
「や、やめ……ひゃっ!」  
 一瞬の快感が起きたが、ルヴェルには何をされたかが分からなかった。  
「あら、先っぽにキスしただけなのに。これからよ」  
「え……?……うあっ!」  
 今度は間違いなくルヴェルの肉棒が咥えられた。  
 生温かい温度と時折触れる舌と歯の先の刺激が容赦なく快感を促す。  
「んむ……流石に大きいのね。口に入りきらないわ」  
「うう……」  
 ルヴェルはただ耐えるしかなかった。イきさえしなければいずれサラサは飽きて自分を解放するだろう。  
 あるいは早く酔いが醒めて正気に戻るのを待つしかない。しかし、イシュワルド酒8本分の酔いが  
 そう簡単に醒める気配はなさそうだ。  
「ん、ちゅぷちゅぷ、ジュルッ」  
「くっ……」  
 視覚を封じられた分、一層触覚と聴覚が敏感になったように感じる。  
 さらにこみ上げてくる羞恥心が快感を煽り、理性を崩してゆく。  
「んふ……なかなか頑張るじゃない。そうでなくちゃ、ね?」  
「!?」  
 ルヴェルの肉棒が何かで挟まれたのを感じた。なんだか柔らかくて弾力がある。これは……  
「胸で挟むなんて、ティコさんにはしてもらった事ないでしょ?」  
「む、胸!?」  
 ルヴェルはたじろいだ。未体験の感触がルヴェルの肉棒を包み込む。  
「こうすると、大概の男は出しちゃうのよね」  
 胸で挟んだまま、先っぽをしゃぶり続ける。  
「く、あ……っ……」  
 ルヴェルに一層苦悶の表情が広がる。サラサはその顔を満足そうに眺めながら攻め続ける。  
 舌の先がルヴェルのモノの先を這い回り、ピチャピチャと音を立てる。  
「これも耐えるなんて……でも、あと一息ってとこかしら」  
「うぐ……ワシは……決してイくワケには……」  
「とは言っても、先っぽから出しかけてるだない?これ以上は苦しいだけじゃなくて?  
 ひと思いにイかせてあげる」  
 胸でしごく速さと舌を這わせる速さが一気に上がる。  
「うあっ!……く……さすがに……」  
「イイでしょ?ほら、イっちゃいなさい!!」  
「も、もう……ダメ……じゃ、イ、イくぞ、あ、あ……」  
 もう我慢が効かない。サラサはそれを感じたかのようにしごくスピードをさらに上げる。  
「うあ、あああっ……くあっ!!」  
 
「!!」  
 次の瞬間、大量の精液が飛び出し、サラサの顔と眼鏡を直撃する。  
 そして、ルヴェルからは糸が切れたかのように力が抜けていく。  
「はあ……はあ……はあ……」  
「ふふっ、一杯出たのね。溜まってたんでしょ?」  
「そうかも……しれんの」  
 顔についた精液を手で拭き取り、口の周りについたのは舌で舐め取る。  
 もうやってしまっては後戻りはできない事を悟ったのか、ルヴェルはふっ切れたようだった。  
「もう満足ですじゃ?では早く帯を解いて――」  
「まだよ」  
「へっ!!」  
「お仕置きは済んだってまだ言ってないわ。まだ私は気持ちよくなってないもの」  
「ま、まさか……うっ!」  
「うふふ……これからが『本番』よ」  
 いきなりルヴェルのモノを掴み、指先でしごき始める。  
「も、もう、これ以上は……」  
「却下。ほら、また大きくなってきたわ」  
 見えなくても、ルヴェルには大きくなっていくのが分かる。  
 ある程度大きくなったのを確認すると、サラサはルヴェルの上にまたがる。  
「さ、入れるわ」  
 モノを押さえながらゆっくりと腰を沈める。クチュッという音と共に、  
 ルヴェルの肉棒はサラサの中に入っていく。  
「う、うああ……」  
 口とはまた違ったヌルヌルとした感覚と中の熱を感じる。  
 そして何よりも、締め付けるような感じがルヴェルの肉棒を刺激する。  
「ん……すごい……もう、私の中……いっぱい……」  
 太い肉棒は次第に飲み込まれ、サラサの奥まで届く。  
「あはぁっ……う、動くわよ」  
 サラサが腰を動かし始める。縛られているルヴェルは抵抗する事ができないので、  
 ただそのままじっとしているだけだ。  
「んん、スゴ、いっ、イイ、わぁ……」  
 サラサの顔が恍惚を帯びてくる。再びルヴェルもうめきだす。  
「うううっ、くっ……」  
「すごいわね、んっ……これなら、ティコさんもぉっ、満足、でしょうに……」  
「し、師匠は、気まぐれで、そ、そんな、ことは、ない、ですじゃあ!」  
「そう……なの、あっ、じゃ、そろそろ、んっ……」  
 ラストスパートとばかりにサラサは腰を前後左右にグラインドさせる。  
 ルヴェルの肉棒とサラサの膣内がお互いを刺激し合い、快感を生む。  
「うあ、ああ……サラサ、さん、イき……ますじゃ……」  
「わ、私も、ああっ!イ、イくううっ!」  
「あ、ああああっ!」  
 びゅるびゅるっと音を立て、ほぼ同時に絶頂を迎えた。  
 サラサの中からは蜜液が溢れ出し、少し遅れて、ルヴェルの精液が混じる。  
「はあ、は、はあ、はあ……」  
「はあ、はあ、はあ……やってくれたわね」  
「ひっ!?」  
 サラサが指でルヴェルのあごを上げる。  
「誰が中に出していいって言ったのかしら?」  
「そ、それは……ワシが動けなかったから――」  
「お黙り!」  
 またもルヴェルの意見を完全却下して怒るサラサだが……  
「……許してあげる」  
 
「へっ!?」  
「……久々に……気持ちよかったし……」  
「その……すみませんですじゃ」  
「ふふっ、なんでルヴェル君が謝るのかしら?」  
「あの……その……」  
「まあいいわ。今日のとこは……疲れ……ちゃっ……」  
 ドサッと大きな音がしてサラサの声が途切れる。  
 もちろんルヴェルには何が起こったか分からない。  
「サ、サラサさん?」  
「……zzzZZZ……」  
(……って寝とるんかい!!……まあ、あれだけ飲めば、そうじゃろな。っていうか……)  
 自分の現状をほったらかしにされるルヴェル。  
「誰か……解放してくれぇぃ……」  
 腕と目は帯で縛られたままであった。  
 
「……ふう」  
 あれから自力で何とか脱出したルヴェル。  
 サラサに服を着せ、自分も浴衣を着なおした。  
「全く、酔いもここまでくると、恐ろしいのう……」  
 布団に寝かせたサラサを一瞥する。  
 また暴れられたら困るので、しばらく見守ることにした。  
 
(クックック……)  
 部屋の外にはカメラ片手にシバが薄笑いを浮かべて隠れていた。  
(題名『受付嬢の夜の素顔 緊縛プレイで男喰い』ってか……)  
 と、またどこかへと去っていった。  
 

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