「奴隷のくせに生意気ねぇ。今日はマッハパンチ3分間の刑かしらね?」  
「そ、そんな、殺生ですじゃ〜(涙)」  
 ここ、イュワルドのレミュオール地区では、魔女と恐れられている割には肉弾戦を得意とする女性と、その女性に家畜か奴隷のように扱われている青年が経営している魔道雑貨屋が有名である。  
 この魔道雑貨屋はオープンしてからまだ日が浅い。けれど短期間でイシュワルドの5本指に入るほど知名度が向上したのは、現役魔女が調合する魔道グッズはもちろんのこと、ひとえに青年が家事の片手間に経理などをこなす手腕にあるところだろう。  
 ついでに言えば、月並みだが魔女は美人だ。記念すべき第一号にその魔女の特集を組んだ某雑誌はどこの書店に行っても品切れというほどの売り上げを記録させた。(追記すると某雑誌は第一号を発刊後、しばらくして出版社が倒産するという珍事があったが、これはまた別の話)  
 
 午後6時。陽も落ち、辺りが暗くなるころティコ魔法堂は店を閉めて、本日の販売を終わらせた。  
「あ゛〜、終わった」  
 店の主人、ティコはイスに腰をかけたまま背を伸ばす。この姿勢はふくよかな胸のラインがより強調されるのだが、当の本人はなんら気にしない。  
「おつかれさまですじゃ、師匠」  
 と、労いの言葉をかけるのが青年、ルヴェル。下僕と言わんばかりに金のティコ像を磨いている。  
「今日の売り上げはどうかしらね?」  
「本日も上々ですじゃ。ただ武器の売り上げはイマイチですじゃ」  
「そう……」  
 ギルドポイントも溜まっているし、生産量を減らそうかしら。ティコはすっと考える。当初は商売なんてする気はなかったが、たとえやる気がなくても次第に体が覚え始めてしまう。  
 視線を落とし、イスに体重を預けてぼんやりと経営方針を考え始める。そんなティコに、ルヴェルはそろりと後ろにまわる。  
「何を考えているのですじゃ、師匠」  
 そう言うと――後ろからそっと腕をまわして、抱きしめる。  
「あっ……」  
「師匠の悪い癖ですぞ、一度考え込むと周りが見えない聞こえない」  
 左手は抱きしめたまま、右手でティコの見事な胸に触れる。揉む、などではなく、指先で軽くいじる程度に。  
 
「ぅ、はっ……」  
 頬をやや赤くして耐えるように目を固く閉じるティコをまるで無視するように、ルヴェルは指先は胸を責めたまま、舌による耳への攻撃を始める。  
「あ、ぁん、やっ」  
「嫌ですか? ならやめますぞ」  
「や……やだっ」  
「くくっ」  
 喉の奥で笑い、ルヴェルはティコから離れる。その表情は、いつもの奴隷のときの涙目や穏やかなものはない。  
「さてどうするんですじゃ? たしか先週ぐらいに教えたはずですぞ?」  
 ルヴェルの言葉にティコはためらうこともなく床に跪き、言った。  
 
「……わ、わたくしめが、ほ、奉……し……」  
 
 高貴なプライドが邪魔してか、ティコはうつむいたまま続けようとしない。  
 ルヴェルはそんな姿に舌打ちを一度うち、ティコの髪を掴んで顔を上げさせた。  
「あ、いたぃっ……!」  
「続きはどうしました?」  
 ティコはルヴェルの表情に息を呑み、うっすらと涙を溜めて呟いた。  
 
「……わ、わたくしめが、ほ、奉仕……させていただきます。恥ずかしい姿を……ご覧くださいませ」  
 
 言い終わると、ティコは言葉なく涙を流した。世にも珍しい、魔女の涙だった。  
 ルヴェルは満足したように、掴んでいた髪を離して撫でた。  
 
「よく言えましたの。では始めるんじゃ、ティコ」  
 
「はむっ………ん……」  
 普段は客でごった返すティコ魔法堂。突然の押し売り、命知らずな値切り、首なし藁人形を大人買いする客、主人の罵り、奴隷の悲鳴。それらが詰まった店内は今、静かに、しかし少しずつ何かのトーンが上がっていた。  
「んっ……む……」  
 皆が魔女、誰かが神と囁く魔女――ティコは、いつもなら奴隷扱いするルヴェルのモノをただただ、その舌で奉仕をしていた。  
 そんな魔女の姿を、奴隷――ルヴェルはイスに座り、カウンターに肘をついたままつまらなさそうに眺めていた。  
「うまくなったの、ティコ」  
「はんっ、ありがとうございます、ぅん」  
 ティコの整った表情は、恍惚としてほんのり赤く染まっている。端正な唇は男の毒針を這い、ちろちろと舌で刺激を与える。  
 亀頭を咥え、カリを舌で責める。モノは唾液でべたべたと濡れ、激しく動かしたためかティコの口の周りも己の唾液でてかてか光っている。  
 ルヴェルはこの顔が好きだった。普段のティコからは想像もできない、奉仕の姿。臭いのするモノを一心不乱に、舌で、口で、唾液でしゃぶるティコ。どんどんとサド気が高ぶってくる。  
「ティコ。奉仕が足らんぞ」  
「も、申し訳ございません……」  
 留守だった手を、片方は竿をしごき、片方は袋を揉む。白魚のような綺麗な指がモノに触れる。ルヴェルは内心満足であったが、虐めるにはまだまだ足りない。  
「手はいい。喉の奥まで咥えるんじゃ」  
「は、はい……んっ」  
 じゅぼっと水っぽい音を立て、喉奥まで突き入れる。嘔吐感が急激に高まるが、ここで吐き出してはきつい仕置きが待っている。奴隷となった二日目のことを思い出し、身が震える。  
「ん、ん、んっ」  
 吸い付いたまま亀頭まで上げ、一気に喉奥まで突く。それを何度も何度も繰り返す。漏れた唾液が床まで銀の糸を紡ぎ、ぽとりと落ちる。  
「ん、いいぞ、ティコ。そうじゃ、もっと、もっとじゃ!」  
「ん、ぐ、んぅ!」  
 
 嘔吐感が耐えれない。目を閉じて耐え、さらに続ける。  
「う、イく、イくぞ、ティコ。たっぷり出すから飲むんじゃぞ!」  
 ルヴェルの息が荒い。射精が近い。ティコは精液の味は慣れてはいないが、飲まなければならない。  
「ん、んって、んってんあぁい」  
 モノを含んだまま、「イってください」と言うと、ルヴェルは――ティコの顔を掴み、引き抜いた。  
「――――えっ」  
 びゅるっ、びゅびゅ、こぴゅっ。  
「きゃ、やぁ!」  
 亀頭から飛び出した白濁液は、ティコの顔に降りかかった。魔女の顔は、小汚い男の欲望の汁で白く染まった。  
「あぁ、熱い、熱いぃぃっ」  
 目を閉じていたため入ることはなかったが、熱いシャワーのような、けれど粘り気のある液体が顔中に広がっている。  
「いいもんじゃな、顔射は。ほれ、主人の精液はどうするんじゃ?」  
「あぅ、は、はい……飲ませていただきます」  
 言葉を繋げるたびに精液が口へ滴る。ティコは手で顔を拭い、べとりと付着した精液をぺろぺろと舐め取る。  
 一見すれば練乳を舐めているように見えるが、臭いはそれを許さない。独特のむんとした臭いが、ティコの嗅覚と味覚を犯す。  
「ルヴェル様、お精液、おいしく頂かせてもらいました」  
「ふむ」  
 すうと目で合図をすると、ティコは再びモノを含み、尿道に残った微量の精液を吸い取る。最後にキスをして、見上げて次の指示を待つ。  
「四つん這いになって下着を下ろすんじゃ」  
「はい」  
 ルヴェルに背中を向け、うな垂れるように四つん這いとなって、下着を膝まで下ろした。  
「あっ……」  
 下着と魔女の性器は、ねとっとした糸が生まれていた。ティコは思わず顔を赤くした。感じている。性奴のように扱われて、感じてしまっている。  
「いい眺めじゃ。ぐちゃぐちゃに濡れておるぞ」  
 
「あ、はい……」  
「まったく、イヤラシイ女じゃな。奉仕しているだけでこんなに濡れおって」  
 ルヴェルの言葉責めを、上から、後ろからただ受けている。もちろん反論はできない。  
「ふん、こんな女はワシが手を下すこともないのう。売れ残りの鉄の剣の柄でも突っ込んでやろうか?」  
「そ、そんな。イヤ、イヤです!」  
 四つん這いのまま、しかし片手で、器用に性器を指で広げる。  
「ルヴェル様の、ルヴェル様のモノで、わたくし突いて、突いてくださいぃっ」  
 ティコの必死の懇願も、ルヴェルにはあまり届かない。が、ここで考え込んでは興ざめというものである。  
「ふう、相手してやるかの」  
「ありがっ、はぁっ!」  
 性器と性器が触れ合った瞬間、ティコに体に微弱な痺れが走った。亀頭は割れ目をすりすりとさすり、ちゅぽんと亀頭だけが入った。  
「あん、あ、早く、早く入れて、入れてくださいっ」  
「なんじゃ? 腰を後ろにすることすらできない無能なのか、ティコは」  
「……! 申し訳ございません!」  
 大きな謝罪とは反比例して、ゆるゆると腰を後退させてモノを咥えていく。  
「はぁ、はぁぁぁぁぁぁっ」  
 モノが最後まで沈んだころんは、ティコの表情は甘く、うっとりとしてどこか遠くを見ていた。  
「よくできたのう、ティコ。それ、褒美じゃ!」  
 ルヴェルは腰を引き、勢いよくティコの中へ突っ込んだ。  
「あああ! ああ!」  
「ほら、ほら!」  
 何度も何度も、まるでティコの体を壊しかねないように突き続ける。ティコの粘液がルヴェルに絡みつき、徐々に快楽が増していく。  
 だがルヴェル以上に、ティコの快楽はすさまじく膨れ上がっていった。  
「あん、あん! あ、あ、あ、もっと、もっとぉぉぉぉ!」  
「足りんのか、ティコ!」  
「はい、はい! 壊して、わたしを壊して、犯してぇぇぇぇ!」  
 
 腰のピストンを続けたまま、ルヴェルはティコの豊満な胸を握る。握りつぶすように力強く、ぐにぐにと形を変えるように揉む。  
「胸、胸が、気持ちいいのっ、すごい、狂うっ、ぁ、ああああ!」  
 とろんとした目は、もうどこを見ているかわからない。だらしなく空いた口から、ぽたぽたと唾液が漏れる。床には、唾液とティコの粘液からできた小さな染みいくつもあった。  
「ぐ、ああ、ティコ、イくぞ、中に出すぞ!」  
「はい、たくさん、たくさん出してっ! あ、あ、あ、あ、あっ」  
 ティコも絶頂が近い。膣の小刻みの震えがルヴェルのモノをより刺激し、苦しいぐらいに快楽を高める。  
「イく! イくぞティコぉぉぉ!」  
「あ、あ、あ、イク、ああああああああ!」  
 ティコの意識が白く光り、ぷつりと飛んで崩れた。頬は床の冷たさできりきりしたが、腰を抑えていたルヴェルの、二度目とは思えない大量の精液を膣で受け止めていた。  
「たくさん、たくさぁん出てる……」  
 ルヴェルが離れると、結合部分からごぽっと白と透明な液体が漏れ出して床を汚した。  
「ルヴェルさまぁ……は、はぁ、気持ちよかったれすぅ……」  
「何をしとるんじゃ……主人のモノが汚れているぞ。どうするんじゃ?」  
「は、はぃぃっ」  
 床を這って、寝転んだままぐっちょりと精液と粘液で汚れたモノをしゃぶる。さすがのルヴェルも疲れてか座り込んでいる。  
「ん、はむ……おいしぃ、精液おいしぃ……」  
 おねだりするようにモノに吸い付く。もちろん精液は出ない。まだまだ足りないのか、己の性器から今だこぼれる液体を手で受け止めて、飲み、舐める。幾度も、幾度も、舐める。  
「かわいいヤツだの、ティコ」  
 精液を舐めながら手でモノを上下に刺激しているティコを撫でながら呟く。  
 ふぅ……汚れた床の掃除はワシの仕事だから変な話じゃのう。  
 猫を撫でるように可愛がりながら、ルヴェルは普段への奴隷へと戻っていった。  
 

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