「で、これは何なんだ?」  
質素なテーブルの上に、なんとも卑猥な女性の裸体が表紙の本が一冊。  
足を組んで、相手を見下ろしすように睨む男、シバ。  
その様子からぷいっと目をそらし、頬を膨らませる少女、イヴ。  
「だ・か・ら、イヴはそんなの知らないって言ってるでしょう!」  
はぁっと溜息を漏らすシバ。  
「知らねーじゃねぇだろ。お前の鞄からこれが出てきたんだ」  
「だから〜!イヴは知らないったら知らないの!勝手に入ってたんだから!」  
「勝手に入るわけねーだろ。お前が入れねー限りはな」  
「入れてません!」  
何度この会話を繰り返したことだろう。  
事の始まりはイヴがシバの店へ買い物に来た時。  
 
鼻歌交じりに店に入ってきたイヴは店内を軽く物色した後、きょろきょろと辺りを見回しながら雑誌コーナーへを歩いて行った。  
そして不自然に棚の方へ倒れこみ、数冊の雑誌と共に床に突っ伏した。  
カウンターに座っていたシバの方からは床に倒れたイヴは見えず、大きな物音しか聞こえなかった。  
ガサガサと棚に雑誌を並べる音が聞こえたと思うと、雑誌コーナーからイヴが早足で出てきた。  
平静を装おうとするイヴであったが、シバは見逃さなかった。不自然に膨れたイヴの鞄を…!  
そのまま店を出ようとしたイヴにシバは店内に響く大きな声で言った。  
 
「お客さん、何か忘れちゃいませんか?」  
 
 
それから先ほどの会話を何度も繰り返して現在に至る。  
まったく先が見えないこの会話に、二人とも嫌気がさしていた。  
「なんて頑固なんだお前は…」  
「シバさんもね…」  
そしてまた同じ様な会話が始まる。  
「お前以外に考えられねーんだよ!いい加減認めやがれクソガキ!」  
「く、クソガキですってぇ〜!シバさんこそオジサンのくせに!」  
「オジサンだとぉ〜!?俺はまだ20代だ!!」  
「イヴに比べれば立派なオジサンで〜す」  
「このクソガキィ…」  
「大体イヴはガキじゃありませ〜ん。立派な大人で〜す」  
 
…プチっ  
 
シバの中で何かが切れる音がした…。  
 
先ほどと少し様子の違うシバ。  
その気配にイヴは圧倒される。  
「ど、どうしちゃったのシバさん?」  
「俺を怒らせたな…」  
そう言うとシバはゆらりと席を立ち、イヴに近づいていった。  
身長の高いシバを椅子に座ったまま不安そうに見上げるイヴ。  
「まだシラをきるつもりか?」  
「だ、だってやってないもん」  
「しかたねぇな…本当はこんな事しかたねぇんだけど…」  
「な、ナニ…?」  
「口で聞けないなら…身体に聞くしかねぇ…なっ!」  
そうシバが言った瞬間、イヴはシバの手によってテーブルの上に押し倒されていた。  
 
何が起こったかわからないイヴは目をぱちくりさせている。  
その間にシバはイヴの服の裾から手を差し込み、胸を愛撫し始めた。  
それにビクっと身体を反応させるイヴ。  
「ひあっ…な、何!?シバさんやめてっ!!」  
「言った通りだ。身体に聞いてるんだよ」  
荒々しく胸を揉みしだくシバ。形の良い乳房がぐにぐにと形を変える。  
痛いくらいのそれだったが、シバの手の中でイヴの乳首が形を主張し始めていた。  
敏感に立ち上がった突起を指で弾き、強く摘む。  
「はうっっ…」  
「乳首が立ってるぜ…。感じてるのか?」  
「感じてなんかぁっ…やめてシバさん…っ…いやぁ…」  
イヴの瞳からはぽろぽろと涙がこぼれる。  
それを見てシバはにやりを微笑んだ。  
「そんなに嫌なら白状したらどうだ?」  
「っ…やってないったらぁっ!!」  
「じゃあやめるわけにはいかねーな」  
そう言うとシバは、ちゅう、と音を立てて乳首に吸い付いた。  
「あぁン!!」  
縦横無尽に動く舌でころころと転がしながら先端を弄ぶ。  
イヴは必死に快感を我慢するように、口をしっかりと閉じていたが、その口からは甘い喘ぎが漏れていた。  
「んっ…ふっ…ンンっ…」  
ぶるぶると快感に震えるイヴ。  
シバはその様子を見て満足気に薄く微笑むと、するすると手を下へ伸ばして行き、下着の上から性器に触る。  
「いやっ!そこはダメぇっ…!」  
イヴの訴えも空しく、下着は膝まで下げられ秘部が露になる。  
淡い陰毛に彩られたそこからは愛液でしっとりと濡れていた。  
 
「濡れてるぜ…無理やりされてるのによぉ…」  
「ウソ…ウソよ…」  
「嘘なもんか」  
シバは秘部にそっと指を這わせ、その液体を掬い取る。  
そしてイヴの目の前で指をこすり合わせ、にちゃにちゃと音を立てさせた。  
「イヤっ!やめてよぉ…!」  
「こんなに濡らしやがって、いい気なもんだよな」  
もう一度、秘部へ指を這わすと、そのまま指をピンク色の肉の割れ目に埋めて行く。  
にゅるっと指が誘い込まれるように入り込む。  
「んはぁっ!ゆび入れちゃダメぇっ!」  
そのまま指を奥まで差し込み、中をぐちゅぐちゅとかき回す。  
「あっ、あっ、いやぁっ…んっ…はううっ」  
ねばねばとした愛液が秘部からとめどなく溢れ、テーブルの上に水溜りを作った。  
「射れるぜ」  
「んえっ!?イヤッ!絶対ダメッ!」  
イヴの言葉を聞き入れず、シバは指を引き抜くとそそり立つモノを一気に腰を前にスライドさせる。  
十分に濡れた秘所は抵抗も無く、ずちゅうっと音を立ててシバ自身を飲み込んだ。  
 
「ひあぁっ!あっはぁっ…入って…るっ…」  
「ふぅっ…初めてじゃねぇんだな」  
「かんけいっ…無いでしょ…はぁっ…」  
異物が押し入ってくる圧迫感に、乱れる呼吸を戻そうと大きく息を吐くイヴ。その瞬間、力が抜けたせいか、ずぷっとモノが奥深くまで勢い良く入り込んだ。  
「んあああっ!!!」  
それを機に、シバは腰を前後に突き動かす。  
程よく絞め込む膣壁の感触を楽しみながら、深く、浅く、強弱を付け前後させる。  
雪崩のように押し寄せる快楽に、イヴの口から絶えず声が漏れる。  
「あっ、あんっ、あんっ、はぁっ、うっ、んんっ!」  
「そろそろ言う気になったかっ?イヴちゃんよぉっ!」  
「知ら…ないっ、んああっ、ああぅっ!」  
するとシバは腰を打ち付けるのをピタッと止めた。  
「…ぇ!?な、なんでぇ?」  
「だってなぁ、そんな気持ち良さそうな声出しやがって…。これじゃヤってる意味ねぇからなぁ…」  
そう言いながら、焦らすように腰をゆっくり回すシバ。  
「んんっ…やだぁ…もっとしてよぉ…!」  
イヴの膣はひくひくと物欲しそうに収縮をくりかえしている。  
「どうしようかなぁ〜」  
「お願いっ…シバさぁん…」  
「お兄さんは正直なコの言うことしか聞かない主義なんだよ」  
「イヴは正直なコよっ?だからっ…」  
突然、ずんっとシバは腰を大きく動かした。  
子宮口に達するほど深く突き入れられ、イヴは歓喜の声を上げた。  
シバはそのままイヴの耳元まで顔を寄せ、息を吹きかけるようにそっと呟いた。  
「盗んだことを認めた良いコには、とっても良い事してあげちゃうのになぁ」  
そして、優しく耳を愛撫する。触れるか触れないか微妙な位置での愛撫に、ゾクゾクと身体を振るわせ、甘い吐息を漏らすイヴ。  
同時にゆっくりと乳房を揉み解され、イヴはとうとう…。  
 
「…しましたぁ…」  
「なんだって?」  
「イヴが…しましたぁ…」  
シバの愛撫がだんだんと激しくなる。  
「もっと詳しく…!」  
「あんっ…イヴがっ、エッチな本…盗みましたぁっ…はぁっ…」  
それまで奥まで挿入したまま止まっていた腰が、突然大胆に動き出した。  
蕩けそうな快感がイヴの身体を駆け巡る。  
「はぁんっ!すごっ…イイっ!!」  
激しいピストン運動を繰り返しながらも、シバの問いかけは止まらない。  
「何で盗んだんだぁっ!?」  
「んううっ!エッチな本っ、読みたかったのぉぉっ!」  
腰が引かれた時に液体が立てるいやらしい音とイヴの喘ぎの混じった声がリズミカルに呼応する。  
ぐちゅぐちゅと言う卑猥な音がイヴの頭の中に響き渡り、さらなる快感を紡ぎだす。  
もう頭の中は真っ白だ。  
「エッチな本読んでっ…あそこイジってぇっ、あんっ、オナニーっ、オナニーするのぉっ!」  
「おおっ、このエロガキがっ!オナニーだけじゃ足りねぇんだろぉ!?」  
「はいぃっ!指だけじゃあっ、んああっ、足りないのぉっ!イヴはエッチなコなのぉっ!!」  
「よーっし良く言ったあっ!!」  
ずんっ!と一際強くイヴの膣を突いたその時、高まり続けた快楽の波が頂点に達した。  
「んああぁあああっ!!!いっちゃうぅっ!」  
きゅうっと膣内がシバのモノ全てを搾り出すように締め付ける。  
「くぅぅっ!」  
びゅくびゅくっ!  
シバは苦しそうな表情を浮かべると、イヴの中へ躊躇いもなく射精した。  
自分の中へ精液を出されるのを、イヴはふわふわとした感覚の中、まったりと味わっていた。  
 
*  *  *  
 
「え、今何て?」  
ひくっと顔を引きつらせるシバ。  
それを隣で、じとーっとした目つきで見つめるイヴ。  
「だから彼女は無実なんです!」  
きつい拷問(?)した結果、とうとうイヴは罪を認めた。  
今回は初犯であったこともあり、イヴを許してやることにしたシバ。  
全てが丸く収まり、一件落着で終わろうとしたこの事件…。  
イヴを快く送り出してやろうと店を出ようとしたその時、一人の客が店の中へ走り込んできた。  
尋常ならざるその様子にシバは不思議に思い、荒い息を整えようと深呼吸をしている客に話しかけた。  
すると、先ほどの盗難事件についてぺらぺらと真相を話し始めたのだった。  
 
イヴが雑誌コーナーへ来たとき、その客はその場で雑誌を読んでいたらしい。  
そして、突然棚へ倒れ込んだイヴに驚き、そちらを急いで向いた。  
その瞬間、一冊の雑誌がイヴの鞄の中へと吸い込まれるようにすっぽりと納まったと言うのだ。  
「そんな虫の良い話…」  
「でも本当なんですよ!私しっかりとこの目で見ました!」  
ギラギラと輝く自分の瞳を指差し、客は答える。  
自分の中で燃え上がる正義の心が彼を突き動かしているのだろう。  
「あっ、そういえばイヴも、何かが鞄に入るのを感じたわ!」  
イヴは、ぱんっと両手を顔の前で合わせた。  
「ね、シバさん言ったでしょ?イヴは盗んでないって!!」  
「お前…さっき罪を認めたんじゃ…」  
「あれはシバさんが、あんまりひどいコトするからつい…」  
「ひ、ひどい事をされたんですか!?私がもっと早く知らせていれば…!」  
「アナタのせいじゃありませんよっ!全てこのシバさんが悪いんだわ…!」  
いつの間にかシバは一人、悪者にされていた。  
ますますヒートアップするイヴと客に、たじっと、シバは一歩後ろに下がった。  
そして一つ、大きな溜息を吐いたのだった。  
 
 
全てを語り終え、満足した客はぺこりと頭を下げ、そそくさと店を後にした。  
笑顔で見送るイヴと、仏頂面で客の背中を見つめるシバ。  
「ね、イヴは嘘ついてなかったでしょ?」  
イヴは勝ち誇ったような笑顔を浮かべながらシバに言う。  
「…まぁな…」  
まだ納得していないのか、不満気な様子のシバ。  
「なぁに!?その態度!イヴにあんなひどいコトしておいてー!」  
「お、お前だって、あんあんよがってたじゃねーか!」  
「そんなコト言うワケ!?シバさんって最低!!」  
また口論が始まろうかとしたその時、イヴはくるっと後ろを向いた。  
「でもね…」  
「…?」  
「悔しいけど、シバさんって上手」  
そう言うとイヴは、顔をちらっとシバの方へ向け…  
「またイヴとエッチしてね」  
ニコっと花の様な笑顔を浮かべた。  
その可愛らしい様子にシバは文句を言うのも忘れて、  
「…ぉ、おう」  
と格好悪く答えたのだったとさ。  
 
 
=おしまい=  
 

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