それは、初夏のよく晴れたある日の事。  
「へ?私に相談があるの?」  
「しーっ!声が大きいです」  
 シオはしきりに周りを気にしながら、声を潜めた。  
「実は……」  
 
ごそ。  
 
 小さな物音。  
 シオとティコの視線が、店内にいたもう一人の人物に突き刺さる。  
「……」  
 シオの『相談』とやらは気になるが、こうされるとルヴェルも無関心を装う  
事ができず、きわめて気まずい空気が漂う。  
 数秒後、解決策を編み出したのはティコだった。  
 
「ルヴェル君、これ倉庫ね」  
 ティコはシオが持ってきた物品を袋ごとルヴェルの鼻先に突き出した。  
「は、はいですじゃ」  
 多少ルヴェルは聞きたそうな顔をしていたが、この店の店主というか偉大な  
る指導者にして以下略な師匠の脅迫めいた視線の意味するところを悟り、そそ  
くさと倉庫へ向かった。  
 ちなみに物品の中身は『ユニコーンの角』をおよそ100個ほど。一日でど  
うやって収集したのかとか、生態系崩れないのかとかそういう質問をする人は  
私、嫌いです。  
……失礼。今のは単なる電波障害です。  
 
 邪魔者が視界から消え、気配もなくなったのを確認して、ティコは言った。  
「じゃあ、今の内にどうぞ」  
「は、はい」  
 
 元気一杯でハイテンションの彼女には珍しく、口ごもる。  
「その……こーいう相談をシスターにするのはどーかな、と思ったんで」  
 ほんのりと顔を紅く染めて少女はうつむいた。  
 
「フィル君のこと?」  
「ええっ!?なんで分かるんですか?」  
「だって、それくらいしか見当たらないじゃない」  
 ティコは苦笑した。あまりに分かり易すぎる反応である。  
 
 
 
 それは半年ほど前のこと。  
 ついに一大決心をしたフィルは周囲の様々な協力?を得てシオに告白し、め  
でたく二人は交際をはじめた。  
 老若男女を問わず不思議なほどの人気があり、グッズが飛ぶように売れまく  
るシオである。当然のことながら、彼女のファンが嫉妬のあまりフィルを闇討  
ちしようとした事も一度や二度ではすまなかったが、今のところすべて撃退さ  
れている。ずいぶんと彼も強くなったものだ。  
 ティコの見るところ、順調かつ円満に二人の交際は続いているように思える。  
 ルヴェルや他の面々が町で聞いてきた噂話もそれを裏付けていたのだが、二  
人の間でしかわからないトラブルでもあったのか。  
 
「で、どうしたの?フィル君が浮気でもした?」  
「ち、違います!そうじゃなくて……あの……その」  
 目をあちらこちらにさまよわせるシオ。  
「もう……どんなつまらない事だって笑ったりしないわよ」  
「本当……ですか?」  
 不安を隠しきれない様子で、シオは言った。  
「ええ。シオちゃんにはいつも世話になってるしね」  
「は、はい、わかりました。実は……」  
 
「えっちの……ことなんです」  
「へ?」  
 思わず目が点になるティコ。  
「ええっと……シオちゃん、もうフィル君とそこまで進んでたわけ?」  
「い、いえ違います」  
 ぶんぶんと首を振って否定の意を表すシオ。  
「でも、その、もう付き合いだしてから半年経つんだから、そろそろ……」  
「フィル君がそう言ったわけ?」  
「まさか」  
 あっさりシオは否定した。たしかに、ウブなフィルにはそうやって迫るなど  
無理そうである。  
「別に、そんなに急がなくてもいいと思うけど?」  
「でも……ちょっと興味ありますし」  
「なるほど」  
 シオらしい意見である。  
「でもなんで、私に相談しようと思ったわけ?」  
「ティコさんなら経験豊富だろうなあ、と思いましたから」  
 魔法堂店主はぎろりとシオをにらみつけた。  
「……さり気無く私を年増と言ってない?」  
「そ、そんな事無いですよぉ」  
「まあいいわ。えっちのやり方、教えてあげる」  
「やった!ありがとうございます」  
 いつもどおり、花のような笑顔を見せるシオ。  
「今夜の11時にまたいらっしゃい」  
「はい、わかりました」  
 
 
「さて、と」  
 シオが出て行き、一人になったティコが呟いた。  
「百聞は一見に如かずと言うし。見本を見せなくちゃね」  
 
「ふうむ……」  
 商品をしまい終え、ルヴェルは木箱の一つに腰を下ろした。  
「シオちゃんが師匠に……何の相談かのぉ」  
 フィルとの事か、未だに進まない父捜しか。  
 いずれにせよ、しばらく時間を潰さなくては……  
「そういや最近、よく寝ておらんのぉ」  
 腰掛けてじっとしていると、つい眠くなってくる。  
 まぶたが重い。  
「い、いかん……」  
 意識がふっと、遠くなる。  
 
 
「いつまでサボってるの?」  
「ひいっ!?」  
 いきなり耳元で聞こえる偉大にして神聖にして不可侵にして(以下略)な師  
匠のお言葉。  
「し、師匠」  
「全く……」  
 鉄拳(もしくはキック)が飛んでくるかと思いきや、師匠は何もしなかった。  
 その代わり。  
 
 ふにゅ。  
 背中に押し付けられる、やわらかい感触が二つ。もちろんティコの巨乳だ。  
 そのまま、師匠は背中に胸を摺り寄せてきた。彼女の胸は本人の動きに合わ  
せて凄まじいまでの柔らかさを見せ付ける。  
「し、師匠?」  
 ルヴェルの頭と大事な棒に一気に血が登った。  
 ティコがこんな事をしてくるときと言えば、決まりきっている。  
 
 期待通り、股間に師匠の右手が覆いかぶさり、ゆっくりと撫でさすり始める。  
「今夜……いいわね?」  
 いいも何も、奴隷に反抗する権利も意志もない。  
「し、ししょお……」  
 ヤヨイと弟の関係を祝福して以来。  
 彼女の同情か気まぐれか、師匠は週に一度か二度、ルヴェルを求めるようになった。  
 むろん、彼女の気分次第ゆえ、ルヴェル側が誘っても全く応じてくれないが。  
 
 今夜も、師匠と交われる。  
 そう思っただけで、どんどんルヴェルの肉棒が硬化していく。  
「ふふ、もうこんなに硬くしちゃって……ルヴェル君たらいやらしい」  
 思ったより早く硬くなった弟子の股間につられ、ティコは耳元で言葉責めを  
始めてしまう。  
「だ、だって師匠が……」  
「毎度毎度サルみたいにサカって来るくせに、言い訳がましいわよ」  
「ああ……そんなにされたら……」  
 
どぴゅ。  
 
「あっ……」  
 こらえ性のない息子があえなく暴発してしまう。  
 
「……」  
 無言で師匠は体を離す。  
「全く……服の上からでよかったわ」  
 じかに握っていたら仕事前に手がべとべとになっている所だ。  
「も、申し訳ないですじゃ」  
「ちゃんと着替えときなさいよ」  
 叱責が飛ぶが、蹴りは飛んでこない。  
「はい、はいですじゃ」  
 怒りはそれほどでもなかったようだ。事情を知らないルヴェルはそう思った。  
 
 
 その日の夜。  
「あれ?」  
「へ?」  
 シオは、扉を開けて入ってきたルヴェルを見ると同時に間抜けな声を上げた。  
 ルヴェルの方も同様である。  
「師匠、これはどういうことですじゃ?」  
「かくかくのしかじかよ」  
「まるまるのうまうま、ですか」  
「そ」  
 この辺はさすがに長年連れ添った……じゃなかった、仕えて来た間柄か、ル  
ヴェルはそれほど苦も無く状況を飲み込めた。  
 
「えっ?ええっ?」  
 一方、シオはと言うと、二人の間を何度か視線を往復させた後、ややあって  
両手を打ち鳴らした。  
「なーんだ、そうだったんですね!」  
「シオちゃん、何が『そうだった』の?」  
「もぉー、恥ずかしがらなくったっていいですよ!ティコさんとルヴェルさん  
ってやっぱりそういう仲だったんですね!」  
「あのね、シオちゃん。ちょっと勘違いしてるみたいだけど……」  
 師匠は額に手を当てて、顔をしかめた。  
「ルヴェル君は私の肉 奴 隷よ」  
「……」  
「……」  
 その場に、何とも言えない空気が漂う。  
 
「そ、そうなんですか?」  
「……ま、まあそんな感じですじゃ」  
 別に公言したわけではないが、実質的にはそうなのだから問題は無いだろう。  
 たぶん。  
 しかし、ただの奴隷と『肉』奴隷とではどちらのほうが幸せなのだろうか。  
 
「ともかく……事情はわかったでしょ。だから、ルヴェル君」  
「はい?」  
 イマイチ物分かりの悪い弟子に、師匠は額にしわをよせた。  
「言わないと分からないんだから……とっとと服を脱いでキミのみっともない  
粗チンを出しなさい」  
「は、はい」  
 ルヴェルはシオが見ている事に対して何か言いたげであったが、師匠に逆ら  
えるわけもなく、そそくさと服を脱ぎだす。  
 
 ティコは粗チンと言ったが、ルヴェルのそれは大きさ自体は標準を上回っていた。  
 外気に触れるとわずかに震える。  
「うわぁ……」  
 無遠慮にそれを凝視するシオ。  
「……あー、シオ。その、じろじろ見ないでほしいですじゃ」  
 興味津々な視線を感じ、ルヴェルはたじろいだ。  
「恥ずかしがるほどのモノじゃないでしょ」  
 何気にヒドイことを言いながら、ティコも服を脱ぎだした。  
 無造作に下着をはだけると、ぶるんと音が出そうな勢いで巨乳が飛び出す。  
「……」  
 シオは自分のそれと見比べ、ため息をついた。その差は圧倒的である。  
「いいなあ……ティコさ〜ん、胸が大きくなる薬とか無いんですかぁ?」  
「ルヴェル君みたいに実験台になってもいいなら、一応あるけど」  
「え?実験台?」  
 
「いやその……いろいろとな」  
 いろんな忌まわしい記憶が駆け巡り、ルヴェルは言葉を濁した。  
 一度強精剤の実験台にされたときは、死にそうになるまで腰を振り続ける羽  
目になり、翌日は全く腰が立たなかった。  
 しかしそれでもティコは平然としていた。さすがは師匠……と妙な所で感心  
したものである。  
「そ、そうですか」  
 
 シオは、真剣な目で観察を続けていた。  
 視線の先では、ルヴェルが両手を師匠の足にかけ、秘所に顔をうずめている。  
 
「ふふ、少しはマシになって来たわね」  
「師匠……気持ちいいですじゃ?」  
 懸命に秘所を舐めるのを止め、ルヴェルが顔を上げた。  
「全然」  
「はあ……」  
 言葉攻めの一環であろうか。がくりと首を垂れる奴隷を見て、とてもティコは  
うれしそうである。  
 むしろルヴェルをいぢめるほうで感じてきているのではあるまいか。  
 
 そうこうしている内にようやく愛撫の効果が出てきたのか、秘所がひとりで  
に濡れ始めた。  
「ルヴェル君」  
 ティコが言い終わらない内に、むさぼる様にルヴェルは愛液をすすりだした。  
「あらあら、行儀が悪いわね……」  
「ルヴェルさん、汚くないですか?」  
 率直な意見を口にしてしまったシオを、冷たい視線が貫く。  
「シオちゃん、ケンカ売ってる?」  
「あ、す、すいません……」  
 
「この液が流れていないと、入れるときに大変なのよ」  
 忘れかけていた本来の目的を思い出したか、ティコは講釈を始めた。  
「その……やっぱり初めては痛いんですか?」  
「そりゃあもう……」  
 意地悪そうな笑みを浮かべるティコ。  
 
「し、師匠」  
「何?」  
 
「その……ワシのも」  
 
「イヤ」  
 見事なダブルスタンダードである。  
「うう……」  
 落ち込むルヴェルをよそに、シオが質問した。  
「男の子ってアレを舐めてあげると喜ぶんですか?」  
「まあね。でも最初から無理してやらなくてもいいわ」  
「それで、ルヴェルさんにしてあげた事は?」  
「一度も無いわよ。ルヴェル君のくせに舐めてもらおうなんて、100年早い  
わね。……って、ホラ、とっとと次に行くわよ」  
 ぐい、とルヴェルを引っ張ると、体勢を変え、ベッドの上で  
「師匠……その……胸を」  
「いいわ。あんまり調子に乗ったら張った押すけどね」  
「で、では」  
 ルヴェルは両手をティコの胸に伸ばし、ゆっくりと掴む。  
「ん……」  
 ティコの反応を確かめながら、慎重にもみ始める。  
 むにゅ、むにゅ、と双丘は形を変える。  
「はぁはぁ……師匠」  
「ん……もう……行儀が悪いわよ。赤ちゃんじゃ……んっ、ないんっ、だから」  
 やや図に乗ってきたのか、胸に吸い付きだした弟子をティコは引き剥がした。  
 
「吸っても良いなんて言ってないはずよ」  
「いや師匠……ワシは……そろそろ」  
「……まあいいわ。じゃあメインと行こうかしら。シオちゃん、今からルヴェル  
君の汚いアレが、あたしの中に入るから」  
 
「えっ!?」  
 その時初めてシオは気付いたが、ルヴェルの肉棒ははちきれんばかりに膨張  
し、そびえ立っていた。  
「は、入るんですかこんなの!?」  
「まあ見てなさい」  
 
 師匠を組み敷く体勢で、ルヴェルはティコと相対した。  
「師匠……いいですじゃ?」  
「来なさい」  
 既に興奮状態にある弟子に対し、ティコは余裕の笑みを見せる。  
 それについてどういう感想をルヴェルが抱いたかは分からないが、今はとにか  
く本能が優先している。  
 
 ずぶっ、と音を立てそうな勢いで、ルヴェルはティコを貫いた。  
 一気に秘所の奥まで槍を突き立てると、奴隷はほっと息をつく。  
 
「ほ、本当に入っちゃうんだ」  
 シオは結合部を横からしっかり覗き込む。  
「初めてだとこんなにすんなりとは入っていかないから、気をつけてね」  
「へー……」  
 平然とティコが話しているうちに、ルヴェルは槍をいったん引き抜くと、再び  
突入させる。  
「……っ、こら、人が話してるときに……んっ!」  
「そ、そんな事を言われても」  
 腰のほうが本能に従って動いてるのだからどうしようもない。  
 
 ずっ、ずっ、とルヴェルの肉槍は突貫し、師匠の掘削に精を出し始める。  
 
「んっ……もうちょっと、んんっ……上品にしなさい」  
 冷静さを取り戻すと、師匠は弟子の活動を観察する余裕が出てくる。  
「師匠……気持ち良すぎるですじゃ。その、あんまり締め付けないで、おうっ!」  
 きゅっ、と大事なものを締め付けられて、ルヴェルがうめく。  
 突っ込んでいるのでルヴェルが攻めてのように思えるが、裏を返せばルヴェルは  
肉棒を人質に取られている、という見かたもできる。  
 
「さあ、つづけなさい」  
「は、はい」  
 動くのはもっぱら奴隷……じゃなかった、弟子の仕事である。  
 ティコの秘所はがっちりと締め付けたまま、ルヴェルが肉槍を突く度に反応を変  
える。  
「うっ……師匠」  
「ホラ、もっと早く」  
 ニヤニヤしながら弟子を見上げていたティコだが、次の一言で顔色を変えた。  
「師匠……もう限界ですじゃ」  
「え、もう!?」  
 ティコとシオが異口同音に叫ぶ。  
「ちょっと、いくらなんでも……」  
 早い、と言う余裕すらなかった。  
 
どくっ、どくっ、どくっ……  
 
 ルヴェルのそれはたっぷりと樹液を師匠の体内に流し込んでいく。  
 
「……」  
「……」  
 しばし、気まずい空気が漂う。  
 
「毎度毎度早すぎるのよこの早漏!!」  
 がっちり咥え込まれているので逃げるに逃げられず、合体したまま痛めつけら  
れるルヴェル。  
「ひいっ、お、お許しを……」  
 呆然としているシオに気付くと、ティコは言った。  
「あ、シオちゃん。こういう事言っちゃだめよ」  
「え、ええ」  
 
「し、ししょ、おっ」  
「……」  
「そ、そろそろ」  
「イヤ。私が良いというまで」  
 冷たく師匠は言い放った。ルヴェルの肉棒の根元はきつく縛ってあり、イきた  
くてもイけない。  
 
「少しは参考になったかしら?」  
「はい、とっても」  
 結合部をちらちらとみながら、シオは顔をひきつらせた。  
「その……それで」  
「なに?」  
「フィル君を……誘うにはどうしたら?」  
「うーん……そうねえ」  
 しばしティコは考えたが、良い考えは浮かばなかったようだ。  
「ルヴェル君、何かいい案を考えなさい」  
 
(後編に続く……予定)  
 

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