その日、ジャングルはいつも以上にうだる様な暑さで、珍しくバテた俺は湖に水浴びに出掛けた。
途中ラヴェンナも誘ってみたが用事があると断わられてしまった。
「あー…たまにはラヴェンナの水着姿見たいなー」
「って俺何言ってんだ!暑さで変になっちまったヤバヤバ!」
思わず漏れちまった独り言に赤面しつつ、それをかき消すように泉に飛込む。
ひんやりとした水が体を包みモヤモヤとした気分が一気に吹き飛んでいく。
(あーやっぱ気持ちイイー)
「プハー!」
一通り水中を泳ぎ息継ぎの為に顔をだした。その時―――
「あれー?グプタ何してるのー?」
聞き慣れた不快な声が耳に届いた。
「……………見りゃわかんだろ」
「アハハ水浴びだー」
何がそんなに愉快なんだか…いや、あいつの家の事考えりゃ無理ないか。
クラスメイトであるそいつ―ワジ―はスタスタとこちらに近づいてくる。
「ねぇねぇ僕も泳いでいーい?」
……本当はあまり気乗りしなかったがコイツの立場を考えると、たまには遊んでもいいかと思えた。
今日くらいはあの勘に障る笑い声も許してやろう。うん、大人だなーオレ。
「ああ、いいぜ…………お前泳げんの?」
「アハハハハハ大丈夫だよー」
そう言うとパッパと服を脱いでいく。
結構細いなコイツ…あんまり骨ばってないからか?
泳ぎながらふとワジの方に目を向ける。
オイオイ、パンツまで脱ぐ気かよ。大胆な奴だな。
……と、あれ?おかしいぞ。何で?え?何でないの?あれ?
オレの目はワジの一点に集中していた。
あるはずのモノがない…。
かわりにうっすらと毛が生えた中に割れ目が見える…。ハハハいや、そんなまさか。…でも心なしか胸の膨らみもあるような…。
思わず考えこむオレ。それをかき消す様な水しぶきの音。
油断しきっていたオレに大量の水がかかる。
「……ッゲホ!おまっ!」
「アハハ、グプタびしょびしょー」
すぐ側でアイツが腹を抱えて笑っている。一瞬ムッとしたが、怒るよりも先に疑問が口をついて出た。
「あの、よ…」
「ん?」
大きな目でみつめられる。思えばコイツと目を合わせるのはあまりないかもしれない。
少し心臓の鼓動が早くなった。
「オマエって、もしかして………女?」
ワジはきょとんとした顔でこちらを見ていた。
次の瞬間、
「アハハハハハハハ!!」
「なっ…!」
アイツは顔を真っ赤にして大笑いしている。幼稚な事を聞いてしまった気分になりすごく恥ずかしくなった。
「…答えろよ」
つい声にも不機嫌さが出てしまった。
しかしアイツはそんな事を気にする事もなく、笑いすぎてあがった息を整えていた。
「アハ…ハ…グプタ、フフ…今まで僕の事男だと思ってたの?アハ」
…やっぱり女なのか。
今まで気付かなかった自分に腹が立った。
「小さいけど最近胸も出てきたんだよ。ホラ」
プニ とオレの手に僅かな膨らみを感じる。―――――って、え?
「…おっオマ…ッ」
ガボガボガボ
驚きのあまり急に体勢を崩した為、口に大量の水が入ってきた。
「グプタ顔真っ赤だよーアハハ」
笑いながらオレを岩に引き上げてくれる。細いのに案外力持ちだなコイツ…
うっすらとそんな事を考えた。
「ゲホッ………女なら簡単に胸触らせんな…つうか素っ裸になるな…」何か情けないなオレ
「アハ!グプタって純真なんだねーアハハ」
…なぁんかバカにされてる様な…。つうかコイツのこの余裕は何なんだ?
「ふふふ…じゃこれは初めてかな?」ふいにアイツの妖しい声が聞こえた。
え? と、顔をあげたオレの唇に柔らかいモノが押し付けられる。
何かを言おうと開いた口の中に熱くてぬめった何かが差し込まれてきた。
頭の中では今、何をしてるかなんてわかってるんだけど、その小さな何かの動きについていくだけで精一杯だった。
「…ん……クフッ…くちゅ……ン…プハ…ぁ…」
息も絶え絶えのオレと違い、薄目で見たアイツの顔はいたって普通の顔だった。
………何か女の子の唾液って少し甘いんだな…
あまりの心地よさに頭が痺れる。ふいに唇が離れた。
「……ふぅ。あ…でもグプタってグゥや長老ともうしてたんだよね」
放心していたオレの心にグサッと突き刺さる。
「…っせぇよ」
ぷぃと横を向く。
やっぱりコイツは訳分からん。こんな気持ちイイ事しときながら平気で人が傷つく事をしやがる。何なんだ、まったく。
「あれ?怒っちゃった?アハハーごめんねー」
うわ、軽ッ!
更にショックを受けた。
「お詫びに…ココ…舐めてあげよっか?」
急にしっとりした声を出したかと思うと、オレのアソコを指でツンツンしてきた。
「なななッ……!?」
反射的に思わずあとずさる。
「だって…ソレすごく大きくなってるよ?もぅ我慢できないでしょ?」
「ぐ…」
ワジの言う通りだった。だけど、だからってこのまま口でされても…。
「もう出しちゃうよ。よいしょ」
ボロンと転がり出たソレを恥ずかしがる暇もなく口に含まれる。
……え?いやいやコレは…うぁぁああ気持ちイイ!ヤバい!熱くて柔らかくってヌルヌルで。
吸われたまま上下に口を動かされると、もう腰に力が入らない。
ぅあっ!ちょマズイって…ヤバいヤバいヤバい!イキそう!ぅあっはっ!
――――――――っはぁっはぁ…イッてしまった…何だコレ。気持ち良すぎ…
初めてのフェラを体験し、オレはもう立ち上がる気力がなくなってしまった。
つうかオレ、アイツの口ん中に出したんだよな…恥ずかし…。
チラッとワジを見やると丁度、コクンと喉を鳴らしアレを飲み干したところだった。
「ぅ…あ…」
口を動かすも声が出ない。だってアレを飲んだんだぜ!?
ワジがこちらに気づきにっこりといつもの笑顔を見せる。
「アハハ。グプタの結構おいしかったよ。量も多いけど何か味が濃かったー♪」
・・・。
おぇー!!何言ってんだコイツ!?
信じられん…。しかも平然としている…。
震える声で出した言葉は
「おまえ…Hした事あるの?」
しばらくの間・・・・
「へ?うん、あるけど?」
それが何?と言わんばかりのあっけらかんとした顔。
「えっとねー。保健の先生には色んなプレイ教えて貰ったしぃ。レジィはすごく安心できるの。
そうそうトポステは元気いっぱいで、いつも10回くらいしちゃうんだ!ポクテのおかげかなーアハハハハ」
固まるオレをよそに普段と変わらない笑い声で話される。
何だかすごく劣等感を抱いた。歳…かわんねぇのに…。つうかトポステまで…。
置いてけぼりをくらったような気がして、ふとラヴェンナを思い出した――――アイツも知らない内に大人になっちまってんだろうか…。
呆然とするオレとは無関係に、ワジの話に反応したオレ自身は口内発射以前の昂ぶりを見せていた。
その事に先に気づいたワジがオレのに指を絡ませてくる。
「アハハまたおっきくなってるー」
「…ぉいっ!ちょ………」
焦るオレとは対照的に落ち着いてゆるゆると軽く扱き続けるワジ。
しかし、段々コイツの様子がおかしくなってきた。
息があがって目が虚ろになっている。顔を近づけている為、熱い息があたって気持ちイイ。
何か怖いな…でも――――すげぇ色っぽい…ッッ
「グプタの…すごいビクビクって…」
たまらなそうに声を出す。その声に反応して大きく脈打ってしまう。
「〜〜〜〜ッ僕、もぅ我慢できない!」
「へ?」
次の瞬間、オレの視界に、頭上にあった木々が映る。ぐっと体重がかけられアイツがオレの上にのしかかってきた。
「てめっ、何すんだ!」
即座に声を荒げたオレの目に映ってきたのは
軽く腰を浮かせ、指を使いぐちょぐちょとアソコをかきまぜ続けるワジの姿…
ぬるぬるした何かがワジの内股を伝いオレに滴ってくる。
「ァハ、ごめんねグプタ…僕…も…ダメぇ」
熱に浮かされた様な声で謝られると同時に、いきなり腰が落とされる。
オレの張りつめていたモノが、熱くぬるついたワジの肉壷に突き刺さった。
「ひゃぁあん!」
嬌声をあげながら無我夢中といった様子で腰を振り続けるアイツ。
「お…おい、ちょっ…」
初めての女のアソコの感触を味わう間もなく、激しく擦られオレの息もすっかりあがってしまった。
「…ひぁっ……ぁァ…ぁん…あっあっ…気持ち…イッ…ぁっ……」
ワジの締まりのない口から次々と快感を伝える声が漏れ出る。
その声だけでもうイキそうだった。
そうでなくともぬるついた肉ひだがオレのに絡み付き、吸い込まれる様な刺激が絶えまなく与えられているのだ。
「…ぁは…あっ気持ちイイよぉっ…」
ヤバい、イク…。
――――でも、ここで終わるのはもったいない…。
決心したオレは、ひたすら腰を振り快楽を貪り続けるワジを引き寄せた。
え?という表情のアイツを押し倒し、一気に突き入れる。
「…あっ!?やぁぁッッ!!」
深く挿し入れる度にぎゅうっと入り口が締め付けられる。それが死ぬほど気持ち良くて、アイツの足を抱えあげると更に深く突き刺した。
「やぁんッ!…ぁ…壊れちゃ……ひゃぁぁん!……だ、めぇ……ぁっ…」
ワジが更に高い声をあげる。
小さなソコはキュウキュウと締め付ける割りに、奥へ行くたびどこまでも吸い込まれそうな気がした。
「コラ…締めすぎ…」
「…だって、…アハ…気持ちいぃ……ぁぅ…」
もっと味わいたいけど、もう限界だった。
「ごめん…オレもぅダメ…」
すぐそこに見えてきた快感の絶頂に向かい、腰の動きを早める。
涙目になったワジが抱きついてきた。
「…ぁっ!グプ…タ、激し…ぃよぉ………ぁんっ……もっと…ゆっくり………して……っ」
くちゅ…ぐちゅ…
出し入れのたびに俾猥な音がそこら中に響く。
でもオレの頭にはワジのナカの熱さしか感じなかった。
ぐちゅ……………ッッ
「ッッ!……っぁあ――――!!」
「………っう」
深々と挿した瞬間、ワジの体はビクビクと脈打ち、硬直したままオレを力強く締め付けてきた。
その刺激にたまらずオレも達する。
一気に力が抜け、その場に倒れこむ。
収まりきらなかった精液がビュルッと漏れ出してきたが、初めての快楽に頭が痺れそれどころじゃなかった。
ペニスを抜く事も忘れ、ワジの首筋に顔を埋める。
「…ハァ、ハァ」
二人とも息があがっていた。先に体をあげたのはワジだった。
「…ァハ、グプタって……結構激しいね…僕もうフラフラだよ。アハハ」
そう言うと、ちゃぽんと泉に入る。
「あー、せっかく禁欲プレイしてたのになぁ。でもすごく気持ちよかったから、いっかぁ。アハハハハ!」
「…おま、禁欲プレイって…」
呆れながらも疲れて、それ以上ツッコめない。
スィーっと泳いだあと、サッパリした顔で岸にあがりテキパキと着替えだした。
「あ、あれ?もう帰るのか?」
なんかアッサリすぎて拍子抜けな感じ…。
「うん、そろそろお父さん達と買い物行く時間だし」
…………。
「は?!オマエ父親と仲悪いんじゃ…っ!」
「あぁ、あれは表設定…ぉっと、ううん!違うよ。
グプタの妄想じゃないの?アハハ」
色々疑惑を残しつつ、ワジは爽やかに帰って行った。
頭がこんがらがりつつも、もう一泳ぎし、とりあえず家に帰る事にした。
ドアに手をかけようとしたその時、
「あ、グプタお帰りー。水浴びどうだった?」
「お、おぅ」
無邪気なラヴェンナの声にチクリと罪悪感がこみあげる。
まさか筆下ろししてきたとは言えないし、苦笑いするしかなかった。
「 ? そうそう、さっきグゥがね。森の中でポクテの発情期見たんですって」
ま…まさか…
嫌な予感がした。
「かなり変わった声で鳴いてたから新種かもしれないって。ねぇ見に行ってみない?」
眩しい笑顔が容赦なく向けられる。
「っ!!い、いやぁオレは聞かなかったけどなぁ!それよりさ!また本貸してくれよ!」
「え、でもぉ…」
「いいからいいから!きっともういないって!」
渋るラヴェンナの背中を押し、何とか話題を変えようと試みる。
さすがに情事があったばかりの場所に行くのは気まず過ぎる。
拗ねたラヴェンナの機嫌をとりつつ、部屋の戸を静かに閉じた。
完