今日は楽しい実験をしてみようと思います。  
 
まず用意する物。  
 ・ちんちくりんステッキ (ムチ状の物がベスト。枕元に忍ばせておく)  
 ・酒 (種類は問わないが、新製品の物が好ましい)  
 ・ハレ&ウェダ&保険医 (親子水入らずが望ましい)  
 
以上の物を使って、人間の生態を観察してみましょう。  
 
 
日が落ちて真っ暗になったジャングルの夜。  
ハレの家に珍しくクライヴが訪れた。  
「こんばんは〜〜〜!ウェダちゃん居るっ!?」  
「あら先生。こんな夜更けに珍しいわね」  
「ウェダちゃんに会いに来たのさーー!」  
ウェダに抱きついて、キスをしようとする保険医。  
「ちょ・・・酒臭っ! ・・・先生、酔ってる?」  
「酔ってないよ〜〜〜ん! んーっウェダちゃん、大好きっ!」  
「あーハイハイ、わかりました」  
ウェダは呆れ顔で保健医の攻撃をかわした。  
体重を預けてでれでれになっている酔っ払いの体をそのまま担ぐと、二階のベッドまで運び上げた。  
コップに汲んだ水を飲ませて、ベッドに保健医を寝かせると、ウェダはそのまま下に降りようとした。  
その手を保険医がさっと掴む。  
「ウェダちゃんーー・・・一緒に寝よう」  
「はぁ? ・・・ダメよ、あたしまだやる事あるもん。隣にハレもアメも居るでしょ。一緒に寝てあげて」  
隣に居たハレは機嫌悪そうに、ベッドの上であぐらをかいて保健医を睨んでいた。  
「・・・母さん。一体何なの? 久々に来たと思ったらこんな酔っ払っててさ。コイツって本当、ダメ男・・・うぅわッ!?」  
「息子よーーーーーッ!!!」  
「うわわっ何だコイツ・・・は、離せぇ!」  
保健医に抱きつかれて、困った顔をして逃げようとするハレ。  
暴れる自分の子を離そうとしない保健医を見て、ウェダはくすりと笑った。  
(こういう先生も、たまにいいかも。 ・・・ん?)  
その時、何か光る二つのものがベッドから転げ落ちた。  
それは新発売の2本のビール缶だった。それをみて、ウェダの喉がごくりと鳴る。  
 
「ちょっと・・・二人とも!! 飲みすぎだってっ!!」  
酔いの醒めた蒼白い顔で、完全に出来上がっている二人を見る保険医。  
「コイツ最悪だお! 母さんという女がありながら他の女に色目使ったりしてさ!キィィッ俺もう嫌だからッ!!」  
「わかったわかったハレ、母さんがとっちめてあげるから。ほら先生ー、コッチ向いて、おしおきよ〜!」  
子供とは思えない力で手を押さえつけてくるハレ。  
ウェダは楽しそうな顔で舌なめずりをし、保健医の上に馬乗りになっていた。  
片手に何故か鞭を持っている。  
「な、なんでそんな大人のオモチャなんか持ってんの、ウェダちゃん!」  
「え〜コレ〜? 枕元にあったのよ〜〜・・・先生が持ってきたんでしょ〜・・・? とぼけるんじゃないわよっ!!」  
ビシャッと鞭が保健医の体に、容赦なく打ちつけられる。  
「ギャァッ!! 痛たたッ!! ちょ、ウェダちゃん怖いってやめっ・・・!」  
「母さん、コイツ全部ひん剥いちゃえばぁあ?」  
「そぉね〜、悪い先生からは一滴残らず絞り取ってあげる!」  
「ちょっと!! 子供の前で何言ってんのさー!??」  
「口答えすんじゃないわよッ!!」ビシィッ  
「ギャァァアああッッ!!!」  
 
翌日、保健医は背中を丸めて、疲れた顔で学校へ向かっていった。  
「いってらっしゃーい! ・・・おっかしいわね〜。 先生いつの間にあんなにたくさんの傷、体に作ったのかしら?」  
 
それからしばらくして。  
保険医はまたまた珍しく、今度はハレの居ない昼間にやってきた。  
顔を赤らめ、そわそわしていると思うと、突然机の上にムチと酒をバンッと置いて、ウェダに言った。  
「ウェダちゃん、今日の夜、さ・・・、またアレやってくんない?」  
「はぁ? ―――先生、アレって一体何の事???」  
 
・・・まぁそんな具合で、男心ってのはわからんもんなんですわ。めでたしめでたし、っと!!! ホッホッホ  
 
「めでたしっと!じゃねぇグゥ!! 無理矢理いい話っぽく終わろうとすンなァァッ!!!」 END  
 

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