いつも通りのジャングルの昼。ウェダがいないことをいいことに
ゲームに夢中のハレ。ピコピコピコ……。
「あーそっかー、この街であのアイテムが必要になるのかー。
依頼を消化しながら前の町に戻って回収してこなきゃなー」
RPGをやらない人には全く意味不明な台詞を吐きながらゲームパッドを
操作するハレ。固定された視線の横、忽然と出現する無表情な少女。
「……ハレ」
「うぉおおおおおっ! ってビックリさせんなよグゥ!
っていうかそれは顔近すぎだろ!」
話しかけるのは言わずと知れたハレの家の居候、グゥである。
「いや、ちょっとした非常事態が進行中だったのだが、ハレはゲームに
夢中で何度話しかけても反応がなかったのでな。ちょっと耳元で囁いてみた」
「耳元で囁くな。肩を叩け」極めて常識的な観点から問題点を指摘するハレ。
「……いや、以前ウェダに聞いたときには、反応が無いときには
こうしろと言われたのだが?」
(母さん……)心の中で涙を流すハレ。そんなに息子の俺に居候を
けしかけて少年誌に書けない関係にする気満々なのかよ……。
「そういえば『耳元で囁いてもダメな時には耳たぶを甘く噛むのよ!
グゥちゃんファイト!』とかも言っていたな」
(あのアマ……)酒を全部処分してしまおうと決意するハレ。
とりあえずグゥのほうに振り向いて話を聞く。
「んで、グゥ。非常事態って何よ? 言っとくけど、つまんないこと
だったら普通に怒るからな!」
「うむ。それがな、こういうものを入手した」
「……なんだこのあからさまにヤバそうな黒いディスクは」
「実はグゥにもよくわからんのだ。しかしディスクはディスクやし、
ハレの高機能なゲーム機でなら再生できるやも、と思ってな」
「まったく……怪しい内容だったら張っ倒すからな」
ゲームを中断してディスクを入れ替えるハレ。その影で、グゥの目が
怪しく光っていた。
唐突に、景色が変化する。
「……え?ここ、どこだ? 真っ暗だ……グゥの腹の中?」ディスクの音が響く。
「いや、違う。ハレ、どうやらグゥたちはゲームの中に入ってしまったらしい」
「ゲームの中!? ど、どうすんだよグゥ!」
「……まあゲームやし、なりゆきに任せてりゃなんとかなるんじゃね?」
「なんだその心底どうでもよさそうな態度は……」
「んふぅ……やぁ……」艶かしい嬌声が、二人の会話を遮る。
「な!?これ、エロゲなのか? こ、子供がそういうのやっちゃ
いけないんだぞ!」
「あぁん……ハレぇ……」
視界が戻ると、そこは保険医の部屋の前だった。こっそり覗くハレ。
保険医はおらず、マリィがベッドの上で悶えている。悶えて???
ポン。頭が割れてぴよちゃんずが飛び出す。2秒思考停止するハレ。
「おー最初のターゲットはマリィか。良かったなハレ」満面の笑みを
浮かべてハレの背中を力強く押すグゥ。
「待てグゥ。お前はここで俺に何をさせる気だ」引きつるハレの顔。
「……グゥが思うに、ゲームをクリアしないと外に出られませんよ?」
「だからってマリィをゴフゥ!」「あーもううっさいガキやのー。
しのごの言わずにやっちまえや」グゥの華麗なパンチ音。マリィが気付かぬはずもなく、
「そ、そこにいるのはハレ?ハレなのね!?イヤっ見ないでハレッ!
見ちゃイヤぁぁぁ!」廊下にいるのをハレと決め付け、叫び出すマリィ。
「さあハレ、マリィが暴走して役になりきっている今のうちに、やれ」
「だからお前は人の気も知らんと無責任なことを言うな!」
「キャー!イヤー!ハレに犯されるー!!!」
「……どうしても嫌か」「イ・ヤ・だ。だいたいいくらゲームだからって
やっていいことと悪いことが……」目を閉じて説教モードに入るハレ。
グゥの頭に浮かぶ電球マーク。しゃがみこんであっという間にパンツを脱がす。
「って、グゥ!?何して……うひゃあ!?」
こぼれでたものをそのまま口に含むグゥ。そのままハレの心に語りかける。
(……ハレが嫌なら、無 理 矢 理 コ ト を 進 め る から気にするな……)
(無理矢理やればいいってもんじゃないだろぉおおお!!!)
口に含みながらのテレパシー。ハレには、グゥならではの器用な芸当に
感心する暇は無い。「やめっ、グゥ、そこ、汚……くぁっ!」
マリィに見つかる前になんとか脱出しようとグゥの頭を手で掴むハレだが、
ポクテを一瞬で吸い込む異次元の舌捌きが、ハレのものを襲う。
「頼むよ、グゥ、すぐそこにマリィがいるのに、あぅ、こんなとこで、ふぁあッ!」
ハレは口では抵抗していたが、グゥの頭にのせた手からは力が抜けていた。
グゥは全てを意に介さず、ちょっと上目遣いで(←ウェダの入れ知恵)
ハレのものを飲み込み続ける。もみくちゃにされるハレ。
(なんだよこれっ……すげ……気持ちよすぎるっ……俺……
……わけ……わかんない……グゥ……)
「……ハレ?」かけられた声があまりに近くて、ハレの心臓がドクンと跳ねた。
(……見、見られた?俺とグゥの……でもこれはグゥが勝手に……
……でも俺も……抵抗しなかった……)後悔に目をつぶって
しまったハレの耳元で囁かれたのは、信じられない一言。
「……私、いいよ。ハレがしたいなら、3人で気持ちよくなろっ!」
「ちょ……マリィさん!?ちょっと!?」目を開けた瞬間、ハレとマリィの唇が重なる。
(……そうだよ……これは……ゲームなんだ……もっと……)
今までハレを縛っていた何かが、音を立てて壊れていく。
「ここじゃアレやし、ベッドに運ぶか」「そうね、グゥ。もっとハレに色々しましょ!」
好奇心と乙女オーラ全開でグゥと同調するマリィ。グゥはまるで玩具のように
ハレをベッドに放り投げると、マリィに指示を出す。既に完璧なチームワーク。
「マ、マリィ? な、何する気?」ちょっぴり怯えた台詞に反応したのか、
マリィが力強く断言する。「無断で浮気したハレにおしおきするのよ!」
「うむ、おしおきだな」なぜかグゥも参加。無断じゃないならいいのか?などと
疑問符を浮かべる暇も無く、マリィがハレのものをぐいと掴む。
「ちょ、マリィ、強すぎ……」「こんなふうになってるんだぁ。ハレ、かわいいっ」
たどたどしい手つきでハレのものが弄られていく。グゥとの事故(←ハレ視点)を
見られてしまった後ろめたさからか、マリィにはされるがまま。抵抗できないハレ。
グゥはハレの上着を剥ぎ取り、もうハレは靴しか穿いていない状態。
「ハレはここが弱いらしいぞ」すごい満足そうな表情でマリィにアドバイスするグゥ。
マリィもだんだん慣れてきたのか、ハレは時々びくびくと震えている。
「ひぁ……そこは……マリィ……やめ……ああっ!ふぁゃあ!」
限界に達する一歩手で、マリィは手を止める。「あれ、何で……」
「ハレ……」いつのまにか胸をはだけていたマリィが、ハレの上に覆いかぶさる。
「ねぇ、私のも触って……お願い……」そう言われてしまうとお願いを断れないハレ。
既に真っ赤な顔をさらに真っ赤にしつつ、ゆっくりと指を胸に這わせる。
僅かに膨らんだ胸に、小さな突起。ハレはぼーっとした頭で、それを摘む。
「ひゃう!」マリィが背中をそらせて弾ける。「あ、ごめ……」自分の知らない
マリィに、ハレはつい謝ってしまう。「いいの、ハレ、もっと触って。
もっと、もっとハレを感じさせてっ!」
(マリィ!俺、こんなにマリィのことがっ!マリィ!マリィ!)
ハレの指先がマリィを胸をこねまわす。「はぁ……はぁ……」マリィが
感じるたび、しっかりと握られたハレのものに、刺激が返ってくる。
「ハレ……もう……」感じすぎて力が抜けたのか、マリィがハレの上に
倒れこむ。ハレが舌をマリィの胸の突起に這わせると、マリィは最後の力を
ふりしぼってハレのものをやわらかく握った。「マリィ…」「ハレ…」
そして……
「じゃあグゥはDisk1をDisk2に換えてくるわ」「待て」
大分体力を消耗していたハレだが、がっしりとグゥの腕をつかんで話さない。
「何?今度は私を犯すの?」「かわいい顔に変えても今言った台詞は取り消せんぞ。
さあ、説明してもらおうかグゥ。何で黒いディスクの1枚目と2枚目の区別が
つくんだ?っていうか『換えてくる』って何だ?ここから自由に出入りできんのか?
ってか、このゲームってグゥの仕掛けた罠だろ!?そうなんだろ!?」
「……」
「さあ、何とか言ってもらおうか!!!」
「……おっと、こんなところにマリィとのくんずほぐれつの愛の写真が」
さぁっと血の気が引いていくハレ。
「……いくらだ」「はて?何のことですかな?」「……いくらだ」
この後、なんとかゲームの世界から戻ったハレだったが、グゥがいる限り
再びゲームの世界に引きずりこまれていろいろされてしまうかもしれない
という事実に気付いて、しばらくグゥの行動から目が離せなかったという。
また、しばらく現実のマリィを直視できなかったことは言うまでもない。