瑞希と吉岡は数台の自販機がコの字型に並んだ中にいるため、外からは見られないものの、
二人もまた、その自販機の向こう側を見ることができない。
『ここに来るやつは買いにくるくらい溜まってる奴らだ。
そんなことしてるお前を見たら、どうするかわからんよなぁ。ん?
どうした?コートの前が閉じかけてるぞ?誰がそうしていいって言ったんだ?』
左手だけでなく、ローターを持たされた右手もコートの端を握って固まる瑞希を見て、吉岡が嘲笑う。彼女は逆らえないのだ。こんな場所で、今の姿を見られれば
瑞希が何を言い訳しても信じてもらえないだろう。
コートの前を閉じ、この場から立ち去りたいはずなのに、それができないのは
佐野への思いからだろう。
自販機の周りには何もないような場所だ。住宅街でもない。
瑞希はパニック寸前だ。見られたら…でも吉岡に逆らえばもっと…
コートをつかんだそのか細い手は、
それでも淫らな落書きをされた体を晒したまま、前を閉じられずにいた。
(来るな!!来ないで!)
しかし瑞希の思いは届かず、角を曲がって中年の男が、自販機に囲まれた空間に入ってきた。
瑞希は思わず、コートの上から両手で自分を抱きしめるようにして、その場にしゃがんでしまう。
自販機前に瑞希がいることに気付いた男は一瞬立ち止まるものの、
引き返すのも不自然すぎると思ったのか、怪訝な目で二人を見ながら奥の自販機へ歩いていく。
ビデオを構えるニヤけた男と、その前でうずくまり、顔を伏せる女の子、
いかがわしい自販機と、低く響くモーター音…
『おい、どうしたぁ?さっきのポーズ、止めていいなんて誰がいったんだ?芦屋ぁ』
ゆっくりと瑞希に近づきながら、吉岡は言った。
肩に手をおかれたのが、まるで合図だったかのように泣き出す瑞希。
『う…うぅ……』
声を押し殺しても嗚咽が漏れてくる。でもその様子ですら、吉岡を加虐性癖を更に煽るだけだ。
『さ〜て、ルールが守れなかったんだ。わかってるよな?罰の時間だ。』
慌てて顔を上げた瑞希に構わず、吉岡が携帯を操作し始めた。
今まで鍵をかけて閲覧できなかった画像を解禁したのだ。
『やっ!やだ!!やめてっ!』
吉岡の意図を察し、手を伸ばして携帯を奪った瑞希だったが、そこに表示されていたのは
画像掲示板に貼られた2枚の写真…
1枚目は口での奉仕の後の写真だった。しゃがんだ格好の瑞希を、立った人間が上から撮った写真。
瑞希は顔を上に向け、目をつぶって口を開けている。
広い可愛らしいおでこから、桜色の唇まで白濁液に汚されている。
口の中にもたっぷり射精されたのだろう、唇からこぼれた精液がのど元まで垂れていた。
下には桜咲学園の制服ズボンを履いているものの、上半身はシャツは着ておらず、
裸の上にブレザーを羽織らされているだけ…
ブレザーのエンブレム横に写る小さな胸の膨らみは
桜咲学園の生徒がいかがわしい行為をしていることを示す格好の写真だった。
そして2枚目…同じ制服を着た、同じ顔の生徒…芦屋瑞希が、
仲良く佐野と談笑する様子が写されていた。
この2枚によって瑞希が男と偽り学園にいることはバレる。
佐野も事情を聞かれるだろう。
騒動が起きれば、吉岡の言う通り佐野の全国大会への出場は辞退せざるを得なくなる。
そして何より、担任教師の要求する変態行為を、瑞希がしていたという事実を、
佐野に知られてしまう…
『やめて…消して…消してください!先生…ルールっ…ちゃんと守るから!』
コートの前を閉じるのも忘れ、瑞希は、吉岡にすがりつき、必死に懇願する。
その様子は普段の学園生活では見ることのできない、『女の子』の姿そのものだ。
吉岡のイヤラシい笑みは消えない。
瑞希の声の大きさに驚いたのか、さきほどの中年の男は怪訝そうに二人を見た。
自販機で購入するものを決めるフリをしつつ、二人のやり取りを伺っている男の方へ、
吉岡は瑞希の視線を促す。
『じゃあほら、ここでしていいか聞いてこいよ?それ見せてな。』
さも楽しそうに吉岡が瑞希に大きな声で指示する。これは命令だ…
自販機前の中年の男は、場違いな場所にいる瑞希をちらちらと眺めて、立ち去る気はなさそうだ。
隠しても襟元の白い肌と、そこに直に巻かれたリボンが男の妄想を刺激したのかもしれない。
『でも…でも…他のことなら何でも…するから』
小声で訴える瑞希に、吉岡は冷淡だ。
『あの人も何してるのか心配してそうだぞ?ほら、お前の大好きなあれを見てもらいたいだろ?』
優しい口調と裏腹に、吉岡は携帯を取り上げ、見せつける。
パスワードを知らない瑞希には、貼られた写真をどうすることもできないのだ。
『くっ…』
促され、立ち上がる瑞希の顔が恥辱に歪む。
おずおずと、重い足取りで、自販機前にいる男に近づく。
車の中で彼女は言われていたのだ。
どんな状況でも途中で止めないこと、
言われたことや聞かれたことには絶対答えること、
そして自分が好きでしている『フリ』をすること…
さっきそれを破ったことで、吉岡がどんな『罰』を与えるのかわかってしまった。
あの男は狂っている。
『は〜や〜くしろよ?何書いてもらったか全部見てもらえよ。
それとももっと貼られたい?あ、っそ?』
ニコニコしながら吉岡はケータイをまたいじり始めた。
『あ…あの…』
瑞希は目をそらしたまま男に話しかける。
コートのボタン部分をぎゅっと掴んでいる手に自然と力が入ってしまう。
目にいっぱい涙を溜め、それでも吉岡に弱いところを見せてたくないという
意地で、無理に笑顔をつくって瑞希は男に話しかけた。目が合ってすぐに俯く。
『あの…おれ…いや…あの私…こういうの…好きなんです…』
そして…おずおずと握ったコートの前部分を開く。
この場所にこんな女の子がいること自体が不自然だった。歳は高校生…中学生かもしれない。
男が来たのを見て、慌ててしゃがんだこと、
不審なもう一人の男がビデオを回していること、
彼女の方から話しかけてきたこと。
よく来ているこの場所で、いつもは誰もいないはずのこの時間に起きた予想外の状況に、
緊張していた男は絶句してしまう。
ショートカットの美少女が開いた、季節には未だ早いコートの下は裸だったのだから。
愛らしい大きな瞳は、彼女の言うこととは裏腹に涙でぬれている。
自販機の明かりに照らされた白い肌…
小さな、しかし形の良い胸の膨らみを引き立てる赤いリボン…
そして、体の至る所に書かれた卑猥な落書き…
『だから…あ…はは…気にしないで…ください…ね?』
必死に何でもない、好きでしているんだと装う瑞希。でも自然と声は小さくなっていく。
動揺が、恥辱が、瑞希に意味のない無理な笑い声を出させる。
その様子を見て、動揺していた男の顔色が、好奇のそれへと変わっていくのがわかる。
(見てる…見られてる…裸を…こんなとこで、こんな格好して…しかも自分から…)
男の視線が瑞希の体を、羞恥に染まる顔を舐めるように這っていくのがわかる。
それにあわせて、脚が内股に、腰を引くような格好になるのを必死にこらえる。
(やだ…もうやだよぉ)
もういいでしょ、と振り返り、吉岡に許しを請う。
しかし結局、強調するようにコートを広げる仕草と、言え、と顎をしゃくる吉岡を見ただけだ。
まだこの恥ずかしい格好をさらさなきゃいけない…
(やだ…言いたくない…したくないよ…呆れて…あっち行って)
ん…緊張で乾いた唇を閉じて濡らす…息が荒くなってる…
そして口を開いた。無理矢理に笑顔を作って…
『それと…あの…ここで…しても…いいですか?その…』
『するって…何を?』
男の質問と、吉岡の押し殺した笑い声に、耳を塞ぎたくなる。
(佐野…ごめん…おれ…こうするしかないんだ…)
しばらく黙ったあと、瑞希は俯いたまま小声で言った。
『ここで…オナニー…してもいい…ですか?』
『君、高校生?露出狂なの?』
露出狂、という言葉にびくっと反応して、
瑞希は男と目を合わせてしまい、慌てて顔をそらす。
はじめこそ、予想だにしなかったこの状況に男は戸惑い、
瑞希と吉岡、そして周りを見てきょろきょろしていた。
しかし、カメラを持った吉岡がにやにや笑いながらも何もしないこと、
少女が明らかに恥ずかしがりながらも卑猥な格好を隠そうとしないこと、
そして何より瑞希がとびきりの美少女であることにおされ、
徐々に大胆に瑞希に言葉をかけるようになってきていた。
『淫乱マゾ…』
ぴくっ…何気なく体の落書きを読み上げた男の声に、瑞希は幼い体を小さく震わせて反応する。
聞こえないフリをしながらも、言われるたびに反応してくれる瑞希をおもしろがり、
男は次々に落書きを読んで聞かせていく。
『精液便所…そっか。精液便所ちゃんか』
男の声に瑞希が悔しそうに俯く。
『中出し専用ねぇ…へ〜、そうなんだ?』
違う、と言いたげに顔を上げるものの、瑞希は何も言えない。
また目を閉じ、横を向く。
しかしコートは『もっと見て』と言わんばかりに広げたままだ。
閉じたくて仕方ないのだろう。コートの端を握る手に力が入って行くのがわかる。
男はなおも続ける。
『淫乱マゾ…うわ…こんなことかかれて恥ずかしくないの?』
中腰になり、瑞希のはだけたコートの中を覗き込むと、男はニタァっと、
好色そのもののしたり顔で瑞希の顔を見上げる。
『女の子がこんな格好で…いっぱい書いてもらってるじゃないか。あの人に書いてもらったの?』
男の声の近さに思わず目を開ける瑞希。
『う…うん…何て言うか…そう…です。』
(みるな…みるなぁ!)
書いてもらった、と認めると自分が吉岡のオモチャであることをイヤというほど思い知らされる。
書かれたのに、まるで瑞希のほうから頼んだような言い方だ。
瑞希の恥ずかしがる様子に気づかないフリをしながら、調子に乗った男は続ける。
『これ…読んでみてくれない?』
胸の下に書かれた文字を指差し、男は瑞希にそれを読ませる。
指された文字を見て悔しげに口を閉じ、それでも気丈に笑顔を作りながら
瑞希は答える。
『…こ…これですか?犯して…くださぃ、かな…こっちは…
チンチン大好き…あは…言わせないでくださぃよぉ』
恥ずかしさを隠すためだろう、ちゃかすようにしか言えない、
それでいて涙を目に浮かべた美少女の痴態に、男の興奮は高まる一方だ。
『お嬢ちゃん、瑞希ちゃんだったよね。
可愛い顔してるのにこんな格好して、しかもこんな場所で…何したいんだっけ?』
男は要領を得てきていた。
質問してしばらく瑞希が答えないと、男の背後にいる吉岡が咳払いをしてにやける。
目の前の少女は、答えるように強制されているらしいことに、彼は気づいていた。
『オ…ナニー…です…オナニーさせて…ください』
先ほどの瑞希の告白から、何度言わせただろう。
男はしつこく瑞希に答えさせている。
言わされるたび、瑞希の顔は羞恥と屈辱に染まる。
『こんなところでしたいの?我慢できないの?
どうしようもない変態ちゃんなんだねぇ。見てもらえて嬉しいだろ?』
(違う!そんなんじゃない!!)否定することすら許されていない瑞希は聞かないように必死だ。
『じゃあ、おじさん見ててあげるからさ、オナニーしてしてもいいよ。』
『んっ…ぅ…っく…ん』
見知らぬ男の前に立ち、裸を晒しながら自分を慰める瑞希。
右手はローターを持ち、薄く茂ったその下の部分に当てられている。
これまでは吉岡が、嫌がる瑞希に無理矢理使っていた。
生徒指導室では、割れ目に沿うようにテープでそれを貼られた状態で口での奉仕を何度も強要された。
吉岡が受け持つ授業前に呼び出されたときは、それをショーツの中に入れられたまま、
その後の授業を受けさせられたこともある。
これを見るだけで嫌なことばかり思い出されるのだ。
瑞希がその授業中、吉岡がポケットに手を入れるたびにビクっと震え、
怪しげなモーター音がもたらす振動に声が口をおさえ、声を出さないように必死に我慢していたこと、
クラスのみんなには、鞄の中のケータイが鳴っていたと言い訳したこと、
それに満足したような吉岡のイヤラシい笑顔も…
『かわいいねぇ…どうしたの?瑞希ちゃん、キョロキョロしちゃって…
あ〜、心配しなくても、そのうちたくさん見てくれる人来るから』
その言葉に瑞希はびくっと、怯える目で男を見てしまう。
いつまた、この男のように自販機に買いにくる客が来るかもしれない。
瑞希は気が気ではなかった。こんな状況で快感など得られるはずもない…はずなのに…
『んぅ!!あっ!!つ…よく…しないで…んくっ…はぅ…ぅ』
吉岡がローターの振動の強弱を操作して遊んでいる。割れ目に当たっているそれは、
振動が強くなっても、逆に急に弱くなっても、瑞希にせつない快感をもたらしてしまう。
ローターをつまんだ瑞希の右手は、今はもう、最初にローターに塗られていたローションだけではない、
ヌルヌルとしたものにまみれている。
幼い体はうっすらと、イヤラシいピンクに染まっていく。男はなおも続ける。
『おっぱい揉んだりしないの?いいんだよ?いつも通りしてごらんよ』
瑞希の左手は、その男にだけ見せるようにしてコートを広げている。
男はそれも使えと促しているのだ。
『こ…これは…こうしてなきゃいけない…んっ!!…から…』
吉岡が振動を強弱させて遊ぶなか、瑞希はピンクローターを幼い割れ目にそわせるので精一杯だ。
その振動が強まる度に、腰がぴくんと跳ねるように動き、脚を閉じて前屈み気味になってしまう。
近くにしゃがんでいる男の耳には、くちゅくちゅ、と卑猥な音を立てるのも聞こえ始めていた。
甘い声を抑えきれず、切なげに、どうしていいのかわからない、
といった感じで小さく腰をくねらせる瑞希は、
立っているのもやっと、そんな風にもみえる。
『あっそう?オナニーするだけじゃ満足できないもんね。
ちゃ〜んと、見てほしいってことかな?だいじょうぶ、
オッパイもオマンンコも丸見えだから…くくっ…露出狂の瑞希ちゃん』
カメラでその様子を撮り続けている吉岡もそれに続く。
『ほらほら、いつも俺が使い方を教えてやっているだろ?
クリだよ、クリトリスに押し付けろって言っただろ?』
わざとらしくビデオカメラを見せつけ、
動きを止めるのを叱るように、吉岡がリモコンでローターの振動を強める。
今度途中でやめたら…このビデオもどうされるか…
俯むき、恐る恐るそれを続ける瑞希。
『立ったままするの大変じゃない?おじさんのお膝の上にでも来る?』
『だ…だいじょうぶ…ですから…ぁ…くっ』
膝ががくがくと震えだす。