みゆきは大学の講義の後、大学近くのファーストフードショップで友人たちと談笑していた。
他愛もない話題から恋の話になった時、友人の一人がみゆきに話し掛けた。
「みゆきぃ、あんた最近明るいけど、彼氏とうまくいってるの?」
「うん」
みゆきはシェイクのカップを片手に頷いた。
「ねえ、みゆきの彼氏ってどんな人?イケメン?」
「学生?それともリーマン?」
他の友人も興味津々である。
「・・・公務員をしてるの。最近は彼の仕事が忙しくて、なかなかデートする時間が取れないの」
少し気恥ずかしそうに答えるみゆき。
「ところでさぁ、みゆきは彼とどこまで行ったの?」
「えっとね・・」
みゆきが答えようとしたその時、みゆきの携帯電話にメールが届いた。
「みゆきちゃん、今夜俺んちに遊びに来てよ。仕事が早くあがって退屈してるんだ」
メールの主は武田だった。
「分かったわ」
みゆきはそう返信すると席を立った。
「みゆき、帰っちゃうの?」
「彼氏から遊びに来いってメールが来たの。それじゃ、またね!」
みゆきは店を出ると、仕事を終えて家にいる母に携帯電話で連絡を入れた。
「今日は友達の家でパジャマパーティーなの。明日の朝にはちゃんと帰るから心配しないでね」
母に嘘をつくことに罪悪感がない訳ではなかったが、今のみゆきには恋人の家に行ける嬉しい気持ちの方が大きかった。
それから十数分後、武田の住むマンションに着いたみゆきは、武田の部屋の呼び鈴を押した。
部屋の中で雑誌を読んでいた武田は玄関のドアの魚眼レンズを覗き込み、「みゆきちゃんだね」と呟くとドアの鍵を開けた。
「武田さん、こんばんわ」
優しい表情でそう言うみゆきに、武田はたまらない愛しさを感じた。出来れば今すぐにでも彼女を抱きたい。
そんな気持ちをぐっと堪え、武田は冷蔵庫から缶チューハイと缶入りのカクテルを持ってきた。
日頃ビールか発泡酒しか飲まない武田だが、それでは色気がないとでも思ったのだろうか、彼の持ってきたチューハイとカクテルは
どちらも女性が好みそうなフルーティーな味のものであった。
「選ぶのにちょっと苦労したよ。どっちがいい?」
みゆきはカクテルを選び、武田と乾杯すると、生まれて初めて飲む酒をゆっくり味わった。
「わあ、ジュースみたい!お酒ってこんな美味しいんだ・・・・」
30分もすると、酔いが回ってきたのかみゆきの顔は上気し、体も心なしか火照ってきた。
「みゆきちゃん、酔っちゃった?」
武田が聞く。二十歳になっていたとはいえ、初めてのカクテルはみゆきには多少強いようだった。
武田はみゆきを自分のベッドに寝かせると、唇にそっとキスをした。
「んっ・・・・」
武田のキスで浅い眠りから覚めるみゆき。
武田はそんなみゆきを組み敷くと、そっとささやいた。
「俺、みゆきちゃんを抱きたい。いいかい?」
「いいよ。でも、あまり痛くしないで・・・初めてなの」
男である武田の家に泊まった以上、みゆきもこうなることは覚悟していた。
武田はみゆきのブラウスのボタンを開けて手を入れると、彼女の柔らかく豊満な乳房を揉みしだいた。
「はあぁ・・武田さん・・・」
初めての快感にみゆきの口から甘い吐息が漏れる。
武田は再び自分の唇をみゆきの唇に重ねると、今度は彼女の口腔に舌を入れた。
そしてみゆきのミニスカートを捲り上げ、下着をゆっくりずり下ろし、濡れ始めているみゆきの秘所を指で愛撫する。
武田はみゆきから唇を離して聞いた。
「どう、気持ちいい?」
武田は女性経験がない訳ではなかったが、処女を抱くのは初めてなので、みゆきの反応が少し不安になる。
「ううっ、ん、ん・・・」
今まで誰にも触れられたことのない部分に指が深く入り込み、みゆきの顔が快感と僅かな痛みに歪む。
「そろそろ入れるよ」
武田はズボンのベルトを外し、ズボンとトランクスを下げ、ベッドサイドに置いていたコンドームを固く、熱くなっている自分の一物にかぶせると、それをみゆきの秘所に挿入した。
「ひぃっ、い、痛い・・・!でも、やめないで!」
声をあげるみゆきの全身に痛みが走る。しかし、その痛みは苦痛ではなかった。
武田が自分の上で動くたびに、痛みと愛しい人の温もりがみゆきの心と体に伝わってくる。
「武田さん、武田さん!私・・・」
最後にそう叫ぶと、みゆきの意識が少し遠のいた。
「みゆきちゃん、痛くしちゃってごめん」
行為の後、武田は目に涙を浮かべているみゆきの髪に触れた。
「いいの・・・痛かったけど、武田さんの腕の中、あったかかった。武田さんになら、また抱かれてもいいわ」
みゆきは優しい声でそう言うと、武田の腕枕で眠りについた。
(終わり)