ロタに促されてスコットランドに帰る途中の船の上あたりのお話
とりあえず設定はエドガーとリディアは両思い?というかまぁやることはやっちゃってます。
ゆらゆらと揺れている。
それが自分なのか、それとも自分の気持ちなのか―――。
(愛してるよ、僕の妖精。)
そう言ったのは彼だった。美しい金髪と輝く灰紫色の瞳、完璧な美貌を持つあの人。
優しい眼差しといくつもの愛の言葉。
もしかしたら、私もこの人を愛しているのかも…?と気づいたのはいつだっただろうか。
彼の愛の言葉に応えて、初めて身体を重ねたときは死ぬほど恥ずかしかったけど、
それと同時に幸せも確かにあった。
それなのに―――。
なぜだろう…いつも心の奥底には彼女の存在があった。
彼はいつか彼女を選ぶのだという自分の心の奥底の闇。
ロタが提案してくれた「彼と離れてみる」ということ。
今の私にはそれが本当に必要だったのかもしれない。
潮の匂いを感じ、ゆっくりと目を開く。
キラキラ光る水面がとても美しく、その光景は彼の優しい笑顔を思い出させた。
その時ふと、手の甲に水滴が落ちてきた。
「やだ…、雨かしら…。」
それが自分の零した涙だと気づくのに、あまり時間はかからなかった。
おわり