「……まだ、辛いの?」
「エドガー、お願いだからそういうこと聞かないで欲しいの。
気遣ってくれるんだったら、別のほうにしてくれない?」
「別のほうって?」
「えーと、だからその、つまり、こんなにしつこくしないで……」
「リディア、きみ、もしかして恥ずかしがってる?」
「そ、そんなことないけど」
「大丈夫、いまは辛くても、すぐ良くなるよ。僕たち二人はダンスの呼吸がぴったりだったろう?
それはつまり、相性がいいってことだから」
「相性?」
「そう。身体のね」
「……」
「リディア?どこいくの?」
「部屋に戻るわ。エドガー、いいこと、あなたとはもう二度と踊らないわよ!
あのときそんなこと考えてたなんて、信じられない」