「七瀬ー、いっしょに入ろー! ていうか入るねー! ……って、あれ?」  
 全裸になったにわこと潦景子は、仁王立ちで勢いよくバスルームの扉を開け放った。  
 いつも通り七瀬家に泊まりに来たにわは、妹以上恋人以下くらいには愛している八重と  
バスタイムを楽しもうとウキウキだった。  
 しかし、湯船の中にもシャワーの下にも、目的の人物のちっこい姿は見当たらない。  
 代わりに。  
「いやぁ、にわちゃん開放的じゃねぇ……」  
「あ、あれ、由崎!?」  
 湯気の向こうでは、由崎多汰美が湯船からひょっこり顔を出していた。  
「え、だっておばさんが今入ってるって、あれ?」  
「ついさっき上がって、すぐわたしが入ったけぇ。ニアミスやったねぇ」  
「え、そうなの!? もう、なによそれぇ……」  
 頭を垂れて、いかにもがっかりと言う風にふるまうにわ。  
「まぁまぁ。ほら、どうせだから一緒に入ろ?」  
「えっ? あ、そ、そうね、うん」  
 確かに、ここまで裸をさらしておいて引き返すほうがよっぽど不自然なのだが、ちょっ  
といきなりの提案で少し戸惑う。  
 そういえば由崎と2人きりになることってあんまりないなあ、などとぼんやり考えなが  
ら、まいっか、と軽く流し、にわは湯船に足を滑り込ませた。  
「しかしにわちゃん、八重ちゃんの前ではいつもあんなにおっぴろげてるん?」  
「おっぴろげとか言うなっ!」  
 とりあえず、退屈はしなさそうだ。  
 
「いやあ、さすがに」  
「狭いわねぇ……」  
 向かい合うようにして横に並んでみたが、見事に横幅はぎっちりだ。上下にずらせば窮  
屈でもないが、ひしめき合ってる感は否めない。  
 これが七瀬だと、それほど手狭にはならない。  
 むしろ、膝の上に乗せて後ろから抱きかかえるようにすると(子供扱いしてー、と嫌がるが)、  
膝ものびのび伸ばせるし、七瀬の小さなお尻の感触も味わえて非常に役得――  
「にわちゃんは幸せそうな顔でお風呂に入るねえ」  
「はっ!?」  
 
「あー、でもホント気持ちええねえ……」  
 にわには、満面に極楽の表情を浮かべる多汰美のほうがよっぽど幸せそうに見えた。  
「今日もロードワーク行ってきたの?」  
「うん。運動のあとのお風呂は体に染みるんじゃよー」  
「染みるって……。おっさんじゃないんだから」  
 昔、陸上部だった多汰美は、今も基礎トレーニングを欠かさない。  
 にわもスタイルに自信が無いわけではないが、多汰美の引き締まった無駄のない体を見  
ると、素直にうらやましいと思う。  
 今、視界の正面にさらけ出されている小ぶりな胸も、ただ柔らかいだけでなく弾力もあ  
りそうな、つるんと丸い良い形をしている。  
(……って、つい見ちゃうわねこの体勢だと)  
 無理に視線を外すと、逆に意識してしまっているようで落ち着かない。かと言ってしげ  
しげと見つめるのも……。  
 ああ、でも、ほんといい体してるなあ、ちょっとくらい触ってみたいかも――  
 
「? どうしたん、にわちゃん?」  
「な、なんでもないわよ」  
 あらぬ方向へ加速する妄想を断ち切って、平静を装う。  
「ふふっ、へんなの。そうだ、にわちゃん、背中流しっこせえへん?」  
「あ、ああ、いいわね。やりましょ」  
 なんか思考が妙な方向に進み始めたにわには、ちょうどいいタイミングの提案だった。  
「じゃあ、にわちゃんからお願いしてええかな?」  
 ざばりと音を立てながら立ち上がる多汰美。  
(……ちょっとは隠しなさいよ)  
 真正面で立ち上がられたせいで、下半身もバッチリ見てしまった。意識しすぎる自分も  
悪いが、ちょっと多汰美も開放的過ぎる気がする。おっぴろげなのはどっちだ。  
 
「じゃ、よろしくー」  
 バスチェアに腰かけ、背中をさらけ出す多汰美。  
 人の背中を観察することなどそうそうないが、やはりしなやかで張りのある、美しい背  
中だと思った。  
 ボディタオルにたっぷり泡を立て、肩の辺りから洗い始める。  
「は〜〜っ、やっぱ人にしてもらうと気持ちええねぇ」  
「さっきからどうもおっさん臭いわね……」  
「んー、だって気持ちええもん」  
 それはわかる。にわも八重と背中の流しっこをよくやるが、やっぱり気持ちいいしなん  
だか妙に楽しかったりする。  
 多汰美の、八重よりは幾分大きな背中も、なかなか洗いがいがあっていい。  
 
 無防備な背中を見つめていると、にわのイタズラ心がむくむくと膨らみ始めた。  
「……やっぱり由崎って細いわねえ」  
「ひゃっ! ちょ、にわちゃんいきなり何するんよ!」  
 ボディタオルを手離し、きゅっとくびれた腰をガシッと掴む。  
 やっぱり、贅肉なんてこれっぽっちもついていない見事なウェストだった。  
「うーらーやーまーしーいー」  
 そのまま、手でわしわしと細い腰を揉む。ここがくすぐったくない人間はいない。上半  
身をくねらせて悶える多汰美。  
「ひゃ、ちょっと、やめ……!」  
「褒めてんのよー? 由崎はスタイルいいねってさー」  
 多汰美をからかう機会はあんまりないので、ここぞとばかりに楽しむにわ。普段うかが  
えない反応に気をよくして、カラカラと笑う。  
「や、あんっ! も、もう、ん、あ!」  
 ……と、くすぐっておいてなんだが、多汰美の喘ぎ声はちょっと色っぽすぎる気がする。  
 多汰美なら、もっと豪快に大笑いするものだと思っていたのに。  
 なんとなくきまりが悪くなって、にわは手を離した。  
「はぁ、も、もう、にわちゃんやめてよ……」  
「あはは、ごめん。なんか由崎の体見てたら憎らしくなっちゃってさ」  
 頭をかきながら、とりあえず謝るにわ。  
「もう……。だからさっきも、わたしのおっぱいばっかり見てたん?」  
「うん、そうなの……って、ええええっ!? き、気づいてた?」  
「もち。にわちゃんまるでエロ中学生のように見つめてくるんじゃもん……」  
 いや、そんなエロい目でなんて……見ていた、うん、間違いなく。  
 
「ふ、不可抗力なのよ! 目の前にあったら、ほら、つい見ちゃうでしょ?」  
「ちょっとくらい触ってみたいかも、って目が訴えてた」  
「なんでそこまでっ!? ……はっ」  
 しまった。  
 多汰美は振り返って、にんまりとした笑顔を向けてきた。  
 もう言い逃れのしようも無く、エロガッパ決定である。もう青野のことはからかえない。  
「そっかー、にわちゃんはわたしのおっぱい触りたいのかー。……触ってみる?」  
「……はい?」  
 多汰美が何を言い出したのか、一瞬理解できなかった。  
「だから、わたしの胸。こんな機会でも無いと触れないよ」  
「い、いやいやいやいや、なんでそうなるのよ!?」  
「別に減るもんじゃないしー」  
 それはお前のセリフじゃない、と心の中でつっこむにわ。  
「ほらほら、触って触って」  
 少し脇を上げて、にわを促す多汰美。  
 って後ろからかい! と、さらにつっこむ。後ろから触るという絵面は、なんだか知ら  
ないが妙に変態チックだ。  
 でもまあ、深く意識しなければこれもただのじゃれあいの範疇……かな?  
「じゃ、じゃあちょっとだけ……」  
「どうぞー」  
 おずおずと両手を伸ばし、後ろから小高い膨らみを鷲づかみにする。  
 柔らかい。ちょうど手のひらに収まるサイズで、手のひらの中心に、コロコロとした乳  
首の感触が当たる。  
「あ……ん、どう、にわちゃん?」  
「う、うん、いい胸してるね」  
「えへへ、ありがとう。……もっと触っていいよ?」  
 いや、もっとって……と言おうとしたが、指は自然に動いていた。  
 指の動きに合わせてふにふにと動く乳房。なんだか、揉めば揉むほど柔らかくなってい  
くようで、いつの間にか手は止まらなくなっていた。  
 
「く……あぅ、うん……。にわちゃん、おっぱいも、洗って……」  
「うん……」  
 言われるまま、片手にボディソープを取ると手のひらで適当にあわ立て、それを胸に塗  
りたくるように揉み洗う。  
 見る見る白く染まる多汰美の胸部。ぬるぬると滑るソープのおかげで、乳房を掴むと柔  
らかな感触がするりと手のひらを抜けていく。  
「あう! あ、や、んん……。にわちゃんって、ほんまエロい子じゃねえ……」  
「ど、どっちがエロい子よ!」  
 多汰美の声は、すっかり色気を帯びている。聞いているこっちがドキドキしてしまうく  
らいに。  
(あれ、わたし由崎の体を洗ってるだけだよね? 違ったっけ?)  
 なんだか、すでに行為の目的が変わってきている気がする。これじゃまるで……。  
「な、流すわね!」  
 蛇口をひねり、大量のシャワーの水で泡をきれいに洗い流す。  
「えー、もうやめちゃうのー」  
 多汰美は不服そうだが、これ以上この空気のままでいると非常にマズイ事態になりそう  
だった。  
「……はい、おしまい」  
 多汰美の体を流し終わると、その場の雰囲気も断ち切るようににわは終わりを告げた。  
 しかし。  
「ん、ありがと。じゃあ、次はにわちゃんの番じゃね」  
「え、わ、わたしはいいわよ! 体洗いたい気分じゃないし!」  
「えー、最初に洗いっこって言ったじゃろ? それに、『お返し』もしたいし」  
「……へ」  
 多汰美の笑顔には、物言わぬ迫力があり、いつの間にか、にわはバスチェアにちょこん  
と座らされていた。  
 
「じゃ、洗うねー」  
 泡立てたボディタオルを背中に当てられただけで、にわはぴくりと反応した。  
(わたし、何びびってんのかしら……)  
 思えば、多汰美にはとんでもないことをしてしまったような気がするが、そもそも多汰  
美が触ってもいいと言い出したんだから、別に自分は悪くない……はず。  
 今のところ、多汰美は普通に背中を洗ってくれているし、もしかしたら考えすぎ――  
「はい、腕上げてー」  
「え、きゃっ! やだ、ちょっと!」  
 にわが多汰美にそうしたように、脇の下から腕をつっこんでくる多汰美。  
「ゆ、由崎! わたし、前はいいから、ね?」  
「言うたじゃろー? 『お返し』って」  
 いつの間にか多汰美は体をしっかり密着させていて、ちょっとやそっとでは離れられそ  
うになかった。  
 にわの肩に顎をかけ、くすりと笑う。その笑顔は普段の多汰美からはちょっと想像でき  
ないくらい淫靡だった。  
「洗うね……」  
「きゃ、ちょっと、あぅ!」  
 ボディタオルで手を包み、その手でにわの胸を揉み上げる。  
 乳房を掴まれる感触と、ボディタオルのざらざらとした肌ざわりに刺激され、両方の胸  
から微妙な快感が走りぬける。  
「は、あ、やんっ! んっ、あ!」  
「んー、やっぱにわちゃんのほうがおっぱい大きいね。うーらーやーまーしー」  
「やぅ、あっ、わ、わかったから、あんまり、あっ、強くしないで……」  
「わかった、じゃあ優しく触るね……」  
 優しく、今度は乳首をつまんでくる多汰美。親指と人差し指でくりくりと、しかし、や  
はりボディタオルのざらつきが敏感な先端をちくちくと刺激する。  
 
「う、うんっ、んっ、……うぅ! ち、ちっとも体洗ってないじゃない!」  
「だってぇ、にわちゃんの体、気持ちいいんじゃもん」  
「も、目的変わってるじゃないのよ!」  
「まあまあ……、ほら、あむ」  
「っ!!」  
 ぐっと顔を寄せてきたかと思うと、いきなり耳たぶをかぷりと噛んできた。  
 なぜだかわからないが、それだけで全身がキュッと収縮してしまう。  
「ふふ、にわちゃんかわいいねぇ」  
「な、何言い出すのよ……!」  
「じゃあ、今度はお腹のほうね」  
 胸を執拗にいじくっていたボディタオルを下に滑らせると、円を描くようにお腹を洗い  
始めた。  
(胸もそうだが)他人にお腹を洗われることなんて初めてのことである。腹筋をくすぐら  
れているようで、なんだか妙な感触だ。  
「由崎、も、もういいから……ひゃんっ!」  
「ああ、ごめんね。ここ敏感やった?」  
 多汰美の手が、下腹部をぐっと押した。今までよりも露骨な快感に腰を引いて悶える。  
 ごめん、といいつつも、多汰美はぐいぐいとそこを押し込んでくる。  
「あ、あん! だ、だめ、由崎、そこ、あう、ん、んん……っ!」  
 どんどん引き下がるにわの腰を抱きかかえるようにして、多汰美はなおも攻める。  
「にわちゃん、気持ちいい?」  
「う、うん、気持ちいいから、もう、やめ、んっく、ふ、んん、あああっ!」  
 にわの体が、完全に「く」の字になったところで、多汰美は手を止めた。  
 にわの顔はすっかり上気していて、肩で息をしている。  
 多汰美は、にわの肩を引いて上体をぐっと起こして姿勢を元に戻させると、改めて下腹  
部に手を伸ばした。  
 
「はぁ……はぁ……あっ」  
「ごめんね、いじめちゃって。すぐに終わらせてあげるけぇね……」  
「や、ちょっと、何するの……うあぅ!」  
 多汰美の右手中指が、ちゅぷとにわの陰唇に進入する。そのままくちゅくちゅと音を立  
てながら、上下に動かし始める。  
「あっ、あっ、ああぅ! 由崎、やりすぎ、あっ、だ、めぇ……!」  
 びくりと上半身を震わせながら、快感を堪えるにわ。しかし、多汰美の指は入り口をな  
ぞったり、内部の側壁をこすったりと、的確に一番感じる部分を捉えてくる。  
「う、うう、はぁ、あ、ああっ……」  
 多汰美は一旦指を止めると、にわの陰部を攻めていた手を目の前に持ってきた。  
「ほら、ちょっとねばっとしてる……。シャワーの水やないんよ、これ、にわちゃんの……」  
「あ、ああ……」  
 にわの顔がさらに赤く染まるのを見てふっと笑うと、多汰美はまたにわの股に手を伸ばす。  
「2本……入るかなあ」  
「あ……っ、ん! も、もっと、ゆっくり……」  
「ゆっくり……、こう?」  
「そう、あ、あ、いい、いいよ、由崎、わたし、いい……」  
 多汰美の人差し指と中指がゆっくりと出し入れを繰り返す。その度に、にわの膣がくっ  
くっと締まり、快感が沸点に近づいていくのを感じていた。  
「う、ああ、ああっ、はあっ! だ、だめ、わたし、もう……」  
「うん、ええよ。イって……」  
「くぅ、う、うん、……あっ、あ、ああ、きちゃ、う、あ、あああぁぁっっ!!」  
 挿入した指が少し痛いくらいに締まったかと思うと、熱い愛液がさらに分泌されて多汰  
美の指を包み込んだ。  
「にわちゃん、また一緒にお風呂に入ろうね……?」  
「ぜ、絶対、いや……」  
 風呂の熱気も相まってくらくらするにわの脳みそでは、そう答えるのが精一杯だった。  
 
 
 
「わたしがエロいだけ二人はじゃれあってるだけわたしがエロいだけ二人はじゃれあってるだけ……」  
「わ、真紀子さん、お風呂場の前でなに頭抱えてるんですか?」  
 
 -END-  
 

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