「マスタング大佐」
「ん…」
本が散乱した部屋の中で、
顔の上に本を置いて寝転がっている人物が少し身動きする。
「私は何分ぐらい眠っていた?」
「10分ぐらいかと」
シェスカは周りを伺いながら部屋に入り込んだ。
「10分か…」
大佐の顔には疲れが浮き出ていた。
「無理をせず少しお休みになったほうが…」
シェスカは横たわっている大佐の脇に
膝を突いて周りの本を整理し始めた。
その時だ。
大佐の手が彼女の太ももをさすった。
「あ」
「もうちょっとこっちに来なさい」
大佐の手がスカートの裾からその奥に入り込む。
「ダメですよ、大佐」
「じゃあ、どうして鍵をかけたんだね?」
彼女が部屋に入った時にかすかに錠が落ちる音がした。
それを彼は聞き逃さなかったのだ。
シェスカは言葉では拒否していても
彼の手は拒んではいない。
そろそろと彼の手は暖かな太ももを
這い上がっていった。
「あっ」
大佐の指先が彼女の下着の上から
感じる部分をさする。
「何だね、もうこんなになっているじゃないか」
そこは既にしっとりと潤っていた。
薄い布越しにその感触が大佐にも分った。
「さあ、こっちにおいで」
大佐は横たわったまま
彼女のスカートをたくし上げて白い下着を剥き出しにした。
「それは自分で脱いで
私にそこを見せてくれないか」
シェスカは顔を赤らめながら
下着をゆっくりと下ろした。
そして彼の顔にまたがった。
大佐はその部分を指で押し広げて
舌先を差し込んだ。
「ぅ、大佐、いきなり…」
「軍議があるのでね。早くしないと」
小さな高ぶりを舌先で
大佐は舐め上げてすすり上げる。
その度にシェスカの背筋に快感が走る。
「大佐、私も…」
彼女とこの様に肌を合わすのは
何度目だろうか。
その度に少しづつ彼女は大胆になってゆく。
シェスカは体の向きを変えると、
大佐の戒められてるものを取り出した。
少し冷たい彼女の細い指が、
既にはちきれそうになっているものをそっと包み込んだ。
大佐は彼女の腰を抱え込み、
貪るように小さな突起を刺激する。
そしてシェスカは口に入れるのもぎりぎりなほど、
巨大な大佐自身を苦しげに咥えて、それに必死に答えていた。
「もう時間がない」
大佐は起き上がると
四つ這いになったままの彼女に後から覆い被さった。
「ああ、大佐っ!」
大佐の急な侵入はいきなり彼女を高みに引き上げた。
そして激しい揺さぶりに
息も出来ないほどの悦びが引き起こされる。
「声を出しちゃダメだよ」
激しく突き上げる荒い息遣いの大佐が、
彼女の耳元で囁くように言う。
その言葉に反応するように
彼女の中が熱くよじれ彼を包み込んだ。
その僅かな動きですら
行為に没頭している彼と彼女には
全てを忘れさせるほどの快感だった。
「大佐ぁ、変になっちゃいますぅ…」
「なれよ」
大佐はそう言うと手を彼女の前に回し
彼女の濡れそぼった突起を指先で激しく捏ねだした。
中を突き上げられながら、指先でいじられる。
「大佐、大佐…、もうダメですぅ…」
「シェスカ…」
シェスカは体全体を震わすようにして絶頂を迎えた。
そして彼女に包まれている彼自身も、
とろけそうな熱い肉襞の動きに全てを放っていた。
「いかん、軍議まで時間が無いな」
素早く身支度を整えて二人は部屋を出ようとした。
「シェスカ」
「はい?」
既に制服を調えて
普段と変わりが無い姿のシェスカだったが、
「髪が乱れている」
大佐は彼女の前髪を指先で整えた。
そして首筋にキスを落とす。
ぞくぞくとした快感がシェスカに走る。
「また来るよ」
手を上げて挨拶をする大佐をシェスカは見送った。
『また』はいつなんだろう、と彼女は思ったが、
それほど遠い時ではないだろう。
彼女の中で何かが疼く。
それは先ほどの悦びにも似た密やかな期待だった。