「ふはははははははははははははははははははははは(笑)」  
 
大佐の野郎・・・完っぺきに酔ってるなコレは・・・  
夜桜の下、誰も居ない野っ原で大佐の高笑いを聞かされながら俺はそう感じた。  
だが大佐は普段でもこの手のオーバーアクションをするときがある。  
自分に酔って、という奴だ。俺や周りの奴には本気なのかそうでないのか判断がつかない。  
ったくやっかい極まりない野郎だと思う。  
 
その大佐は明らかに俺とウィンリィが一戦終える様子を、桜の大木の裏側で  
ホークアイ中尉をもてあそびながら冷静に観察把握していた様子だった。あの3角眼で。  
まあ眺めてなくてもウィンリィの切なげな鳴き声で、状況が一目瞭然というかまる解りなのだが・・・  
それも・・・気に入らねえ。  
 
いけ好かない大佐はいけすかない話を続ける。  
 
「なんだ?もう終わりか?鋼の。  
 フッ(笑)  
 
 まあ16才か・・・やり方を知っているだけで立派と言えなくもないが・・・それにしても早い。  
 早すぎだ。兵は神速を尊ぶとは言うが・・・女性を喜ばせるという観点からも早すぎるのは感心しないな。  
 早い、早すぎる、早すぎだ。  
 
 まあどっちにしろ小っさいのだし、それ位で丁度良いのかな。彼女にはお気の毒と言うしか無いが・・・」  
 
大佐の演説の途中から俺は反論の準備に入っていた。  
早い、早い、ゆうな!誰が早いだ。俺はこれでちょうどいいんだ。ウィンリィだって・・・  
 
だが、それは大佐の最後の言葉で遮られた。俺は愕然としていた。  
俺は生まれて初めてチビという言葉を許せる気持ちになっていた。チビと言うのは背が低いという事だ。  
だがこの場合の大佐の言葉の・・・小っさい、というのは・・・この場合の小っさいっという言葉は・・・  
 
俺のアレが小っさいということなのか・・・・・・・?  
俺のアレが小っさいということなのか・・・・・・・?  
俺のアレが小っさいということなのか・・・・・・・?  
 
俺は逆上して手を振り回してわめきちらした。  
 
「誰が虫眼鏡で見なきゃわからねー程の短小だ!」  
「誰が思わず踏み潰したくなる程の短小包茎早漏だ!」  
「誰が小さすぎて縮んだら小指くらいしかなくて咥えたらウィンリィの顔がおちょぼ口になるだ!」  
「誰が縮んだら豆みたいにかわいらしくなって何がなんだか良くわからないだ!」  
「誰が・・・誰が・・・誰があっあああああ・・・!」  
 
だが大佐は平気だった。叫びまくる俺を前に、自分の顔をUPにして余裕で黒い前髪をかき分け  
あたり中に星をまき散らす。  
そしておもむろに自分の裸の腰のモノを指し示す。  
 
「これを見ろ。」  
 
誰が、誰が、誰がオマエのむさくるしいモノを見たいって言うんだ!そんなモノ誰も見たくねえっ!  
そう叫ぼうとした俺の言葉は途中で止まる。俺は生まれて初めて見る異様なモノに驚愕していた。  
 
・・・・・・・・・・・・  
デ・・・デケエ・・・うそだろお?(驚)  
というかもしかして・・・これが・・・これが・・・大人の男ということなのか・・・・・・  
 
大佐のそれは決して野蛮な印象のモノではなかった。だが人並み外れた(と俺には思える)長さと  
人並み外れた(と俺には思える)その太さ、人並み外れた(と俺には思える)先端の腫れ上がったような  
亀頭の大きさを兼ね備えていた。  
 
・・・あんなんじゃ中であちこちに引っ掛かってとんでもないことになりそうだった。  
それにそもそも・・・  
 
俺は見たくもない大佐のモノを凝視しながら考えてみた。  
・・・こんなの・・・女の人のあそこに入るものなのか?  
 
 
俺は後からその見たままをそのまま深刻な表情でヒューズ中佐に報告した。  
とにかく・・・あれは人間並ではなかった・・・と。  
 
実際大佐のモノの前では、立ったままの大佐の正面で立て膝でひざまずき、  
両手を大佐の腰の後ろに回し、顔全体を大佐の股間に埋め、頬を大佐の股間にこすりつけるようにして  
大佐のモノを舐めているホークアイ中尉の顔がいつもより小さくさえ見える。  
 
大佐は話を続ける。  
 
「フッ(笑)  
 君も司令部での普段の中尉を知っているだろう?  
 いつものホークアイ中尉の姿を今ここで思い返すといい。どうだ?  
 
 あの涼しい目元、レポートを胸に抱えたキリっとした軍服姿、  
 知性と凛々しさ、その両方を兼ね備えた女性という言葉がまさにホークアイ中尉には相応しい。  
 肩に手を置かれただけで相手を張り飛ばす男を寄せ付けない潔癖さ、  
 必要とあれば上司である私を後ろから蹴り倒す、手段を選ばない強い意志の持ち主でもある。」  
 
大佐は自分のモノを舐め回し続けるホークアイ中尉を  
これみよがしに俺に見せつけながら言う。  
 
「そのホークアイ中尉、あの中尉に、  
 ここまでさせるのが大人の男の甲斐性、というものだ。」  
 
腰に両手をあてた強気の姿勢で勝ち誇ったかのように宣言する大佐の声に俺は反発した。  
こんなの・・・2人ともただ酔っぱらってるだけじゃないかよ!と。  
 
だがその間にも一心不乱に大佐のモノを舐め続けるホークアイ中尉の姿には  
確かに大佐の言うとおりに俺を黙らせる何かがあった。  
それは俺にとっては異様な雰囲気、異様な状況だった。  
 
大佐のモノを舐め続ける中尉は、表情がいつもの中尉と変わらない。  
金色の前髪で片方を隠した広いおでこ、その下のツリ目がちのキツイ目とも言われている大きな目。  
中尉はその目を開けたまま大佐のモノを舐め続けていた。  
 
感情が無い訳ではない、なんというかそう、涼しい目というのがぴったりするような、そんな目をしたまま  
そうしてこちらにかまわず俺たちの存在を無視して気付かないかのように舐め続ける。  
中尉らしい舐め方、というものがあるとしたら今、大佐の股間で中尉がしているのがまさにそれだった。  
 
熱心に、というのとは・・・ちょっと違う。  
かといって不熱心にとか嫌々ながら、とかでは勿論ない。  
感情的に、というワケじゃないし、かといって事務的に黙々と、というワケでもない。  
 
上手く表現できないが、あの大きな涼しい目をしたまま、  
ごくあたりまえに完璧な任務遂行を果たすため努力する、  
そんな様子で大佐のモノ全体を舌でくまなく全体的に徹底的に完璧に舐め上げる。  
そんな言葉が相応しいホークアイ中尉ならではの様子で、中尉は大佐のモノを舐め上げていたのだ。  
 
中尉はいつもの軍服の上着の胸元の上の方だけを開けて、そこから無理矢理に出した半脱ぎの恰好で  
両方の白い乳房を露出させていた。下は下着ごとズボンを半分脱いでいる。  
 
でも俺はホークアイ中尉のそんな恰好のことよりも、大佐のモノを舐め上げる中尉のしぐさ、表情から  
目が離せなかった。大人になればこんなのはごく普通で当たり前のコトなのだろうけれど、  
俺は口でそんなコトをしている最中の女の人を見るのはこれが初めてだったからだ・・・  
 
そんな俺には大佐の前にひざまずき、大佐のモノを舐め上げるいつもの表情のホークアイ中尉の全身からまるで何かの  
大人の女の人特有のいやらしい空気が立ち上っている様にさえ見えた。  
それに・・・ミルクを皿から飲む猫だって、皿から水を飲む犬だってホークアイ中尉のあんな風には  
忙しく舌を動かさないだろう・・・いや大人の女の人ならそれも普通かもしれないけれど・・・俺にはそんな風に見えた。  
 
中尉は両手を大佐の腰の後ろにまでまわして、まるで大佐の下半身に  
正面から立て膝でしがみついているような姿だった。  
そんな恰好で、軍服から露出した白い肩ごと、柔らかそうな白い胸ごと、  
上半身を大佐にこすりつけるようにして上下に動き、そうして顔ごと上下に大佐のモノを舐め続けている。  
 
あんなに顔を大佐の股間に埋ずめたら、大佐のモノの匂いで頭がおかしくなってしまわないだろうか?  
俺は中尉の上下に揺れる金髪の頭、大佐の股間の中佐の頭を見つめながらそんな馬鹿なことを考える。  
 
中尉の小さな口から出されて差し伸ばされているピンク色の舌は  
少し意外に思うほどボリュームがあって肉感的で柔らかそうだった。そして  
唾液なのだろうか、ただ濡れて湿っているというよりは、透き通って透明な乳液状のモノが  
舌全体を包んでいるかのように濡れて光って見えた。  
 
その中尉の柔らかそうな舌、触れると気持ちよさそうな舌を、中尉は大佐のモノに押しつける。  
というより微妙な力加減でその濡れて温かそうな柔らかい舌を押しあてるようにしていた。  
俺はその中尉の舌が自分のモノに触れる感触を想像してしまい背中をゾクリとさせる。  
 
実際の俺は上向きの中尉の顔、大佐の下半身に押しつけられたその白い肩から続く白いうなじ、  
白い喉、クイと上げられた小さなあご、その先でぬめって光る舌をただただ見つめているだけだった。  
 
中尉はずっと目を大きく開いたまま、あの涼しい目のままで  
身体ごと顔を大佐のモノに沿ってずりあげて押しあてたまままの舌を上へと移動させる。  
そして自分の舌が大佐のモノの先端にまで到着すると、中尉は舌をあてたまま  
自分の顔を回すように動かし先端のふくらみを優しく舐める。  
 
ふくらみを舐め続けそれが終わると、糸を引く舌を少しだけ離し、今度は角度を変えてモノの横から  
上から下へと舐め下げはじめ、そしてまた根元から先端へ、先端から根元へと顔ごと上半身ごと  
白い身体をこすりつけながら舌で舐め続ける。  
 
中尉はそんな様子で大佐の巨大なモノ全体をどこも徹底してなめた。  
大佐の大きめの陰嚢やその下、陰嚢の付け根の先のその先まで。  
上向きの顔でその白い喉と表情をさらしながら・・・  
 
 
「まあ、あんまり続けてもあれだからな・・・」  
 
大佐はまだ他にも見せたいものがある、といった様子でホークアイ中尉の舌の動きを中断させた。  
それから大佐は腰を引いてもまだ身を乗り出すようにしてその口での愛撫を続けようとする中尉、  
大佐のモノから口を離そうとしない中尉、小さく鼻にかかった声を漏らす中尉の頭を引き離してこちらに向ける。  
 
中尉はそのはずみでペタンと芝生の上に座り込む。両脚を閉じ、その両脚の間に芝生に突いた  
両手を挟むようにして、中尉はその恰好で俺の正面を向いた。  
 
ホークアイ中尉・・・  
その恰好でも中尉は中尉に変わりなかった。表情もいつものホークアイ中尉だ。  
涼しい目も一緒だ。口元もキリリと閉じられている。  
でも・・・何か・・・どこか変だ・・・  
 
中尉の結ばれた唇のその全部が端から端まで粘性の液体で透明に濡れて光って見えて  
その小さな口の片方の端から何かの液体がひと筋あごを伝って流れている。  
中尉のその閉じられたままの唇、濡れて光る唇はとても印象的だった。  
しかも中尉自身はあごを伝わるそれが全然気にならない様子だった。  
 
「うわあ・・・」  
 
酔っ払い中尉・・・中尉の表情をもういちど観察して俺は悲鳴に近い声をあげた。  
 
中尉の目は確かに涼しげないつも通りのあのホークアイ中尉の目だった。  
ただ泥酔している証拠のようにその目はこちらを向いてはいるものの、焦点が合っていなくて  
俺が誰か、そもそも自分の前に誰か立ってることさえ解ってない様子だった。  
 
その酔っ払い中尉に酔っ払い大佐が声を掛ける。  
 
「ほら、中尉。あいさつぐらいしたまえ。  
 鋼の錬金術師殿だ。たしか前の報告で会ってから久しぶりだったろう?  
 ・・・違ったかな・・・いや、たぶんそうだ・・・」  
 
そう言われて中尉は座ったまま正面から俺を見上げた。  
 
「・・・エロワード・・・君?」  
 
いつものホークアイ中尉の声よりちょっとだけ甘めの女の人の声だった。  
俺はエロじゃねえ!エドワードだ!と言いたかったが、中尉の表情、  
その白い身体の姿態を目のあたりにして俺の言葉は止まった。  
 
中尉はその焦点の合わない目を開いたまま、俺を認識してほんのわずか  
顔を赤く染めたように見えた。  
そりゃ恥ずかしいに決まってる。俺の脳裏にはさっきまで大佐のモノを徹底してしゃぶっていた中尉の  
その姿と今の両手を裸の脚のあいだに挟んだまま芝生に座り込む中尉の姿が2重映しになっていた。  
 
中尉にも解ってるはずだった。  
自分が何をしてて今どんな恰好なのか・・・  
 
ヤバイ・・・このままじゃ・・・  
そして俺の頭はその想いで一杯だった。  
実際、中尉の姿は今の目の前のこの恰好だけでも凶悪だった。  
 
ホークアイ中尉の軍服の上着、その開けられた胸の黒シャツは中尉の乳房の上まで  
まくりあげられていて2つの白いそれが軍服から無理矢理突き出ている。  
 
そしてその正面から見たときの中尉のへそから下は素っ裸だった。  
ブーツすら脱いで芝生の上にペタンと腰を落としてしまっている。  
 
たぶん大佐が身体をいじり回したせいだろう。中尉の身体の露出した肌は汗か何かで  
しっとりと湿っているように見えて、芝生の青草の匂いに混じってその中尉の肌の匂い、  
中尉の身体の匂いまでしてくるような気がしていた。  
 
それにこんなのは・・・反則だ。俺はそう思った。  
軍服の下の中尉の白い身体は、俺が想像してたのよりも華奢で細身に見えて  
そして俺が想像してたのよりも何倍も女らしかった。  
 
それは普段のあのホークアイ中尉の軍服姿とはあまりにもアンバランスだった。  
普段のあのダブダブ(に俺には見える)軍服の下にこんな華奢で女らしい身体を、  
こんな裸の白い身体を隠していると知ってしまったら・・・  
これ以上こんな恰好で胸から下を露出している中尉の、女の人の姿を見続けたら・・・  
 
俺は普段の軍服姿のホークアイ中尉を見てもその中身を思い出してしまう。  
そうしたら俺はもう普段のように中尉と廊下ですれ違うことすら出来なくなってしまう・・・  
 
 
大佐は俺のそんな考えを見透かしたように中尉に言う。  
 
「ほら・・・もっと脱いで  
 大人の女というヤツを鋼のに見せてやるといい。  
 なんせ鋼はまだ小っさい・・・少年なのだからな。」  
 
中尉はその泥酔した様子のまま、言われたとおり軍服の上着を脱ごうとしたが  
ただもがくだけで上手く脱げない様子だった。  
ただの花見でそこまで飲むか普通!そう思う俺の前で大佐が中尉に手を貸して中尉の上着を脱がした。  
 
大佐の野郎は言葉からしても明らかに酔っていて、その状態で中尉に無理な要求を繰り返してるくせに  
中尉の扱いだけは妙に優しかった。というよりその仕草の端々に中尉を大事に扱っている様子が見えて  
俺は納得がいかなかった。大佐は中佐の半脱ぎのズボンを下着ごとすっかり脱がせ、その下着を自分のポケットに入れ  
黒シャツの袖を両方とも中尉に優しく通させて脱がし、全裸になった中尉に、寒いから、と言って  
再び軍服の上着だけを着せる。御丁寧に上ははだけさせて中尉の白い肩をむきだしにして、だ。  
矛盾してる。肩や前をはだけさせるくらいなら何故上着を着せるんだ?  
 
俺はただそれを見ているだけだった。  
中尉は軍服を脱ぐあいだ、時々俺と目を合わせた。  
その様子は最初の時と同じだった。俺と自分の状況を認識した目になって顔が一瞬赤く染まり  
そして俺には良くわからない理由で、寄り目がちにまるで自分の身体の様子をさぐるような目になって  
それからブルッと小さく白い身体を震わせる。  
 
 
中尉には今、目の前に立つ俺がどんな風に見えてるんだろう。  
俺はいつもどおり両手を握りしめてたぶん不機嫌そうな真剣な顔をして  
そして眉をひそめたまま、いつもの眼で真っ直ぐに芝生の上の中尉を見つめているはずだ。  
 
俺の眼をこっそりと見て身体を震わせる中尉の様子は、  
俺には無理に排泄物かなにかを我慢してる姿かなにかのように見えた。  
軍服の上着を脱ぎ終わった時も、黒シャツを脱いでしまい全裸になったときも、  
上着をもう一度着てその上をはだけ、白い肩をむきだしにしてただ袖を通しているだけの姿になった時も、  
中尉はそうやって俺を見ながら白い身体を震わせる。  
 
そこへあの声の調子で追い打ちをかけるように大佐の言葉が響く。  
 
「さあ、すっかり完了だ。  
 どうかな?鋼の?大人の女性の身体は?  
 美しいだろう。よく見たまえ。  
 あ・の・ホークアイ中尉の、裸・の・身体を。」  
 
 
俺は・・・春の夜風、あの暖かくて心を奇妙にざわつかせる春の風の中、  
その風を肌に感じながら、軍服の上着に袖を通しただけの全裸になった中尉の前に立っていた。  
 
月の光の下、白く光って見える肌の正面のホークアイ中尉の姿、  
前と同じく芝生の上にペタンと座り込み、閉じた脚のあいだに両腕を挟み芝生に手を突いた恰好の中尉の姿、その尖った胸の先端や、両腕に挟まれた恰好の白い乳房のふくらみ、へそから下のなだらかな中尉の  
白い裸の身体の曲線、 両手が中央に押し込まれた閉じられた両脚の付け根、白い太股と脚の先にある  
中尉の細い足首、それにむき出しになった中尉の白い両肩やうなじを、俺を触ったのと同じ生暖かい春の夜風が次々に中尉の白い身体を触っていくのを、俺はただただ眺めていた。  
 
俺はその中尉の様子と目の焦点の合わない中尉の表情に  
少しだけ前屈みになってしまっていたかも知れない。  
 
大佐が俺にホークアイ中尉の身体はどう見える?と聞いた時、  
俺を見つめたままの中尉の寄り目がちな表情と身体の震えはそれまでのより長かった。  
俺に充分長くその表情をさらした後、中尉は顔を伏せて、そのむきだしの両肩と両腕に緊張が走った。  
 
女の人の身体のことなんか解らない俺にはやっぱりその様子は  
何かを出したくて我慢している姿にしか見えなかった。  
 
そこで俺はようやく気付いた。  
 
ホークアイ中尉は自分の裸がどんな風に見えるか何故だか自分で解っているのだと、  
ホークアイ中尉ははそうやって見られることで何かを感じているのだと、  
そして中尉はたぶん俺に、いや俺にはその先の自分の姿を見せたくないのだと・・・  
 
そのために目の焦点が合わないほど泥酔していながら鉄壁の自制心でいつもの表情を  
作り続けていたのだと・・・  
 
でももう遅かった。  
 
「あ・・・あ・・・あああ・・・」  
 
顔を伏せたまま断続的に白い身体を震わせて、中尉は出したくて我慢していたものを解き放ったかのような  
そんな長く引っ張った悲しい鳴き声、長く引っ張った諦めの鳴き声を出した。  
そして、ペタンと座り込んだままの中尉のむきだしの裸の白い腰、それが芝生の草の上で目に解る形で  
一度大きく前後に動く。  
 
「あ・・・あ・・・ああああああ・・・・・・」  
 
俺のモノはとっくに勃ってしまっていた。  
脊髄に響く中尉の鳴き声に反応してそれが硬さを増して  
どうにかなってしまいそうだった。  
 
頭の中に普段のホークアイ中尉の姿が浮かぶ。  
それに大佐のモノに金髪の頭を動かしていた中尉の姿が重なって俺の頭はさらに混乱する。  
そして目の前には今の中尉の姿。  
 
俺はこの先を見たくなかった・・・  
大人の女の人・・・ホークアイ中尉が・・・あの中尉が  
どんな風になってしまうのかが恐かった。  
 
中尉は身体を震わせて鳴き声を上げ続けて、それからなんとかしてようやくといった様子で  
頭を上げて伏せていた顔を上げ、そうして俺の前に隠れていた胸元、その白い身体をすっかりさらす。  
 
「エドワード・・・君・・・」  
 
中尉は俺達兄弟にだけ時々、特別に優しい目をしてくれるときがある。  
顔を上げて俺を見た中尉の表情はそのときのそれだった。  
 
そうして・・・そのときのその顔で俺を呼ぶ中尉の声は・・・  
それまで聞いたことのない女の人のいやらしい声だった。  
座り込んだままの中尉の白い腰は今は大きく前後にスライドされ始めている。  
 
「エドワード・・・君・・・」  
 
もう一度、中尉がいやらしい声で俺を呼んだ。  
 
俺は、俺の真正面で全裸に軍服の上着を羽織り、そこから白い両肩をむきだしにして  
そのいやらしくくねる中尉の白い身体を見ながら・・・  
その姿で白い腰を宙に浮かせ、激しく両脚の間を芝生の草にこすりつける中尉の姿を見ながら・・・  
優しいけれど完全に自制が外れた中尉の目、俺を見る中尉のあの目を見ながら・・・  
いやらしい声で俺の名を呼ぶ中尉の白い身体を見ながら・・・  
 
俺は自分のモノを痙攣させた。  
 
・・・俺は無力だ。  
心をざわつかせる春風の中、俺の名を呼びながらあんな風に腰を振る中尉を見て  
平静でいられるほど強くない・・・  
 
中尉はそんな様子の俺を見て、その奇妙に優しい目をしたまま俺に向かって微笑んで  
月の光の下で振り続けていた白い腰、その白い両脚を俺の目の前で開き始める・・・  
俺は・・・俺は・・・俺は・・・  
 
 
俺はもちろん耐えきった。  
俺はエドワード・エルリック。鋼の錬金術師。  
鋼のからだと、鋼のこころを持つ、鉄のように固い意志を持った鋼の錬金術師なんだからな。  
 
俺はその時、鉄壁の意志を持ってそれ以上見ないで済むよう後ろを向いたのだ。  
少し前屈みだったのは仕方ない。  
あんなホークアイ中尉は嫌いだ。  
あの時たとえホークアイ中尉があの白い両脚の中心に俺のモノを柔らかく包み込んで  
優しくあの白い腰を振り、あの優しい目で何度でも出していいのよ、と言ったところで俺は  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  
・・・・・・・・耐えきったに違いない。きっとそうに決まってる。  
 
 
大佐はそんな俺の様子を見て言った。  
 
「フッ(笑)。さすがだな。  
 耐えきったか、鋼の・・・・。たいしたものだ。」  
 
けれど大佐の口調には、その言葉とは裏腹に勝ち誇ったような響きが満ちていた。  
 
そして俺も耐えきってはみせたものの心の中では敗北感で一杯だった。  
 
野郎・・・悔しいが大佐の実力は本物だ・・・  
あの・・・あのホークアイ中尉をこんなにしてしまうなんて・・・  
デカさはこの際、どうでもいい。  
 
俺は・・・何かを見せつけられてしまったような気がする・・・  
もしかしたら・・・これが・・・これが・・・大人の男と女の人の間の真理って奴なのか・・・  
 
「誤解しているようだから言っておくが・・・」  
 
大佐はあのすべてこっちのことはお見通しだ、といった調子で  
言葉を続けた。  
 
「中尉は初任官の最初の任地で、軍部内にまかり通っていたある悪い習慣の為に  
 こんな風に他人に見られるだけで逝く身体になった。  
 
 当時は内乱中だったからね。  
 命令不服従の気配あり、とされた女性士官にはその隊の全員の暗黙の了承の元、  
 何をしても許される、そんな習慣が当たり前に通用していたのだ。  
 
 もちろん隊にもよるのだが・・・中尉はいわばその軍の悪癖の犠牲になった、ということになるな。  
 私と出会う前の事だよ」  
 
「!?」  
 
違う!そうじゃない!そんなんじゃないだろ!  
俺は叫びだしそうになった。  
 
馬鹿な俺にだってそれくらいはわかる。中尉はそんな事のせいで今ここでこんな風にしてみせたんじゃない。  
大佐、あんたの指示だったからだ。あんたがそう望んだからだ。  
 
ホークアイ中尉の自制心は鉄壁だ。中尉は望まずにこんな事をする人じゃない。  
たとえ、どんなに泥酔していても、たとえ誰にどんな風に身体を作り変えられてしまっていても、だ。  
大佐だってそれは解ってるはず。それが解っていてどうしてこんなことをするんだ。  
あんたはどうして俺に・・・  
 
こんな中尉を見せつけるんだ!そう叫ぼうとした俺の言葉は大佐のあの視線で止められてしまった。  
大佐は俺をあのいつもの鋭い3角眼でにらんだ訳じゃない。逆だった。  
 
大佐は時々こんな眼で俺たちを見る。  
こんな眼をする時の大佐の顔にはどこにもいつものあの険しさがない。ただ穏やかな眼で俺を見ているだけだった。  
俺にはそんな大佐の感情が読みとれない。そしてその大佐の視線はただ俺を無性にいらつかせる。  
 
大佐の話は半分は本当なのだろう。そんな事にだけは回る自分の頭に俺は舌打ちしていた。  
 
・・・ホークアイ中尉の最初の任官地がハクロ将軍の指揮する部隊が制圧していたイシュバールだったことは  
良く知られている。そしてそこで任官したてだった中尉が、当時階級はなんだったか知らないが  
部隊長だったハクロ将軍をいきなりぶん殴った事は有名な話だ。  
 
その話ではハクロ将軍は笑って事を収め、殴った中尉も無処罰で済んだという話になっていた。  
だがその後のハクロ将軍の風評を聞けば大佐の話の方がつじつまが合う。  
 
大佐の言うとおりそんな悪い習慣が昔から当たり前になっていたなら、任官したてで部隊長をぶん殴った中尉は自分からその候補者に名乗り出たという風にその部隊の全員から受け取られただろう。  
俺は当時、たぶん軍服に袖を通し始めたばかりだったろう初々しい中尉の姿を想像した。  
何が原因だったのか知らないが・・・中尉は自分からその身を犠牲に差し出してしまった恰好になったわけだ。  
 
出る釘は叩かれるのが当たり前、そんな空気で手を出さない連中も黙認し、誰の抑えも効かない状況で  
どこまでやっても歯止めの効かないそんな軍の状況の中で  
手を出した連中は気の強いなりたての女性士官、あの気の強い中尉がどんな風にふるまい続けるか、  
どこまで耐えられ続けるか、そしてどんな風に諦めるのか、それを楽しんだのに違いない・・・  
 
俺はそんな話を解りたくはなかった。  
それに大佐が俺を見る眼、中尉と大佐の大人の関係についてもだ。  
そんなのはいらない。そんなのは俺には必要ない。  
 
大佐の眼はただただ俺をいらつかせる。大佐なんか、こんな野郎、で充分なんだ。  
だから俺は全部を棚上げにして大佐に言ってやった。  
桜の木の他には誰も居ない無人の野原に響き渡る大声で。  
 
「けっ!なんだかんだ偉そうにしてても・・・大佐、  
 あんたは中尉にあ・そ・こ・まで徹底的に舐めて貰わないと勃ちすらしなかったくせに!  
 この役立たずの不・能・大佐!」  
 
「!?」  
 
大佐は蒼白になり、のけぞり気味に硬直した。今度はそれを俺がながめる番だ。ようやく・・・ようやくだ。  
大佐にこの手の言葉が効くのは解っている。俺は俺の背後で  
 
「くすっ(笑)」  
 
と小さく笑う女らしい中尉の笑い声を聞き、それが聞こえたらしい大佐がさらに慌てふためくのを気持ちよく眺めた。  
そして俺はなんだか安心した。中尉の笑い声を聞くなんてことは滅多にないことだが  
その声がいつもの中尉、あのホークアイ中尉らしいと思ったからだ。  
 
「な!?な!?な!?」  
 
絶句したままの大佐のオーバーアクションはいつもより長く続いた。不能という言葉がよっぽどショックだったのかも知れないが  
まあ相当酔ってるんだろうな大佐も・・・と俺はそんな大佐の様子を楽しく見ながら考えていた。  
 
へべれけで動けなくなってしまえばすぐそれと解るのに・・・大佐も中尉も酔っぱらっているのにもかかわらず普通に動くし表情もあんまり変わらないし一見まともそうな事を言う。でも明日になったらどれだけ記憶があるのか怪しい。  
ったくこのタイプの大人の酔っ払いは子供より始末に負えない。  
 
俺はそう考えながら自分もくすくす笑い始めた。あれ?俺、なんで笑ってるんだろ、と思いながら・・・  
俺自身まだかなり酒が残っていた。身体が小っさくてすぐ回るから自分では抑えたつもりだったのだが・・・  
俺と中尉は2人して夜桜の下、楽しく大佐を笑い続けた。  
まあそう長くは続けなかったのだが。  
 
「フッ(笑)。  
 この私を不能よばわりとは良い度胸だな。この私のモノを見た上でそんなことを言い出すとは・・・。  
 だが、聞き捨てならん。  
 
 普通なら、子供相手に大人である私が本気になる訳にもいかないのだが・・・  
 よかろう。」  
 
なんとか持ち直した大佐はそう言ったがその笑いは引きつり笑いだった。  
大佐は中尉の腕を掴んで芝生から引き起こし、桜の大木に中尉の両手を突かせ、その腰を後ろから引いた。  
そうされた中尉は両手で木にしがみつくようにして、下にずり落ちないよう必死になる。  
 
軍服の上着に袖を通しただけの中尉の後ろ姿、桜の大木にしがみつくようにしている中尉の両手  
金髪がまとめられている中尉の頭の後ろ、白いうなじに続く軍服を引き下ろされはだけられた中尉の白い両肩、後ろ向きに大佐に腰を突きだした恰好のため、反り返ってなだらかなカーブを描く、上着の下の背中から続く中尉の白く細い腰、緊張して後ろに真っ直ぐに伸ばされた開かれた中尉の白い両脚、それに支えられて大佐の眼前に高く掲げられ微かに震える中尉の白い臀部、そうしたものすべてが月の光の下、すっかり露わになった。  
 
大佐はその中尉の片足を後ろからおもむろに持ち上げるとそれを高く掲げた。中尉は木にしがみつきながら  
まるで壁かなにかに小便をする犬のような恰好になる。それから大佐はその無駄にデカイ自分のモノの先端を中尉の性器にあてがって押し開き、先端のふくらみの先っぽだけを中尉の性器に軽く咥えさせる。  
 
中尉はただそうされただけで木にしがみついた白い身体全体を断続的に震わせていた。  
そんな恰好だと正面からは犬のように片足を上げた中尉の両脚の中心、淡い茂みの下の大佐との結合の様子が丸見えになってしまうはずだ。だがそこはタダの野原で誰もいないから問題はない。  
 
大佐はそこまで準備を完了すると、俺に向かってあごを上げて合図して見せた。  
 
「ああ・・・」  
 
俺はうなずき返した。大佐の野郎、やる気だな。上等だ!  
俺はすっかり泥酔しきって寝込んでいる様子のウィンリィを起こし、芝生の上で後ろ向きにして  
高くウィンリィに腰を上げさせる。素面のときのウィンリィには絶対に許してもらえそうにもない姿勢だ。  
 
芝生に胸をこすりつけ、腰だけを高く俺に向かって突きだした恰好のウィンリィ。  
ポニーテールがかかって揺れている白い背中越しに、たたき起こされてまだ状況を把握できない様子の  
酔っ払いウィンリィが、なあに?何するの?とでも言うようなあどけない笑顔を見せて、俺は微かに後ろめたさを感じた。  
だが俺はそのままウィンリィの性器を片手で開き、そこに勃起済みの俺のモノを軽くあてがう。  
 
悪い、ウィンリィ。でも全開で行かせてもらう。  
俺は・・・大佐のことが嫌いじゃあない。けれど俺は大佐には決して負けたくない。  
 
何故だか解らないがいつの頃からかそう思うようになった・・・理由なんかどうでもいい。  
俺にとって大佐はいけ好かない野郎で充分なんだ!野郎には絶対に負けない!  
 
「持続力勝負だ、意味が解るな?鋼の。  
 どちらか続けられなくなった方が敗者となる。  
 それでは・・・」  
 
お互いに準備完了と見た大佐が俺に戦闘開始の合図を送る。  
俺たちは同時に叫ぶ。  
 
「勝負!」「勝負だ!」  
 
広い野原のまん中に一本だけ立っている桜の大木、心を落ち着かせなくさせる生暖かい春風の中、  
月の光の下、その夜桜の花びらが舞い散る中、その春風に乗って無人の野原にウィンリィと中尉の鳴き声、  
女の子と女の人の2人の鳴き声が絡み合って響き渡りはじめる。  
 
俺は慣れない姿勢にとまどって俺のモノをきつく締めつけてくるウィンリィの性器の感触に眉をしかめながらそれでもその感触に耐えて腰を激しく振り続ける。大佐も同じだ。無表情なその顔をわずかに引き締めながら引き寄せた中尉の腰を激しく突きつづけている。桜の木にしがみついた中尉の鳴き声がひときわ高くあがっている。  
 
その光景を心に刻み、最後に俺は心の中でもう一度叫んだ。  
俺は大佐には負けない!負けるわけにはいかないんだ!  
と。  
 
 
 
 
―――― 僕らはいまでも叫んでる  
 
夜風がふいに鎧の上をなぶって吹き抜けていった。  
不用意に背の高い雑草を揺らしてしまわないようにその鎧の手で細心の注意を払って草をかき分け  
アルフォンス・エルリックは大人たちが待つ戦場の最前線へと到着した。  
 
実際にはそんな必要はなかった。春の夜風が無人の野原の上を渡るように吹き抜けその辺り一帯を  
ざわめかせ続けている。だがここからは注意が必要だった。ここは野原の真ん中の桜の大木から10mと離れていない。  
夜風に乗ってその夜桜の根元から、明らかにそのときの声と解る複数の女性の鳴き声が絡み合って響いてくる。  
 
「戻りました。宿のキャンセルに思ったより時間がかかっちゃって・・・」  
「おう」  
 
ハボック中尉は明らかに上の空だった。草の間から声のする方向を凝視したまま、生返事を返す。  
無言のまま視線で挨拶を返すその場の他のメンバーも同じだった。  
 
「で、今は・・・どちらが優勢なんですか?」  
 
そう尋ねるアルフォンスに全員が無言のまま頭を回し無言のまま彼を見つめた。  
 
「・・・優勢も何も・・・あれ見て見ろよ・・・」  
「え?・・・あ・・・・・・兄さん・・・・・・・・・・・・」  
 
桜の大木の根元に目をやったアルフォンスはその鎧の姿のままその場に硬直する。  
兄さん、兄さんがあんな姿になるなんて・・・それに大佐も・・・  
 
その場の大人たちと同じようにその場の光景に釘付けになりながら、アルフォンスの脳裏には  
後悔に似た感情が沸き上がってくる。  
 
人は何かの犠牲無しに何も得ることはできない・・・何かを得るためには同等の代価が必要になる・・・  
僕は・・・このままこの光景を見続けていていいんだろうか?  
扉を突き破ってその向こうへ突き進んでしまっていいんだろうか?  
 
アルフォンス・エルリックはその答えが見つからないまま夜桜の根元を見つめ続けた。  
 
 
 
 
 
(花見夜桜野外編2・終了)  
 

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