ロイ29歳、エリシア3歳 ヒューズ家リビングにて  
「愛しのエリシアちゃ〜ん♥大人になったら何になりたい?  
パパに教えておくれ〜」  
デレデレの親バカな顔には、『パパのお嫁さんと言ってくれ』と書いてある。  
「え〜パパにはナイショなのー」  
ガックリと崩れ落ちる親友を鼻であざ笑い、膝をついて幼女と同じ目線で話しかける男は、  
しっかり女殺しの笑顔を装備している。  
「じゃあ、ロイお兄ちゃんになら教えてくれるかい?」  
モジモジしながらも上目遣いで見上げ、ヒューズにとって衝撃の一言。  
「うんとねー。エリシア、大きくなったらロイお兄ちゃんのお嫁さんになるのー!」  
幼いレディを抱え上げ、おでこをこつんと合わせる。  
「ああ、美人な大人になったら結婚しよう。約束だ。」  
ロイがエリシアのおでこにキスすると、今度はエリシアがロイの頬に口付けた。  
「あらあら、エリシアったらおませさんね〜」  
母と娘が微笑み合う中、ロイの背後には、銃を構える父親が立っていた。  
 
 
ロイ46歳、エリシア20歳 ロイ=マスタングの自室にて  
カッ カッ カッ カッ  
女性は袖口から小ナイフを出し、舞うように投げ放った。  
それは見事に体のラインに沿って突き刺さり、ロイを壁へと張り付ける。  
「何の冗談だい?エリシア」  
「上手でしょ?パパの才能を受け継いだのかしらね。  
真剣に答えてほしいのだけどロイ、私って美人?」  
フワフワの髪でパッチリと大きな瞳、熟した苺のように真っ赤で甘そうな唇  
蝶よ花よと育てられ、純真無垢で天使のような微笑みの女性。  
背はそんなに高くないが、胸は片手で収まらない大きさでウエストがキュッとしまっている。  
10人中9人は美人と答えるだろう。(一人はマニアがいるもんだ)  
ロイだって年甲斐もなく心揺れ動いているのだが、親友の忘れ形見に手など出せない。  
「もちろんだとも!…良い子だからこのナイフを外しなさい」  
「あら駄目よ。だって美人な大人になったエリシアは、ロイのお嫁さんになるの。  
今日が二十歳の誕生日よ。や・く・そ・くでしょ!」  
ロイの服を次々と脱がし、自分も生まれたばかりの姿になったエリシアは  
エンジェルスマイルのままロイのモノを口に含む。  
「ううっ…エリシアっ、こんな事誰に…」  
「りふぁふぁん(リザさん)とかぁ、うぃんうぃおねーひゃん(ウィンリィお姉ちゃん)」  
バナナなどで練習した成果を今、ロイにぶつけている。  
結局ロイはエリシアの顔にぶちまけてしまうのだが、液体まみれの顔で妖艶に微笑み  
「幸せにしてあげるからね!」  
その言葉に結婚を決意したロイ=マスタング46歳。  
 
教訓:女は魔物  
 
   (終わり)  

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