セントラルから遥か東の最果て、ユースフル炭鉱。
ここに一人の少女がいた。
幼い頃に内戦で両親を失った彼女に対し、世間は冷たかった。
人の温もりを知らずに育った彼女には、両親から一つだけ譲り受けた才能があった。
そう、それは錬金術…。
「アァッ!!」
破瓜の衝撃にライラは思わず声をあげた。
「ほぅ、本当に処女だったとはな。」
ヨキはライラとの結合部を満足そうに見下ろして言った。
(こんな野蛮な町でこれほどの女が手付かずでいたとは…。)
少し引いた腰を、ヨキは再び奥まで突き入れた。
「くぅっ…。」
ライラはシルクのシーツに爪を立てて痛みに堪える。
「約束どおり、私がセントラルに栄転の暁には、お前を国家錬金術師にしてやろう。」
「ありがとう…ございます…。」
ライラの錬金術の力は国家錬金術師レベルとは言えなかった。
それでもライラは裏口を使ってでも国家錬金術師にならねばならぬ理由があった。
(国家のために働いて…私のような境遇の子供を一人でも…。)
両親が死んだ後もライラはユースフルで一人、錬金術の研究を続けていた。
そんなある日、新たに町にやってきたヨキ中尉に見初められてしまった。
ライラ自身、自分に国家錬金術師になるだけの力がないことは自覚していた。
それに付け込んで、ヨキは国家錬金術師にすることを条件にライラの身体を要求した。
それがヨキの提示した等価交換だった。
当然、ヨキがそのような権限など持っているはずもないことなど、
ユースフルの町から出たこともない世間知らずなライラには知る由もない。
「どうだ、まだ痛むのか?」
「い、いえ…。少しだけ…。」
ライラを気遣ってなのか、ヨキはすぐには腰を振ろうとはしなかった。
「苦痛あっての快楽だ。じきにお前も感じるようになるだろう。」
「それも…等価交換なのですか…?」
真面目すぎるライラは男女の営みにまで錬金術を持ち出してしまう。
「…とにかく、そろそろ動かせてもらうぞ!!」
「は、はい…、ンッ!!」
ヨキはライラの中を前後に動き始めた。
(ヨキ様…。)
実に単調で下手糞なヨキの腰使いだが、初めてのライラは労られているものと勘違いしてしまう。
(くっ…、これはなかなか…)
女にモテたことはないが、権力を振りかざすヨキの女性経験はかなりのものだった。
そんなヨキですら、ライラの身体は今までで一番の上玉に思えた。
しかも未熟ながら錬金術も使えるライラは、ヨキには出来過ぎた女だ。
(この女を身も心も私のモノにしてしまえば、この町で恐い者はいない!!)
「うっ、あぁっ!!」
「お? おぉ、すまんな…」
勢づいたヨキの攻めに、とても快楽によるものとは思えない、
苦痛の呻きに近いライラの声を聞いて、ヨキは腰を止めた。
「だ、大丈夫です…ヨキ様…」
ライラはヨキに気に入られず捨てられることを恐れていた。
例え苦痛を伴うものであっても、ヨキのためなら…。
「ふむ、ではそろそろ仕上げと行くか」
ヨキはフィニッシュに向け、再び腰を降り始める。
「ぐおぉっ!!」
(これで私は国家錬金術師に一歩…)
胎内に広がるそれを感じるライラの頬を、何故か涙が流れていた。