広い部屋に女が二人。  
イズミは緩慢な笑みを口元に浮かべたまま、淡いブロンドに指を絡める。  
彼女は酷い怪我を負わされている、その血が髪にも飛び散っていた。  
今は先ほど練成した湯とガーゼで軽く拭うことしか出来ないが、  
イズミは広い浴槽に張った薬湯に、彼女を浸けてゆっくり洗ってあげたかった。  
傷が酷かったので別室で手当てをしてやろうと思った。  
他のやつらは旦那に任せた。  
だって女は私達だけだから。  
固く絞ったガーゼで額の傷を拭い、血糊で汚れた顔を綺麗にしてやった。  
彼女の人柄は以前から耳にしている。  
しかし聞いていたより熱い人柄で、なのに見た目のクールさと言ったら。  
全く濁りの無い綺麗なブルーの瞳が伏せられた金の睫毛の中で瞬いている。  
傷に触れるとその瞳が微かに揺れるのがたまらなくセクシーに感じた。  
見たことの無いような見事な唇は、殴られたせいで腫れている訳ではないようだ。  
プルンと柔らかそうで、特上の肉のような色艶。  
少しくらい味見してもいいだろうか?あまりにも蕩けそうなのがいけないんだ。  
「あんた、凄く可愛いね」  
 イズミはそう言いながら、腫れぼったいが柔らかな唇から、自分のそれを離した。  
言葉にならない呟きがオリヴィエの喉を零れる。  
ほんの先ほどまでホムンクルスと生きるか死ぬかの死闘を繰り広げていた。  
諦めてはいけない、しかし正直なところもう駄目なのではないか、と思っていたほどだ。  
カーティス夫妻が助けに来なければ、きっとみんな潰されていた。  
怪我の手当てをしてくれていたはずの、最強の錬金術師イズミ・カーティス。  
それなのに何故?生温かい舌が、唇を舐めてゆく。  
イズミは茫然自失といった体のオリヴィエが、益々欲しくなってしまう。  
きっとシルクとリネンで織ったドレスが似合うはず。  
沐浴からあげたらドレスを着せて、髪を結ってあげたらお人形のように可愛いらしいに違いない。  
「この戦が終わったら・・・また続きをしましょうね」  
 

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