「ところで、エド」  
「何ですか?」  
「うちの人、明日から出かけるって話はしたよな」  
ボクが扉を閉めるやいなや、師匠が言うのが聞こえた。まるで明日の天気の話をしたり、手伝いを言いつけたりするのと同じ調子で。  
「で、それがどうしたんですか、師匠」  
兄さんの声に、こらえきれない笑いが混じる。  
「決まった手順に沿って実験を行うと、一定の結果を得る。それと同じで、導き出される結論はひとつだぞ」  
「つか、ぶっちゃけヤりたいだけでしょ? ホント淫乱主婦だよなー」  
「師匠には敬語を使う!」  
「弟子にあんな姿を晒しておいて、敬語も何もないじゃないですか」  
兄さんが一瞬だけ胸の谷間に目を走らせたことに気づく師匠はさすがは年の功で、にやにやする兄さんにもまったく動じない。  
その昔、悶々とするボク達に手取り足取り大人の道を教えてくれたのがこの人で、そういう意味でも師匠だ。  
よく見れば、師匠はいつものスケバン服みたいな白い服1枚、足元は例のサンダルだけになって、脚の線を見せていた。やれやれ、そこまでしなくても、おっぱいを強調してるだけで世の男子は勝手に寄って行くと思うんだけどな。  
ていうか、見せつけて楽しむシグさんとのプレイの一環じゃないかって思うくらいだよ。  
 
師匠は、恋人を迎えるように両手を広げた。ここ居間で、ベッドとかないんですけど……  
兄さんが「シグさんにはあんな顔してるくせに、師匠ってばホント好きもんですね」と悪態をつきながら半脱ぎの師匠の白いボディにのしかかる様子を、ボクは扉の隙間から見ていた。  
別に覗き趣味はないけど、何せ夜は眠れないものだから、寝室に向かってもしょうがないもの。  
男は皆そうかもしれないけど、ボク達兄弟はぶっちゃけかなりのマザコンだから、母の香りのする乳房というものに弱い。死語を使って言いあらわすなら、顔を埋めたらイチコロだ。  
 
胸以外もメリハリがついていて本当に師匠の体はすごいよ。  
 
前、ブラッドレイ大総統が入院中の兄さんのお見舞いにくれたメロンを思い出してほしい。  
メロンっていう果物は皮はごつごつ、ゴロンと重くて、実のところおっぱいのイメージには程遠いと思う。色もこれといって似てない。  
ボクが見たことのあるメロンがたまたま似てないだけで、世の中にはもっとおっぱいそっくりなメロンがあるのかもしれないけど、まあそういうことだ。超大玉メロンなんて、バケモノ以外の何ものでもないだろう。  
にもかかわらず、おっぱいを見てたら、やっぱりこの果物が思い浮かぶ。  
兄さんはその白いメロンの間に顔を埋めて、片方の乳首をつまんだ。  
「冷たっ」喘ぎ声にまぎれて師匠が小さく叫んだ。  
機械鎧の手で、形を変えながら揉まれる師匠の胸。あんなにはち切れそうに大きいのに、ちゃんと乳首は上を向いてるんだよ。兄さんが音を立てて吸いついた時は、正直ちょっと羨ましくなった。  
肉体を取り戻してアップルパイを食べてお礼回りが終わったら、その次ぐらいにやりたいことだよね、メロンの味見。  
「前より……随分力強いな……おまえ」  
「当たり前ですよ。オレもう15です」  
師匠はお尻を突き出して、動物がまぐわうみたいな格好になった。兄さんは自分のナニを取り出して白い肌の隙間にあてがった。  
師匠のそこは、さすがに兄さんのをらくらくと呑み込む。  
「あ……はあっ」  
兄さんの一物が師匠の中に埋まりきると、師匠の目の縁から頬までが赤く染まっていて、ボクはどきっとした。  
「…ゆっくり動けよ」  
「嫌ですね。付き合わされてるんだから、オレの好きにさせてもらいます」  
「相変わらず、だな」  
その言葉が終わるか終わらないかのうちに、兄さんはピストン運動を始めた。  
「やめ……ろ……壊れそうだ……!」  
「ふう…ん」  
息も絶え絶えな師匠は、いつ血を吐くんじゃないかと、見てるこちらが冷や冷やするけど、そういう基礎体力はあるらしくて、いつもにも増して元気いっぱいだ。さすがは女傑、厳冬のブリッグズで生き延びたっていうのは伊達じゃないね。  
兄さんはにやりと「師匠が声かけてきたんじゃないですか」と言った。  
師匠には、子宮が男を咥え込んだり、熱い迸りを浴びたりする感覚がわかるんだろうか。自分の奥に男の先っぽが当たるのってどうやって感じるんだろう。たしか内臓のそのへんを持って行かれたんじゃなかったっけ。  
 
「あっ…ああっ、」  
ともかく師匠はおっぱいを前後に揺らしながら喘ぎ声をあげていて、兄さんの一物を挟み込んだまま性器を痙攣させていた。すごいよ兄さん、ちゃんと師匠を逝かせられるんだね。  
「せんせい、オレ…いきます……!」兄さんがかすれた声を出した。  
師匠は、本当に別人のように振舞う。  
兄さんが誘われてるのを知った時、経験豊富で、毎夜丸太のようなシグさんを相手にしてるだろう師匠を、兄さんがはたして満足させられるのか最初は危ぶんだ。兄さんは年相応に激しいけど、早いから。  
「いいぞ……出しなさい、いくらでも」  
中での射出の音が聞こえるぐらい、兄さんは長々と挿したままだ。そして、背中に覆いかぶさってしまった。  
すっかり搾り取られてから抜くと、四つ足で這わされた犬みたいな師匠の両脚の間から、どろりと白濁色の液体が滴り落ちた。師匠はうつ伏せで、大きな2つのメロンをシーツに押しつけたまま、お尻を上げてはあはあ息を切らしている。  
「母親代わりで、ついこの前までは自分の先生だった人妻」とHして興奮する、という兄さんのアブノーマルな、ぶっちゃけ見境がないだけの嗜好ってどうよと思いながら、一方で兄さんは兄さんなりにウィンリィを気にしてるから、ちょっとウィンリィが可哀想になるけど。  
ボクほどではないにしろ兄さんのスタミナは無尽蔵だし、したがる回数もすごいから、ウィンリィ一人では受け止めきれないかもしれない。顔さえ合わせればやらせろって言うだろうからね。それに、ウィンリィに中出しし放題というわけにはいかないし。  
 
もちろん兄さんはまだまだ元気だ。  
今度は仰向けに寝た師匠の胸の間から、兄さんのあそこの先端が出たり引っ込んだりしているのが見えた。  
2人は次々にいろんなプレイをやっていて、その後は飲んでもらったり顔にもかけたりしている。取り越し苦労っていうかまじめに心配なんだけど、そんなに兄さんを甘やかしたら、この先兄さんと寝る娘が困るんじゃないかなあ。  
兄さんがゆっくり振り返った。バックを取られることを何より嫌う2人が、ボクの視線に気づいていないはずはない。でも放置してる。むしろ、これも見せるプレイなんじゃないかって思う。  
ボクは弟子時代の最後に筆下ろししてもらったきりで、師匠の体を思いのままにできる兄さんが羨ましくないことはないけど、2人がこの遊びに飽きるまで、もう少し放っておくといいよ。  
 
 
 

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