逆転の一手は見つかった。  
 それが兄より託された事に「傷の男」…スカーは皮肉な運命と重い使命を感じていた。  
 だが状況は最悪だ…アテにしていたブリッグズは既に敵の手が入り、かかる追手を振り切らんが為だけの行方すら無き雪中行軍、しかも正規の訓練を  
 
受けたものは殆ど居ない。  
 皆疲弊している、そしてそれはスカー自身にしても同じだったのだが、地獄を経験し常にギリギリの状態で一人戦い抜いてきた男は、ソレに気付く事  
 
は無かった。  
 「少し外を見てくる」  
 使命感に押され、スカーが立ち上がろうとしたその時。  
 「大丈夫?左腕、まだ痛むでしょう?」  
 「…」  
 ウィンリィ…憎まれて然るべきアメストリス人の少女が心配げに声をかけて来た、かつて両親の仇と銃を向けた事もある彼女だが、この傷ついた左腕  
 
を止血したのも彼女だ。  
 「まだ根治していないんだ、無理をしないようにな…設備と時間が有ればちゃんと診れるのだが…」  
 「…」  
 同じくアメストリス人の錬金術を使える医師…マルコー、スカーからして憎悪の対象でしかなかった彼からも労りの声がかかる…  
 「えっ?そうなんですカ?だったら見回りはワタシが行きまスからスカーさんは休んでて下さイ」  
 「…」  
 そして年端も行かぬ幼女…メイ、聞けばシン国の皇女だという独特の訛りのある娘、長く共に連れ立った腕の立つ…  
 (仲間…だと?)  
 スカーは軽く頭を振って考えを打ち消した、復讐者とは孤独であり「そうあるべき」者だ。  
 仲間など望むべくもあろうべくも無い。  
 「このヨキ様が案内したんだ、見回りなんざせんでも追い付かれやしねーと思うがね」  
 「ゴメン、ボクを運ぶの重かっただろうから…」  
 「ザンパノ…お前の所為でもあるんだからお前が行ったらどうだ?」  
 「手錠付きでか!?あの時点でこうなるって知ってたら針なんざ打ち込んでねーって!」  
 「…」  
 (だがどうだ?この状況たるや…)  
 行き場を無くして何だかんだと連れ添っている男…ヨキ、かつて命を狙った錬金術師の弟…アルフォンス、同じく命のやり取りをした合成獣達…ザン  
 
パノ、ジェルソ…  
 皆、やいのやいのと口を出す、その全てが理由はどうあれ自分を慮った言葉だった。  
 スカーはその全てに無言を返す。  
 国境、人種、種族…否生命体としての「種」すらをも超えた一同が会し、事を成さんとしている。  
 皆が何かに「耐える」者であり、そしてそれが絆としての強さを証明している様にスカーには感じられた。  
 (これが「人間」であるという事か…導師よ…兄者よ…)  
 皆を掌で制止し、スックと立ち上がる。  
 「行くアテがあるかも知れん、その確認に行くだけだ、日が落ちるまでには戻る」  
 
☆☆☆☆☆☆  
 
 「スカーさン、嬉しそうでしたネ…」  
 メイの呟きに全員が「ハァ??」という表情で目を丸くした。  
 「ど、どのヘンが?いつも通り憮然としてただけじゃん??」  
 アルの抗議にメイ以外の皆がウンウンと頷く。  
 「ん〜なんと言うカ…きっとお兄さんの研究が本当に役立ちそうな手懸りが見えたのが嬉しいのだと思いまス、アル様もお兄さん居るから解りません  
 
カ?」  
 「え?う〜ん、そんな事言われても…」  
 「(でしょうネ、あの凶悪な豆粒が兄ではとてモ…)」小声で呟く。  
 「??なんか言った??」  
 「いいエ、なにモ…」  
 ヲホホ、と大仰な仕草で笑うメイ、それとなく聞こえてしまったウィンリィが三白眼でメイを睨めつけている。  
 「それにバズクールの街かラ、少し雰囲気が変わったみたいですシ」  
 「!!」  
 その理由にも、その背景にも思い当たる節の大きいウィンリイが顔色を変えた。  
 不快に歪めた訳ではない、どうリアクションして良いか解らない複雑な表情…  
 寄る辺無い心境を誤魔化すかの様に窓の外へ目を遣ると、ちらほらと白いものが舞い始めていた。  
 「…雪、また降り出したんだ」  
 「それはいけない、また吹雪くと厄介だ、スカーを呼び戻した方が…」  
 ウィンリィの呟きを受けマルコーが不安げに続けた。  
 「あァ、でしたら私が迎えに行ってきまス」  
 「一人で大丈夫かい?」  
 「まだ降り始めですシ、ワタシなら気で追えるからスグに見つけられまス、でハ」  
 マルコーは医者という立場からか、何かと不安が先に出てしまう。  
 そんなマルコーをヨソに、メイはさっさと出て行ってしまった。  
 「…あの娘の行動力には目を見張るな…流石は一族の未来を担う皇女と言った所か…」  
 
☆☆☆☆☆☆  
 
 スカーは一人町を抜け山道を登っていた。  
 冬の間この鉱山の町はどうやら活動していないらしい、もしくはとうにうち捨てられたのか、いずれにせよココに長居は出来ない。  
 町を散策して見つけた周辺の土地の地図、その中に気になる地名があった…  
 (アスベック…)  
 その辺りにイシュヴァールのスラムがあると風の噂に聞いていたのだ。  
 だが、向かっても尚そこも既にもぬけの殻でした…では全員を更に疲弊させるだけだ。  
 (人が生活しているなら、煙の一つも上っていよう)  
 ソレが確認できる高台を目指し進む、軽く雪が降り始めても意に介さず、数刻後には山の中腹にまで差し掛かっていた。  
 見晴らしの良い崖の際に立ち、目を細め遠見をする…  
 (見つけた!)  
 薄くボンヤリと立ち上る生活の白煙を確認し、見えた希望に一瞬の油断が生じた。  
 踵を返したその瞬間、ボコリと大幅に足元が崩れた…雪庇、雪が風下に向け創る天然の庇(ひさし)にして落とし穴、その上に乗ってしまっていたの  
 
である。  
 普段の彼なら崩れる足場はオーソリティだ、難なく崖の上へ飛びついていたろう。  
 だがその油断と、更には左腕の怪我と雪中行軍から来る本人すら意としていなかった疲労の蓄積が彼の動きを奪った。  
 (ぐうっ!?)  
 激しく体を打ち擦る岩肌に余力を根こそぎ削り取られ、かろうじて指を引っ掛け止まりはしたものの、体を持ち上げるだけの力が残っていない。  
 ムリに慣れムリを続けた体は、本当にイザという時にムリをするだけの余力を残していなかったのだ。  
 (なんという…不覚…)  
 いちかばちか練成…分解で横穴を掘る事を考えたが、その為には一瞬でも痛めている左腕だけで体を支えなければならない。  
 失敗すれば谷底送り…だがこのままでもいずれは力尽きて滑落する。  
 (やるしかあるまい)  
 ゴキン、力を込めなおした右の掌が鳴った。  
 
☆☆☆☆☆☆  
 
 「スカーさーン、ドコですカ〜?」  
 吹雪いてこそいないが徐々にその量を増す雪、隠されて行く足跡を残留する気で見つけ追うことしばし、既に山深くまでメイは来ていた。  
 「いったいスカーさんはこんな所までなにヲ…あレ?」  
 辿り着いた崖っぷちには崩れた雪庇の跡、そして…  
 「あれハ!」  
 崖を覗き込むと断崖の中腹に擦った様な血痕とそのすぐ下に横穴を見つけた。  
 そう、流石のスカーも傷ついた左腕だけで体重を支える事は出来ず滑落したのだ。  
 だがどうにか斜めに横穴を穿ち、そこに転がり込む事には成功したのである。  
 そんな経緯をメイが知る訳は無かったが、しかして概ねの状況は察した。  
 「まさかスカーさン…落ちてあの中ニ?スカーさーン!スカーさーン!!」  
 大声で呼んでみるが、帰ってくるのはこだまばかり…  
 よもや大怪我をしているのでは?急を要する事態なのでは?メイの頭の中に不安が渦巻く。  
 「し、シャオメイは誰か呼んで来て下さイ!私はあの中の様子を見てきまス!」  
 ビシッ!とパンダらしからぬ敬礼をして麓へ走るシャオメイ、それを見送る間を持たずメイは懐から鏢を取り出した。  
 地面と傍らに生えている樹木にガリガリと五芳星を描き錬丹術を発動させる。  
 即座に根が地面を割って突き出すや、その形状を変質させ捩れ絡み、一本の長いロープとなって崖下へと垂れた。  
 「これでよシ!今行きますスカーさン!」  
 
☆☆☆☆☆☆  
 
 乱雑に真新しい練成痕の残った横穴、作った時の形振り構わぬ必死さが窺えるそんな岩窟。  
 ようやっとメイがその小さな体を滑り込ませると、その奥にスカーが倒れていた。  
 「!スカーさン!?し、しっかりして下さイ!!」  
 穴の角度の関係から浅い位置では雪が吹き込んで来てしまう、メイは再び鏢を投げるや錬丹術で岩窟を部屋状に広げると、その中程へとスカーをどうにか引きずった。  
 「うんしョ、うんしョ…ううう、お、重いでス」  
 (これは、私がスカーさんを抱えて崖を登るのは無理ですネ…)  
 こうなっては、是が非にでもスカーには目を覚まして貰わねばならない、錬丹術は医療にも応用が効く…メイはスカーの全身に触れ、所謂「触診」をしていった。  
 (骨に異常無シ、岩での擦り傷も深くは無イ…左腕の傷口が開いてしまってまス…けど最大の問題ハ…)  
 錬丹術でとりあえず傷を塞ぐ、出血こそ止まったもののスカーの呼吸は浅いままで目を開く気配すらない。  
 ("気"が弱イ…スカーさんに体力が残ってないんダ…どうしよウ…)  
 陽も陰り気温はどんどん下がる一方だ、このまま寝かしていても体力回復の見込みは正直薄い。  
 (せめて暖められれバ…雪山の定番だト…裸デ…)  
 顔を真っ赤にしてブンブンと頭を振り考えを振り払う。  
 そもスカーとメイでは体格差が有りすぎ、下手をすれば自分の体温をも奪われて双方が死にかねない、だが救助をただ待ってスカーが無事な保障も無かった。  
 焚き火をしようにも薪が無い、雪に塗れた生木など採ってきてもこの狭い空間で燃やせば煙でもっと酷い事になりかねない。  
 練丹術で掘り進む…これもリスクが高い、遠い上に崖上には樹木が生い茂っていた、無計画に掘れば木が空洞に落ちぺシャンコにされてしまう。  
 (八方塞がりでス…と、とりあえズ…)  
 それでも何もしないよりマシだろうと、雪に塗れたスカーの外套を脱がせ、自らも外套の前を開けると上から被さる様に胸を合わせた。  
 (ツ…冷たイ…)  
 意識を失ってからどれくらいこの岩窟内に倒れていたのだろう?既にスカーから伝わってくる体温は人のソレとは思えない程に冷えていた。  
 (だめでス…これハ…シャオメイが戻るまで待ってたら手遅れになりまス…)  
 互いの服を間にしているとは言え、男性と抱き合っている事実に勝手に高鳴るメイの鼓動、反してスカーの鼓動はほとんど感じられなくなりつつある。  
 錬金術同様に錬丹術も万能では無い、傷をいかに塞いでも失った生命力はあくまで本人の回復を待つにしかず、当然時間がかかる…賢者の石でも無い限りは…  
 (せめて私の体力をスカーさんに分け与える事が出来れバ…あッ!)  
 胸を合わせ、鼓動を相手に伝え合う状況がメイに一つの手段を閃かせた。  
 (あれしカ…無いですネ…)  
 何やら決意の表情で面を上げるメイ。  
 「ハッ!」  
 気合と共に懐から鏢を投げ、倒れているスカーを中心に五芒星の陣を描く。  
 そして、軽く瞳を閉じ決意を固めると…自らのファーのついた外套を脱ぎ、腰布を解いた。  
 袈裟を外し首元と体の右側で留められているシン国の民族衣装をはだける。  
 (ひいいぃぃイ!寒いッ!)  
 
 下穿きに続き肌着をも全て脱ぎ、寒風に裸身を曝した。  
 アメストリスの人々に比べると若干なり色の強い肌は、幼さを引き立てる瑞々とした艶を持ちながら、寒さからふつふつと表面が粟立って行く。  
 殆ど膨らみの見れない両胸の天辺では、これから行う行為を予見してか、はたまたやはり寒さからか、薄桜色の小さい乳首がツンと自己を主張している。  
 少女と言うにもくびれが足りない幼女のイカ腹から、脂肪の薄いお尻と太腿に繋がるラインは女性らしさを未だ持ち得ない。  
 両足の付け根、和毛一本すら無い恥丘と内を一切晒さぬ単純なクレヴァスは正に「子供」の様相だ。  
 (急がないト…準備は同時にするしか無いでス…)  
 スカーの腰をどうにか浮かせ、ズボンと下着をまとめて膝下まで引き摺り下ろす。  
 (う…わァ…こ、これが殿方ノ…)  
 引き締まるを超えゴツゴツとした筋肉質の大腿部、その間に力なく項垂れている一物…初めて目にする成人男性のソレに見入ってしまう。  
 ハタと我に返り、恐る恐る右手で摘もうとするが、摘むどころかメイの小さな手では片手で「掴み」きれない…更にコレをより大きくしなければならないのだ…  
 ゆっくりと擦り刺激する、片手では余る為両手を使うがそれでは自分の準備が進まない…仕方なくメイは左手を己の割れ目に這わせ、スカーのモノは右手と口を使って奉仕を始めた。  
 竿を右手で摩る様にサポートしつつ亀頭に舌を這わせる、その動きに併せて左手の人差し指と中指は陰裂へと潜り込み、女の亀頭…完全に包皮に包まれた陰核を捏ねた。  
 (ン…)  
 二指の間で徐々に硬さを増して行く陰核からジワジワと性感が昇ってくる、それだけに夢中にならない様に口元にも意識を集中する。  
 舌だけでなく唇でも軽く咥える様に亀頭への刺激を続けていくと、周辺に描いた練成陣が薄っすらと光を放ち始めた。  
 (よシ…)  
 ゾクゾクとする様な、しかし冷たさより熱を持った性感が背筋を往復し、幼裂にじっとりと湿りが出始めた頃、スカーの側にも一気に変化が訪れた。  
 急激に体積を増し猛々しい肉槍へと変貌を遂げ、メイの唇の縛めから脱しピタンと己の腹を叩いたのだ。  
 「きゃッ!?」  
 いきなり暴れたソレに思わず悲鳴が出る。  
 (ス…すごいでス…)  
 危機的状況に於いて意地でも子孫を残さんとビクンビクンと脈打つソレは、主たるスカーの生命力全てをパンパンに詰め込んでいるかの様だ。  
 熱く、硬く、既に咥える事すら難儀に思える臨戦態勢のペニス、槍の穂先の首部などメイの拳に迫る程の径があるではないか。  
 (こんなの絶対にむリ…とか言ってる場合じゃ無いですネ…)  
 自分へのダメージは重々承知、最悪女性としての機能さえ残っていればこの施術は成立する…  
 (スカーさんが回復すれば脱出は容易なはズ…マルコーさんのお手を煩わせる事になりそうですガ…)  
 …だが身長差概ね2倍強の大男の巨根を己に"収め"なければならない…果たして自分の「女」は耐えられるだろうか?  
 幼く小さい躰でも大の大人と立ち回れる様、単純な力ではなく全身を柔軟に鍛えてきた。  
 バネの如く靭に…それが内臓をも「そう」している事を祈るばかりだ。  
 メイは再びスカーの下半身に抱きつくと少しでも負担を減らそうと、ペニスの表面を必死で舐め、唾液を絡ませて行く。  
 その間に出来るだけ自身も濡らさなければならない、左指の動きをゆっくりと再開し、陰核を人差し指でコリコリと回しつつ、中指を未だ男を知らぬ狭穴へと近づけた。  
 陰裂の内を探るかの様に下がってゆく指先が谷間の終わり辺りで湿り気の源泉を探り当てる。  
 そこは、穴という感覚ではない、周辺より多少潤んでいるかというだけだ。  
 それでもソコを軽く押すと、浅く指の腹が潜りすぐに小さな「穴」らしき感覚が感じられた…本来、経血のみを通す穴…処女の証だ…  
 この中はしっかりと濡れてくれているだろうか?不安に思いその中指を一旦戻し、スカーのペニス同様に唾液をからめる。  
 そして再びその幼い膣口…処女膜の中心の穴に這わせ、ゆっくりと押し込んで行く…  
 「ひッ!つっ痛いッ!?」  
 膜とは名ばかり、肉輪を押し広げる感覚は引き攣る様な「痛み」となってメイを襲った。  
 その奥も潤んでこそいるものの、押し込む程に指へと伝わるのはまるで肉そのものに穴を開けて掘り進むかの如き触感。  
 当然膣内からは指一本とは言え異物感と痛みがジンジンと響いてくる。  
 「いッ!ううッ!」  
 陰核を弄って快感に紛れさそうとするも、性感が走る度膣穴はその締め付けを増してしまい、当然摩擦が強くなれば痛みも増してしまう…  
 中指を第二関節まで埋めた所で、メイは諦めた。  
 
 (…濡れかたは足りないみたいですガ…もう時間も無イ…どうせこれからもっと痛い思いをするのですシ…)  
 指をゆっくりと引き戻す、処女膜が内から引っ張られ盛り上がり、過度の刺激から薄紅色に充血する。  
 チュプンと音を立てて抜けた指に絡みついた愛液で、恥骨の上辺りにも五芒星を描く…術成立中は気休め程度の痛み止めになってくれる筈だ…  
 更に経絡…ツボを幾つか押し、少しでも内の筋肉を柔軟に弛緩させておく。  
 (最悪破瓜の血で滑りが良くなれバ…破瓜…かァ…)  
 ふと、頭の中に愛しい人の面影(?)が浮かぶ。  
 (あぁ、アル様ごめんなさイ、メイはッ…メイはッ…アル様に捧げる筈でしたのニ…)  
 アル本人が知る由も無いセルフ妄想を勝手にキめると、悲劇のヒロインよろしく周辺にキラキラと涙を散らした。  
 右手にペニスを支えた状況で、ヒロインも無いものだが…悲しいかなこの場にツッコミ役はいない。  
 (けどスカーさんの命が懸かってまス、お許し下さいアル様ッ!)…まだ言うか。  
 ともあれ最後の覚悟を決め、凛とした表情でスカーの腰に跨った。  
 「錬丹術異伝内丹医心ノ方、房中術陰陽の儀…始めまス…」  
 唾液に濡れた巨大なペニスをグイと引き天を向かせる。  
 左手で自らの陰裂…単純な一本線だったソコを出来るだけ割り開き、くぱぁと薄桃色の粘膜を露わにした。  
 必死に擦り立てた陰核は限界まで張り詰めても包皮の内であり、開かれた小陰唇も指に引っ張られ白く色を失い「襞」としての厚みすら持たない…単純な木の葉形のピンク…あまりにも幼い女陰。  
 それに向けられた黒く逞しい男根は相対して見ると別次元の凶器そのもの…アリ一匹に大砲を向ける感すらある。  
 大砲の狙いを先に指を入れていた場所へ定めつつゆっくりと腰を下ろして行く…  
 ピチャリ、粘膜同士が触れ合う感触。  
 だがしかし、挟まる、咥える、と言うより「乗っかる」感覚に声を失うメイ…。  
 決めた筈の覚悟にヒビが入りかけるが、時間がかかればかかる程状況は悪化する。  
 (イ、色々甘かったかモ…けどやるしカ…)  
 徐々に体重を掛けるが「痛い」所まですら入らない、ただ開いた媚粘膜を亀頭が擦るだけだ。  
 (う〜ゆっくりではラチが開かない様ですネ…こうなったラ…一気ニ…)  
 今一度角度を揃え、呼吸法で緊張を解きながら…思い切りの為に心の中でカウントをとる。  
 (一…ニノ…三ッ!!)  
 その体術と磨かれた感覚から重心をピタリと合わせた状態で両足を消力し、全体重を結合部にかけた。  
 ドボォッ!  
 パキン…  
 ゴリュリュリュリュッ!!  
 到底、人と人との交わりと思えない、打撃の様な凶悪な貫通音を皮切りに、恥骨結合を抉じ開ける脱臼音、そして幼膣を岩で削るかの如き擦過音が刹那の間にメイの骨盤内に響く。  
 そして、その全てが極大の激痛を伴って、脊髄を通しメイの意識を強打した。  
 まるで下半身を爆弾で吹き飛ばされ「続けている」かの様なショックに息が止まる。  
 「…ッ」  
 瞳が色を失い、全身が小刻みに痙攣する…だが…  
 トクン…幸か不幸か、かろうじて心臓は止まらなかった。  
 「いッ…キゃああああアぁぁぁァアぁッ!あーッ!ぎぁぅーーーッ!!」  
 数瞬置いて響き渡る悲鳴、思考が(痛い)と(苦しい)に埋め尽くされ、喉が裂けんばかりに只管に叫ぶ。  
 限界を超えて拡げられた幼陰は血の赤に染まり、周辺の白い肉を内に巻き込みながら黒槌により穿たれている。  
 処女膜どころか膣肉をも無残に引き裂いたソレは、なお半分近くが外に露出したままだ。  
 尿口も内へと引き攣られており、亀頭に圧迫された膀胱から絞り出された尿が、巨根と幼裂の隙間から血と共にブシュルルルと流れ出し、スカーの陰茎と腹をしとどに濡らした。  
 「ひぎッ…ひッ…ひぅゥッ…」  
 既に声も嗄れつつあるメイ、途中で止めようにも先へ進もうにも、既にピクリとも体を動かせない。  
 が…状況は無情に進む。  
 ズズッ…ミヂッ…ミヂッ…  
 「ひィッ!?」  
 当初の予想通り、血と尿を潤滑油として、徐々にそのめり込みを深めていく巨根。  
 ジリジリと膣壁を引き裂きながら進む凶器、だが当然スカーが意識を取り戻した訳ではない。  
 己を裂いているのは己自身、体重によって下がる体なのだ。  
 「ああア…痛イ…ハ…入っテ…コ…これ以上は無理…」  
 涙にぐしょ濡れになった瞳を大きく見開き、カチカチと歯を鳴らしながら体をどうにか支えようとする…  
 しかし、痛みでどうしても足に力を入れられない、少しでも踏ん張ろうとすると裂けている膣壁の肉が軋み悲鳴を上げてしまうのだ。  
 そして、事前に用意していた「術」がその効力を現し始める。  
 
 男女の交わり、房中術の成立を以って発動する地面と下腹部に描いた「陣」が薄っすらと光を放ち始めた。  
 (う…これデ…あ!だめでス!ちょっとタンマでス!)  
 術の発動は本より願ったり叶ったりなのだが…鎮痛の為にと「気」を強く循環させるべく描いた下腹…調度今正に拡げられている恥骨上の陣が光を強くしてゆく…  
 (ア…ああぁァ…イ…ヒイイッ!!!)  
 ビグン!とメイの顎が跳ね上がった。  
 術により強制的に内丹を賦活され、裂けた傷が塞がると同時に再生したての敏感な組織がまた削られる激痛。  
 更にそれを少しでも軽減しようと膣壁に愛液の分泌を促すべく、痛みに術が強制的に快感という割り込みをかけてくる。  
 「キィッ…アッ…カハ…」  
 上げられたノドから吹き上がる呻きは、すでにそれが痛みからくるものなのかそれとも嬌声なのか…本人すら理解できない。  
 ジュン…無理矢理生理的な反射で限界まで吐液する淫肉、そして緊張を解すべく働いた術が、ついにメイにトドメを刺した。  
 ゴヂュブゥッ!ドボゴッ!  
 「!!!!!!!!!!!!〜ッ!!!!!!!!!!」  
 ついに肉槍の穂先が肉筒の再奥、精液溜まりと呼ばれる場所へと達したのだ。  
 本来数dlの精液を留める程度の狭間であるソコを拳大の亀頭がビッチリと拡張し、硬く小さな子宮頚部はカリ首によってひしゃげさせられた。  
 丸みを帯びた幼女の下腹をしてなお、内に捩じ込まれたモノの凶悪さを映してか腹腔手前へと潰し持ち上げられた子宮の稜線をポコリと浮かび上がらせる。  
 それでもなおスカーの肉茎全てを収めきれてはいなかったが、メイの幼壷は隙間なく完全に征服された。  
 …即ち…術が成立した。  
 メイの意識の全てを焼き尽くす激感がそのまま白い光の奔流となって陰根…未熟な子宮へと集まって行く。  
 ブチュリ  
 光を帯びた淫液が陽根を伝って溢れ出し、血を洗い流しながら地面に描かれた五芒星に光を足す。  
 力を増した地面の陣に呼応して淫埠に描かれた陣が輝き、パシパシと音を立てて極細の稲妻の様なスパークを放った。  
 錬成…錬丹術の発動中に見られる光は見た目通りの刺激を周辺に撒き散らす。  
 既に脱力し、串刺し状態で肉槍一本にささえられた格好のメイ、その限界を超えて開かれた幼唇へと「落雷」した時…  
 「アッ…」  
 ピクン、と身体を震わせ、明らかに苦痛だけではない吐息を漏らした。  
 
☆☆☆☆☆☆  
 
 循環の輪を崩され、外へと流れ出し失ってゆく力。  
 その輪が戻ろうとも、緩やかにその勢いは消えゆき、停滞へと向かう。  
 動かぬ力は既に力ではない…全てが止まり、輝きを失ってゆく世界。  
 そこに暖かな光が足された。  
 ゆっくりと、蟠っていた力の循環が加速してゆく。  
 徐々に、徐々に、光そのものを足しながら、加速し回転する光の循環器が更に力を高め…そして…  
 
 「ダメでス!止まっテ!」  
 
 0形の光の中心に炎の塔が盛り上がりかけた瞬間、降り注ぐ光の向こうから舌たらずな声が聞こえた気がした。  
 
☆☆☆☆☆☆  
 
 「…なにを…している…」  
 意識を取り戻したスカーは、自らの状況に今一度失神しそうになった。  
 錬成陣の中央で光を放ちながら己と交わう幼女…現実味を帯びないにも甚だしい。  
 「アっ!スカーさン!!気付かれましたカ!?」  
 ううう…と、メイはこれまで流し続けてた涙に更に安堵の涙を重ねた。  
 「良かっタ…本当ニ…スカーさ…いタアアアァ!」  
 思わず抱きつこうとしゴリュンと内奥を抉られ、痛みにピンと背筋が伸びてしまう。  
 「だから…何をしていると聞いている、この光は何だ?何故こんな…」  
 「房中術でス」  
 「房中術?」  
 ふと、スカーの頭にかつて兄と練丹術の書物を読んでいた内の一人がそんな本を見ていたのが思い出された。  
 「はイ、練丹術と言えど失ったモノ…この場合ハ"気"え〜と体力と言うカ…いずれにせよ無から有を生み出す事はできませン」  
 「ふむ…」  
 「ですが例外的に"気"に限っテ、男女の交合によりエネルギーを生み出す事が出来ル…それが房中術でス…」  
 「バカな!?いかに練丹術でも等価交換の法則を無視できるのは「賢者の石」くらいの筈…」  
 ここまで言ってスカーは思い立った、そう、生み出しているのではなく分け与えているのだとしたら…  
 「すぐに術を止めろ!」  
 語気を荒げ腰を強く引こうとする、だがまだ全身が痺れた様にだるく、軽く身動ぎしただけだった。  
 
 ギヂッ!っとキツく締め上げられたペニスに摩擦の快感が走る…  
 「くっ…」  
 何故かその快感を享受してはいけない気がして腹筋に力を込めるスカー、対するメイからは悲鳴が上がった。  
 「ピキャァッ!ままま、まだでス!急に動かないで下さいスカーさン!それにきっと誤解してまス…」  
 「誤解?小さなお前の生命力で俺を賦活するのは無茶だと…」  
 言いかけハタと思う、巨根を咥え込んだ幼い身体は確かに無茶で痛々しい…だが、その肢体は生命力を相手に渡し疲弊している様にはとても見えない。  
 むしろ練成陣からの光をキラキラと照り返しているのは汗…だろうか?  
 「気付かれましたカ?私の気は送るのでは無くあくまでスカーさんの残った気を加速、増幅する為に使っていまス」  
 「そんな…馬鹿な、循環を強める事が出来ても増やす事など…」  
 「ですから、気…生命に限定ですシ…命を生み出す行為として男女の交合が必要なんでス…」  
 (成る程…)  
 女性には新たな命を生み出す力が有る、賢者の石が幾多の生命で造られると言うのなら、命の種を多数蓄える女の胎はその前段階の行為からでも賢者の石に近い効果を生み出せるのかも知れない。  
 (…命の持つ本来の力か…)  
 スカーは朧気ながら納得した、だが、それで現状を由と出来る性格ではない。  
 「…状況は判った、だが何故こんな無茶をした…馬鹿が…すぐに抜け」  
 「もウ!そんなだからスカーさんは皆に誤解されるのでス!いい人ですのニ!!」  
 「なっ!?」  
 声を失うスカー。  
 「シャオメイがはぐれた時、一緒に探すと言ってくれましタ、嬉しかっタ…けど自分の事は孤独に戦おうとしてまス」  
 (…)  
 「もう少し仲間ヲ…私達を信じて頼ってくれてもいいじゃないですカ…無茶をしてるのはスカーさんでス…」  
 いつも天真爛漫な笑顔が悲しみに歪む、だがその悲しみはスカーを思っての表情だった。  
 仲間…自分が頑なに否定するこの言葉をこの娘はなんと軽く口にできるものなのだろうか…  
 「…それこそ無理な話だ…それに俺は私怨で人を殺している、「イイ人」などではない…」  
 「私は手負いの女性を手にかけようとした事がありまス、過去じゃなくて今かラ…少しずつでいいですかラ…」  
 スカーの諦観を含んだ視線をメイは真っ向から受け止め…そして優しくはにかんだ。  
 「…わかった、好きにしろ…と言うか早く終わらせろ、どうすればいい?」  
 「はイ、ですが実は困った事になってましテ…私、腰が抜けてしまって足に力が全く入りませン」  
 「なに?」  
 「つまりスカーさんには私を抱えて崖を登れる位にしっかり回復していただかないト」  
 「…」  
 「更ニ、今二人の気を循環しつつ増幅させているのですガ…スカーさんには一つ守って頂く事ガ」  
 「何だ?」  
 「絶対に「抜かず」そして「達し」ないで下さイ…」  
 「は?」  
 思わず白目になるスカー。  
 「抜けば術が解けまス、そして達してしまうとですネ、折角双方の昂りで増幅した"気"が全て私の胎内に出されてしまいまス…」  
 「む?」  
 「循環してる力の輪に陽根のベクトルが加わると、生命を現す螺旋へと変わリ…えぇと、つまり『仔』の為の力に全て還元されてしまう訳デ、いずれにせよ元の木阿弥でス」  
 「成る程な…わかった」  
 コクリと頷く、幼い少女に乗られ主導権を取られっぱなしと言うのもどうにも癪ではあったが術者はメイだ。  
 諦めて身を任せ脱力するも、ピクピクと軽く震えるだけで全く動こうとしない。  
 「どうした?」  
 「いえ…先程申しました通りスカーさんが達しない状態で、私達が昂らなければいけないのですが…」  
 照れた様に、そして申し訳なさそうにメイが頭を垂れた。  
 「やっぱりスカーさんのが凄すぎて動けませン…スカーさン、手伝って下さいませんカ?」  
 「…」  
 スカーはどうにか上体を起こすと、メイの体を柔らかく抱きしめた。  
 「どうだ…痛むか…?」  
 「はイ、とってモ…んくッ!」  
 両掌でメイを抱え、少しでも身体への負担を減らそうと軽く持ち上げる。  
 亀頭に丸々かかっていた体重は軽減されたが、血が止まっているのではないかと思える程の締め付けは依然として変わらず、少しでも後進させようとすると痛みにも近い猛烈な擦過感が襲って来た。  
 スカーをしてコレである、陣の力で淫液を増し、性感を高めているにしてもメイにとっては相変わらず性拷問と言うに相応しい激感だ。  
 いやむしろ、痛みと同レベルに高められた性感はメイの未熟な身体で享受するにはあまりにも強く、ミリ単位の動きでも意識そのものを揺さぶられてしまう。  
 
 痛みが無ければメイはその都度達し、スカーに気を与えるに過ぎてダウンしている所だろう。  
 当然スカーとしてはもどかしい程の動きすら出来なかったが、イってはいけないという条件としては有利に働いている。  
 だが…  
 (痛々しいな…)  
 身体を浮かしてやった事で巻き込まれていたメイの外性器がその無残な有様を文字通り「外」へと晒した。  
 紅く腫れた大陰唇、反して限界以上に拡げられた小陰唇は血色を失って白味を帯びている。  
 膣口も同サイズまで拡げられ隙間からは血と愛液のブレンドがジクジクと染み出し続け…  
 突端ではヘの字に薄く引き伸ばされた陰核包皮が内の未熟な陰核のシルエットを浮かべている。  
 その更に上、恥丘に描かれた陣が必死に活動し、体組織の修復とメイへの「責め」を続けていた。  
 理屈では昂らなければいけないと判っていても、メイは官能的と言うには程遠い、ある意味激しく背徳的ではあるのだが…  
 幼子を犯しているという罪悪感、憐憫、とても陰部からの刺激だけで消しきれるものではない。  
 メイの内奥で徐々にスカーのモノが萎縮してゆく…  
 「ア、スカーさんダメでス、頑張ってくださいィ…」  
 「そうは言うが…」  
 「ううウ、私の色香が足りないんですネ?…えート」  
 とりあえず口を尖らせたりパチパチとウィンクなどしてみるメイ…見事に逆効果だ。  
 「…」どう反応してよいか判らず唖然とするスカー。  
 「…」そしてメイもやるんじゃなかったと沈黙し…  
 「どうしロと言うのですカーーッ!!」  
 …逆ギレした。  
 「これでも一生懸命頑張ってるんでス、好き嫌い無く食べますシ、運動も欠かしませン、お肌だっていつも磨いテ…小さいのは判ってまス!けどそれは私のせいじゃないですのニ…」  
 「…判った…落ち着け…」  
 どんどんずれて行く問題の中心、萎んでゆく力と男根、この脱力感は術が弱まったからか?はたまたこの変な状況からか?  
 「私は落ち着いてまス!スカーさン!男女の交わりとはもっと激しい行為であると聞いてまス!もっとこう私を持ち上げたり下ろしたりズンズンガンガンやっちゃって下さイ!!」  
 「そんな真似が出来るか…」  
 「出来まス!人間なせばなル!サンハイッ!!」  
 「…先程無茶を嗜めたのはお前だろう…メイ、そのお前が無茶をしてどうする…とにかくまず落ち着くんだ」  
 やれやれ、とあやす様にメイの頭へ掌を置くスカー…だがそれが良くなかった。  
 プチン…メイの中で更に何かがキレる音がした。  
 「そうですカ…この期に及んで子供扱いですネ?…かくなる上ハ…」  
 しまった、とスカーは心の中で舌打ちする、この娘は時折思い込みから突拍子の無い暴走をする事がある、今現在がそうであろうが、更なる引き金を引いてしまったのだ。  
 「断固私デ「感じテ」いただきまス!!」  
 ビチャリ、メイは漏れている愛液を再び指に掬い、自分の臍下…浮かび上がった子宮の辺りに五芒星の陣を追加する。  
 バシッ!術の発動を以って新たなる性感がメイに走った…  
 「う…ひァンッ!」  
 「…おい…無茶は…」  
 ヂュグン…多少なり男根が縮み出来た余裕から淫液が溢れ出し、膣壁がビクビクと痙攣をし始めた。  
 「ひャ…ア…あぁア…ス、スカーさんはイかない様に堪えていればイイでス!」  
 「しかし…」  
 スカーに抗議の間を与えまいと、メイは両手をスカーの肩にかけるや、力の入らなくなった足に換わって両腕で自分の身体を持ち上げた。  
 ズッ!ズズズッ!ジュグッ!  
 「きヒぅッ!」  
 抜かれてゆく茎に沿って盛り上がりピンクの内粘膜を晒す淫裂、下半身を根こそぎ抜かれる様な痛みと倍加した快感がメイを襲う。  
 逆立ったエラに削られる感覚が膣内を下り、陰核の根を裏側から小突かれた所で…  
 「ひアぁッ!?」  
 …腕の力が抜ける。  
 ドチュゥッ!ゴヅッ!  
 「はキゃァっ!!」  
 当然、再び体重で降りる体、淫肉を巻き込みつつ槍尖が奥を抉る。  
 「うグ…くぅーーッ!!」  
 内臓を潰される圧迫感に悲鳴を上げつつも、今一度力を入れようとした腕をスカーが掴み止めた。  
 「もうよせ…こんな事をしなくても…うっ…」  
 諭そうとしたスカーの手を振り払い、その勢いでメイは上半身を捻る。  
 攣られて下半身も捩じれ、コリコリとした小さい子宮頚部がグリグリと亀頭の周りを擦りたてた。  
 再開したキツすぎる刺激にスカーも腰に力を入れざるを得ない。  
 「くふッ…どウ…ですか?スカーさン…感じてくれテ…まス…カ?」  
 快感と苦痛に赤面し、涙と唾液でグズグズになったメイの表情…それでもけなげに、必死に問いかけて来た。  
 ムクリ  
 
 主の意に反し、メイの内で無責任にペニスが再びその硬度と形、大きさを取り戻してゆく…  
 「ぐぅっ!よ、よせっ!」  
 これはメイに対してか、それとも己自身に対してか、スカーが呻いた。  
 「きァ…また大キ…くゥ…ン」  
 気を良くしたメイが更にその小さな躰をスカーの「上」で跳ねさせる。  
 ボヂュッ!ボヂュッ!ヂュグゥッ!!  
 淫らな液と肉を叩きつける音がテンポ良く響き…  
 「はがァアアッ!きゃぅうぅゥッ!」  
 それに併せてメイから悲鳴と嬌声が絞り出された。  
 新たな錬成陣により術も力を増し、更なる淫熱を二人に与え始める。  
 「っ!?くそ…止む無しか…」  
 こうなったら少しでも早く終わらせるしかない、そう判断したスカーはメイを支えるだけだった腕に力を込めた。  
 「エ?」  
 メイの逡巡を他所に、術で無理矢理こなれさせられた幼壷に積極的に快感を打ち込むべく肉槍に様々な角度を与え「責め」の姿勢へと変化させる。  
 更には無骨極まりないスカーの指がその外見とは裏腹に繊細なタッチで、メイの薄い両胸の先端にある桜色の「しこり」をクニクニと刺激する。  
 「ピッ!?」  
 これまでと違い、自分の意図しない箇所を内外から刺激されメイが目を白黒させた。  
 「…まだだ…」  
 片方の掌が白くなだらかな肌を下方へと滑る。  
 「ヒぁッ!ス…スカーさ…」  
 「…頑固者め、ならばその「気」奪ってでも止める…」  
 指先が結合部の突端へ辿り着き、抜くタイミングで狙いのポイントが露出した瞬間にソコをグイと押し潰した。  
 薄く延ばされた陰核包皮ごと、その中の「核」を…  
 「いあぁツッ!?」  
 根元を陰茎で、先端を指先で、極微に集中した感覚器官が圧迫された状態のままメイの体が下がりはじめる。  
 その動きに引き摺られ、押さえられた膜状の包皮がプリュリと剥けた。  
 「イギッ!?」  
 初めて外気に生の神経が晒される感覚にメイのノドが震える。  
 なお肉槍は進み、剥かれた状態の未熟な陰核はピクピクと快感に震えながら巻き込まれてゆく…その感覚だけでメイの脳裏にピンクのスパークが走った。  
 「ひァ…モ…だメ…」  
 だが…尚スカーは追い討ちをかける、潜りかけた淫粒を逃がさぬとばかりに指先で摘むや…  
 ゴリュッ!乱暴に捻り引いた。  
 「キああああぁアぁぁあぁっつッ!!」  
 陣の効果もあり、二人の結合部から有り得ない程の「潮」がプシュプシュと噴き出す。  
 その多量の潤滑液をもって、メイの体の落下速度が一気に増した。  
 陰茎表面のゴツゴツと浮き出した血管が快楽を爆発させる陰核の根と膣壁を削り立て…  
 「…力は充分だ…安心して気をやれ…」  
 その勢いを更に加速せんとスカーが力を込めて突き上げた。  
 ゴリゴリゴリッ!ドボヂュッ!  
 「ッツーーーーーーーッ!!」  
 「っ!?」  
 瞬間、二人にこれまでとは比べ物にならない激感が走る。  
 肉の鏃が終点に達した刹那、手前へと反り返った矛先があろう事かメイの子宮口を捕らえたのだ。  
 その状態で体重にスカーの力まで加わっていたのだから堪らない、第二の陣で弛緩させられていた子宮頚部は極悪な闖入者を無理矢理咥えさせられた。  
 ボゴン、鈴口は子宮底部まで達し内側から膨らまされる腹…子宮の盛り上がりが一回り大きくなる。  
 スカーの一物はここにきてやっと根元まで収まっていた。  
 「ハぐッ…」  
 フツリ…女の限界を突破され、メイが意識を手放す。  
 (しまった…やりすぎたか…む?)  
 と、術により気の増幅装置と化していた奥の宮でガッチリと咥え込まれたスカーの先端から、その膨れ上がった「気」が直接流れ込んできた。  
 (ぐ…熱い…く…)  
 本来陣から全身へと降り注ぐ筈のエネルギーがより流れやすい「直通」ルートを設けられた事でそちらへと集中する。  
 大地の陣の光がバリバリと紫電を上げながらメイに描かれた陣へと吸い込まれて行き…  
 更にそこからメイの生命力を巻き込んで子宮へ、そしてスカーの男根を逆流しながら一気に駆け上った。  
 「ぐ…ぐぐ…ぐあああああああああぁっ!」  
 焼けた火箸を急所から魂まで貫き通される、性拷問かという激感を今度はスカーが味わう事となり…  
 その咆哮が石窟から広く崖下までこだました。  
 
☆☆☆☆☆☆  
 
 (あレ…ここハ…)  
 「目が覚めたか?」  
 メイが意識を取り戻したのは、既に崖を登り山道を下るスカーの背中の上だった。  
 既に服も着せられている、記憶だけを頼りに無理矢理再現したらしく、所々変な縛り方がしてある上、袈裟などしわくちゃだ。  
 図らずも達してしまい気を分け与えてしまった為か全身が重く、下半身に至っては感覚そのものが無い。  
 それでもスカーから伝わる熱…まるで湯気でも立ちそうな暖かさは術の成功を知らしめた上で、メイの胸中にも温かく新しい「気」を生み出していた。  
 「もうすぐ皆の所に着く…そうしたらマルコーに診て貰え…」  
 「ア…」  
 今更ながら自分のしてしまった事に頬を染めるメイ、思わず俯きスカーの外套に顔を埋める。  
 「恥ずかしいとか言っている場合ではない、お前の言だが自分一人でどうにかしようと考えるな、頼るべき所だ…」  
 「ウ…はイ…」  
 「大丈夫だ、誰にも詮索はさせん…お前の思い人にも知られぬ様にする」  
 「!」  
 「マルコーなら完全に元通りにしてくれるだろう、俺が奪ってしまった気を除いてだが…だから…」  
 「だカ…ラ?」  
 「今回の件は意に止めるな、あれはあくまで俺を助ける為にした医療行為だ…割り切れ」  
 「…は…イ…」  
 悲しさからか嬉しさからか…それとも安堵からか、ゆっくりとメイの瞳からは涙が溢れ、スカーの背を濡らした。  
 「…それと…助かった…あ…」  
 「エ?」  
 顔を上げるメイ、その歪んだ視界にスカーが珍しくも「照れている」のが見て取れた。  
 後ろからでもはっきり判る、赤銅色の肌がより紅く染まっているのは術のせいだけではあるまい。  
 礼の言葉までは結局口に出来ず、そこから黙してしまうスカーを見て、メイはクスリと微笑みながら涙を拭った。  
 
 そして…  
 
 幾日後かの一行、アスベックのスラムにて彼は始めて「仲間達」との「共闘」をする事となる。  
 
〜終わリ〜  
 

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