・102話で大佐が視力を失ったまま、両目とも回復せず全盲のままだったらという架空の話です。  
・苦手な方はスルーしてください。  
 
 
 
寝室中にお互いの性器を愛撫し合う音が盛大に伝わっていた。  
くちゃくちゃと卑猥で粘着質な水音が絶え間無く聞こえ、思わず耳を塞ぎたくなる。  
大佐は、きっとわざと水音を立てるようにして私の秘所をかきまざしている。  
大佐の数本の指は膣の中で踊るかのように激しくうごめいている。  
ベッドヘッドに背を預けている大佐の膝の上に座る私は、彼の甘い責め苦に堪えられず、熱っぽい息を吐いた。  
私の尻の下、大佐の裸の太もものは秘所から溢れた蜜で恥ずかしいほどぐっしょりと濡れている。  
「…なあ、君のここはどうなっているんだ?」  
「…やぁッ」  
突然の刺激に躯を弓なりにしならせ、汗ばんだ背中に髪がぴたりと張り付く。  
いやらしい匂いを放つ蜜をまとった指が急に膣から抜き出され、腹を伝って乳房を揉んだかと思うと、固く尖った乳首を思いきり弾いたのだ。  
息を弾ませながら、手で包み込んでいる大佐の肉棒から彼の顔へと視線を移した。  
大佐は目を閉じたまま、私の指が彼自身を愛撫していることに感じ入っていた。  
――目を閉じていなくても、この人が暗闇しか見えないだなんて未だに信じられない。  
私の表情を見ることができない大佐の頬に自分の顔を強く押し付け、私が今どんな顔で快楽を得ているのかを伝える。  
「…尖って…ます…」  
大佐の頬に口を押し当て、まるで唇を彼の肌に擦り付けるようにして動かして彼の問い掛けに小さな声で答える。  
「ああ、ずいぶんと固くなっているな」  
「…あぁ…ッ!」  
大佐はころりとした感触を楽しむように乳首を指で摘み、そしてそれを軽く手前に引っ張った。  
大佐が乳首から手を離すと、乳房がボールが弾けるかのようにぷるりと揺れて元の位置に戻った。  
「色は?」  
「…色…?」  
「見えないんだ」  
「…あ…」  
大佐が目を閉じたまま笑う。  
私はまだ大佐が視力を失ってしまったことに慣れず、こういう質問にとても弱い。  
「…えっと…」  
目を伏せ、大佐の顔に押し付けた頬を真っ赤に染めながら怖ず怖ずと唇を開く。  
「あ、赤い…です…」  
桃色だった乳首は大佐の指で何度も遊ばれ、すっかり紅く染まっていた。  
「君の胸は雪のように白いから映えるだろうな。なあ、赤い木の実みたいになっているんだろう?」  
「は…い…」  
「やらしいな」  
「はぁ…う…!」  
大佐の指の間に乳首を挟んだまま乳房に手を食い込ませ、自分のものとは思えない甘ったるい声が唇からもれた。  
大佐は目が見えていないために手探りで私の躯の敏感な場所を探し出すため、くすぐったくて身をよじってしまう。  
大佐が肌に手を這わせる度に彼の指にまとわりついた蜜が私の躯を汚し、それに加えて汗だくなため、私の躯はまるでシャワーを浴びたあとのようだ。  
しかし、大佐が指をさ迷わせる動きは拙いけれど、一度獲物を捕らえると彼の指使いは変わる。  
大佐は目が見えていないことが嘘のように、乳首を爪で軽く引っ掻き、乳房を手の平に収めて激しく揉みしだく。  
大佐はまるで私の躯が手に染み付いているかのように、的確に愛撫をするのだ。  
 
「ふぁ…!あぁ…っ」  
大佐が躯に触れる度に鳥肌が立ち、悪寒が走るように背中がぞくぞくと痺れる。  
そして雌の欲求に導かれ、指を優しく添えていた雄の象徴を愛撫する動きに自然と熱が入る。  
「…リザ、私のはどうなっている?」  
大佐が私の耳元で甘く、そして意地悪く囁いた。  
大佐の口元には悪戯っぽい笑みが浮かんでいる。  
「…や、やだ…そんな…」  
「答えるんだ」  
「んあぁ…ッ!」  
大佐の手の平が乳房から離れ、胸元から腹を撫でながら下の方へ降りていく。  
そして、金の繁みの中に辿り着いた大佐の指が、すでに固くなっている小さな粒を転がした。  
「…はぁ…ッあ…!」  
指の腹が何度も尖りを擦り上げ、またぽたぽたと秘所から蜜が零れ落ちる。  
大佐に促されるまま、手の平の中にある彼の塊に視線を下ろした。  
大佐の猛りがどうなっているかだなんて、まじまじと見るのすら恥ずかしく、口にするなんて言語道断だけれど、この二人きりの熱い濃密な空間は羞恥を快楽に変えてしまう。  
「すごく…熱くて…」  
熱を持つ肉棒を指で隙間なく包み込んで、先端から根本まで力強く扱いた。  
「…そして…ここが、濡れて…ます…」  
白っぽい液体が溢れている先端を指先でつつくと、大佐の呼吸が荒くなったのがすぐ近くで耳に届いた。  
大佐が私の愛撫で気持ち良くなっていることが嬉しくて、指で作った輪で先端をさらに強く擦り上げる。  
「…ほかには?」  
「…あとは…」  
「あとは?」  
答えに困って口ごもる私の様子を感じ取った大佐は、この状況を楽しんでいるようだった。  
大佐は困り果てている私とは反対に、満足げに蜜の滴る尻を撫でては揉んでいる。  
「あとは……お、大きく、なってます…」  
「大きくなっている?」  
「あの…私が大佐の、し、下着を脱がせた時よりも…少し…。…じゃなくて…か、かなり大きく…」  
風邪でも引いたように頬が一気に熱を持ち、自分が紡いだ言葉があまりにも恥ずかしく瞳が潤んだ。  
私の顔が真っ赤に染まっていることが大佐の頬に伝わったのか、彼は意地悪な質問を止めた。  
代わりに、尻を執拗に撫でていた指は背骨のひとつひとつを確認するように触れていき、だんだんと首まではい上がり、最後に髪の毛を優しく梳かしてくれた。  
まるで主人の命令に忠実に従い褒められる犬のようだ。  
しかしそれが心地良い。  
「少しからかいすぎたかな」  
大佐が私の唇を探すために顔を動かすが、彼はなかなか口を見付けられず、いたずらに顔中に口付けの嵐が襲う。  
そしてやっと唇を捕らえた大佐は、唇同士を擦り合わせる暇もなく舌を差し込んできた。  
「んん…!」  
舌と舌が絡み合い、それでもまだ足りないというように歯列や口の中を丁寧になめ回され、唾液が唇の端から零れ落ちて顎を伝う。  
「……リザの中に入りたい」  
情熱的な口付けの合間に、大佐が唇の動き肌に伝わる近さで彼が言う。  
大佐の言葉に合わせ、甘い口付けで痺れてふらつきそうな脚に頑張って力を込めた。  
ベッドの上に膝をつき、大佐と繋がるために腰を浮かせた。  
大佐のはち切れそうな猛りに手を添えて秘所へ導くと、性器から溢れたどちらのものか分からない蜜がぐちゅりと水音を立てた。  
「くぁ…っ、あ…!」  
大佐のすべてを飲み込むとあまりの強すぎる快楽に、まるで髪の毛先まで電流が走ったかのように目の前が眩んだ。  
咄嗟に大佐の肩にしがみつく。  
 
「あッ、あぁ…!」  
大佐の頬に顔をぎゅっと押し付けたまま、彼を飲み込んだために不規則な呼吸を落ち着かせる。  
頬に触れている私の顔を頼りにして、大佐の手がふらふらとさ迷う。  
大佐の指が額に触れたと思えば今度はうなじを撫で、そして私を安心させるように頼もしい手の平で背を撫でてくれた。  
私を落ち着かせるように優しく背中に触れてくれる大佐の手の温もりが心地良く、そして腰全体が甘く痺れた。  
優しく躯を撫でてくれる大佐の一部をくわえ込んでいることを自覚すると、自然と腰が動き出す。  
「…あっ、あぁ、あ…ッ!」  
上下に躯を動かす度に乳房が重たく揺れ、そして大佐の逞しい胸板にピンと尖った乳首が何度も擦り付けられてとても気持ちが良い。  
「…ふぁ…あ…っ」  
横目で見た大佐の顔は、目を閉じたまま眉をぎゅっと寄せており、私の中に入っていることに感じている表情が躯の芯が熱くなるほど色っぽい。  
大佐が私で快楽を得ている姿を見るとこちらまで興奮し、膣がきゅうっと強く締まってしまい、彼が小さく呻いた。  
「ん、んあ…ッ…ああ…っ!」  
前後や左右に規則的に動いていた腰の動きが、だんだんとめちゃくちゃになってしまう。  
私を貫く大佐の肉棒は膣のいろんな場所にぶつかり、結合部は焔が燃えているように熱い。  
大佐に顔を強く押し付けて感じるままに喘ぐ。  
開きっぱなしの唇がとろりと唾液が零れてしまい、大佐の頬を汚した。  
そして、目尻からは涙が溢れ出し睫毛をしっとりと濡らす。  
「た、いさ…!もう駄目…!」  
「ああ…いいよ」  
切羽詰まった声で限界だと訴えると、ふらふらと揺れて不安定だった背中をしっかりと支えてくれていた大佐がそれに答える。  
「た、大佐…ッ!はあ…っ、はッ、大佐ぁ…!」  
大佐の首に腕を巻き付け、顔も躯も彼に隙間なく密着させたまま腰を乱れたリズムで振り乱す。  
大佐と私の汗や蜜が肌の間で混ざり合い、私達の躯はぐちゃぐちゃに濡れて汚れている。  
「…いくぞ、リザ…」  
「…あッ――…きゃああッ!」  
獣が叫ぶように高い声を上げるのと同時に、まるで真っ直ぐな針金のようにぴんと躯を硬直させた。  
大佐が腰を動かして下から強く私を突き上げたため、私一人が動くだけは得られないとてつもない快楽が躯中を襲う。  
「…リ、ザ…ッ!」  
「んあ…っ、あぁ…ッ!」  
まるで大佐の塊を押し潰すかのように収縮した膣の動きに耐えられなくなったのか、彼は私の中に勢いよく精を放った。  
大佐の猛りがどくんどくんと脈打つのが膣の肉に伝わり、白濁とした精が奥深くまで入り込むことを躯の中で直に感じる。  
「あぁ…ん…!」  
大佐から放たれたものが躯の深い部分に流れ込み、染み込み、彼にすべてを征服されたようで嬉しい。  
「リザ…!」  
大佐はどくどくと長い射精をしながら、息が苦しくなるほど私の躯を強く抱き締めた。  
躯に回された腕の力があまりにも強くて骨が軋んでしまいそうだ。  
――セックスをして頭が真っ白になる時、瞼の裏にリザの顔だけが浮かぶんだ。  
以前、大佐が表情の読めない顔でぽつりと放った言葉を思い出す。  
今、大佐の暗い世界には私が存在しているのだろうか。  
全盲の大佐の胸にきつく抱き寄せられながら、彼の瞳に私が映っていることを密かに祈った。  
 
 
 
終わり  
 

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