朝、目が覚めたら食卓からいい匂いがしてきて、リビングに行くと母が料理を作ってて。
おはよう、お父さんを起こしてきてと言われて私は朝の寒い廊下を歩いて父を起こしに行く。
頭に思い描いたこれが普通でしょうか。
特に何も説明するようなことがない状況を普通というのならば、きっと私の育った家庭は普通ではなかったのでしょう。
そうですね、私の家庭ですか?
母は亡くなり、父と私のみの家庭です。
よく大変だねと言われました。でも、私は父に嫌な感情を抱いてもいなければ憎んでもいません。
父親思い?そうですか、ありがとう。
いや、私は優しいわけではありません。
人というのは、適応できていないと生き残れないものです。自分の立場と環境を受け入れなければ生きれません。
私は父と暮らしていた時期は、子供でした。
子供は親が絶対です。生きるか死ぬかも親の手にかかっています。
頭のいい子なら、反抗したり、ましてや親が狂っていれば一人で生きる知恵がなくとも何らかの形で逃げ出します。
そう考えると、私はあまり頭のよくない子供でした。
女は子宮でしか物事を考えらない、とよく言いますが正にそのとおりだと思います。
男はどうでしょうか。よくわかりません。でも、男は幼稚な気がします。
幼稚であることを認めないからこそ、女よりも強いのでしょうね。
ああ、何の話でしたっけ。
家庭の話ですか?普通ですよ、普通。私はそう思ってました。
今は、と?そうですね。
今は今で軍という法と秩序の至極真っ当な人が集まる場所に適応しましたから、子供の私は普通ではなかったと実感しています。
お父さんは私の背中を見ながらするのが好きだ。
セックスのときは私のことをリザって呼んだり、背中を見たり触ったりしながら完成品だとか完璧だとか呼んだりする。
私が腰をくねらせてお父さんのお腹にお尻と擦り付けると、お父さんが体と私の背中をぴったりとくっつけてきた。
首筋近くにお父さんの顔がある。男の匂いがむわっと漂ってきた。
お腹が苦しくなる。痛いような気もするけど、今では気持ちよく感じるようになった。
大事にお尻を持ち上げられて、中に入ってるお父さんが私の苦しいところを抉った。
動くたびに、私の大事なとこの外側にお父さんの毛が触って、つい前に逃げようとしてしまう。
そうすると、お父さんは私の胸を掴んだりして絶対に逃がさない。
髪の毛に顔を埋めて匂いを嗅がれた。
「リザの匂いがする。」
「洗ったばっかりよ、シャンプーの匂いしかしないわ。」
「いや、リザの匂いだ。」
腰を持ち上げられて、上半身を起こした。
お父さんの細い腕には意外に力があって、私なんか軽く持ち上げられる。
熱い息が首にかかって、それから私の足を後ろから持ち上げてゆっくり動かした。
小さい子にトイレさせるみたいな格好で、ゆらゆらしながら私とお父さんは繋がって、何も無いとこをお父さんが突き刺して、私はその何も無いとこが気持ちよかった。
自分で一番気持ちのいい場所を指で撫でて、すぐ横にいるお父さんと目を合わせてキスをした。
こういうことを教えてくれたのはお父さん。
体が女の子らしくなってから私は背中に刺青を彫られたけど、お母さんが死んでからずっとお父さんと二人でいたせいだろう。
なんとなく男の人に対する恐怖感はなかった。
刺青を彫る前から、げっそりした雰囲気になってつまらなさそうな目をしてるけど、お父さんはお父さんだった。
お父さんは私にこういうことと学校に行かせてくれることしかしてくれない。
学校には知らないことがいっぱいだ。
勉強は好きではないけど、知らないことを知るのは楽しい。
クラスの人のことも、先生のことも、帰りにいつも寄るアイス屋のお姉さんのことも、私はあまり知らない。
私とお父さんはお互いのことをよく知っている。
口に入れて、どう舐めれば精液が出るか、胸に挟むときはどうするか、股でこするときはどうするか。
知ることも知られることも、つまらないことではなかった。
「リザ。」
お父さんが私の名前を呼んだ。
ふと目を開けてお父さんを見ると、顎で前を指した。
お父さんの視線の先には、繋がった私たちの姿。
いつも朝出かけるときに見る鏡に、生々しく出入りするお父さんの一部と広がる私の穴が映っていた。
「いや、お父さん…」
「見てみろ、リザ。ここから女の匂いがする。」
「いや…」
「見えるか?私のペニスが入ってるぞ。」
「見える。」
「お前もこうして生まれてきたんだ。」
繋がってるところをあからさまに見せられ、目を逸らしてしまった。
鏡の中で、お父さんと目が合う。
「明日は休みだろう。」
「うん。」
「もうすこしするか?」
「うん。」
私の短い髪の毛の影から、お父さんの大きな目が見えた。
自然と、出入りする足の間に目がいってしまう。
お父さんが私の中に入れていたものを抜いて、シーツに精液を出した。
これくらいならあとで拭けばいいだろうと思い、私はすぐにお父さんの上に乗っかった。
お尻にお父さんのを挟んで、手で押さえながら腰を振った。
手が冷たかったから、お父さんの熱さが伝わってきて私はまためろめろになった。何回やってもこれは好き。
腰が動くたびに胸がふるふる揺れて恥ずかしい。
おっぱい見ないで、なんて言いたいけど今そんな余裕はない。
下からお父さんの手が伸びてきて、乳首がこねくりまわされた。気持ちいい。
「お父さん、お父さん。」
「よく頑張ってるな、リザ。偉いぞ。」
お父さんの声がたまらなくて、私は自分の中にまたお父さんを受け入れた。
動くたびにベッドのスプリングがギシギシいう。
正直この音は耳障りだから、いつか買い換えることになったら音の出が少ないのを選ぼう。
お父さんから私のあそこは丸見えなんだろうけど、私にはお父さんしか見えない。
「リザ、ペニスが好きか。」
「お父さん、好き。」
最近よく聞いてくることだ。
この前、マスタングさんがお家にいらしたときに、私は一人でお父さんの部屋で夜のことをしたままの姿で寝ていました。
ちょうど起きて、足の間のとこから精液が垂れてきてどうにかしようとしていた時でした。
マスタングさんが物音に気づき、「師匠?」と言ってノックしました。
「マスタングさんですか?」
私は足を開いたまま、ティッシュを一枚手にとったまま。
開けられてはまずいと思い背筋に嫌な寒気が走ったときには、マスタングさんはドアノブに手をかけていました。
「そうだよ、リザかい?師匠はどこに…」
まさかそんな姿だなんて思いもしなかったでしょう。
マスタングさんはドアを開けて、そこで私はおっぱいもあそこも見られてしまいました。
幸い背中は見られませんでしたが、私は驚いたマスタングさんにその場でイタズラされてしまいました。
出てくる精液を見たマスタングさんはそれはそれは驚いていて、興奮していました。
とても謝られました。とても。
その夜にお父さんから初めて聞かれました。
「リザ、ペニスが好きか。」と。
どうも話によると、マスタングさんは私とお父さんがセックスしてることを知り、喧嘩になったらしいのです。
なんでそんなことになるのか、マスタングさんが何故怒ったのか、私には分かりません。
その話を聞いてしばらくしたあと、マスタングさんが私に問いただしました。
「リザ、辛くないのか。」
「何が?」
「…お父さんとのことだ。」
「何が?」
「お父さんとあんなことをするのは、いけないことだ。」
「どうして。」
「あれは…親子じゃしてはいけないことだ。」
そのとき、マスタングさんが悲しそうな目で私を見ました。
何故、そんな目で私を見るのか、お父さんと愛し合っていてはいけないのか、そう思いました。
自分が間違っているなんて、誰も考えません。
間違いを認めたくないからこそ、私は心の底からそう思ったのでしょう。
マスタングさんの悲しそうな目を見て、私たち親子が間違っていると知った気がするのです。
でも、私はお父さんに足を開く。
セックスの最中におとうさぁんと呼んで抱きつくと、リザ、と優しい声が返ってくることが、私の幸せ。
「好き、好き。」
うわ言みたいにそれだけ繰り返して一生懸命腰を振る。
繋がったところを指で触った。私の出したいやらしい水でお父さんのも私のも濡れてる。
こんなことをして、私とお父さんは毎夜過ごす。
今の私は馬鹿で、恥ずかしい。
恥ずかしいのを超えないと、こんなことはできない。
娘をすべて受け入れてくれる存在の父親だからこんなことができる。
お父さん以外の人と、セックスなんてするのだろうか。
横を見ると、鏡にはお父さんに跨って腰を振る私が映っていた。
何故か私はそこでマスタングさんを思い出して、ひとり胸の焼ける思いをした。
「いいだろう、リザ。もう降りろ。」
お父さんに繋がったまま寝転がされた。頭を撫でられ、汗の浮かんだおでこにキスをされる。
汗の匂いとシーツの匂いが心を落ち着かせた。
「お父さん、いかないで、お父さん。」
「リザ、私はここにいるよ。」
「うん、お父さん。」
体の中にお父さんを受け入れたまま意識を手放す直前に、お父さんはこの人しかいないと思った。
どんな人でも、マスタングさんの言っていることが正しくても、私のお父さんはこの人しかいない。
だけど、もし、この家から出てしまったら、何かが私を苦しめるのでしょうか。
よくわかりません。
お父さんが亡くなり、私はマスタングさんの元へ。
今、私の過去は人には言えないものになりました。
昔のことを思い出そうとするたびに、あのときのマスタングさんの悲しそうな目が、私を見てる気がするのです。
おわり