異様なまでに熱を帯びた躯が冷たい机に押し付けられ、木目の綺麗な木の板の上はじわじわと私の体温に侵食されていくように思えた。  
肌を伝って汗や淫らな蜜が小さな音と共に零れ落ち、また机の上をべとべとに汚す。  
大佐に紐で両手首を後ろ手にきつく縛られてしまい、頬と肩で何とか机の上で躯を支えていた。  
机の上で俯せになり、脚を折って尻を高く掲げている私を、大佐は目を細め満足そうに眺めた。  
しかし口元に浮かぶ笑みは何かを見下している時のそれだ。  
「まるで発情期の雌犬だな」  
まるで鞭のように躯を突き刺すしいたぶる言葉が、何故かひどく心地良かった。  
大佐の言葉だけで呼吸が荒くなり、耳元で囁かれれば達してしまいそうなほど、その響きは甘い。  
冷たい机に汗ばんだ頬を押し付け、私を蔑む大佐の言葉をもう一度噛み締めた。  
言葉に敏感に反応した躯が、膣から抜けそうな万年筆を逃さぬようきゅうっと締め付ける。  
その様子を見た大佐が楽しそうに目を細める。  
「…あぁ…っ!」  
尻の方へ回った大佐が、万年筆を再び手にして熱いぬかるみと化した膣を手加減なしに掻き混ぜた。  
尻から躯全体へ鳥肌がぞわりと広がる。  
縛られた手首に紐がぎちりと食い込んだ。  
「はう…っ…んんっ!あぁ…ッ!」  
立て続けに達してばかりで敏感になっている膣の肉を、いやらしい水音をたてながら固いペン先で攻められる。  
快楽ばかりを狂ってしまいそうなほど与えられ、感覚がおかしくなり麻痺してしまいそうだ。  
果実が熟れすぎて腐ったかのように、じゅわりと淫らな蜜が膣から溢れ出して止まらない。  
「中尉は本当に淫乱だな」  
「あぅッ!」  
大佐がくつくつと笑いながら唐突に繁みに隠れた尖りを太い指で弾き、尻が大きく震えた。  
敏感な芽はすっかり皮がむけ、弄られすぎていつもの倍以上に膨らんでいる気がした。  
そこを執拗に触られると、痛いほどの快楽が躯を刺し、腰が勝手に小刻みに揺れてしまう。  
「んあッ!」  
大人しくしていろとでもいうように、突然、大佐の手の平が尻に打ち込まれた。  
「んぅ…!」  
肌が真っ赤になってしまいそうなほどパンと大きな音を立てて、休むことなく大佐の方へ突き出した尻を叩かれる。  
しかし、痛みよりもお仕置きをされているという事実に感じてしまい、だらしなく開いていた唇の端から唾液がとろりと零れた。  
そして、恥ずかしい部分のすべてを隠すこともできず、ぱっくりと割れた恥部までも見えてしまうこの態勢も、羞恥が子宮をじくじくと刺激して気持ち良いだけだ。  
「ああ、悪く思わないでくれよ。これは君のためにやっているんだ」  
叩かれ続けて熱を持った尻を、大佐が愛おしそうに大きな手の平で撫でる。  
「発情期の淫らな雌犬はこういうのがお好みなんだろう?」  
大佐は執拗に尻を撫でるだけで、ぱくぱくとうごめいて万年筆をくわえこんでいる膣などには触ってくれない。  
焦らされているような気分になり、もっと刺激が欲しくて知らずと腰が勝手に動いてしまう。  
手首を縛られていなければ、プライドなど捨てて今すぐここで自慰を始めていただろう。  
手首を縛り上げられたまま躯を揺すると、躯と机との間で乳房がもつれ合い、物足りなさを少しだけ補ってくれた。  
 
机に固く尖った乳首を擦り付けることが気持ち良くて、夢中で躯を強く揺さ振る。  
「淫乱なんだよ、君は」  
「…は、あぁ…ッ…あん!」  
ずるりと一気に膣から万年筆を抜き出され、その肉をえぐるような乱暴さと強引さが嬉しくて喘いだ。  
そして、獣のようになりふり構わず自ら快楽を求める姿を大佐に見られていたことに気が付き、恍惚とした。  
そう、私は淫乱なのだ――  
肉欲だけが満ちた卑猥で暗い世界へ今堕ちてしまったことに、背中にぞくりと鳥肌が立つ。  
「…あ…」  
避妊具を新しく付け直したらしい大佐の熱いものが尻にぴたりと宛がわれた。  
自らそれを膣に導くように、ぶざまにも必死で腰を大佐の方へ突き出した。  
「欲しいか?」  
大佐は自身の先を膣の中に少しだけ埋め、意地悪く問い掛けた。  
「あん…っ、欲しい、です…!大佐ぁ…!」  
甘く媚びたこの声が自分のものだとは到底信じられなかったが、今は大佐が欲しい。  
「は、自分から腰を振るなどとんでもない淫乱だな」  
「そ…です…!淫乱なの…ッ!」  
けなされる度、はしたないと自分で認める度に躯の芯が甘く痺れる。  
大佐は椅子にどかりと腰をおろすと、机にいる私を抱き上げた。  
「そんなに腰が振りたいのなら、ここでしてもらおうか」  
大佐は私の腹を両手で掴むと、自らの太ももを跨がせ私を椅子の上に座らせた。  
上等な椅子の生地が脛に触れ、膝で大佐を挟み込む形となる。  
固く勃起した大佐自身が腰のすぐ下にあり、今にも膣の入口に触れそうだ。  
喜びに息を荒くして、そそり立つグロテスクな肉棒を眺めた。  
「…あ、んあぁッ!」  
「…っ!」  
涎を垂らした犬のように、しかし犬のように待つことはできず、私はすぐに腰を降ろして大佐のものを一気に飲み込んだ。  
大佐の私の脇腹を支える手に力がこもり爪が食い込むが、まったく気にならない。  
縛られた手首に血が滲んでいようが関係なかった。  
「ひぅ…ッ!」  
頭の先からつま先まで、膣を征服された衝撃が襲う。  
繋がった場所が火傷でもしたかのように熱い。  
「あぁんッ!」  
熱く大きな塊に骨盤を広げられるような痛みすら、甘い刺激に変わってしまう。  
快楽に負けてしまい力の入らない脚を叱咤し、不自由な体勢のまま、不器用に何とか上下に腰を動かす。  
「はしたないな、中尉。またこんなに濡らして」  
「あっ、あぁ…ッ、あんっ!」  
猛りが膣の入口を擦り、そして最奥を貫く度に、頭がおかしくなってしまったかのように叫び似た声を上げる。  
秘所から溢れた蜜が動く度に飛び散った。  
「…あん…!」  
気を抜けばうしろに倒れそうになる躯を、大佐の肩に額を預けることで支えた。  
ふと我に返ると、大佐は軍服の上着を脱ぎ、シャツとズボンをわずかにくつろげただけだというのに、彼に跨がる私は一糸纏わぬ全裸だということに気が付いた。  
大佐の白いシャツに、私の汗や体液が染みてどんどんと汚れていく。  
私だけがはしたないこの状態が大佐の言う「淫らな雌犬」には相応しいと思うと、膣がまた潤いをどっと増した。  
「あぁん…っ!…ま、た…っ、イくぅ…ッ!」  
躯全体に力を入れることができずに、おまけにだるさすらを感じるというのに、快楽を貪欲に貪り尽くす膣がひくひくとうねって限界を訴えていた。  
 
支えを失わぬように歯を食いしばって、大佐の肩に頭を埋める。  
汗ばんだ大佐の匂いがふと鼻を掠め、子宮ごと愛撫されたような気持ちになる。  
力の抜けた脚ではもううまく上下することができず、それでもめちゃくちゃに腰を前後に動かす。  
「イっちゃ…、大佐ぁ…っ…やあぁッ!!」  
逃げたくなるほどの強い刺激を、頭が真っ白になるほどの暴力的な快楽を、腰を動かして自ら受け入れた。  
背を弓のようにしならせ達した衝撃に耐えながら、秘所から蜜が絶え間無く噴き出ているのをどこか遠い世界で感じていた。  
「…やれやれ、もうおしまいか?」  
「…は…っ」  
躯をびくびくと何度も痙攣させながら何とか息をしている私の様子を静かに見ていた大佐が唇を開いた。  
大佐は呆れたような視線を私に向けると、乱れた前髪を手の平に収め痛いほど強く掴み上げた。  
「一人で楽しんでおしまいか?ん?」  
髪の毛が抜けてしまいそうなほどの力が大佐の指にこもり、恐怖に唇が震えた。  
大佐はそんな私を見て残酷に笑う。  
そして、大佐の大きな手が肌に食い込むほどしっかりと腰を掴んだ。  
「…や…っ」  
「嫌じゃないだろう?」  
そうだ――私は大佐が動き出してくれることを心のどこかで期待していた。  
大佐が怖いほど私を貪ってくれるのを、ずっと待っていたのだ。  
「…あ…っ」  
大佐は私の腰を大きく持ち上げると、まるで貫通させるように一気に塊の上に落とした。  
「きゃああッ!」  
待ち望んだ強い快楽が躯の細部まで光のように駆け抜け、涙を浮かべて叫ぶ。  
穴をみっちりと大佐のもので塞がれ、躯が歓喜に悲鳴を上げている。  
「あ…っ、ふ…ああッ!」  
「なんなにイったのに…だらしないな」  
暴力的なまでの快感を受けてもなおはしたなく腰を振ってしまう私を見て、大佐が口の端を吊り上げる。  
まるで汚物でも見るような視線を向けられ、嬉しくて背中がぞくぞくと疼く。  
「…ふぁ…んっ、痛…っ!」  
大佐が私の躯を上下に揺さ振る度に動く乳房に彼が吸い付き、木の実のように固くなった乳首に軽く歯を立てられた。  
「嘘を言うな。いいんだろう?」  
「…はっ、い…!」  
髪や額の汗を飛び散らせながら何度も必死に頷く。  
大佐はお菓子でも食べるかのように無邪気に乳首にかじりついた。  
歯が敏感な乳首に当たり、力が込められる度に胸から躯中へと快感がじわじわと広がっていく。  
「んぅっ、あ…っ、あッ!」  
大佐のものが膣の中でわずかに動いたような気がして、思わず甘い声で喘いでしまう。  
大佐は限界が近いのだろうか。  
「…あっ、は…!」  
この淫乱な躯に大佐の欲望をぶちまけられることを早々と期待し、だらしなくも秘所がさらに涎を垂らした。  
「あん…たいさぁ…ッ、大佐…!」  
「中尉…ッ!」  
「ん…っ、はぁ…ふあぁッ!!」  
快楽に眉を寄せた大佐は私を強く抱き寄せ、首筋に噛み付きながら爆発寸前の塊で私を貫いた。  
最奥で熱い精が放たれるのと同時に、先程散々いたぶられた菊門を指先でひっかかれて、私も目を見開きながら達してしまった。  
「…うあっ…あ――…」  
大佐の腕がまるで締め付けるように躯に絡み付きながら、彼が私の膣の中で射精をしている。  
大佐の熱を子宮で感じながら、だんだんと意識が遠ざかっていく。  
淫乱という烙印を押され、それを喜んで受け入れた私は、今までにない満足感に満ちながら目を閉じた。  
 
 
 
終わり  
 

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