「もう、いつ誰が来るか分からないんだから、堂々と読まないの」
「…はい…」
病院にお見舞いに来てくれた中尉に男性雑誌、つまりエロ本を読んでいるところをちょうど目撃されてしまった。
恥じらわずに「お客さんが来たら隠しなさいよ」と注意するところが彼女らしい。
しかし注意はされたものの、司令部にいたころよりも口調が柔らかい。
「これ、大佐がくれたんですよ」
「そうなの?…もう、大佐ったら…」
呆れたように中尉がため息交じりで言う。
西日が眩しく差し込む窓のカーテンを閉めてくれた中尉が、ベッドの横の椅子に腰掛ける。
「…で、なんと!この本にですね、中尉にそっくりの金髪ボイン美女がいまして…」
「…何の話をするつもり?」
中尉がぎろりと鳶色の目を細めた。
「も、もちろん中尉の方が美人っスよ!」
「そういうことじゃないの」
「でも本っ当に激似なんすよ…。中尉似のボイン美女がエロいポーズしているのを見てたら、ちょうど本物の中尉が現れて…」
中尉がさらに呆れたように俺を見ている。
「…これ、どうしましょう…」
最低だと罵られるのを覚悟でシーツを取り払い、病院着を押し上げて元気に勃ち上がっているもう一人の俺を見せた。
デリカシーのかけらもない俺の行動に、中尉は言葉もなく鋭く形の良い眉を寄せた。
「…ハボック少尉…」
「これ、ぜひ中尉に治めてほしいな…なんて」
頬を思いきり緩め、だらしない笑顔を作って中尉に手を合わせて頼む。
大佐は俺のこの顔を見ると腹が立つそうだが、中尉は犬を連想してしまうらしく、この表情にとても弱いのだ。
「……しょうがないわね」
「よっしゃ!」
中尉が椅子から立ち上がったのを見て、遠慮なく歓喜の声を上げる。
中尉はベッドを仕切るカーテンを閉めた。
「…少尉、お見舞いに来ているたびにこうしている気がするんだけど…」
「ねえ、中尉、服全部脱いで…」
話を遮った俺に中尉はため息をついた。
しかし、また犬のような笑顔を作って懇願する。
「…脱ぐだなんて、そんな…。…いつ誰が来るか分からないでしょう…?」
珍しく中尉が頬を赤く染め、動揺している。
先程の「鷹の目」とは大違いで、処女のように初々しい中尉を抱き締めたくなる。
「医者はこの時間に来ないし、見舞いに来てくれるのは中尉しかいないから大丈夫ですって」
「…で、でも…」
「中尉、頼みます」
困ったように胸に置かれていた中尉の手を取り、再度お願いする。
中尉はしばらく迷っていたが、この犬のような表情に負けたのか折れてくれた。
「…あまり…じろじろ見ないで…」
「無理ですって」
ベッドの上に上がり俺の服を脱がせてくれた中尉に、にやにやと笑いながら遠慮なく視線を浴びせる。
今度服を脱ぐのは中尉の番だ。
俺から少し離れたところで服を一枚一枚脱いでいく中尉を目に焼き付けるようにじっと眺める。
だんだんと白い肌や豊満な躯が目の前で晒されていくなんて絶景だ。
「中尉、早く脱いで」
ブラジャーとショーツだけになり、急に服を脱ぐ手を止めた中尉に意地悪く言う。
「…分かっているわよ」
中尉は何とか羞恥を押し殺し、俯いてブラジャーのホックを外した。
布の中にきつく収まっていた豊かな乳房が、ぷるんと弾けるようにあらわになる。
そして、中尉はショーツも焦らすように片脚ずつ脱いだ。
「…中尉、綺麗…」
中尉の真っ白な裸体が、ベッドに座っている俺の上に乗っている。
腕胸を隠そうとする中尉の手を取り、太ももに跨がらせて抱き寄せた。
美しいとはこういうものを言うんだと実感する。
軍人らしく立派に鍛えられているために華奢ではないが、女性らしい柔らかさとしなやかさが残っており、中尉の躯は彫刻のように美しく引き締まっている。
腰がこんなに細いくせに、胸がこんなにでっかいのは反則だろう。
そう思いながら中尉をもっと側に引き寄せ、二つの膨らみに顔を埋めた。
「…あー…幸せ…」
ぷるぷると揺れる胸に頬を何度も擦り寄せる。
中尉は未だに恥ずかしそうに俯いていた。
「…あっ、…や…!」
胸を揉みながら桃色の乳首に吸い付くと、中尉が声を抑えながらも小さく喘いだ。
「…あぁっ!ん…!」
突起を指で少し擦っただけで、それは簡単に形を持ち硬くなった。
「…少尉…私より、あなたの方を…」
頬を赤く染めた中尉は、俺の膝から素早く逃げて足元にうずくまった。
「中尉、愛撫されるのがそんなに恥ずかしいんですか」
「…うるさいわね…。あんまりうるさいと噛み付くわよ」
可愛い顔で怖いことを言いながら、中尉がはち切れそうなほど勃起した俺のものを手に取る。
中尉は手慣れたようにそれを扱きながら、先端をぱくりと口に含んだ。
「…ん…っ」
「あー…、やばい…気持ちいい…」
先端を中尉の唇で挟まれるだけで気持ち良い。
あのリザ・ホークアイ中尉が、何も纏わず生まれたままの姿で俺のものを奉仕していると考えると、ますます自身が熱を持つ。
しかも、病院という日常から切り取られたような異質な空間が、ますます俺を興奮させる。
「…ふ、ぁ…」
粘着室な水音を立てながら俺のものを愛撫し、時折声をもらす中尉が可愛い。
ふと、中尉が自身を口に含み扱く度にたぷたぷと揺れる乳房に目がいき、唐突にあることを思い付く。
「…ねえ、中尉」
「…は、あ…っ、何…?」
「……胸で挟んで」
俺の発言に中尉の顔が一気に真っ赤になった。
耳や首まで赤い。
中尉の羞恥に満ちたこのそそる表情を、俺がさせているのだと思うと堪らない。
ますます胸で奉仕してもらいたくなる。
「お願い、中尉」
「…や…っ…」
中尉の乳首を指で摘みながら、例の表情で頼む。
「う、上手くできなくても…笑わないでよ…?」
「誰が笑いますか」
そして数分後、俺は天国を味わっていた。
「…やばっ、これいい…」
「…気持ちいいの…?」
「かなりやばいっス…ボイン最高…」
「…そう…」
中尉は胸を掴んだ手を動かしながら、安心したように呟いた。
中尉は自らの手で豊満な胸を持ち、谷間に俺のものをしっかりと挟んでいる。
有り余る魅惑的な肉で俺のものは優しくたっぷりと包み込まれ、中尉が不器用に自らの胸を動かす度に自身全体が擦れる。
手とはまた違う、すべらかで柔らかい肌で愛撫されて、あまりの快楽に中尉が少し動くだけでも腰が震える。
「…すごい…熱い…」
桃色の乳首をピンと尖らせて、自分で白い乳房を掴んで動いている中尉を見るだけで鼻血が出そうだ。
そして時折先端をちゅっと唇で吸われ、今にも射精してしまいそうだった。
「…中尉…っ、もう出そう…っ」
「…分かったわ…」
「…っ…!」
俺の言葉を聞き、中尉はすっかり濡れた先端を口にくわえ込んだ。
中尉が俺のものを挟む力を強め、胸で根本を強く擦られた時、我慢できずに達した。
中尉の温かい口の中にどくどくと精液を放つ。
病院生活で溜まっていたせいもあり、ずいぶんと長い射精だった。
「中尉、大丈夫っすか…?」
「…ん…っ」
中尉はいつも精液を飲んでくれるが、今回は量が多すぎたために涙目で咳込んでいた。
慌てて手近にあったタオルを取り、中尉の口から溢れた白い液体を拭う。
「…無理しなくていいって言ってるのに…」
「…別に、平気よ…」
中尉は「上官だし年上だもの」というただそれだけの理由で、何かと意地を張って無理をする。
セックスも中尉がリードしたいらしいが、何だか空回りしている様子が危なっかしくも可愛らしいのだ。
唇と胸を精液でべとべとに汚したエロい躯をしている愛おしい上官を見て、つい悪戯心に火がつく。
「ね、中尉。こっちに来てください」
「なに?」
足元にうずくまっていた中尉を起こさせ、胸まで引き寄せた。
「ちょっと失礼します」
「…ちょ…っ、少尉…っ!?」
抱き寄せた中尉に後ろを向かせ、尻を高く持ち上げて掴んだ。
驚いて俺の足の上に倒れ込んだ中尉は、再び俺のものの上に顔を埋める羽目になる。
「い、いやっ!少尉やめて…っ!」
「せっかくですから二人で一緒に気持ち良くなりましょーよ」
中尉はすべてを晒すことになるこの体勢が嫌らしいが、俺に押さえ込まれているために、いくら身をよじってもびくともしない。
一応元軍人であり、そして軍人への復帰を目指して日々鍛えているし、何より俺は男なのだ。
悔しいだろうが中尉の力では敵わない。
俺はうっとりと中尉のすべらかな丸い尻を撫でた。
「わあ…中尉、どろどろじゃないですか…太ももまで濡れてる」
「み、見ないで…っ!」
高く掲げさせた尻を固定したまま、いやらしい匂いを放つ秘所を覗き込む。
ぱっくりと指で開いた秘所は淫らな蜜でいっぱいで、それは太ももまで伝っていた。
膣の入口に指を押し付けるだけで、くちゅりと盛大に水音を立てる。
「中尉、俺のものくわえただけで、こんなに興奮したんですか?」
膣は驚くほど簡単に指一本を飲み込んだ。
「裸になって俺のものを美味しそうにくわえて、胸に挟んで…すました顔しながら興奮してたんですね、中尉。ここ、すっごいとろとろ」
「…ん…っ!…しょ、い…っ!やめて…ッ!」
涙声で啜り泣くように中尉が喘ぐ。
しかし膣は指一本では物足りないというようにぱくぱくとひくつき、赤い肉の中に数本の指を差し込んで、出し入れする。
「ここ病院なのに、誰が来るか分からないのに、中尉はこんなにびちゃびちゃに濡らして…」
「…ふあッ!あ、あぁ…っ!」
言葉で責める度に、中尉の膣は嬉しそうに三本の指をきちきちと締め付けた。
そしてますますとろりとした蜜を零し、顔の上にぽたりと落ちる。
「ねえ、中尉…俺にもして…」
「…あ…っ、は…んんぅ…ッ」
彼女の喘ぎ声だけで再び勃起した自身を、中尉は震える手で何とか掴んだ。
上下に扱く手の動きが先程より遅く、まるで初めてのように拙い。
「中尉、感じすぎてうまくいかない?」
「…やぁっ、ん、言わないでぇ…!」
自身を口にくわえようとしているらしいが、中尉は喘ぐばかりでなかなか動けないようだ。
「…じゃあ、もっと気持ち良くしてあげますよ、中尉」
「…え…っ!?…あっ、あぁっ…ひゃあっ!」
指を抜き差しする動きを早めると、自身の横に中尉の顔がくたりと倒れた。
中尉の吐息と喘ぎ声が俺のものを刺激し、それだけでも相当気持ち良い。
「…中尉、そろそろイく…?」
「…あぁっ!ん…っ、んあぁ…っ!!」
くいっときつい膣の中で指を折り曲げると、蜜がぷしゃりと溢れ出し、中尉が達した。
「…あっ、少尉…っ!もう許してぇ…ッ!」
尻を掴みながら溢れる蜜に口をつけて舐めていると、中尉が力なく首を振った。
内股には鳥肌が立っており、イったばかりの躯は相当敏感になっているようだ。
目の前にあった白い尻から手を離すと、震えながら膝の上に落ちていく。
真っ白い病室に似つかわしくない、なまめかしい荒い呼吸がしばらく響いていた。
「…ひどいわよ…少尉…」
中尉は倒れ込んだまましばらく無言で躯を休めていたが、むくりと上半身を起こして俺の方に振り向いた。
俺をきつく睨んでくるが、瞳がすっかり快楽に潤んでいるためにまったく怖くない。
「すみません、中尉があまりにも可愛いから」
「だからってやりすぎよっ」
中尉は「上官で年上」というプライドをかなり傷付けられたのか、まるで撃ち合いでもするように殺気を纏って、勢いよく俺の上に跨がってきた。
しかしセックス中に中尉が頑張れば頑張ろうとするほど失敗に終わるのは、よく知っている。
「…んうぅ…っ!」
中尉は膣に俺のものを宛がうと、歯を食いしばっていきなりすべてを飲み込んだ。
「…あ…あっ…!いやぁ…っ!」
中尉の目尻からは涙が零れ、声が震えている。
中尉がイったばかりの躯で上手く腰を振れるはずがないと分かっていた俺は、すかさず手を差し出して彼女を支えた。
中尉は俺を一気に飲み込んだ衝撃で軽く達したのか、背中を小刻みにぶるぶると震わせている。
背をきりきりと弓のように反らすと前に押し出された形の良い乳房が揺れ、そして汗ばんだ金髪がきらりと光り、つくづく美しいひとだなと思う。
「だから、無理しなくていいのに…」
「む、無理なんて…してないわよ…っ!…もうっ、何でこんなに大きいのよ…!」
「…中尉、それって褒めてるんですか?」
膣に無理やり収めた俺のものにまだ慣れていないというのに、意地を張って動こうとする中尉の腰を強く掴み、動きを止める。
「無理をしないでください。…まったく、綺麗な躯に傷がついたらどうするんですか」
「…しょ、少尉…?」
「あんまり会えないんですから、ゆっくり楽しみましょうよ」
きょとんとした表情で俺を見ている中尉の背中に腕を回して胸に抱き寄せ、柔らかい金髪を梳く。
中尉は大きな塊を受け入れた刺激が残っているのか、まだ呼吸が乱れていたが、そっと頭を俺の胸に預けた。
中尉の汗にまみれた背中に触れながら、痛々しい火傷の痕を癒すかのように撫でる。
「…そういえば中尉、俺がいない間に大佐に変なことされてませんか?抱き着かれたり、胸触られたり」
「…もう、馬鹿ね。そんなことされてないわよ。そもそも大佐にはあまり会えないのよ」
「というか大総統にはっ!?あっ、大総統の周りのやつらとかにセクハラされてませんかっ!?無事ですか!?」
「…変なことされるわけないでしょう…。もう、本当に馬鹿ね」
子供を宥めるように優しく中尉が笑う。
その微笑みがあまりにも綺麗で、自身まで反応してしまった。
それを感じ取った中尉の腰がわずかに揺れる。
「中尉は美人だから…心配なんですよ」
「それより少尉は?看護婦にセクハラしたら…分かっているわね?」
中尉はとろんと快楽に細めていた目を、急に鋭いものにした。
「あなたこそ『ボイン』とやらばっかりに夢中なんじゃないの?…少尉が元気そうで安心したわ。とても」
「…中尉も…大変そうですけどまた無事にこうして会えて嬉しいです」
「少尉、リハビリ頑張っているみたいだけど、あまり無理しちゃ駄目よ?たまには気晴らしも…」
「…というか、こういう会話って、普通はセックスの前にしますよね」
「…そうね」
また中尉が綺麗な顔で笑う。
そして、それからしばらく言葉もなくお互いの体に腕を回して抱き合い、二人の持つ熱を共有していた。
「…中尉、もう動いてもいいんじゃないですか?どうしても主導権を握りたいなら、こうしてちゃんと慣れてから動かないと」
「…あなたはいつも一言多いのよ…っ」
中尉が腰を前後に大きく揺さ振り出す。
中尉が動くたびに一緒に揺れる金髪がなまめかしい。
「…ん…っ、もうっ、やっぱり大きい…っ!」
「そりゃあ急には縮みませんって」
「…あぁ、はぅ…っ、ん、きもちいい…っ!」
「俺もですよ…中尉」
熱い膣が俺を美味しそうに飲み込み、休まず締め付けてきて腰が痺れそうだ。
「やぁんっ!」
前後左右にしか動かない中尉に焦れて、予告なしにとんと突き上げてみる。
中尉の反応が良いので、俺の上で刺激に耐え切れず跳ねた彼女を、腰を掴んでまた突き上げる。
「…いやっ、少尉…ッ!そ、そんなにしたら…っ!」
「…中尉、イきそう…?」
中尉が言葉もなくこくこくと頷く。
俺の首に必死にしがみつき、突き上げられる刺激に耐えている。
蜜や汗で汚れた中尉の柔らかな太ももが、俺の躯をぎゅっと強く挟む。
「…俺も…イきそう…っ!」
「…やぁ…あ!…ひぅ…ッ」
中尉の膣の甘い肉が離さないというようにねっとりと絡みつき、堪らない。
しかも中尉の絶頂が近いために、急に食いちぎるかのように締め付けてきて、もう限界だった。
「…はあ…あっ!しょう、い…っ!」
「中尉…中尉…っ!」
「あ…――んああぁッ!!」
「…く…!」
中尉の腰をがっしりと掴んで、自身が抜けそうなほど引き抜いてから強く落とし、繋がりを深くすると、中尉が限界を迎えた。
二人分の汗がシーツに飛び散る。
そしてきつすぎる膣の締め付けに耐えられず、俺も遅れて達する。
間一髪のところで中尉の中から自身を引き抜いてようやく精を放った。
中尉の金の繁みがねっとりとした俺の白い精液で汚れ、これ以上ないほど卑猥な光景だ。
俺の膝の上に崩れ落ちた中尉を抱き閉めたまま後ろへ倒れ、ベッドに寝転ぶ。
肩で息をしながらも中尉はシーツの汚れを気にしており、しかし彼女の意識を自分以外にいかないように唾液で濡れた桃色の唇に深く口付けた。
「…ん、ふぁ…っ」
「…中尉、しばらくこうしてたい…」
母親に抱き着く子供のように中尉に抱き着き、二人分の汗や体液が混じり合うほど密着した。
中尉は大人しく俺の上に乗り、腕の中に収まっている。
「俺、リハビリ頑張って早く大佐のとこに戻るから。…だから、中尉を簡単に倒せる奴なんていないと思うけど…気を付けてくださいね…」
「何を言ってるの…平気よ。心配しないで」
「俺、本当に真面目に心配しているんです。今の大佐の敵はやばすぎるから…」
「違うわ。私と大佐が危なくなったら、すぐに少尉が助けてくれるでしょう?」
ちゅっと音を立てて額に口付けられながら言われた言葉に、この人には敵わないなと笑う。
裸で抱き合い熱が冷めることがないまま、俺達はしばしの甘い休息を味わった。
終わり