「あぁッ!うぁあっ!」  
「いいだろう…っ、リザ…!」  
予想を遥かに越えた衝撃が、腰から頭のてっぺんまでをびりびりと突き抜けて、声を抑える余裕などなかった。  
唇から獣の叫びのような喘ぎ声が出てしまう。  
「…ん…!あぁ…ッ…」  
私の古びた小さなベッドが、マスタングさんが動く度に壊れそうなほどがたがたと揺れる。  
「…リザ…!」  
「ふぁッ!あっ、あぁー…っ!」  
「こういうこと」には色々な交わり方があるのだと、マスタングさんに実際に教えてもらった。  
もっと深く繋がれるように、気持ち良くなれるように――  
マスタングさんにそう言われて、恥ずかしいのを必死に我慢して、おずおずとお尻を突き出した。  
シーツの上で四つん這いになり、まるで犬のような格好でマスタングさんと繋がっている。  
マスタングさんにお尻を向けることだけでも激しい羞恥を感じるけれど、それを吹き飛ばすほど気持ちがよくて、頭がおかしくなりそうだ。  
「すごいな、リザ…かなりきついよ」  
「…あ、は…!はぁあッ!」  
マスタングさんが躯の奥の奥まで入ってきているのを感じる。  
私達は本当に深いところで繋がっているのだ。  
躯の奥にマスタングさんのものが届く度に、背中にぞくぞくと痺れが走る。  
「ひぁんッ!」  
パンとお尻に強く打ち付けられて、躯を支えていた腕ががくりと折れた。  
起き上がろうと頑張ってみるけれど、マスタングさんが休みなく突き上げてくるために、腕が震えて上手く動かない。  
マスタングさんが指が食い込みそうなほど腰を強く掴んでいなければ、私はベッドに倒れ込んでいるだろう。  
「…あ、あ…ッ」  
冷たいシーツに顔が埋まり、自分の頬がどれほどの熱を持っているか思い知る。  
マスタングさんに揺さ振られる度に、短い髪がシーツの上に擦りつけられてぐしゃぐしゃに乱れた。  
「…あ…っ!い、や…!駄目っ!マスタングさ…っ!」  
「やめないよ」  
あまりの刺激に思わず逃げようとしたが、腰を掴まれているために動けない。  
マスタングさんの厚い舌が背中の上を動いている。  
マスタングさんと繋がっているところがさらにぐちょぐちょになり、熱くなった気がした。  
結合部から溢れた恥ずかしい蜜が、太ももをとろりと伝う。  
「…またきつくなった…そんなに気持ちいいのか?」  
「…あ、んっ…!…き、気持ち…いい…っ」  
頬を真っ赤にし、肩で息をしながら何とか答える。  
父が背中に彫ったサラマンダーに触れられると、何故か躯の中で快楽の焔がともって、なかなか鎮火しないのだ。  
「…く、う…っ!…だから…変になっちゃう…っ!」  
汗まみれの額をシーツに押さえ付けながら、サラマンダーをねっとりと舐められる快感に堪える。  
背中や腰に甘い刺激が走り、お腹の中がじんじんと震える。  
 
「リザ」  
「…んぅ…っ…ん…!」  
ぐちゅりと大きな水音を立てて、マスタングさんの硬いものが私から抜けた。  
躯の中心にぽっかりと穴が開いてしまったような気分になる。  
けれどすぐにマスタングさんは私を抱き起こして、器用に膝の上に乗せると、私を熱い塊で貫くように、またするりと入ってきた。  
「…うっ、ああぁ…っ!」  
「…締め付けが…っ、すごいな…」  
先程の衝撃もすごかったけれど、今の形も叫んでしまうほどマスタングさんのものが熱く突き刺さっていて躯が驚いている。  
まるで串刺しにされたような衝撃が躯を駆け抜け、思わず目の前にあったマスタングさんの首にしがみつく。  
マスタングさんに躯の芯まで支配されたような気分だ。  
お腹の中でマスタングさんのものの形までもしっかりと感じ取れるこの体勢は、慣れるまで呼吸すら難しいけれど、お互いの肌がくっつき合うから気持ち良い。  
こうして抱き合って繋がるのは大好きだ。  
「…リザ、大丈夫か…?」  
荒い息を整えながら、何とかこくこく頷く。  
首に回した腕でマスタングさんを強く引き寄せてみると、汗と体液にまみれた躯同士が擦れ合う。  
胸のつんと尖った突起が、マスタングさんの逞しい胸板に押し潰されて気持ちがいい。  
「さっきの体位もいいけど…やっぱりリザの顔が見える方がいいな」  
「…はい…」  
ちょうど私もマスタングさんと同じことを考えていて、嬉しくてくすくすと笑ってしまう。  
同時に、躯の芯がマスタングさんの言葉に反応し、きゅうっとマスタングさんのものを締め付けてしまった。  
「リザ、可愛い」  
マスタングさんはそう笑って私の唇を軽く噛んで、舌を滑り込ませてきた。  
そして、ゆっくりと私の腰を持ち上げて、慎重に下へ落とす。  
その単調な動きを静かに繰り返すだけなのに、密着した肌の熱さに圧倒され、涙が零れてしまう。  
「…はぁっ、あ、あ…っ!」  
「リザ、可愛いよ…」  
「やぁ…んっ、あ…!」  
快楽に負けて腕から力が抜けるが、離れないように必死にマスタングさんにしがみつく。  
マスタングさんは私のことをよく可愛いなどと言うけれど、マスタングさんの眉を歪める顔だってとても色っぽい。  
「…あぅ…ッ、んん…!」  
マスタングさんの顔を見ているだけで、黒い瞳が私を捕らえるだけで気持ち良くて、腰が熱くなってどろどろに溶けてしまいそうだ。  
深く激しく交わることも気持ちいいけれど、繋がっていることを穏やかに確かめながらすることも気持ち良い。  
「こういうこと」には色々あるらしい。  
「…ふ、う…っ!マ、マスタングさん…っ!」  
「…リザ、まだまだだぞ…。まだまだ気持ちいいこと、たくさんしてやるからな…」  
「…あぁっ、ん…ッ!…はい…!」  
マスタングさんに強く抱きすくめられ、結合部をびしゃびしゃに濡らしながら軽く絶頂を迎えてしまった。  
「こういうこと」は奥深く、学ぶことはまだまだ山ほどありそうだ。  
 
 
 
終わり  
 

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