「閣下、お呼びでしょうか」  
 中央勤務に転属になって間の無いオリヴィエ・ミラ・アームストロング少将は  
他より丈の長い北の軍靴を高らかに鳴らして、大総統の部屋に入る。  
「あぁ」  
 ブラッドレイが悠長な返事を返す間に、彼の秘書官であるリザ・ホークアイが  
丁寧にオークの扉を閉めた。  
同じようにオーク材で作られた、堅く重厚感のある執務机を前に  
オリヴィエは直立不動まま、半分は人でない上司を見やる。  
ブラッドレイはやはりゆっくりと足を組みなおすと、大きな笑顔で口を開いた。  
「アームストロング少将、着ている服を脱ぎたまえ」  
「はっ?!」  
 リザは、普段何事にも動じない氷の女王の顔が、思わず驚嘆するのを初めて見た。  
そんな事にはお構いなしで、ブラッドレイは再び同じ言葉を繰り返す。  
特殊な事情でここに居ることが解っている女性二人も、  
まさかホムンクルスにあって、このような事態になることは想定外であった。  
「何を驚いている?私には生殖能力は無いが性欲はある」  
 さらっと言ってのけるブラッドレイから目を逸らせぬまま、オリヴィエはそっと奥歯を噛んだ。  
 
「イエス・サー・・・」  
 オリヴィエが渦中で導き出した答えは、今は大人しく従うことだった。  
大きな目を殊更大きく見開いたリザの前で、オリヴィエは肩に掛けたサーベルを外す。  
「中尉」  
 呼ばれて我に返ったリザは、渡されるサーベルを受け取り、壁に掛けていく。  
ジャケットに手をかけようとしたオリヴィエを制し、ブラッドレイは下を指差した。  
「少将、ズボンから脱ぎたまえ」  
 一瞬戸惑ったオリヴィエは、言われた通り、取り外し式のオーバースカートをリザに手渡す。  
軍靴を脱ぎズボンを下ろすと、陽に当たらない白い脚が白昼に晒された。  
ブラッドレイは椅子から立ち上がり、机を回ると、満足気にグローブを外しながらオリヴィエを見下ろす。  
「うんうん、見事な尻だ」  
 オリヴィエの頬が薄っすら朱に染まるのを見ながら、  
繊細なレースで出来た菫色の下着の上から、程よく肉の付いた尻を撫でた。  
リザは出来るかぎり目の前のオリヴィエを見ないよう、目を逸らし唇を噛む。  
これが如何程の屈辱か、女なら痛いほど解る。  
しかしリザとて、この状況に大人しく従うしか術が無いのは同じだった。  
ブラッドレイはオリヴィエのパンティをむしり取ると、  
そのまま机に手を付かせ、腰を突き出すように命じる。  
青い軍服と黒いアンダーシャツの下から、大きな白桃のような尻が良く目立った。  
 
――ピシャリ  
部屋中に気味良く響いた音にリザはハッと顔を上げる。  
オリヴィエの丸い尻に、じわりとブラッドレイの手形に朱が刺していく。  
もう一度大きく手を振り上げると、今度も容赦なくそれを振り下ろした。  
大きな音が響く。しかしオリヴィエはそれ如きで声を上げたり顔色を変えはしない。  
「ハハハハ、さすが少将だ私が見込んだだけはある」  
 ブラッドレイは楽しそうに笑いながら、真っ赤になるまで尻を叩き続けた。  
オリヴィエは只ひたすらブリックス山を頭に描いた。  
名家の出身であるオリヴィエは両親にすら尻を叩かれた事はない。  
痛みで感覚が麻痺しそうになると、ブラッドレイの手はそれを思い出させるように  
ゆっくりと尻全体を撫でる。  
叩かれて突き抜けるような痛みと違い、それはじんわりと下半身全体に痺れをもたらす。  
叩いては撫で、叩いては撫で、ブラッドレイは暫くそれを続けた。  
「中尉!」  
 突然大総統に呼ばれリザは再び我に帰る。  
手招きされるまに側により、自分の運命もこの女性と同じなのだと思った。  
「少しやりすぎたかな?君が舐めて冷やしてやりなさい」  
「はっ?!」  
 リザの考えとは違う答えだった。  
「解らんかね?少将の尻を舐めてやりなさい。全て丁寧にだぞ」  
 上司の言葉には素早く従うリザは、とりあえずオリヴィエの後ろに膝立ちになる。  
もう一度赦免を乞うように大総統を見たが、彼は笑顔で頷くだけだった。  
ゆっくりと口を開ける。  
目の前には赤く腫れた少将の尻がある。  
打たれた場所以外は肌理細やかな白い肌で、女の自分ですら溜息が出るような美しさだ。  
パフュームなのか、ローションなのか、顔を近づけると軟らかな薔薇の香が鼻腔をくすぐり、  
彼女がどれだけ猛々しい猛者でも、やはり本来は深窓の令嬢なのだと思い知る。  
少しだけ胸に過ぎった侘しさを無視し、そっと舌をその肌に這わした。  
 
「んっ・・」  
 熱を持って疼く尻にリザの湿った舌を感じ、オリヴィエの口から思わず声が漏れる。  
「・・・ふぅ・・」  
 優しく舌を這わす彼女の気遣いが、甘い痛みとなり、反ってオリヴィエを羞恥と混乱に貶める。  
尻を打たれるのも初めてだが、女に痴態を晒すのも初めてだった。  
ブラッドレイはオリヴィエの前に回りこむと、  
彼女の顔を隠す金色の御簾のような髪を、丁寧に耳の後ろにたくし上げた。  
先ほどよりも頬に刺す赤みは増し、無表情だった顔には微かな恥じらいが見受けられる。  
凍てつく氷のようだと評される彼女の瞳は、ほんのりと潤んで雪解け間近だった。  
「どうしたね?中尉は優秀な秘書だろう?」  
 ブラッドレイはそう言いながら、突然自らの指をオリヴィエの秘所に差し込んだ。  
「っぁああっ!」  
 驚いたリザは弾みで床に座り込んでしまう。  
そこからは、いつの間にか糸を引いた桃色の粘膜に、大総統の指が出入りするのが見える。  
ぬかるむ溝に指は吸い込まれ、オリヴィエの上体は力なく机に突っ伏していく。  
「大丈夫かね?少将」  
 気遣う言葉とは裏腹に、指はオリヴィエの内膜を擦り、子宮口を激しくゆする。  
「ぅぁうう・・・」  
 汗ばんだ脚は筋肉を最大限に緊張させ、責め苦に耐えるように足指でカーペットを掴む。  
「我慢することはない、ここが気持ちよいのだろう?」  
 そう言ってオリヴィエの中で指をくの字に折り曲げると、恥骨に向かって掻き毟った。  
「あああぁぁっ!」  
 オリヴィエは全身を強張らせて快感から身を捩ったが、  
脳幹から全身を打つそれに敗れ、激しくその身を痙攣させた。  
 
ブラッドレイは床にくず折れたオリヴィエを拾い上げ、机に載せると、  
いつの間にか取り出した黒い剛直で、躊躇なくオリヴィエを貫いた。  
「・・・!」  
「声にならないかね?オリヴィエ」  
 名で呼ばれる違和感は体内で蠢く大きな肉棒が掻き消してゆく。  
アンダーシャツとブラジャーが破かれ、何の抵抗も無いまま真っ白な乳房が露わにされた。  
大きく柔らかな乳房はブラッドレイの手の中で自在に形を変える。  
苦しさと快感はオリヴィエの心を引き裂いて、その瞳から雫をこぼす。  
ブラッドレイが激しく腰を打ち付けると、オリヴィエの頭は益々混乱し、  
リザに見られていることすら、わからなくなっていた。  
「可愛いじゃないかね、オリヴィエ」  
 オリヴィエの涙を指で拭い、ブラッドレイは彼女の最大の特徴である、  
厚く柔らかな唇に舌を差し入れた。  
「ん・・・・ふぅ・・ううぅ」  
 桜色をした愛らしい唇から、歓喜とも悲喜ともとれぬ呻きがもれる。  
その間も腰の動きは止まることなく、オリヴィエの中を掻き回してゆく。  
しばらくするとブラッドレイは動きを止め、己を彼女の中に埋め込んだまま、  
オリヴィエを抱き起こすと、そままの格好でソファに腰を下ろした。  
 
力なく自分の上にしなだれかかるオリヴィエを今度は下から激しく突き上げる。  
「あぁぁあぁっ!」  
 彼女の大きな尻を両手で掴んで、リザに良く見えるよう広げてみせた。  
大総統の大きく黒い肉棒が少将の白い割れ目を大きく押し広げている。  
透明な粘液の絡みついたそこは、やらしい音を立てて部屋中に反響させている。  
秘書官は気が利かなくてはならない。  
リザは言われるまでもなく、引き寄せられるようにオリヴィエの後ろに付き  
最後の砦のような窄まりに舌を差し込んだ。  
「あああんっ!」  
「さすが中尉、やはり君は気が利く」  
 一度イッた身体に太い杭を打たれ、あまつさえ敏感な場所を触られ、  
オリヴィエの身体は再び大きな快感に飲み込まれそうになっていた。  
「・・・ふぅぁあっっ!」  
 リザは尖らしたした舌で大きく揺れるアナルに何とか喰らい付く。  
ブラッドレイも快感に痺れる剛直を狭い膣内に激しく擦りつける。  
オリヴィエの全身に小さな痙攣が走り出す。  
「あっ・・あっ・・」  
 ブラッドレイの膨れ上がったカリが充血した子宮口を容赦無く突き上げた。  
「!あぁっああぁっ」  
 オリヴィエの小さな痙攣が、停まることなく全身を震わす大きな発作になる。  
ブラッドレイにも感じられる程の痙攣が膣内を締め上げ、彼はそこに満足いくまで注ぎ込んだ。  
大総統の睾丸が大きく収縮するのを見て、リザは終わったのだと、床に腰を下ろした。  
 
「只今戻りました」  
 リザはようやく動けるようになったオリヴィエを部屋に連れて帰ってやった。  
「うん、ご苦労」と頷くブラッドレイは何時もの彼と変わりない。  
何故だろう?結局自分は何もされなかった。  
神に感謝すべきなのか、これをロイに報告するべきなのか、リザは訳が解らなかった。  
「いやぁ、久し振りにすっきりしたな。  
 彼女、(気の強さが)家のかみさんの若い頃にそっくりで、つい不埒な気を起してしまったよ」  
 髭をポリポリ掻きながらそう言う大総統を開いた口のまま見つめながら、  
リザはどうせ死なないのだから、一発ブチ込んでもいいだろうかと真剣に考えた。  
 
 
 

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