うわ言のように「大佐」「大佐」と、弱々しく彼女がロイを呼ぶ涙混じりの声が扉の向こうから聞こえる。  
ロイはきっかり五分を待ってから、再び部屋の扉を開けた。  
ベッドの上に、リザの姿はなかった。  
余程つらかったのだろう、彼女はベッドから転げ落ち床の上に横たわり、じっと扉の方を見つめていた。  
扉が開きロイの姿が見えた瞬間、リザは安堵のあまり大きくしゃくり上げた。  
「大佐、、、」  
ロイは急いで彼女の元に歩み寄り、彼女の身体を抱き上げる。  
「リザ、大丈夫か?」  
「大佐、大佐」  
上気させた顔をクシャクシャに歪めたリザは、縛られた不自由な身体のまま、ロイにすがるようにその胸に頬を寄せた。  
「リザ」  
「たすけて、ください」  
子供のようにつたない口調でそう言ったリザの身体は、カクカクと小刻みに震えていた。  
内股は彼女から溢れたイヤラシい液体でビショビショに濡れ、スカートにまで染みを作っている。  
恐らく、薬の所為で何度かイッてしまったのだろう。  
しかし、彼女の内部には彼女の望むモノは与えられず、中途半端に放り出された肉体の火照りを持て余すリザは、それを唯一鎮めてくれる筈の目の前の男にすがりつく。  
少しやり過ぎたか、と苦笑しながらロイは、優しく彼女に口付けた。  
リザは従順にその口付けに応え、むしろ自分から舌を絡めてくる。  
リザの唇から溢れた唾液が流れ、彼女の白い肌をつたう。  
柔らかな口腔を蹂躙しながら、ロイはリザの縛ったままの両足を持ち上げ下着を脇に寄せると、前戯も何もなく一息に彼女の中に三本の指を差し入れた。  
「ンンッ!!」  
唇を塞がれた状態でロイの指に貫かれたリザは、声も出せず仰け反りビクビクと身体を震わせる。  
ロイの掌にブシャリと温かい液体が飛び散り、彼女が達したのが分かった。  
膣の中に埋め込んだ指がキュウキュウと締め付けられ、いつもより熱いリザの内部がぎっちりとロイの指を銜え込む。  
泳がせるようにバラバラと指を動かし、ロイはゆっくりとリザの膣の中をかき混ぜる。  
いつもなら一本ずつゆっくり慣らしていかないと、なかなか解けていかないリザの身体が苦もなく彼の指の動きを受け入れている。  
「そんなに欲しかったのかね」  
ロイは唇を離し、中指でザラリとしたポイントを探し当てる。  
「ファッ、、、ッヤン!」  
引っ掻くように刺激すれば、リザはまた身体を跳ね上げる。  
他の二本の指を前後に広げクチュクチュとわざと大きな水音を立てさせ、ロイはリザの耳を噛んだ。  
「こんなによく効く薬なら、いつも使っても良いかもしれない」  
「や!それだけは!、、ッ、ハァ、、」  
ロイがネットリと舌を耳孔につっこみ執拗に彼女の弱みを攻めたてると、遂にリザは意識を飛ばした。  
 
ダラリと力を失い崩れ落ちるリザの身体を抱きとめ、ロイは大切なものを扱う手付きで彼女の身体をベッドの上に抱き上げた。  
そして、リザを縛めていた己のタイとリザのスカーフを解くと、柔らかな口付けを落とした。  
幾度も幾度も繰り返しついばむようにリザの唇を求めれば、彼女はやがてゆっくりと目を見開いた。  
「大、、佐?」  
「やぁ、リザ、おはよう。薬はよく効いたようだね」  
途端に真っ赤になるリザを笑い、ロイは彼女の上に跨がると今度は舌を絡め貪るようなキスをする。  
そのまま身悶えるリザを押さえつけ、ロイは彼女のブラウスのボタンを一つずつ楽しむように外し始めた。  
「大佐、何を!?」  
「何を、って、君。今から私は君を抱くんだよ」  
「そんな! もう身体が保ちません!」  
「何を言っている。まだ、私は君の中に指を挿れただけで、他に何もさせてもらっていないのだがね」  
そう言ってロイは、剥き出しにしたリザの乳首をきゅっと摘んだ。  
「ヒャウン!」  
「ここも」  
「、、っ!」  
ロイの手が、リザの最も敏感な金の叢に埋もれた芽を転がす。  
「ここも」  
「。。。ァヒィ!」  
「全く可愛がってやっていないというのに」  
そう言いながら、ロイは自分のいきり立ったものをリザの尻に押し付ける。  
「!」  
「ほら、これだってまだ挿れていない」  
ガクガクとリザの身体が小刻みに震える。  
「君だって欲しいんだろう? 『助けて下さい』なんて言うくらい、私を求めていたくせに」  
優しく囁かれたロイの言葉にリザは目尻に涙を浮かべ、懇願するような瞳でイヤイヤをするように首を横に振った。  
ロイは怯えた彼女の表情をたっぷりと楽しみながら、そのまま滑らかな肌に掌を這わせた。  
何度も一人で絶頂を迎え、今しがたも二回も続けてロイにイカされたリザの身体は異常なほどに敏感になっている。  
脇腹に触れられただけでリザの身体は跳ね、首筋を舐められれば腰が震える。  
しかも、既に身体には力が入らず、縛られていなくとも逃げる事もままならない。  
ロイはリザの体中に触れるか触れないかの危うさで指を滑らせ、彼女を悶えさせ続け、そしてまたその耳に囁いた。  
「リザ、夜はまだ長い。たっぷり可愛がってあげるからね」  
絶望と愉楽を綯い交ぜにしたようなリザの悲鳴があがる。  
それを合図に、ロイはリザを苦しいまでの快楽の海へと何度も溺れさせ、朝まで彼女を責め続けたのだった。  
 
終わり  
 

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