今夜は熱帯夜だった。
シャワーを浴び終えたリザはろくに髪も拭き終えぬまま、ベッドへぼすんと寝転んだ。
バスルームで汗を流したはずなのに、部屋は熱い空気に満ちていてリザはため息をつく。
網戸にしている窓から風が吹いてくる気配はまったくない。
シーツがわずかにひんやりとしているのが唯一の救いか、とリザは思う。
リザは白いレースの下着だけを身に纏った身体を丸め、ベッドのすぐ上にある窓を見つめた。
両膝を胸に近付けるような体勢をとりながら、風が吹いてくれるのをじっと待つ。
「絶景だな」
リザの背後から聞き慣れた声がした。
リザがバスルームにいる間に勝手に彼女の部屋に上がり込んだ男――ロイ・マスタングだ。
「まだ帰ってなかったんですか」
リザはうしろを振り向かずに冷たい声をロイに浴びせる。
リザがバスルームから出てきた時、ロイはリビングで優雅に読書を楽しんでいた。
「そんな冷たいことを言わないでおくれよ、中尉」
ロイはリザの素っ気ない態度などまったく気にせず、ベッドの上に乗り上がった。
「ちょっと大佐…。…やっ…た、大佐っ!?」
こちらに来ないでください、と言おうとしたリザの声は小さな悲鳴へと変わった。
ロイはベッドに乗り上がり、そして何とシーツの上で綺麗な脚線美を描くリザの脚の間に顔を挟んだのだ。
ロイが顔を挟めた場所、そこは彼が愛してやまないリザの雪のように白い太ももだった。
「…なっ、何考えているんですか…っ!変態ですっ!」
「何って…。目の前に自分好みの太ももがあったら、まず顔を埋めるものだろう?」
そう真面目に告げるロイにリザは目眩がしそうだった。
リザがロイを離そうと身体や足をよじっても、男、そして軍人である彼には到底敵わない。
太ももの間で不敵に笑うロイに、リザは悔しくて唇を噛んだ。
リザは反撃しようと、太ももに思いきり力を入れて顔を挟む圧力を強めたが、それはロイを喜ばせるだけで終わった。
「…気持ち悪いです」
「私は最高だよ、リザ」
寝転んで体育座りをしているようなリザの体勢に無理やり頭を突っ込んだロイは幸せそうだった。
尻の方からリザの太ももに顔をねじこませ、ロイはもちもちとした柔肌に両頬をぎゅうっと挟まれているのを楽しんでいた。
リザはあくまで冷静に変態だとか最低だとかロイに言葉を浴びせていたが、実は気が気でなかった。
それは――
「…あ、や…っ」
急にロイの舌が純白のレースに包まれたリザの秘部を突いた。
ロイの手はなめならかな彼女の尻をこねるように撫でている。
リザの悩ましげな声に気をよくしたのか、ロイは舌を固くすぼめ、レース越しに敏感な芽を探し始めた。
ロイの熱い舌が布越しに秘部をゆっくり上下するだけで、リザは身体がびりびりと痺れた。
「…や…!たい、さぁ…っ」
「ん、濡れてきたな」
リザが気が気でなかった理由、それは、ロイがいつ悪戯を開始するか冷や冷やしていたからだ。
「は…っやんッ!」
隠されていた敏感な突起をようやく見つけたロイは、それを優しく丁寧に親指で転がし始めた。
リザの腰が無意識に揺れ、ロイの顔を挟む力がますます強まる。
「…ぁんっ、ん、ひゃ…!た、大佐…駄目です…!」
「君が誘ったんじゃないか」
「誘って…っなんか…!やぁッ!」
ロイの愛撫により純白だったレースは蜜でぐっしょりと淫らに濡れ始めていた。
そして、淫乱にひくつく穴へと、ロイは布越しにくちゃりと指を差し入れた。
「う、んっ…、ん、きゃう…ッ!」
「リザ、可愛いよ…」
風を待つ暇もなく二人は快楽に溺れ、熱くて甘い熱帯夜を過ごした。
終わり