「欲しいものを得るために私がこれほどまで手を焼くのは、お前が初めてかもしれないな」  
「…ふっ、う…」  
オリヴィエが二本の指でリザの膣内を緩やかに引っかくだけで、リザは子犬のように高い声を上げた。  
何とも可愛らしいものだと、オリヴィエは珍しく小動物を愛でるような感情を抱きながら、リザの膣内を征服していた。  
軽い絶頂を何度も迎えベッドに力なく横たわるリザは、無理やりはだけさせられた軍服の胸元を両手でかき抱き、オリヴィエの甘い責め苦に耐えている。  
めくり上げられた黒いアンダーシャツから覗く胸を隠そうと軍服を掴む手には爪が折れそうなほど力が入っており、リザは何も身に纏わない下半身が心許なかった。  
そんなリザをよそに、彼女の内股を濡らしてらてらと光る蜜をオリヴィエは満足そうに眺めた。  
「…んぅ…ッ」  
苦しげな吐息をもらすリザの身体の上に覆いかぶさるオリヴィエは、リザが刺激を受け流そうと眉を寄せている顔を恍惚と見つめる。  
リザが強く唇を噛み締めても、桃色のそれに無駄な傷を増やすだけだと思いながらも、オリヴィエはリザが快楽に溺れていく姿を愛した。  
白い肌を赤く染めてリザが喘ぐ様子はオリヴィエを興奮させた。  
そして何より、組み敷かれ散々鳴かされているというのに、瞳だけは強い光を持ち屈さない彼女は、ますますオリヴィエを高ぶらせた。  
リザが折れず、光を絶やさない理由があの男のせいだというのは、オリヴィエにとっては随分気に入らない話だが。  
リザに愛撫を施しているだけで、彼女から何かをされたわけでもないのに、下着すら身に纏わない全裸のオリヴィエの身体はリザ以上に熱を持ち、そして身体の中心はとろりと潤んでいた。  
オリヴィエがさらにリザを愛そうと体勢を変える度に、太ももからくちゅりと水音が聞こえるほどだ。  
「…は、あ…」  
オリヴィエはリザの膣からことさらゆっくりと指を引き抜き、淫乱な音と悩ましげに唇を震わせる彼女の表情を楽しんだ。  
「…やっ…!」  
その濡れた指でオリヴィエはリザの胸を強引に晒し、そして乳首を痛いほど強く摘む。  
リザが顔を歪めて切ない悲鳴を上げると、そのすべてがオリヴィエの身体を痺れさせ、背をぞくぞくと震わせる。  
オリヴィエはまた自分の秘所が濡れるのを感じた。  
オリヴィエは舌なめずりをするようににやりと笑いながら、リザの白い太ももを手に持ち、ぐいと大きく広げた。  
リザの白い内股の中心はびっしょりと濡れ、いやらしい匂いを放つ赤い部分が誘うかのようにひくひくと動いている。  
「…やめてください…っ」  
 
リザはすべてを晒すこの体勢が恥ずかしく、そして興奮に満ちたオリヴィエの瞳が恐ろしかった。  
何をされるのかという羞恥と不安に満ちたリザの表情が、次のオリヴィエの行動によって驚きに変わる。  
オリヴィエは、先ほどまで愛でていたリザの熱い秘所に、自らのそれを宛がい、擦りつけ始めたのだ。  
「…ひゃあっ!…あ…っな、何を…っ!」  
「…いい具合だ」  
熱く絡む秘所にオリヴィエはたまらず艶のあるため息をこぼし、首をのけ反らせ感じ入った。  
オリヴィエが腰を揺り動かす度に熱い泉は摩擦によりさらに濡れ、もうどちらのものか分からないほど甘くとろけ、このまま溶けてひとつになってしまいそうだった。  
繁みの奥にひそむ敏感な尖り同士がねっとりと絡みぶつかり合い、リザは背徳感を感じつつも盛大に喘ぐ。  
オリヴィエにされるがままのリザは、女性同士で性行為をする異常さに戸惑いながらも、すっかりその快楽に流されていた。  
合同演習のために北方へ向かい日々訓練に励んでいたところ、今日、リザはオリヴィエに部屋へ来るようにと直々に呼び出されたのだ。  
約束の時間になりオリヴィエの部屋へ向かうと、生まれたままの姿のオリヴィエが彼女を待っており、無理やりベッドへ押し倒された。  
リザは女性に性行為を強要されることに抵抗を抱き暴れたものの、オリヴィエに大人しく抱かれろと上官命令を出された。  
オリヴィエが上官でなく、そして命令を出さずとも、あの興奮に満ちた気迫と言葉にできない艶を持つオリヴィエに押し倒されれば、逆らうことができなかったかもしれないとリザは思う。  
「や…っ!…っ…んあぁッ!」  
オリヴィエの固い尖りがリザのそれを強く押し潰し、リザは背を大きくのけ反らせて絶頂を迎えた。  
「…はっ…いい顔だ…っ」  
自らも軽く達したオリヴィエは声を殺し、とろりと目尻を下げるリザの顎を乱暴に掴む。  
リザの秘所からは再び蜜がどっと溢れ出し、彼女はそれを恥じた。  
「私は美しいものを好むんだ」  
あまりの熱く激しい交わりと異様な行為に意識が朦朧としているリザの顎を掴み持ち上げ、オリヴィエはうっとりと囁く。  
熱い息をはくリザはどんなに乱れても美しく、そしてオリヴィエ好みの反応を返してくれる。  
「…少、将…?」  
「ホークアイ、私のものになれ」  
リザが荒い息を整えている間に、オリヴィエは奇妙なものを取り出し、そしてそれを身につけ始めた。  
それはリザが初めて見るものだったが、ロイと身体を重ねる時に必ず見るものと酷似していた。  
男性器に見立てた太くて長い黒い棒の付いたベルトを、オリヴィエは自らの腰に巻き付けた。  
リザは女性であるオリヴィエが男性器を生やしているような異様な光景に眉を寄せ、そして次に起こるであろう出来事に肌を粟立たせた。  
「…し、少将…」  
「心配するな。マスタングなど比べものにならないほど良くしてやる」  
 
オリヴィエは怯えるリザの肩を掴み押さえ付け、黒い塊を彼女の秘部に押し当てた。  
「いやあ…っ!」  
その黒い物体は、リザの身体を遠慮なく貫いた。  
乱暴な刺激に、リザの呼吸が止まる。  
「どうだ。マスタングのよりいいだろう?」  
「…か…は…っ」  
あまりの衝撃にリザはオリヴィエの言葉に返事ができなかった。  
しかし、オリヴィエは組み敷いているリザの雪のような太ももを持ち上げて、容赦なく本格的にリザを攻め始めた。  
「…あっ、ひうっ…」  
「…来たか」  
「…ん…っ?」  
腰をなまめかしく動かしながら、ぼそりとオリヴィエが呟いた。  
何の事だとリザが虚ろな瞳でオリヴィエの視線を辿る。  
オリヴィエは部屋の扉を睨んでいた。  
リザも扉の方へ視線をやると、見覚えのある独特の光が外側から放たれた。  
その光は扉の鍵を破壊したらしく、ドアノブががちゃりと動いた。  
扉が開き外から人物が現れる前に、ちっとオリヴィエが盛大に舌打ちをした。  
キィと音を立てて扉が開き、鍵を壊した主が部屋に足を踏み入れる。  
この異様な空間に入って来た人物を見て、リザは驚きに息を飲んだ。  
「少将、失礼いたします」  
「馬鹿者!上官の部屋に勝手に入ってくる奴は八つ裂きだ!」  
「ノックをしましたがまったく返事がなく、少将に危険が及んでいるのかとつい強行手段に…」  
「嘘をつけ!」  
「…危険が及んでいるのは可愛い私の部下でしたね」  
至って普通ににこりと微笑むロイは、オリヴィエに組み敷かれているリザに視線をやった。  
「…た、大佐…!」  
リザは頭が真っ白なまま声を上げる。  
扉の向こうから現れたのは、何とロイだったのだ。  
「中尉…いや、リザ。ここにいたのか。ずいぶんと探したよ」  
リザはロイがここに現れたことにも驚いたが、ロイがオリヴィエに組み敷かれている自分を見て顔色ひとつ変えなかったことに、もっと驚いていた。  
「上官の楽しみを邪魔するとはな…出て行け。本当に斬るぞ」  
「リザを返していただけたら喜んで出て行きます」  
オリヴィエがベッドから投げた枕をひょいと避け、ロイは何事もないかのようにベッドへ歩み寄って来る。  
「リザ、駄目だろう?夜に私の部屋に来なさいと言ったはずだ」  
「先約は私だ。…ホークアイは貴様との約束など守るつもりはなかったのかもしれないがな」  
オリヴィエとロイが、この状況の中で普通に会話をしていることに、リザはただただ戸惑った。  
オリヴィエはロイがここへ来ることを予想していたようだし、ロイもリザがオリヴィエに抱かれることを知っていたかのようだ。  
自分だけが何も知らず、おいてきぼりのような気分をリザは味わう。  
「女性の前だとは言え、私以外の前では淫らな姿を見せてはいけないよ、リザ」  
「…あ…」  
ロイはリザのはだけた胸元に指先を這わせ、赤くしこった尖りの周りを優しく撫でた。  
ロイのいつもの愛撫に、リザはそれだけで敏感に反応してしまう。  
 
「マスタング、汚い手で私のホークアイに触るな」  
「んんっ」  
リザの意識がロイへ向いたことが気に食わないのか、オリヴィエも負けじとリザの腰を引き寄せ、偽物の男性器で突き上げる。  
それを見たロイは、ほう、と感心したように声を上げた。  
「少将はずいぶんといいご趣味をお持ちのようだ」  
「ふん、お前のより良いとホークアイは鳴いているぞ」  
「…そ、んな…あ、やぁっ!」  
「……これだから少将とリザを会わせるのは嫌だったんだ」  
ロイはオリヴィエに好きにされているリザを眺めてため息交じりにそう呟くと、ごく自然にベッドの上へ乗り上がった。  
「た、大佐…?」  
オリヴィエに組み敷かれていたリザの上半身を優しく抱き起こし、ロイは自分の胸に彼女の背中をもたれさせた。  
そして、汗ばんだリザの金髪を掻き分け、うなじに愛おしげに音を立てて口付ける。  
「マスタング、どういうつもりだ」  
「よそ見をした犬を躾し直すだけですよ、少将」  
「…あ…っいた、い…っ」  
ロイはオリヴィエを挑発するかのようにそう言いながら、先ほどまでは優しく触れていたリザの胸に、自らの指を痕が残りそうなほど食い込ませた。  
「…貴様は本当に気に食わない奴だ。特にホークアイを自分ものだと勘違いし侍らせているところがな」  
「いあぁっ!」  
ロイ・マスタング大佐とその副官リザ・ホークアイ中尉という、本来のあるべき姿を目の当たりにし苛立っているのか、オリヴィエはまた激しくリザを攻め立てた。  
弱い部分を擦られたのか、ロイの腕の中でリザの身体がびくびくと震える。  
「私の可愛い犬をあまりいじめないでもらいたいですね。それにリザは自らの意志で私の犬になったのですよ」  
「いずれホークアイも目が覚めるだろう。貴様より私の犬になるべきだとな」  
「やれやれ、君は人を惹き付ける犬のようだね」  
「…どちらがホークアイに相応しいか」  
「決めた方が良さそうですね」  
「…た、大佐、少将…何を…」  
リザを挟んで、オリヴィエとロイの間に火花が飛び散っているようだ。  
しかし当のリザは蚊帳の外である。  
リザはオリヴィエに下半身を攻められ、ロイに上半身を弄られ、目尻に涙を浮かべて喘ぐだけだ。  
「結果は分かっているがな」  
「結果は分かりきっていますが」  
戸惑うリザをよそに、オリヴィエとロイは二人仲良く声を重ねた。  
オリヴィエは再びリザを突き上げ始め、ロイは胸に吸い付きながら、溢れる蜜を彼女のもう一つの穴へと塗り始めた。  
「…や、やめてください…っ!」  
その夜、リザは一睡も出来なかったという。  
 
 
 
終  
 

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