邪魔な衣服を取り払い白い体を晒していく過程では大人しいのに、いざ肌に触れる段階になるとリザはささやか抵抗をする。
ただ首筋に唇を寄せて痕をつけるだけでも彼女は逃げるように身をよじり、軽い愛撫にすらぎゅっと目をつむって耐えているのだ。
そして胸に触れようとする時も、彼女は無意識なのかいつも自らを守るように胸の前で腕を軽く交差させ、私の指を拒む。
「少尉、手を」
「…あ…」
なので、いつもリザの二の腕をやんわりと掴みどかせて、手首を控え目にシーツの上に縫い止める形となる。
真っ白で豊かな胸を隠すものは何もなくなり、私の目に晒されていることが心許ないのか、リザは常にない弱々しい声を上げた。
これではまるで行為を無理強いしているようだと思う。
しかし、それは最初だけだ。
可愛らしく恥じ入る様子はまるで男を知らない処女のようだが、肌に優しく触れるだけで敏感に反応する体はリザの意思に反して淫らだ。
時には、彼女は快楽に流されてプライドも何もかもかなぐり捨て、私にもっと触れて欲しい、もっと熱くして欲しいとねだってくることだってあるのだ。
「あ…っ、ん…!」
二人とも軽く汗ばみ始めた頃、初めは声を出すまい必死に唇を噛み締めていたリザだが、その努力も虚しく甘く切なげな声が漏れた。
胸の鮮やかな突起の周りを舌で軽くなぞるだけで、体が震え背中がびくびくとわなないている。
わざと赤い中心には触れずに、真っ白な肉の柔らかさを舌や歯で堪能していると、彼女がもどかしげに体をよじった。
私の大きな手にも余る胸を揉みしだきながらリザの表情を盗み見ると、苦しげに眉を寄せていた。
少尉という地位を持ちながらも快楽に歪む顔の輪郭はふっくらと丸く、まだわずかに幼さを残している。
柔らかな線を描く頬が少女の様に真っ赤に染まっているのを見て、その気はないはずなのだが、妙に加虐心が煽られるのを感じた。
まだ一度も触れていない胸の中心を眺め、ひっそりと笑う。
「あ…っ、え……?」
胸から唇を離し気まぐれに鎖骨辺りにキスを始めると、とうとう彼女が今にも泣き出しそうな声を上げた。
「…や…っ、ちゅう、さぁ…」
涙目で私を見つめ、切羽詰まった声を弱々しく吐き出しながらシーツの上で頼りなく体をよじる。
直接口には出さないものの、触って欲しいとお願いしているのだろう。
リザの表情にはまったく余裕がなく、今も焦らされ続けている苦痛からか唇を噛み締めていた。
シーツの上に横たわりさらなる刺激を欲している女から、司令部で見せる冷静で隙がなく冷たいとも思わせる副官の面影はどこにも見当たらなかった。
こんな痴態は彼女自身も気付いていない、私だけが知っているものだ。
「…触って欲しいの?」
早く彼女の甘ったるい声を聞きたい衝動を抑え込み、じれったく耳に直接問い掛けると、熱い頬がさらに朱に染まった。
目尻に溜まっていた涙がとうとう零れ落ち、耳の中に流れていく。
これ以上いじめるのも酷だ。
まるで林檎のように真っ赤な顔を半分枕に埋めて羞恥に耐えているリザの胸へ、そっと手を伸ばした。
「ふあっ!やあ…っ、あ、ああんっ!」
少々乱暴に胸を揉み上げ、とっくに固くしこった赤い先端を口に含むと彼女の唇から待ち兼ねたように盛大に喘ぎ声が漏れた。
突起を指先で強弱をつけて捏ね回したり、唇で執拗に吸ったりしていくうちに彼女の切なげな声がますます大きくなる。
「中、佐…!や…っ、だめえ…っ!」
駄目と言う割には、自ら背を反らして胸の尖りを私の口に押し付けてくるリザの姿に、人知れず笑う。
待ち焦がれた刺激に彼女の体は間違いなく喜んでいた。
潔癖で清純なイメージを持たれている彼女が、無意識のうちに私に快楽を求めている姿を目の当たりにし、自然と胸を愛撫する手に力が入る。
「んっ、んー…っ!あっ、そこは駄目ぇ…っ!」
胸を弄りながら片方の手を内股に伸ばすと、指先がすでにびしょびしょに濡れた太ももに触れる。
肌を十分すぎるほど濡らした源泉を探し当て軽く指先で撫で上げると、それだけで彼女は大きく喉を反らした。
体をずらし、もうほぐす必要のないほど乱れ濡れそぼった秘部を指で優しく暴いていく。
「んんっ!中佐ぁ…っ!やあっ…んああっ!」
すでに固くなっていた小さな尖りを唇で挟み込み、そして同時にリザの中へ指を差し込むと、両方への刺激に驚いたのか顔を太ももでぎゅっと挟まれた。
白い太ももをぶるぶると震わせ私の頬を圧迫してくる彼女の浅い呼吸が、だんだんと速くなっていく。
「はっ…あ…っ!やあんっ!」
顔をぎゅうぎゅうと挟まれているお返しにと、突起を唇でさらに強く挟み込みながら思いきり舌で突いてやる。
「ひゃ…っ!ふあっ!あ…っ…あっ、やああんっ!」
リザが一層高い声を上げるのを聞きながら、指で中を少々乱暴に掻き回すと、秘部がこれ以上ないほどどっと濡れ返った。
そして、彼女の体が芯でも入れたようにぴんと伸びたかと思うと、次の瞬間だらりと力を無くした。
「…あ…、ちゅ…さ…」
しばらく放心状態で天井をうつろな目で見ていたリザをゆっくりと抱き起こし、胡座をかいた足の上に彼女の体を乗せる。
すでに避妊具を付けた自身の上にぐしょぐしょに濡れたリザの秘部を擦り付けると、私の意図を理解したのか彼女を顔を真っ赤に染めた。
「…や…、中佐…」
「ん?」
これから何をすべきか分かっているくせに、彼女はもどかしげに腰をわずかに揺らすだけで自ら挿れようとしない。
頼りなさげに私の首に腕をぎゅっと回して、助けを求めてきた。
「…あっ!ひゃ…っ!」
リザがじれったく腰を揺らすうちに避妊具はすっかり濡れそぼり、とうとう滑って偶然彼女の敏感な尖りにぶつかった。
突然の出来事に彼女の背がのけ反り、悩ましげな声を上げる。
「あー…っ、あは…っ!」
気持ち良さに腰を動かすのが止められないのか、リザは本来の目的を忘れて張り詰めた自身に彼女の女の尖りを擦り付け始めた。
不器用に腰を揺らし一人で快感に打ち震える彼女の隠れた淫乱さに苦笑しながらも、その姿に思わず魅入る。
しかし、私だってそろそろ気持ち良くなりたい。
「君だけ楽しむなんてずるいな」
「ん…っあ…」
「ここだよ」
仕方なく自ら自身を手で支え、彼女の腰をそこへ導いてやると、いつもの挿れる時の感覚を思い出したのか、秘部がひくりと反応するのが分かった。
「は…っ!んん…!あっ…!」
私の首にしっかりとしがみつき、声を震わせながら彼女がゆっくりと腰を沈めていく。
「…中佐…!やあ…っ…あ、つい…っ!」
時間を掛けてすべてを飲み込んだあと、この体勢が苦しいのか、首をふるふると揺らしながらリザが涙声で叫ぶ。
白い胸が引っ切り無しに浅く上下し、鼓動を速く刻んでいる。
私を離すまいと絡み付いてくる狭い彼女の中もひどく熱い。
男にとっては魅力的すぎる締め付けに思わず声を抑えた。
汗ばんだ彼女の短い髪を落ち着くように優しく撫でてやり、鳶色の瞳を見つめて無言で動くように促した。
彼女は私を見つめ返しながら息を飲み、決心したかのようにゆっくりと瞳を閉じた。
「んあっ!や、だめ…っ、だめぇ…!やあ…っ!」
この態勢だとリザが腰を落とすだけで苦しいくらいの刺激となってしまうのか、彼女の口から出るのは否定の言葉のみだ。
しかし、嫌々と頭を振りながらも、彼女は快楽のその先を求めて拙くではあるが、必死に腰を上下に動かす。
「んあ…あっ、ああっ!」
リザの中の気持ち良い場所に先端がぶつかったらしく、しなやかな体がのけ反り汗が飛び散った。
彼女は腰の動きを変え、不器用ながら彼女の良い場所に私の先端を執拗に擦りつけ始めた。
「…少尉、気持ち良いのか?」
「…は…ああん!うあっ…、ああー…っ!」
すでに会話にならない。
唇の端にだらしなくよだれを付け、さらに下の口でも嫌と言いながらも美味しそうに私をくわえ込む姿に何よりも煽られる。
「…ああっ!はっ、あ、ちゅう、さ…っ!中佐…!」
私はリザにされるがままで何もしていないのに、彼女はすでに限界を迎えようとしていた。
しかし感じすぎて思うように動きが上手くいかないのか、下手くそだった動きがさらに拙くなり、だんだんと上下するペースも遅くなる。
彼女の腰の動きはもうすでに的を得ておらず、めちゃくちゃだった。
「…もお、動けな…っ…中佐ぁ…!」
彼女は甘い声を出して首に回した腕で私を引き寄せ縋り付き、私に動くようにねだってきた。
「ちゅう、さ…っ、お願い…っ!」
あとほんの少し先にある限界へ一人だけでは到達できない辛さのみが今、リザを支配している。
今の彼女は自分がどれほどの痴態を晒し、そしてその普段とは掛け離れ過ぎた姿がどれほど私を煽っているのか気付いていない。
「…淫乱だな」
「…そんなっ、違いま…!」
「だってそうだろう?」
「や…っ!あ…んんっ!ああぁっ!!」
とんと軽く突き上げるだけでリザは叫ぶように鳴いた。
私が腰を押し付けると体に力が入らなくなるのか、私の動きに合わせて彼女はまるで人形のようにかくかくと、なすがままに揺れる。
「んあ…っ!はうっ…やあああっ!!」
濡れそぼった赤い尖りを親指で押し、そしてさらに激しく強く突き上げると、彼女が私をきつく締め付けながら達した。
ひどく強い締め付けに思わず射精しそうになるが、ぐっとこらえてリザの汗にまみれた体に咄嗟にしがみついた。
達したばかりではそれすら刺激になるのか彼女はさらに息を荒くして、私の膝の上で白い体を痙攣しているかのようにびくびくと震えさせた。
限界を迎えた彼女は何とか体を落ち着かせようと私の胸に力無くくたりと身を預け、そして私もそれに応じて背中を撫でてやる。
しかし、彼女には悪いが本番はここからなのだ。
リザ、と耳元で柔らかく名前を紡ぎながら、まだ繋がったままの彼女の体をシーツに優しくゆっくりと押し倒す。
軽く意識を失いかけ状況を全く理解出来ていない彼女が、何事かと目をうっすらと開いた。
そんな彼女を安心させるかのように、まるで幼い子供にするように汗で濡れた前髪を丁寧に梳いてやる。
が、そんな手つきとは反対に、私は唐突に彼女の中に埋めていた自身を再び動かし始めた。
「あああっ!?」
達したばかりの体にはあまりにも強すぎる刺激に、リザが鳶色の目を大きく見開いた。
体を落ち着かせている時に突然激し過ぎる快楽を無理やりに与えられ、彼女にはもう何が起こっているのか分からないに違いない。
「あっ!はっ!や、やめてっ!動かないでえ…っ!!」
悲鳴のような喘ぎ声を引っ切り無しに上げながら、リザは大粒の涙をぼろぼろと零した。
地獄にも思える快感から少しでも逃れたいのか金髪をぶんぶんと振り乱し、それが真っ赤になった顔に張り付いている。
「…中佐…っ!ひど…っ!あっ、やだあっ、も、許してぇ…っ!」
私の胸を押し返しているつもりなのか、リザは胸に力無く両手を添え泣き付いてきた。
一旦彼女を激しく揺さぶっていた動きを止めて、あまりの仕打ちに子供のように泣きじゃくっている彼女に優しく微笑みながら、顔に張り付いた髪の毛を払ってやる。
改めて彼女の体を眺めると、髪は乱れ頬は涙まみれ、私の所有印を残した白い体はすっかり朱に染まり、そして下半身は彼女の意志に関係なく私をくわえ込んでいる。
目眩がしそうなほど素晴らしい彼女の乱れた光景に、ごくりと喉を鳴らす。
リザはようやくこの行為から解放されるとでも思ったのか、髪に触れる私の手を気持ち良さそうに受け入れながら、強張っていた体からぐっと力を抜いた。
しかし、私は笑みを浮かべたままリザの細い両足首を掴んで足を肩に担ぎ、私にとっては心地良く、そしてリザにとっては残酷な行為を再開した。
「んあっ!?」
またの突然の私の突き上げに驚いた膣の中がぎゅっと締まり、彼女の中がさらに居心地の良いものとなる。
絡み付いてくる熱い肉を前にして動かずにはいられず、一段と揺さぶりを激しくした。
「も…っ無理、です…っ!おねが…っ!止めてぇ…っ!」
リザはまた人形のように私の動きに合わせてがくがくと手足を揺さ振られるがままで、唯一の抵抗であった声も熱を帯びてきている。
「んあ…っ!だめえ…っ、駄目…っ!おかしくなっちゃ…ああんっ!」
「でもこういうのが好きなんだろう?」
「違…っ!はあ…っ、あっ!もう…っやだあ…っ!」
「リザ、また濡れてきたよ」
笑いながらそう告げると、膣の締め付けがまたぎゅっと強くなる。
無理やり快楽を与えられ、リザは再び限界を迎えようとしていた。
私もあとわずかしかもたないかもしれない。
「中佐…っ、あんっ!あっ…、へっ、変になっちゃ…う…っ!」
「いいよ、リザ…私ももう…」
「あっ、あんっ!中佐…っ!ちゅう、さあ…っ!」
まるで狂ったかのように私の名を呼び続け、力の入らないはずの腕を弱々しく首に回しリザは助けを求めてきた。
私に動きを止めて欲しいという考えはなくなり、彼女はこの暴力的とも言える快感の終焉を私に託したようだ。
「ちゅさ…あっ!中佐ぁ…っ!」
リザの声がまた切羽詰まったものに変わり、そして私に至っては彼女の呼び掛けに答える余裕がない。
声で応じる代わりに彼女の足を肩に担いだまま体を隙間なく密着させ、壊れるのではないかと思うほど強く抱き締めると、また彼女の中が私を締め付けた。
「…リ、ザ…っ!」
「中佐ぁっ!ちゅっ…はうっ、あっ!ああんっ!」
「…っ…」
「ふあっ!ん、ああー…っ!」
何度も中佐と呼ぶリザの甘い声と締め付けに耐え切れずついに欲を放つと、その熱さに彼女の体がびくびくと震えた。
互いの体を強く抱き締め合い、肌に縋ることで激しい快楽をどうにかやり過ごす。
「あ…ちゅ、さ…」
私にきつく抱き締められながら、リザは恍惚とした表情でまた私の名を紡ぐ。
まだ息の荒い彼女の背中を宥めるように優しく撫でてやりながら、私も体を落ち着かせようと淫らな彼女の白い肌に顔を埋めた。