北方司令部の奥の奥。機械室の薄暗い部屋に蠢く影が2つ。
「や…マイルズ…やめろ」
男は嫌ですよと言うと、しばらく触らせてくれなかったのだからと不満げにする。それを聞くと女は馬鹿らしいと憤慨して手を振り払う。手は相手の顔に当たりメガネが床に落ちる。赤い目が直接彼女を見つめる。
彼女の手を後ろ手に固定するともう片方の手をズボンの中に入れた。
「……まだ勤務時間だ…」
「なら夜にゆっくり暖めて下さいますか?」
ならば離すと言いたげにするが相手は首を縦に振らなかった。勤務時間中に隙を取られこの部屋に連れ込まれて無理矢理犯せれそうになっていることがまず不機嫌の原因だ。
指は彼女の中に侵入していく。最近女になったばかりの中はきつく指を締め上げる。濡れて滑りも良くなったお陰で動かすのに苦労しない。
「……いい締まりですね…」
そこまで言いかけた所で廊下から声が聞こえた。司令官を探す部下の声だった。
彼女は彼を押して脱出をする。中途半端な状態で抜かれてしまい下半身が疼く。しかしこんな所を見られる訳には行かなかった。
「…マイルズ…。お前は五分後にここを出ろ」
「イエス、マム」
部下が司令官を探していた理由。中央より国家錬金術師が来訪したというのだ。
国家錬金術師は先に応接室に通しているという。彼女はまだ熱い身体を冬の寒さで冷やすと客人の待つ部屋に向かった。
「お待たせしてすみません」
「いえ、はじめましてですね。アームストロング少将」
彼は帽子を取ると人当たりのいい笑顔を浮かべた。
「ところでこのような北の地に何の御用で?」
聞けば傷の男という指名手配犯を追っているらしい。個人的には彼女は自分の城に他人を入れて仕事を引っ掻き回されるのは好みではない。しかし中央から命令をうけて来たと言うのであれば従うしかない。
「わかりました。出来る限りの協力はいたします」
「さすが少将。お話が早くて助かります」
にこりとすると話は決着した。外を眺めると数メートル先も見えないほどの吹雪だ。
「こんなブリザードが毎日では寒いでしょう」
何の話だと眉を潜める。世間話なら他の人として欲しい。只でさえ盛りのついた部下に襲われて今日は仕事が捗っていない。
「いえ、部屋は暖房がついているので暖かいですよ。きちんと暖かい部屋を用意させますのでご心配なく」
「……でも身体の芯から暖まりたいですね」
手が伸びてきて彼女の手を握る。そして手の甲を撫でる。彼女はあからさまに嫌な顔を向けた。相手は国家錬金術師故に簡単に剣を抜くわけにもいかなかった。
「そのような顔をなさらなくても」
キンブリーは吐息を感じられる場所まで近づくとそう言った。離れようとするが敵わない。胸の上を指が滑り軍服のボタンが外される。
「すまないが私も忙しいのでこれで失礼す…」
言いかけた言葉は途中で遮られた。ソファーに押し倒されたかと思うと錬金術で手を頭の上で固定される。口は相手の手で塞がれ、もう片方の手は露になった胸を撫でる。
「いい身体をしていますね。誰かに触ってもらっているんですか?」
胸の紅い跡を撫でる。以前部下と行為に及んだ際に付けられたものだ。
「こちらはどうですか?」
ズボンを脱がせて脚を広げさせる。嫌だと助けを呼びたいが口を塞がれているため不可能だ。暴れても拘束された手首に傷を増やすだけである。
下の口を開かれると先程中途半端に愛撫された場所がまた熱をおび始めまた濡れていく。
「おや…まだ触れていないのにずいぶんサービス精神旺盛な身体なんでしょうね」
彼は目を細め濡れてきた場所を眺める。じっくり眺めているとさほど使い込まれてはいないものの最近愛撫された形跡を見つけた。
「最近はどなたを受け入れたんですか?……もしやあのイシュバール人ですか?」
ようやく口から手を離されるも顔を背ける。その様子に確信を持ったのか胸を触っていた手を止めて彼女を眺めた。
「……犯されているというならば私が助けて差し上げますよ。上官を犯すなど反逆ですからね。すぐ中央に連れていかれて裁かれますよ」
「…黙れ」
彼女は下から睨み付けるような目で唸る。
「…犯されていないというならば問題だ。貴女がイシュバールの汚れた血と交わっていたなど……優秀なアームストロング家の名折れですよ」
「…黙れと言っているだろ」
反抗する口を乱暴に塞がれる。
「……ずいぶん強気ですが今の状況わかっていますか?」
キンブリーは開かれた足の間の蜜壺に指を予告も無しに三本入れた。
いきなりの刺激に抵抗するもその手は空を切るだけ。指を入れられてもいつもは一本ずつ慣らされてからであっていきなり複数などは初経験だ。目からは涙が溢れる。
「想像以上の名器ですね…」
突然ドアがノックされた。キンブリーは舌打ちをする。続いて入ってきたのはマイルズだ。
「紅茶をお持ちしま……。……貴様少将に何をしている!」
彼は指を抜くとついた液体を舐めとる。口を塞いでいた手を退けて手の拘束も解放した。
「何とは不思議な質問ですね。貴方がいつも上官としていることですよ」
「何を世迷い事を。上官殺しだけでは飽きたらないのか」
キンブリーは不毛だという顔をすると立ち上がる。その顔は譲ってあげますよと言いたげだ。
「落ち着いてください。私は人のものを取るような事はしません。好きなだけ交わってください」
それだけを言うと持ってこられた紅茶を一気に飲み干して部屋を後にする。
「……少将。ご無事ですか?」
うつむいたまま動かない上官を抱き上げる。しかし返事は返ってこない。頬を涙が伝うだけ。
「少しお休みになられた方が宜しいかと」
「……すまない」
「?何がでしょうか」
「私が至らぬせいでお前まで悪く言われてしまった」
くすりと笑って大丈夫ですと安心させる。汚れた下半身をティッシュで拭く。しかし二度も途中で止められた身体は続きを待っていた。中からは絶え間なく愛液が流れて男を誘った。
「少将のご希望は?」
「……遊ばれたくはない」
「私は一度たりとも少将を弄んだつもりはないですよ」
「なら何故いつも無理矢理触ってくるんだ」
まだ顔を上げずに言う。乱れた髪は表情を隠している。
「少将が素直に私を受け入れてくれないからですよ。……愛しているよ、オリヴィエ」
名前を呼ばれたことにより理性が吹っ飛んだ。もしかしたら理性を飛ばすタイミングが欲しかったのかもしれない。
中は既に彼の物で埋まっていた。愛液を流しながら彼を受け入れる。彼は背に手を回すと抱き上げて身体を起こした。彼女は自分の体重により更に深くまで刺さる刺激に悶えた。そこにリズムよく下から刺激が加えられた。しかしそれが途切れた。
「……マイルズ?」
「自分で好きなように動いてみてください」
始めは理解出来なかったらしくポカンとしていたがわかってくると次第に顔を赤めらせた。
「欲しくないなら構いませんよ?」
「……卑怯な…」
人の足元を見てと憎らしげに見つめる。目をそらすとゆっくり動き始める。最初はぎこちない動きであったが次第に気持ちいい場所が解ってきたのか動きが大きくなる。腰だけではなく体も揺れた。長い髪が彼女を支える手に絡む。豊満な胸が二人の間で揺れる。
「マイルズ…っ」
「こんなに乱れたオリヴィエを見れるなんて幸せだ」
動きに合わせて下からの突きも再開された。卑猥な音と快感に酔いしれる声が大きくなる。
そして中を最大限に締め付けて彼女は達し、彼は中に精を放った。
彼女はシャワーで汗を流しながら文句を言っていた。
「…ったくまた中に出しやがって…」
しかも動きが激しく血が出ていた。
「……少将。シャワーまだですか?」
「うるさい。黙って待っていろ」
ドア越しに怒鳴り付ける。まだ髪も洗っていない。勤務中に風呂上がりの匂いをさせるのもどうかと思ったがそのまま仕事をする気にもなれなかった。
「少将。また抱いてもいいですか?」
突然の難問だった。蹴りの一発でも入れたかったがまだ裸であるしまた発情されても困る。
「……乱暴にしなければ…」
彼女はぽつりと呟いた。
「?よく聞こえませんでしたが?」
「……何も言っていない!」
そのまま真っ赤になって長風呂を楽しんだという。
終わり