「まだ女も知らんのか」  
心底呆れた姉の口調にむっとしたが、事実なので言い返せない。  
腰を下ろしているベッドのシーツを意味もなく撫ぜ、目の前のスツールに座る彼女から  
目をそらした。  
確かに20を過ぎているのに女を抱いたことがないというのは、普通より遅いのかもしれない。  
だがしかし。  
「この人だ、という女性にまだ巡り会えていませんゆえ」  
「阿呆。男の身体は穴さえあればどんな女にでも反応するように作られているんだ。  
出来るときにヤっておけ」  
ストレートな物言いに恥ずかしくて彼女から顔ごとそらす。  
まったく、なぜこんな話題になってしまったのか。  
27歳という若さで中佐にまで上り詰めた長姉が家に帰ってくるのは珍しい。  
親達に顔を見せに来たのかと思っていたのだが、スーツにカバンを持った  
帰ってきた時の格好そのままでこの部屋のドアを蹴破った彼女は、私に説教をする  
つもりで帰ってきたようだった。どうやら先日担当した立てこもり事件で、人質の命を  
無視した作戦に反対して上官に楯突いたのを、どこかから聞いてきたらしい。  
説教から愚痴に。それから話はころころ変わり、今はなぜか女の話になっている。  
こんな事なら説教されているほうがどんなにマシか。  
「一度女を買ってみろ。メインストリートを外れたところにゴロゴロいる」  
「いいえ、私は愛する人としかしません」  
はぁあと大きなため息をついて、姉は足を組んだ。タイトスカートがたくし上がり  
ガーターベルトがちらっと見え、思わず眉間にしわを寄せる。肌蹴たシャツから覗いている  
胸元といい、はしたないにも程がある。軍に入る前の彼女は、決しておしとやかとは  
言えなかったが、それでも品があり清楚だった。その美貌は我が姉ながら、女盛りを迎え  
ますます磨きがかかった事は認めるが、このだらしのない服装はやめて欲しい。  
黙って考え込むこちらを彼女はしばらく見つめていたが、ふうんと溜息にも似た声を漏らしてから、  
おもむろに立ち上がった。  
「こういうのは好きなんだな」  
言うと同時に、何を思ったのか、彼女はスカートを腰までたくし上げる。  
何が起きたのかわからず、数秒間もの間繊細なレースをあしらった白い下着とお揃いの  
ガーターベルトを見つめ―――悲鳴を上げながら顔を手で覆った。  
「姉上っ!!なっなっなにを、何をなさって……!!」  
「あんまり私の腿を見つめていたから、見たかったのかと思ってな」  
「見つめてなど……!」  
「ソッチの気があるとか不能なのかとか色々心配したが、どうやら杞憂だったようだ」  
信じられないほど近くで彼女の声がし、真っ赤に染まっているであろう顔を慌てて上げた。  
しかし目の前にあったのは姉の顔ではなく、先ほどまで白いシャツに覆われていたはずだった、  
大きな胸だった。  
再び悲鳴を上げる前に、股間を弄る手の感触に身体を強ばらせる。  
 
「少し硬くなっているぞ?こういう下着は好きか?」  
「お、やめ下さい……何ということを…!」  
彼女の腕を掴むが、さすが怪力一家の長女。ズボンの上からその形をなぞるように  
快楽を与えられていることもあり、力が抜けてその手を止めることが出来なかった。  
ひくひくと腰が揺れる。  
「姉上…!戯れがすぎます!」  
口では抵抗してみるが、初めて体験する快感に、驚くくらい簡単に飲み込まれていくのがわかった。  
いつの間にかズボンと下着の中に入り込んでいた指が、あっという間に弱い箇所を探し当て  
激しく責め立てる。  
「う、あ、あ!」  
「どうだ?いいだろう?」  
「あ、姉上!もうお止めくださ…!」  
「どの口がそんなことを言う。こんなにヌルヌルだぞ?」  
先端から溢れ出る半透明の液体から思わず目を逸らす。その目に、鞄の中からコンドームを取り出した  
彼女の手がうつり、全身の血が落ちた。  
「それにしても、でかいな。……無理か?」  
片手と口で器用に袋を開けて、先端にあててみた彼女だったが、自分でも見たことがないくらいの  
大きさになっていたそれには小さすぎたようだった。  
「……無理だな。期待させて悪かった。手で我慢しろ」  
落胆した自分に愕然とする。頭の中で姉の乱れ喘ぐ姿を無意識に想像して興奮していた自分にも。  
激しく動き出した小さな手のひらに、また声が止まらなくなる。弱く強くゆっくり激しく、  
いつの間にか腰を突き出してその快感を貪り食っていた己に対する羞恥心はだんだん薄らいでいき、  
どこかに行ってしまった。もっと快感が欲しいと、まるで猿のようだ。  
もう彼女が自分の姉だなんて信じられなかった。彼女が愛しい。  
「イク時は言えよ。顔にでも出されたらかなわん」  
不敵に笑った彼女の顔が少し赤い。吐き出された吐息も熱くて荒い。  
興奮しているんだ。この美しい人は、自分の痴態を見て興奮している。  
頭の中が真っ白になった。  
彼女の腕を強く引く。不意だったので彼女の身体は小さな悲鳴とともに簡単にベッドに倒れ込んだ。  
片足を肩に担ぎ上げ上にのしかかる。これ以上ないくらい膨張したものをショーツの上から  
彼女に押しつけると、一瞬その身体が強ばったが直ぐに鋭い目がこちらをねめつけた。  
「わかっているのか?アレックス。子供ができるぞ」  
「わかっています」  
ベッドヘッドに手を伸ばす。引き出しを開き、中からやっと日の目を見ることができた避妊具を  
取り出した。  
先ほどのより一回り大きなコンドームに、彼女は口元を歪ませた。  
「童貞が。準備だけは一端だな」  
彼女が袋を取り上げる。ゴムの臭いが鼻をつき、ゆっくりとコンドームを被せていく彼女の顔が、  
徐々に徐々に険しくなっていった。  
「……挿れられないかもしれんぞ、これ」  
「今更」  
再び彼女をベッドへ横たえる。下着を脱がそうとしてみたが、ガーターをどうやって外せばいいのか  
わからず、結局横へとずらした。  
ぬちゃりと音がして、彼女は顔を背ける。そっと肉を割り指を這わすと、ねっとりとした液体が  
指に纏わりついた。  
「これは……もう十分濡れているのですか?」  
「……っ!うるさい!さっさとせんか!」  
もう挿れてもいいのかの確認をとっただけなのに、彼女は羞恥心を煽られたらしい。  
染まった顔に睨まれて、溜まらず先端を裂け目に押し付けた。  
彼女の体が強ばる。端から忍び寄ってくる焦れったいものに急かされて細い腰を掴むと、  
慌てた腕に止められた。  
「待て、ゆっくりしろよ!私は本当に小さいんだ。普通サイズの男でもキツイのに、そんな大きなもの」  
彼女の言葉を最後まで聞いて、返事をするつもりだった。なのに腰が勝手に動き、弱々しい抵抗を  
遮ってしまう。卑猥な音とともに、彼女が呻く。  
「アレックス……!」  
 
美しい顔が痛みで歪んだ。こちらだって快楽よりも痛みの方が多いのに、それでももっともっと  
奥にと焦るのは男の性か。  
熱い肉の壁を押し広げる度に悲鳴が漏れた。男にだって大小の違いがあるから女にだって大小が  
あるのは当然で、どうやら彼女は本当に小さい部類にはいるらしい。相性は最悪だった。  
「伸びないのですか?」  
「そんな簡単に伸びるかこの馬鹿!阿呆!ク」  
汚い罵声を遮るように腰を勢いよく打ちつける。  
「ひ……ぁ!!」  
小さな身体が弓なりに反った。快感にではない。苦痛に。  
青ざめた額を撫ぜ、もう一度打ちつける。今度は悲鳴すら上げることができなかった身体を抱きしめ  
「これが一番奥ですか?」と尋ねたが、やわらかな唇から漏れたのは深い息だけだった。  
「痛みますか?」  
「……破れそう」  
食いしばった歯の隙間から絞り出された声に、想像力を膨らませてしまって背筋を冷たいものが走った。  
かぶりをふって荒い呼吸が落ち着くまで髪を梳いてやる。うずく下半身を我慢して少しの間じっとして  
いると、彼女の手が胸を押した。自分と同じ色の青い瞳とぶつかった。  
「脱童貞おめでとう、アレックス」  
「……ありがとうございます」  
「ということで抜け。終わりだ」  
思わずわかりましたと言いそうになったが、まさか、そこまで知識に乏しくない。  
「終わりじゃないでしょう」  
「……終わりじゃないが、終われ。痛いんだ」  
「ひどいですよ。誘ったのは姉上なのに」  
「こんなに痛いとは思わなかったんだ。……アレックス、本当に」  
彼女の言葉を無視してブラジャーをたくし上げる。  
「こんなに痛いとは思わなかったって……生娘みたいなことを言いますね」  
「阿呆、調子に乗るなよ」  
胸を叩かれ一度彼女から手を離す。肘を立て後ずさろうとした身体を慌てて掴んだ。  
白い肌に浮かぶ桃色の頂を摘むと、小さな身体が跳ねた。手のひらからこぼれるほどのやわらかな  
肉の塊を堪能する。彼女は熱い吐息を吐き出してシーツに沈んだ。  
肩や腰回りはこんなに引き締まっているのに、なぜここだけこんなに柔らかいのだろう。  
目を閉じた彼女の首筋に顔を埋め、乳房をもてあそぶ。硬くて熱い頂をきつく摘むと、  
艶やかな声が上がりもう我慢できなくなった。  
腰を引いて、叩きつける。鋭い悲鳴にまた乱暴にしてしまったと後悔したのは一瞬だけで、  
すぐにその痛いのか気持ちいいのか分からない感覚に夢中になった。  
「あ、あっ!嫌だ!」  
ぐちゅぐちゅと粘膜の擦れる音。十分に濡れているはずなので、膣内を傷つけてはいないはずだ。  
それでも痛みは相当なものらしく、いまだに苦痛しか浮かべず嗚咽すら漏らし始めた彼女が可哀想で  
可哀想で仕方がなかったが、情けないことに快楽が勝った。  
限界が近づく。腰がもう制御不能になった。  
何度も彼女に謝りながら、さらに奥まで犯しきる。  
「ア、レックス、もう……」  
許して。彼女の唇が許しを請うかすれた息を吐き出した瞬間、体中の血が沸点に到達した。  
彼女の奥の奥に、背徳をぶちまけた。  
 
 
 

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