彼女の抵抗する様は、きっと見物だと思っていた。  
金の髪を振り乱し、思い付く限りの罵詈雑言を浴びせかけ、いつも腰に下げているサーベルをも振り回  
す勢いで、力の限り抵抗してくれると思っていた。  
暴れる身体を無理矢理押さえ付け、金の髪を掴んで引き寄せ、どんな言葉でその高貴なプライドをどん  
底まで突き落としてやろうか、楽しみで楽しみで堪らなかった。  
 
それなのに。  
 
軍人だとは思えない程やわらかな身体を白いシーツに横たわらせた女王は、律動に微かに呻き声を上げ  
身体を上気させる以外、反応らしい反応は返してこなかった。  
抵抗しないくせに受け入れもしない身体。さっさと終わらせろ、とでも言いたげにこちらを見上げてく  
る瞳が、何とも憎たらしい。  
さてどうしたものか。  
「少将」  
「…何だ。まだ終わらないのか」  
「もう少しですね」  
「早いのも興ざめだが、遅過ぎるのも鬱陶しいぞ」  
「それはそれは、申し訳ない」  
勢いをつけ突き上げると、悲鳴と共に顎が仰け反る。  
「もっと、その美しい声を聞いていたいものですから」  
髪を一束取り唇を落とすと、初めてその目に憎悪という感情が宿った。しかしそれも一瞬で、すぐまぶ  
たに覆いつくされてしまう。つまらないとため息をつき、前後運動を再開した。  
「そういえば、午後のスカー捜索には何人ほど割いて頂けるのですか?」  
熱に犯された頬を撫でる。拒否の言葉を呟いて頭を振るオリヴィエの髪を、少し乱暴に掴む。  
「はな、せ」  
「何人だと聞いているんです」  
綺麗な顔が屈辱に歪む。その調子だ。  
「…6小隊、60人ほどいれば十分だろう。それ以上は割けん。マイルズもやろう」  
振り払おうとする手を押さえ付ける。口角が吊り上るのを、必死に我慢した。  
――やっと見つけた。屹然とそびえ立つ北壁に、付け入ることの出来る小さな隙。  
「マイルズ少佐……確かに有能な方ですね。さすが貴女が側に置くだけの事はある」  
押さえ付けた手に力を込めると、白い腕にはすぐに赤い痕が残った。胸にも同じように赤い口付けの痕  
を残し、目を見開くオリヴィエを楽しそうに見下ろす。  
「見ましたよ、彼の赤い瞳。……殺意を誘う良い色だ」  
「あいつに手を出したら許さんぞ!」  
噛み付かれるかと思った。予想もしていなかったものすごい力で腕を押し退けられ、ボタンを数個外し  
ただけのシャツを掴まれる。  
「お前の獲物はスカーだけだろう!マイルズは関係ない!」  
一息に叫んでから、オリヴィエの顔が強張る。自ら墓穴を掘ってしまったことは、火照った頭でも分か  
ったらしい。  
「…可愛い部下の中でも、彼は特別ですか?」  
 
胸倉を掴む手をそっと剥し、繋がったままの身体をベッドに押し付ける。されるがままに力を抜いたオ  
リヴィエは、さも忌々しそうに呟いた。  
「…そうだ。あんな優秀な副官、そうそういない」  
「それだけ?」  
「何が言いたい」  
鋭い眼光の奥には、女王陛下らしからぬ動揺の色。  
「それに、あれにはアメストリスの血も他民族の血も混ざっている。イシュヴァール人ではない」  
「血など関係ありませんよ。私は目に映るものしか信じない。褐色の肌に赤い瞳、彼はイシュヴァール  
人だ」  
怒りに震える唇をなぞり、彼女をここまで追い詰めたのが自分だという事に、全身で興奮する。そう、  
その調子だ。その顔が見たかったんだ。  
「それとも血の色でも見れば、彼が何者なのかわかるのですか?でしたら是非とも見てみたい。彼の赤  
い血飛沫を」  
「マイルズには手を出すなと言っているだろう…!」  
「さあ、あなた次第ですね」  
絞り出すような声をさらりと受け流し、押しつけていたオリヴィエの上半身を抱き起こす。最奥に異物  
が突き刺さり歪んだ顔を満足気に見下ろして、今度は自分が横になった。  
「な、に」  
「動けますか?」  
太股を掴み、下から腰を打ち付ける。天井に向かって高い悲鳴を上げたオリヴィエは、ぐったりと胸に  
倒れ込んできた。肩を支え、顔を覗く。  
「駄目ですよ。自分で腰を振ってごらんなさい」  
もうこちらを睨む気力も無くなってしまったのか、それとも誰かのためにこちらに従順になる気になっ  
たのか。ゆっくりと怠慢な動作で身体を起き上がらせたオリヴィエは、唇を噛み締めてから腰を上下に  
動かし始めた。  
「あ、あ…」  
荒い息が漏れる。拙い腰の動きが生み出すじれったい快感に初めは興奮していたものの、だんだん物足  
りなくなってくる。彼女の腰を掴み欲望のおもむくまま下から突き上げた。  
「いっ…た……!」  
「もっと早く動きなさい」  
上から押さえつけ下から突き上げ、小さな身体の小さな空間の最も奥へ。苦痛に喘ぐオリヴィエが胸に  
爪を立てたのは全く気にならず、ただ孤高の女王が奈落に落ちていく姿だけを目を見開いて見つめてい  
た。  
「もっと、もっと早く。もっと私を悦ばせてみなさい」  
上下に揺れるやわらかい胸に指をうずめる。屈辱と快楽が混じった涙がオリヴィエの頬を滑り落ち、狂  
喜の絶頂を味わった。  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
おわり  
 

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