まだ年端のいかない少女だというのに、大人顔負けの豊満な胸となまめかしい腰の線はため息が出るほど素晴らしい。
女性らしい体つきをしていながら頬に丸みのある顔は歳相応に幼くて、そのギャップがまたたまらなくいい。
まだしこりのある胸に手を這わせ、頂をきゅっと摘むとリザは小さく声を出して細い肩を震わせた。
後ろから胸に手を回し抱き抱えているため顔を見ることはできないが、きっといつものように目をつむって唇を噛み耐えているのだろう。
――おもしろくないな。何を耐える必要がある?
まるで行為から逃げるような、そして与えられる快感を受け入れまいとするようなリザの態度は前々から気に入らなかった。
「リザ」
シーツを強く握っているリザの両手を無理矢理開かせて、それから手首を掴み胸の前に持っていく。
「マスタングさん…?」
「自分でやって」
「え…?」
何を、とリザが振り向こうとしたところで、彼女の手に自分の手を添えて先端を掴ませる。
「あ…っ!」
「ほら、自分でやってごらん」
「や、だ…っやめてくださ…!」
いやだいやだと首を振るが、先端は固さをいっそう増し、否定の言葉と共にはかれる吐息は熱っぽい。
素直じゃない女は嫌いだ。
お仕置きとばかりに、目の前にある汗ばんだ真っ白なうなじにがぶりと噛み付く。
「やっ!いた、い…っ!」
「気持ちいいんだろ?」
「…え…?」
リザの指先で赤く尖った周りを円を描くように動かすと、彼女の背中がふるりと震えた。
「んっ」
「自分の手に感じるなんて、リザはいやらしいね」
「違…っふぁッ」
耳元で低く囁いて、そのまま耳たぶに舌を這わせる。
肩も手もかわいそうなくらい羞恥に小刻みに震え、本来白いはずの頬は真っ赤に染まっている。
その様子に満足しながら、今度はリザの右手をとって金の柔らかな茂みに絡ませた。
これから何をされるのか分かったのかリザは咄嗟に手を引っ込めようとしたが、そうはさせず茂みの中の蕾に指先を掠めさせた。
「んああっ!」
「気持ちいい?」
「やあ…っん、んッ」
「ああすごく濡れてるね、リザ」
必死に逃げようとするリザの手をわずかな力で押さえ付けて、今度は自分の愛液でぬめる指先を膣内へ突っ込ませた。
リザが息を飲んだのが後ろからでも易々と分かる。
「どうした?早く動かしてごらん」
「いや…!もうや…っ!」
「気持ちいいくせに」
「はっ、あぁッ!」
仕方ないなと、動きをみせない震える手をとって抜き差ししてやれば、リザは少女らしからぬ声で高く鳴く。
最近男を知ったばかりのそこは、リザの細い指でさえきゅうきゅうときつく締め付けているに違いない。
「ふ…ッうう…っ」
とうとう耐え切れなくなったのか、顔をうなだれてリザは泣き始めた。
添えている手の上にぱたぱたと熱い涙が落ちてくる。
唇を噛む暇もなく震えた声が漏れ、リザは手を掴まれているため涙を拭うこともできない。
「……リザ」
膣からそっと手を抜いてやり、それから肩を掴んで小さな体をベッドに引き倒した。
古びたベッドはそのわずかな動きにもみしりと不快な音をたてる。
泣かないで、と優しく言葉をかける気にはならなかった。
代わりに頬を伝う涙を舌でなぞって拭ってやる。
「…マスタングさん」
顔をあげると、この期に及んでなおリザは何も知らないといったような子供特有の純粋な瞳で見つめてきた。
どうして今までなにもされていなかったかのような、そんな顔ができるのだろう。
その茶色い二つの目は、まだしつこく兄のように慕っていた優しい「マスタングさん」を映している。
そんな馬鹿みたいに真っすぐな少女が愛おしくて可愛くて大事にしたくて、それから泣かせて叫ばせて打ちのめしてやりたいと思ってしまう。
抑えの効かない、自分ですら訳の分からないこの感情に今は従うほかなかった。
先程まで膣内に入っていたリザの指先を手にとってぬめる液を舌で舐めとりながら、自分の下で体をよじる彼女をじっと見つめる。
リザのすがるような目は逆効果だった。ますます加虐心を煽るだけ。
「…マスタングさん…」
「なに?リザ」
そう優しくゆっくり言葉を紡ぐと、強張っていた顔が嘘みたいに崩れて、リザはほっと安心したよう口元を綻ばせた。
体も緊張がとけたのか、くしゃくしゃになったシーツにずっしりと沈んでいく。
しかしそれもつかの間、熱い塊を茂みの奥に押し付けるとリザは再びびくりと体をかたくした。
元から大きな茶色い目がさらに大きく見開かれる。
「ま…っ!」
おそらく「待って」と言いたかったのであろうリザの言葉を遮って、一気に挿入する。
「あああぁッ!」
快感よりも苦しさや痛さの方が大きいに違いない。
リザの瞳からはまた涙がぽろぽろと溢れ、美しい顔は苦しそうに歪む。
その様子を見下ろしながら容赦なく腰を動かして、激しくリザを追い詰めていく。
「んあっあぁ…っも、やだ…ッ!」
「リザ、リザ…」
リザを乱暴に扱うことに反省や後悔はなく、むしろ満足感が沸き上がっている自分が信じられない。
許してと懇願するリザにこれ以上ないほど優しく微笑んでみせてからより一層深く腰を打ち付け、少女の願いを残酷に裏切る。
「リザ、好きだよ、大好きだ…」
「はうっ…あっ、んあっ」
囁いた愛の言葉に嘘はない。
リザのますます高くなった涙まじりの喘ぎ声に聞き惚れながら、熱いものを解き放つためにより一層繋がりを深めた。